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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:DRAG ME TO HELL6f8e1670.jpeg
監督:サム・ライミ

ネタバレあり





世界のホラー映画に造詣が深いサム・ライミが、新しい切り口で監督したオカルト・ホラー。
主演は、ごく一部で有名なアリソン・ローマン(米版ナウシカの声優)、霊能力者にアドリアナ・バラッサ(バベルの家政婦さん)。
恐らく『THE EYE』の仕事を放ったらかしにして頑張った、その成果は如何に?

物語は・・・
1.mp4_000196988.jpg
1969年、カリフォルニア州パサデナ・・・息子を助けるために、霊能力者のショーン・サン・ディナに救いを求めるメキシコ系の農夫婦。少年はロマという女から首飾りを盗み、呪文(呪いのスペル)を掛けられていた。サン・ディナは清めを行うが効果は無く、少年は悪魔に地の底へ連れ去られてしまう。
また会いましょう、必ずね

現在・・・銀行マンとしてキャリアを積むクリスティンは、ウィルシャー・パシフィック銀行のローン窓口で誠実な仕事を心がけていた。
だが、空席の次長職を巡って、要領のいい新人のスチュに負けないために、厳しい決断力を求められてもいた。
昼休みにコインマニアの彼にレアな貨幣をプレゼントするクリス。心理学の教授に就任した彼氏のクレイは名家の出で、結婚の吊り合いをとるためにも、どうしても次長職の座が欲しいクリスティン・・・。
1.mp4_000927551.jpg
そこに訪れた片目が義眼の老婆ガーナッシュは、自宅のローン返済の猶予を求めるが、支店長のジャックスは2回の遅延と残高を理由に厳しい決断を求める。次長職を得るための試金石だと、心を鬼にしてガーナッシュに差し押さえの通告をするクリスティン。ガーナッシュは誇りを捨て、跪いて延期を請うが、それが受け入れられないと分ると、突如として襲い掛かってきた。その場はガードマンに引き離され、支店長にも好印象を与えることに成功する。

しかし、地下の駐車場で2.mp4_000126501.jpg2.mp4_000187770.jpg蝶のように舞うレースのハンカチを目で追うと、後部座席にガーナッシュが!
凄まじい形相で襲い掛かるババァパワーに、私物の文房具で応戦するが、入れ歯が取れても噛み付いてくるほどの執念。殺意を感じたクリスは、車をぶつけ、何とかガーナッシュを車の外に蹴り飛ばすが、車輪止めのブロックで窓を割り、執拗にクリスに飛び掛ってくる。2.mp4_000285868.jpg
車外へ引きずり出されたクリスは、攻撃を避けるため左腕でガードするが、意外にもガーナッシュの狙いはコートのボタン。
引き千切ったボタンに息を吐き掛けるように呪文を唱えると、『ラミア』という言葉とボタンを残してガーナッシュの姿は消えていた・・・。

恐ろしいババァ体験をしたクリスは、彼氏のクレイに送ってもらう途中で、ふいに占いをしてもらいたくなる。非科学的だと苦笑いをするクレイを説得して、ラム・ジャスという男に60$で霊視を依頼する。クリスの気を読み始めたラムは、正確に霊視を続けるが、そこから恐ろしいビジョンを読み取り中止する。代金も返すと言うラムの態度にただ事ではない気配を感じたクリスは、彼に説明を求めるが、ラムは「誰かの呪いだ」と言う。

帰宅したクリスは、風が室内に吹き込み、激しいポルターガイスト現象と不気味な影に襲われる。クレイに相談するが、ババァに襲われたことによるPTSD(心的外傷後ストレス障害)だと診断される。確かにトラウマ間違いなしの体験だったが、悪夢の中でハエが飛び回り、醜悪なババァに大量の蟲を吐きかけられて目が覚める。

出社したクリスだったが、ババァのトラウマは強烈で、同僚のスチュを怒鳴り、鼻から大量の血を噴出して途中退社する。3.mp4_000683516.jpg
どうしてもガーナッシュが気になるクリスは、住所を頼りにシルビア・ガーナッシュの家を尋ねる。応対に出た娘は、クリスが銀行の女で自宅を訪ねてくることも祖母が予期していたと言う。必死に言い訳をするクリスだったが、娘は不気味な笑みを浮かべている。家の抵当を取り戻して詫びたい、というクリスに、ようやく案内を始めた娘だったが、すでにシルビア・ガーナッシュは亡くなっていた。もう詫びる術は無い、「黙って報いを受けるのね」と娘は冷たく言った。

クリスは、霊能者のラムに相談し、『ラミア』が呪いのためにロマが呼び出す闇のヤギで、3日の間悩ませてから呪物の持ち主の魂を奪いに来る、と説明する。対処法は、動物を生贄にして霊を宥めること。
3.mp4_000998747.jpg
ラムから生贄の捧げ方の本を受け取るが、自分には到底できそうにないと悩むクリス。しかし、昼でも現れるヤギの影『ラミア』は、クリスを振り回し、暴風のように暴れまわる。
精神的に追い詰められたクリスは、ついに愛猫の子猫を生贄に捧げる。

これで救われたと思ったクリスは、クレイの家での夕食に赴き、両親と食卓を共にする。母親の品定めは手厳しいものだったが、クレイがフォローするまでもなく、クリスは率直に接したお陰で関係は良好になった。
しかし、幻覚と幻聴がクリスを襲い、呪いの象徴であるハエが乱舞する中、ついにキレたクリスは大声で狂乱してしまう。心配で後を追おうとしたクレイだったが、母親に止められてしまう。

生贄の儀式の失敗に激怒したクリスは、真っ直ぐにラムの店に行き暴れまくる。『ラミア』は狡猾で掴み所の無い闇の霊、通り一遍の手段では通用しない。期限は後1日、その次の日には『ラミア』が魂を奪いにやってくる。ラムは、事態を解決できるかもしれない人物はいるが、報酬は命がけなので1万$だと言う。
4.mp4_000747955.jpg4.mp4_000753586.jpg
次長職昇進を当てにして、給与の前借りを支店長に頼むクリス。しかし、クリスが担当していた大口の融資は他銀行に奪われ、昇進はスチュに内定し、職場の立場さえ危うい状況だと言われる。家に帰ったクリスは、家財を纏め、金策をしようとするが、そこにババァが現れる。

最早、悪霊と化したババァに不可能は無く、クリスの口に手を飲み込ませて苦しませるが、ピタゴラスイッチ的な展開で、悪霊ババァの脳天に重石を喰らわせる。                   4.mp4_000773355.jpg4.mp4_000772605.jpg                   
すると、潰れた頭から目玉が飛び出して、クリスの口にポーンと入る。カートゥーンアニメのようなシーンだが、ハッピーツリーフレンドのノリである。

ちょっとした妨害はあったが、資財を買取屋に査定させても、3,800$にしかならない。銀行勤めをしていた割に貧乏な娘である。
どうせ死ぬなら冥土の土産とチョコアイスのバケツサイズをヤケ食いしていると、そこへ訪れたクレイが、ラムに金を払ってきたという。驚くクリスに、クレイは「どんな時も、君を守り大事にする」と自分に約束していたんだ、と語る。

2人が訪れたのは、カリフォルニア州パサデナのサン・ディナの屋敷。クリスは知る芳も無いが、あの少年を救えなかった場所。サン・ディナは、あの屈辱を晴らすため、長い間待っていたのだ。
この土地に宿る霊的な力は、異界のモノを呼び寄せるという。生贄のヤギ、助手、ラム、クリスを円卓に座らせ、『ラミア』をヤギに憑依させて殺す・・・これが、サン・ディナの儀式だった。関係ない霊が何体か迷い込んできたが、ようやく『ラミア』が現れた。サン・ディナに憑依した『ラミア』と交渉を行うが、当然ながら失敗。
5.mp4_000533866.jpg5.mp4_000587461.jpg5.mp4_000606647.jpg
サン・ディナ→ヤギ→助手のミロシュとリレー憑依して、空は飛ぶわ、ダンスは踊るわ、火は起こすわ、とうとう口からネコ吐くわ、で5.mp4_000653986.jpg状況は大混乱。

もう、色々とダメかと思われたが、意識を取り戻したサン・ディナが、白の呪文と霊能力で、ミロシュから『ラミア』を除霊。しかし、力も気力も使い果たしたサン・ディナも、40年の因縁に終止符を打ち、生命を落としてしまう・・・。

これで終ったと思っていたクリスだったが、ラムは単に『ラミア』が降霊会の場から去っただけで、依然として呪われている事に変わりは無いと告げる。
5.mp4_000737570.jpgラムは、最後の手段として呪物のボタンを封筒に入れ、これを誰かに贈ればクリスは助かる、と。他人を犠牲にするなんて地獄行きね、と言うクリスに、私も共犯だと言うラム・・・。

恋人のクレイに本当のことを言えないまま、車はババァの幻覚で老人を轢き掛けるが、そのドサクサで封筒を落としてしまう。車内を散策して、どうにか封筒は見つかったが、クリスの迷いは深刻で、誰でもいいから贈ってしまいたい衝動と戦っていた。
とりあえずカフェで悩んだ末に、自分の融資を他行にリークしたスチュを電話で呼び出す。半泣き状態で飛んできたスチュは、必死に父親には内緒にしてくれと哀願する。腹立たしさに紛れて封筒を贈るはずだったが、憎いはずの相手なのに、どうしても死の押し付けが出来ない。死ななければならないほどの人間、コレにふさわしいのは誰なのか?

クリスは、自分の閃きをラムに相談する。ラムによれば、ロマの習慣では、死者への贈り物は有りとの判断。
6.mp4_000203077.jpgガーナッシュの葬られた墓地へと車を走らせるクリス。そこへ、あのレースのハンカチーフが飛来し、フロントガラスに張り付いた顔は、あのクソババァ
吸気孔から滑り込み、エアコンから抜け出したハンカチーフはクリスの顔を覆い窒息させようとする。それを引き剥がすと、今度は口の中へ滑り込んでくる。それを間一髪で摘み出し、ピーピー鳴くハンカチーフと格闘して粉砕

勢いに乗ったクリスは、一気に墓を掘り起こし、ガーナッシュの棺おけを開く。最初は手に握らせようとしたが、どういう弾みか、また髪の毛を掴まれて引き抜かれる。いい加減、髪を引き抜かれるのにもキレたクリスは、ババァの開いた口に封筒を捻じ込み、アゴにキックを放って贈り物に成功する・・・。6.mp4_000358983.jpg

しかし、折しも激しくなってきた雨のせいで、墓穴は見る見るうちに泥のプール状態。
這い上がろうと、もがく内に、浮かんできたババァも顔を出す。
女同士の熾烈な戦いも、最終ラウンドにきて、ますます本当の意味でも泥試合状態
そんなドタバタ劇に終止符を打ったのは、倒れてきた十字架だった・・・。
6.mp4_000400108.jpg6.mp4_000403736.jpg
カコーン!

と、いい音をさせてクリスとババァの頭に直撃すると、そのまま2人(一人と死体)は、泥の中に沈んでいくのでした。END

死んでたまるか!と這い上がったクリスw

熱いシャワーを浴びたクリスを待っていたのは、スチュが自爆して不正がバレたので、月曜日から次長職に昇格だ、という嬉しい留守電。
早朝の駅へと向かうクリスは、開店準備中のブティックで、特別な旅行のための新しいコートを買っていた。
待ち合わせ中のクレイは、落ち着かない様子でプロポーズのための指輪を確認していた。
クリスは、自分の話を信じて協力してくれた恋人に抱擁し、お礼を言うと、本当はガーナッシュの返済延長は可能だったのに断ったことを告白する。
あんな目にあったのに)優しいんだな、とクレイも告白に応じる。
胸の支えが取れたクリスは、さっき買ったばかりのコートを楽しげに回って見せる。
それを見たクレイは、前のコートをクリスが捨てたと聞いて、残念だな、とポケットから何かを取り出す・・・。
6.mp4_000640598.jpg6.mp4_000680179.jpg6.mp4_000689063.jpg
それは、あのボタンが入った封筒。
ババァの幻覚攻撃で、車中で封筒を探した時、レアなコインを入れた封筒と入れ替わっていたのだ。
呪物は持ち主に戻り、ロマの『ラミアの呪い』は続行された・・・・・・END


サム・ライミ曰く、「10年の構想を経て、ようやく作品として完成できた」、とのこと。
と、いうことは『ラブ・オブ・ザ・ゲーム』や『スパイダーマン』シリーズを(ギフトはどうでもいい)撮りながら、ずっと今作のことを考えていたんですか、サム。
やっぱホラー好きなんですね、制作じゃなくて監督したかったんだね。

さて、作品の出来具合は、一言で表すとババァてんこ盛り。役者のローナ・レイヴァーは、TVDで活躍している演技派女優ですが、今作で助演サターン賞にノミネートされました。
彼女抜きでは成立しないというか、むしろ主役です。
鬼気迫る演技、老女特有の気持ち悪さ(失礼)、そして悪霊と化してからの執拗なまでの嫌がらせ・・・。
そんなに悪い事をしたのか、主人公はwと思うぐらい、逆恨み率1000%の老害ぶり。
こんなに萌えないキスシーンは見たことが無い、ホッチキスで目をパチンされても、入れ歯が外れても迫ってくる老婆の恐怖に背筋が寒くなる、というより、おぞましさでトリハダが立った
正直、『ラミア』なんぞより100倍怖いわ、このババァ

怖いといえば、余りにやりすぎて、中盤からは完全にコメディ化してます。
スラップスティック老婆コメディホラーという新ジャンル誕生かもしれません。
あの襲い掛かるハンカチーフ十字架が倒れてきたシーンでは、腹筋が震えるぐらい笑いました(音w
それにしても、ただ怯えるだけの和風女優と違って、あちらさんは一度振り切れると、本当に強いですね。悪霊ババァvsヒロインの意地のぶつかり合いが肉弾戦のレベルまで逝ってますから、もうホラー観てる気がしませんでした。

ラストは、多少の強引さはあるものの、まぁこんなもんでいいんじゃないかな。だって、もうお腹一杯だったし、”衝撃のラスト60秒”とか煽られても、すでに何が起こっても不思議じゃない気分になってたから。

老婆の存在がホラーだと言うのなら、間違いなく最高に怖い(おぞましい)作品でした。

*作中に出てくるロマという言葉・・・これが理解出来ないと、実は意味が分らない人も多いんじゃないかな。何で婆さんが呪文使うの?とか見かけたし。
ロマというのは、ジプシーの別称でロマニ系と呼ばれる移動民族の名残です。キングの小説を読んだ人なら、ジプシーの特殊な風習や迷信を知ったはず。『痩せゆく男:THINNER』という映画で、ジプシーが主人公や関係者に呪いを掛けるシーンありますよね、あれと同じです。古くから流浪の民だったロマは、様々な呪術に精通しており、ガーナッシュ婆もその一人だったわけです。冒頭で少年を呪ったのも、ロマの一人です。

*ハッピーツリーフレンズ・・・子供向けカートゥーンアニメと思わせておいて、登場キャラの死亡率が毎度90%を超える超ゴアアニメ。豆腐のように破壊されていく可愛いキャラが印象的で、主人公やヒロインといえども容赦なく惨殺されます。ポップで可愛いOPは、別名:今回の死亡者リストと呼ばれ、スタッフの考え付く限りのスプラッターシーンがゴアワールドを彩ります。間違っても絵柄に騙されて子供に魅せないようにね。

*気になる点・・・前述の『痩せゆく男:THINNER』と設定が似ている。ジプシー(ロマ)に掛けられた呪いを解くために奔走する話ですからね。老婆の襲撃シーンが『呪怨』っぽい。あちらにも「白い老女」というバスケ大好きな婆さんが驚かすだけの特別編がある。
「痩せゆく男」より呪いが悪魔系で、「白い老女」より遥かに気持ち悪いですが、やはり多少の影響は受けているのかな。
ラストであちらの世界に引きずり込まれるヒロインの顔が、どんどん崩れていく描写は優れている点でした。雰囲気が似ているだけで、老婆の迫力も、ショックシーンも独創的でサム・ライミ風味になっているので、パクリやオマージュでは無いです。私が、何となく似ているな、と思っただけ。


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