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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:DELAMORTE DELAMORE1a6ca1bb.jpeg9c81896e.jpeg
監督:ミケーレ・ソアビ


ミケーレ・ソアビの最後の作品。
え~と、まず邦題を付けた奴に、人生最大級の不幸が訪れ生き地獄へ落ちますように(星に願いをミ☆キラッ)。
さて、呪詛も済んだところで、本作を最後に諸事情から引退の道を選んでしまったミケーレ・ソアビ。
師のダリオ・アルジェントより才能があるにも関わらず、妙な映画ばかり押し付けられた不遇の人、という印象です。余りにも妙な仕事ばかりさせられたので癖が付いたのか、本作も残念な点が多々ありますが、作品として観るとこれが良いのです。

物語は・・・
死者の甦るブファロア墓地の管理人フランチェスコ・デルモルテ(死の聖フランチェスコ)は、デブで少し頭は弱いが愛嬌のある相棒のナギと共に、今日もゾンビを射殺して葬る仕事に追われている。無気力に淡々と仕事をこなす日々に、美しい未亡人が現れ、フランチェスコは恋に落ちる。背徳的なSEXを亡夫の墓前で行ったためか、ゾンビとして甦った夫に未亡人は殺されてしまい、フランチェスコも女に噛まれる。
ナギは恋した少女(バレンティーナ、町長の娘)に、自分が口が聞けないためゲロを吐きかけて愛情表現をする。しかし、バイクとボーイスカウトのバスと事故になり、首が切断されて死んだ少女は、生首のゾンビとなりナギと結婚の真似事をします。
フランチェスコは、現実と虚構の狭間で、幾度も同じ顔をした女(未亡人役のアンナ・ファルチの3役)と出会い、その度に恋をしたり、男性器を切断しようと思うほど愛したり、彼女が娼婦と知って殺してしまったりする。

電話帳の死者を線引きしたり、誰かと電話で会話をするシーンは不可解で、ナギがその電話帳を燃やしてしまい舞い上がる灰の中から悪魔が出てくるシーンは最高に美しい。その悪魔に死者を殺すな、生き返って欲しくなければ生きる者を殺せ、と言われ町に出て銃を乱射して殺人を犯すのだが、誰もフランチェスコの行動を疑わないし、また彼を止めようとはしない。
全てを投げ出し、ナギと共に町を出るフランチェスコだったが・・・

作品全体のカラーは美しさがあり、セットのチープさを相殺して余りある。単にゾンビが見たいだけの人にもSFXは合格点だ。
理解できないから駄作というのは、まるっきり子供の表現にすぎず、この不可解さと不安定さが作品のテーマなのだから仕方が無い。
生と死の曖昧さ、退廃と刺激、役割を演じさせられているだけの人生、何者もこの世界から逃げ出すことはできず、全ての不条理を受け入れ、いつ終るとも知れない世界で生きなければならない虚無感・・・。

と、語ってみたが、映画作品としては質の悪いシーンもあり、完全に人を選ぶ作風で一般受けは絶対にしない。
同監督の「アクエリアス(邦題)」は、純然たるスラッシャーであり、演劇の舞台と殺人鬼を融合させた見事な美を完成させている。
難しいところだが、師匠が悪かったのか、本人に独立心が無かったのか、まだ伸びしろが充分にある才能だけに引退が惜しい。



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