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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:THE WARDimages.jpg
監督:ジョン・カーペンター
脚本:マイケル&ショーン・ラスムッセン


 

ジョン・カーペンターの10年ぶりの長編映画。
もう、64歳になったのか、と感慨深いものがある。
インタビュー映像も拝見させてもらったが、何か覇気が薄くなった印象を受けた。

物語は・・・81621387.jpeg

1966年、農家に放火したクリステンは、精神病院の監禁病棟に送られる。
そこには、同世代の女の子ばかり、4人が入院していた。
監禁されることに抵抗を感じたクリステンは、初日から反抗的な態度をとるが、無愛想な看護士に目を付けられるだけだった。

76c998bf.jpeg753db08f.jpeg病棟には、優等生で絵の上手いアイリス、高慢なサラ、お調子者のエミリー、内向的でウサギのぬいぐるみを手離さないゾーイがいた。

医師のストリンガーは、クリステンが放火したのは、あの時の事件がトラウマだ、と言う。
7f83b939.jpeg9bd15d0c.jpeg
だが、手の平の住所、放火、何も身に覚えが無いクリステンは、ストリンガーの言葉を信じようとしない。

自分が正常だと信じるクリステンは、看護士の留守を狙って情報を集め、全員が同じ薬を飲まされていることを知る。

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嗅ぎ回ると良くないことが起きる、というサラの言葉通りに、シャワー室でクリステンは怪物のような女に襲われる。
だが、誰も信じないまま、電気ショックによる治療をされたクリステンは、次の朝のミーティングで、ここから出た人間の話を聞くが、「居なくなった人の話は禁止だ」と、とストリンガーに遮られる。

913ea6d0.jpeg
最後の治療に呼ばれたアイリスは、催眠療法で1958年9月3日に退行し、深い眠りに就く。
そして、怪物に連れて行かれた先で、眼を突き刺されて死ぬ。

何かがおかしい、と感じたクリステンは、この監禁病棟からの脱出を決意する・・・。

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エミリーとの脱走劇は失敗し、今度はサラが消えた。
エミリーと脱走の計画を立てていたクリステンが知らぬ間に、電気治療の装置で高圧電流を流され、サラも死んだ。

二人の部屋は片付けられ、クリステンの疑惑は大きくなり続ける。
「私は、何故ここに・・・?」

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ゾーイとエミリーから、アリス・ハドソンは、皆に暴力を奮ったため、すでに消えたタミーが先導して、全員でアリスを殺したと、聞かされる。
自責の念に耐えられなくなったエミリーは、自ら手首を斬って自殺をしようとするが、背後にアリスの亡霊が現れ、首を斬られて死ぬ。

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監禁とアリスの亡霊から逃れるため、クリステンはゾーイを人質に取ったふりをして脱走を企てる。
だが、看護士たちに取り押さえられ、拘束具で監禁されてしまう・・・。

ベッドのスプリングで拘束具を外し、飲まされた薬を吐き出してから、クリステンは看護士を気絶させて、ゾーイを連れて脱走する。

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追いすがる看護士やアリスの亡霊から逃げ回り、器物搬送用のエレベーターでゾーイを先に上げるが、その背後にはアリスの姿が・・・。

看護士から間一髪でエレベーターに逃れたクリステンは、先に上げたはずのゾーイの姿を探し、床に続いている血の跡をたどる。
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そこにアリスの亡霊が現れ、クリステンに襲い掛かる。
必死の戦いの末に、緊急用の斧をアリスに叩き込むクリステン。
嗚咽のような声を上げながら、ゆっくりと崩れ落ちるアリスの亡霊を見届けて、クリステンは、ストリンガー医師の机に向かう・・・。



b1a61f7c.jpege170b0e6.jpegアリス・ハドソンのファイルを開いたクリステンは、無数の名前の最後に自分の名を見つけ動揺する。
そこに現れたストリンガー医師に詰め寄り、どういうことなのか問い質す・・・。


aebab078.jpeg71e562a1.jpeg「君の名前は、アリス・ハドソンだ」
1958年9月3日、誘拐された11歳のアリスは、二ヶ月近くも鎖に繋がれ、飢えと熱に浮かされながら、暴行を受けていた・・・。
その場所こそ、クリステンが放火した農家だったのだが、それはアリスがやったことだった。

余りにも辛い記憶から逃れる為に、無数の人格が出現し、それぞれが少しずつ傷を分け持つことで、アリスは多重人格障害になっていた。
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そして、長い治療を経て統一されつつあったアリスの人格は、クリステンという強い人格の出現で、トラウマと向き合い始めたアリスの主人格を圧迫し、逆に封じ込めようと行動していたのだ。

さぁ、今こそ・・・別れを告げるんだ

クリステンからすれば、アリスという主人格は、過去のトラウマを呼び起こさせる悪魔でしかない。
だが、自分が人格の一つでしかない、と知ったクリステンには抗う力がなかった。
お願い、殺さないで・・・

そのまま、窓から飛び降りたクリステンとアリス・・・、残ったのはアリスの姿だった。
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治療のフィルムを観るアリスの両親。
大怪我はしたものの、アリスはアリスとして、両親の前に帰ってきた。
治療は、まだ続くが、アリスは消えていった他人格と空想の監禁病棟の記憶を持ちながらも、自分を保っていた・・・。

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退院の荷造りをして、洗面台に立ったアリスは、鏡面の扉を開ける。

そこから飛び出してきたのは・・・クリステン

END


と、いうわけでジョンの久方ぶりの長編でした。
前に批判した『
ゴースト・オブ・マーズ』以来の新作と言うことで、鑑賞前から期待と不安が半分ずつ・・・。
中篇とはいえ、『
世界の終わり』が良作だったので、どっちに転んでるかな~という感じでした。

内容は、監禁型オカルト・サスペンスと思わせておいて、多重人格障害の少女が作った世界でした、というオチ。
正直、ヒントが多すぎて、中盤までにはオチの予想が出来ていたのが残念。
最初の女看護士の「今度は、クリステンね」やアイリスが退行した日付、すぐに片付けられる部屋、クリステンの都合の良いように起こる展開、フラッシュする鎖に繋がれた少女、極めつけは「こんなの、現実じゃない」でした。
良作である『アイデンティティー』等の洗礼を受けていれば、ありがちな脚本と感じてしまいます。
最も、今回はジョンの仕事は監督だけなので、そういう意味では、さすがの画面作り、と感心した次第。

何かインタビューで、淡々と寂しい言葉を語るジョンを見て、もう昔の破天荒さは期待できない、と思いました。
知恵と経験で、やってはいけないことが理解できた、なんてジョンの口から聞きたくなかったな・・・。

作品としては、ラストの鏡裏からキシャーッ!も含めて、音と突飛さで驚かすブラクラみたいなシーンが多かった。
ゴアシーンも大人しくて、ホラーだからスパイスとして楽しんで欲しい、という説明通り、消えていく人格を表現する伏線の意味があるだけで、新鮮な絵は無かった。
一言で表すと、「仕事として全うした」という感じの作品。

往年の熱こそ感じないものの、キャラ立てや映像の構成は見事な仕事なので、観て損は無い良作でした。

*インタビューしてる奴の質問も悪い。私でも、ああ聞かれたら、こうとしか答えられない。
ジョンのインタビューは割りと珍しいので、挑戦してくれたことは評価するが、どうせやるならジョンが驚くような質問を用意して欲しかった。
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