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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:THE MESSENGERS9f3bc8cc.jpeg
監督:オキサイド&ダニー・パン
制作:サム・ライミ






オキサイド&ダニーのパン双子監督のハリウッド進出第一作目。
制作にサム・ライミ、主演に「パニックルーム」のクリステン・スチュワートを迎え、得意のオカルトホラーでハリウッドに挑む。

物語は・・・
モノクローム映像で、雰囲気たっぷりの一軒家が舞台。深夜・・・謎の影に追われる母と息子。母親は壁に叩きつけられ、姉のリンジーは階段の手摺から落下しながらも、弟を逃がそうとするが、無残に爪痕を残し地下室に引きずり込まれる。台所の戸棚に隠れた息子のマイケルは、おもちゃのトラックを握りしめて恐怖に耐えるが、ついに掴まってしまう・・・。

農地に建つ古ぼけた一軒家・・・ノースダコタの田舎に越してきたのは、ひまわり栽培を計画している主人のロイ、妻のデニース、都会が恋しい娘のジェス(
クリステン・スチュワート)、幼い弟のベン。
ジェスは、本能的にこの古い家に嫌な気配を感じていたが、全てを投げ打って農園に掛ける両親の手前、ハッキリと不安を告げられずにいた。
そこに銀行家のプライスが訪れ、この農園を1割5分増しで買うと言う人間が現れたと告げる。父と同じひまわり農家として成功したいロイは、この申し出を断る。                   1_3.mp4_000959833.jpg1_3.mp4_000995333.jpg

しかし、家族が越してきてから、家の中には怪奇な現象が起こり、弟のベンは両親には見えない何かを見つめ、夜にベッドを降りて遊んでいた。妻のデニースも、消しても現れる壁のシミに漠然と不安を感じていた。

父親と町に出たジェスは、同年代のボビーと出会うが、都会育ちのジェスは今ひとつ馴染めない。車絡みの事故が原因で、母親のデニースとジェスの間には溝が出来ていたが、父親の助言でジェスは歩み寄る態度を見せる。

大切なひまわりの種をカラスに襲われたロイは、怒りに任せて石で追い払うが、手に傷を負ってしまう。地下室に荷物を運び込んだジェスも、そこでカラスと遭遇する。
その時、銃の音が響き、ジョン・バウエルと名乗る男が、カラスを追い払いロイを救う。仕事探しをしているというジョンに、寝床の納屋と食事を提供し、収穫後に報酬を払う契約で雇うことにする。

ジョンの協力でひまわりは育つが、ロイは作業中に怪我をし、ジェスはベンと留守番をする事になった。2_3.mp4_000429233.jpg
夕食の支度に掛かったジェスは、2階を誰かが走り回り、階段の手摺や物が飛び回るポルターガイスト現象を経験する。警察に助けを求めている隙に、ベンはこの家にあったトラクターのおもちゃに引き寄せられ、それを追ったジェスは地下室から伸びた無数の手に掴まってしまう。必死に逃げるジェス、その時異変を察したジョンが現れ、2人を窓の外へ救い出してくれた。だが、ジェスが振り返ると、家の中は元通りになっており、警察にも両親にも信じてもらえない・・・。
言葉は喋れないが、霊の見えるベンを抱いて、家を調べるジェス。
ジョンも、怖がるジェスは見たが、心霊現象は見ていないと言う。

町にボビーを呼び出して、家に関する事情を聞くジェス。しかし、5~6年前にローリンズという家族が不作の年に引越しをした、ということしか分らない。
地下室を調べたジェスは、子供の描いた絵を発見する。2_3.mp4_001241333.jpg
そこで、再び霊に襲われたジェスだったが、地面から出てきた筈の霊は、正気に返ると消えており、床も板張りのままだった・・・。
何かがいる、何かが襲ってくる、と分っていても、どうしようもないジェスは一人で泣き崩れるしかなかった。
心配してくれたジョンに、地下室で襲われた女の霊は凄く怯えている感じだった、と話す。意外にも話を聞いてくれたジョンに、ジェスはお礼を言うのだった。

ひまわりの栽培は上手くいき、収穫できるレベルに成長していた。ロイは、ジョンの協力に感謝の言葉を言い、豊作ならずっと居て欲しいと頼むが、ジョンに俺のことより家族の心配をしろよ、と諭される。

霊に対して事情を聞こうと行動を始めたジェスだったが、納屋で少年の霊に襲われ、病院に運ばれる。その右腕には、はっきりと握り締められた跡が残っていた。
だが、引越しを口にしたジェスに、父のロイは激怒する。ジェスの起こした事件のせいで掛かったベンの治療費で、夫婦が20年貯めた貯金は底を尽いていたのだ。帰宅した両親も、銀行が来たことを黙っていたロイにデニースが怒り、一家の絆は壊れ始めていた。

家を飛び出したジェスは、たまたま通り掛かったボビーに町へ送ってもらう。その途中で、自分が飲酒運転をした上に事故を起こし、ベンは救急車で運ばれ、それ以来失語症になった事件を話す。

農園では、収穫を前に大量のカラスが襲来し、ジョンを襲う。3_3.mp4_000460166.jpg
妻のデニースは、ベンの態度から何かがいることを知り、壁のシミから現れた女の霊に遭遇する。

家にあった時計に映っていた女性を求めて、雑貨店の掲示板に来たジェスは、その女と一緒に家族写真になっている新聞の切抜きを見て、急いで家へ向かう。

一方、カラスの襲撃から意識を取り戻したジョンは、記憶が過去に飛び、家から逃げようとしたデニースを自分の妻メアリーと思い込み、ベンをマイケルと呼ぶ。3_3.mp4_000807933.jpg
帰宅したジェスとボビーは、何者かの霊に襲われ、玄関でジョンがボビーを襲って気絶させる。地下室に逃げ込んだジェスは、そこで母親のデニースとベンを見つけ、脱出口を捜す。その間にも、ジョンの狂気は加速し、妻や娘の名を叫びながら、斧で地下室の扉を壊して下りて来る。息を殺して隠れる3人の側で、荒れ狂うジョンは、天板を壊して陽光を入れ始める。
そこに帰宅したロイは、玄関で倒れているボビーを見つけ、地下室に入ってくる。父親の声を聞いたジェスが立ち上がると、背後からジョンがロイを鋤で突き刺し、更にリンジーと呼びながら迫ってくる。絶体絶命の危機を交わし、ジョンを蹴り飛ばすジェス・・・。3_3.mp4_001064533.jpg

ジョンが飛んだ先には、暗い沼が生まれていて、そこから現れた3人の霊、メアリー、リンジー、マイケルが、ジョンを襲う。ローリンズ家は、引っ越したのでは無く、主人のジョンによって皆殺しにされていたのだった。
一旦は沈んだジョンだったが、近づいたジェスの足首を掴み、道連れにしようとする。ロイとデニースは、ジェスの手を掴み、2人掛かりで引き上げる・・・。
絶望の叫びと共に、ジョンは暗い沼の底に沈み、一家は悪夢のような体験から逃れることが出来た・・・。

3_3.mp4_001296233.jpg3_3.mp4_001338966.jpg一面のひまわり畑の中で、言葉を取り戻したベンが「カラス」と言い、「もう怖くないよ」と空を見上げるジェス。
そんな子供達を見て、微笑む両親。
ボビーも手伝いに来ていて、豊作のひまわり畑の中で、家族は本当に幸せな日々を取り戻し、これからも続けていけるだろう・・・。
END


アジアの癖を引き摺っているのではないか、と心配だったが、気持ち良いくらいにハリウッド映画になっていた。
霊の現れ方や襲撃シーンには、主にCGが使われ、今までに培った暗闇と音の演出も上手く出ている。
制作のサム・ライミは、『呪怨:THE GRUDGE(2004年)』を制作した経緯もあり、アジアホラーの陰湿な恐怖とアメリカ的な暴力的ゴーストを上手く使い分け、メリハリの利いた演出をさせている。
興行的にも、まずまずの成果を収めており、パン兄弟も次の仕事にありつけそうである。

手放しに褒められるほどの良作では無いが、脚本も破綻しておらず、ハッピーエンドとして家族愛を持ってくるなど、やや面映いながら楽しめる作品になっている。
あれほど不気味に見えた家やカラスが、最後には幸せの象徴に見えるほどであり、正に悪夢から覚めたような印象を与えられる。

気になる点といえば、全体的にショックシーンに意外性が無く、何処かで観たようなカットが多い気がする。狂気に支配されたジョンは「シャイニング」を彷彿とさせるし、霊のシーンは「呪怨」や「リング」のそれと被る。以前に起こった惨劇をカットインさせる点などは、そのまんまソフトな「呪怨」である。
このようにショックシーンやゴアシーンを期待すると肩透かしを喰らうが、家族で安心して観られるホラー映画としては高評価にしてもいいかな。

*ちなみに「2」もあるが、スタッフ・キャスト・ストーリーと全てが何の関係もない。唯一製作総指揮にサム・ライミがクレジットされているが、「スペル」が忙しかったので恐らく仕事はしていないと思う。よくある「2」で金を掛けずに荒儲けを狙っただけの作品で、そういうやり方はウェス・クレイヴンの得意技なわけだけど、今回は製作会社が欲を出したと思われる。まだ『案山子男』の方が、初めから期待しない分、良心的とさえ言える出来でした。


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れおん URL 2012/05/09(Wed)21:48:26 編集
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