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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:Haute Tension5b2a337d.jpeg
監督:アレクサンドル・アジャ

ラストは反転してますが、ネタバレしてます


本作は、「ヒルズ・ハブ・アイズ-The HillsHave Eyes-」でサランドラのリメイクを監督したアジャ監督のフランス時代の快作である。徹底した恐怖描写とゴアシーン、意外なラストで評価が高い。

物語は・・・
病室で「誰にも邪魔させない・・・」と繰り返し呟く女、森の中を傷つき裸足で逃げ、車に助けを求める。
一転して、車の中で目覚めたボーイッシュな女マリーは悪夢の中で「私が私を追いかけていた」と、ドライバーの女の子アレックスに話す。二人は、試験勉強のため、アレックスの実家のある田舎に向かっていた。

唐突にボロトラックでフェラを強制している男が現れ、用が済んだとばかりに生首を放り投げて走り去る。

二人は仲良くケンカしながら、辺りを畑に囲まれたアレックスの実家に到着。優しい父親と可愛い弟のトム、心配性の母親、愛犬、と家族を紹介されたマリーは、所在なさげに夜の庭を散歩する。夜が更けてからベッドに入り音楽を聴いていたマリー(オナヌもしとります)が絶頂を迎えようとしたとき、ボロトラックが止まり、何度も玄関の呼び鈴が鳴らされる・・・。
応対に出た父親は大男に顔面を切り付けられ、愛犬は殺された。尚も逃れようと階段を這う父親の頭を手摺の間に固定し、玄関の家具でギロチンに・・・。気配に気づいた母親は、同じく起きてきた子供を部屋に戻し、様子を見に階段を下りる。男はカミソリを手に母親に迫り、危険を感じたマリーは部屋に戻り電話線を繋ごうとするが、差込口が重い家具の後ろにあるため諦め、ベッドで寝ているように偽装するとバスルームの灯りを点け、シャワーカーテンを引く。室内に入ってきた男は、部屋をゆっくりと歩き回るが、シャワールームも偽装で、マリーはベッドの下に居た。
男が他の部屋で凶行に及んでいる内に、さっきの家具をようやく動かせたマリーだったが、それはTV用の差込口だった。意を決して部屋から階段を下りていくマリー、絶え間ない悲鳴と男の唸り声の中、夫妻の寝室に辿り付くが、そこにも電話は無かった。慌ててクローゼットに隠れたマリーの目の前で、母親は喉を裂かれ、血の海の中でめった斬りにされてしまう。拾ったハンディホンも不通で、弟のトムが男から逃げるのを見て、マリーはアレックスの部屋へ行く。アレックスは厳重に拘束されており、外からは逃げるトムの幼い声が聞こえる。窓から様子を伺ったマリーは、男がショットガンでトウモロコシ畑を逃げるトムを射殺する音を聞く。半狂乱のアレックスをなだめて、台所へ電話を探しに行ったマリーは、電話線が切られている事に気づき、男がアレックスをトラックに積み込むのを見てしまう。包丁を手にしたマリーは、男の裏をかき、トラックの中から反撃を試みるが、男は鍵を掛け、2人を乗せたまま走り去ってしまう。途中でセルフの給油所に寄った隙に、荷台から抜け出したマリーは助けを呼びに走り、店員に警察を呼ぶように頼む。だが、すぐに店内に男が入ってきたため、陳列棚に隠れることに・・・。店員は男の隙を狙うが、逆に斧で惨殺されてしまう。『何を見てたんだ・・・何を見てたんだジミー・・・』と呟きながら、トイレの個室を一つ一つ調べて歩く男。
男子トイレに潜んで男をやり過ごしたマリーだったが、トラックはアレックスを乗せたまま走り去り、ようやく電話で警察に通報することができた。だが、警察とのやり取りは埒が明かず、銃と車を手に入れたマリーは一人でアレックス救出に向かう。トラックを山道をひた走り、ライトを消して追跡していたマリーだったが、いつの間にか背後を取られ、山道から転落させられる。車から這い出て身を隠すマリーに男の魔の手が迫るが、とっさに引き抜いた柵に有刺鉄線を巻きつけ逆襲を狙う。しかし、背後からビニールを被せられ窒息したマリー、男はカミソリで弄びながら『お前も彼女が欲しいか?・・・興奮するか?・・・俺も彼女に興奮する・・・俺もだ』と話しかける。手元の石で殴りつけ、逆襲に転じたマリーは、先ほどの棒で男を何度も殴打する・・・。組合いの末、ついに男を殺したマリーは雄叫びをあげる・・・。↓ラストまでのネタバレ、読みたい方は反転してね。

その頃、逆探知でスタンドに到着した警察は、店の監視ビデオを再生していたが・・・そこに映っていたのは、マリーが店員を斧で惨殺する姿だった。
「終ったわ」と嬉しそうにアレックスの拘束を解くマリー・・・。「触らないで!私に触らないで!」と叫ぶアレックス。「あいつは死んだ、終ったんだよ」と言うマリーに包丁を向けるアレックス。
あんたが私の家族を殺したのよ!」と絶叫したアレックスは、マリーに斬り付け腹を包丁で刺す。
逃げ出したマリーの後を追うのは、あの男に変わったマリー。回転ノコギリを振り回し、マリーの声が混じりながら、通りがかった車に逃げ込んだアレックスに追いつき、運転手を惨殺しアレックスに迫る。
『私をどこまで苦しめる気だ・・・愛してる?・・・愛してない?・・・愛してない?・・・愛してない?・・・』
「愛してます・・・愛してます・・・愛してます・・・」と恐怖から絶叫するアレックスに、マリーは満足そうな笑みを浮かべるとキスをするのだった・・・。その隙をついて、アレックスはバールで胸を貫くのだが・・・
「もう誰にも邪魔させない」『もう誰にも邪魔させない』「誰にも邪魔させない・・・」誰にも・・・

惨劇の後で、精神病院に収監されたマリーを見るアレックス・・・、見えないはずのガラス越しにマリーは笑顔を浮かべ手を差し伸べるのだった・・・END


あら探しをしなければ、素直に怖い映画である。
ボーイッシュなヒロインを演じたセシル・ドゥ・フランスの鬼気迫る怪演が、見事な恐怖と・・・愛(狂気の沙汰だが)を表現していて素晴らしい。
何が彼女を狂気へと導いたのか、を作品の行間に感じることができれば、更なる恐怖と哀しみを得るだろう。
あえて、そこを明かさないのが、この映画のミソであり、サイコ映画としての肝でもある。

さて、今作は高い評価と非難を受け、一躍フランス映画界にアジャあり、と知らしめる結果になった。
そして、ハリウッド進出と共に前述のリメイクを任され、「P2」で制作・脚本、「ミラーズ-MIRRORS-」で監督を務め、あのジョー・ダンテの佳作「ピラニア」を3Dリメイクし、今度は私のような世代には嬉しい「コブラ-寺沢武一著-」の実写3D映画を企画しているとのこと。いやはや、精力的な活躍である。

*コブラについて、アジャ監督は「子供の頃に慣れ親しんだアニメで、学校から飛んで帰ってTVを観ていた」と熱烈なファンであることを語り、盟友のグレゴリー・ルヴァスール(脚本家)と意欲的に取り組む姿勢を見せた。
フランスは、日本アニメや特撮番組が放送される機会が多い国であり、熱心なファンやマニアが多く存在する。特にUFOロボ・グレンダイザー(仏題:Goldorak(ゴルドラック)は、最高視聴率100%(!)、平均でも75%を誇り、他局でも何度も再放送が繰り返された。主題歌シングル(フランス版で歌手は当時13歳)は100万枚を売り上げ、日本人よりも全世代でグレンダイザーを知っている国民である。
コブラもグレンダイザーには及ばないが、高い視聴率と知名度を誇っていることも追記しておく。

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