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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:THE HAPPENING03384ef6.jpeg
監督:M・ナイト・シャマラン

ネタバレしますよ



当サイトの”冬の健康予防、風邪に注意しよう!!”シリーズも、5作目。
今作は、ウィルスとは少し違うけど、感染しちゃうと大変なんだよ、な映画「ハプニング」です。


物語は・・・
NY・セントラルパーク、8:33AM・・・よく晴れた空、木々を揺らす風も爽やかな、穏やかで平和な公園の風景・・・。
ベンチの女性が異変に気づいたのは、そんな何処にでもあるような朝だった。自分の体を掻き毟る人、一斉に動きを止めた通行人、後ろ向きに歩を進める男、そして隣の友人は「・・・ねぇ、何ページだったっけ?・・・何、ページ・・・」と言うと、自分のヘヤピンで首を突き刺した・・・。
8:59・・・ビルの工事現場から作業員が落下、突然の事故に驚く同僚・・・だが、作業員の落下は続き、まるで雨のように人が飛び降りてくる・・・

フィラデルフィア高校 9:45・・・科学教師のエリオット・ムーアは、25の州から突然消えたミツバチの講義をしていた。ウィルス、公害、地球温暖化・・・どの答えにも正解はない、自然界に起こったことなんて完全にはわからないよ、という答えにだけ真実があった。
講義中に教頭に呼ばれたエリオットは、先生全員の召集会で、NYのセントラルパークでテロがあり、化学毒素を含んだ気体が撒かれたようだ、と説明される。「第一段階は支離滅裂な言動、第二段階は肉体の動きの異変が現れ方向感覚を失い、第三段階で手遅れ」だと言う。生徒は臨時休校、教師も自宅待機の措置を取られる。

数学教師のジュリアン一家と駅で待ち合わせをしたエリオットは、一度自宅へ向かう。TVでは、この毒素に冒されると、脳の神経伝達が阻害され、自衛本能が消え自殺に至る、という。結婚以来、情緒不安定な妻アルマと共にジュリアンと娘のジェスに合流したエリオットは、駅のTVでこの物質が天然化合物で被害はNYだけに限られている、との報道を観る。ジュリアンの妻リベットは渋滞で遅れたので次の列車で来ることに。アルマは、不倫ではないものの、しつこくアプローチをしてくる男に手を焼いていた。

11:31・・・ペンシルバニア州フィラデルフィア・リッテンハウスパーク。(NY州の南)人々の停止が起こり、警官は銃で自殺、拾った男も銃で死に、更に女が手に銃を・・・。列車の中で妻の安否を気遣うジュリアンだったが、リベットはバスに乗れて無事とのこと。だが、被害はボストンにも広がり、事態が分らないまま列車はフィルバート駅で停止してしまう。(ペンシルバニア州の南)フィラデルフィア動物園では、飼育係がライオンの檻に入り噛み殺された。TVでは、テロの可能性が薄れ、専門かも答えを出せずにいた。影響はニューイングランド地域全域(アメリカ北東部の6州)に拡大し、フィルバートの町は、その真ん中に位置していた。パニックに駆られた人々は車で影響の無い地域へと逃げ出し、エリオットらは運良く親切な車に拾われる。しかし、妻のリベットと連絡が取れなくなったジュリアンは、娘のジェスをエリオット夫婦に託し、妻を捜しにプリンストン行きの別の車へ乗り込む。
Part3.mp4_000130130.jpg
ジュリアンの乗った車は、途中で街路樹伐採員が大量に首を吊っている現場に出会う。窓を密閉し、泣き叫ぶ女を数学の問題で気を逸らそうとするジュリアン。だが、ジープの幌に裂け目を見つける・・・ジープは、一度停止した後で、急スピードを出し木に衝突する。そこから這い出したジュリアンだったが、落ちていた破片を拾うと自分の手首を斬り始めた・・・。

エリオットらも、道の先で人が無数に倒れているのを見て、回り道をすることに・・・。途中で陸軍の車両と出会うが、オースター二等兵は基地も連絡が取れず、有刺鉄線に無数の兵士の死体が引っかかっていて危険だ、と。
交差点で集まってきた車に情報を求めるが、どの道の先も惨事があり、動きが取れなくなってしまう。
この異変が公園から始まったと聞いたエリオットは、漠然とだが植物に関係があるのでは、と疑い始める。そのとき、ジュリアンが向かったプリンストンの娘と話をしている婦人から、外にいる人はみんな死んでいる、と聞かされる。娘も意味不明なことを口走り始め、窓が割れる音と風の音が聞こえてくるだけになった・・・。
ジュリアンの死が間違いないと知り、親友と父親を失ったエリオットとジェスは、抱き合い涙を流す・・・

すぐに気を取り直し立ち上がったエリオットは、植物と毒素の広がりを見て、この道にいては危険だと判断する。オースター二等兵と地元の不動産業者コリンズと協議し、住人がほとんどいないアランデル郡の僻地に移動することを発表する。すぐに移動する先発隊と荷物を纏めてから来る後発隊に分れ、野道を行く人々。先発隊のエリオットは、妻のアルマから残業と嘘を吐いて職場の男と甘い物を食べに行ったと告白される。嘘を吐いたまま死にたくなかった、というアルマ。

後発隊では、オースター二等兵が「我が銃は我が友なり、決して裏切ったりはしない」と叫び、後退を始めると、銃で自殺する。何度も銃声が響く中、判断を迫られたエリオットは、科学者的思考で答えを出そうとする。
エリオットの出した答えは、大都市から周辺都市、そして地方と広がり、今また人数の多い後発隊が冒された。大勢の人間が集まっていると、植物が毒素を出し、風に乗って冒される、と結論を出す。
エリオットは隊を少人数に分け、風から逃れるために走り始める。吹き抜けた風は、エリオットらを冒さず、人間の数に反応する・・・こんなことが、あるのか、と驚く。

ジャレットとジョシュの若者二人、妻とジェスの5人になったエリオットは、モデルハウスを見つけると、地図を探し人間がいない地域を探す。オーストラリアで古代のバクテリアが発見され、接触した漁師が死んだ例を出し、こういう自然現象はピークを迎えれば、すぐに収縮するはずだ、と言うエリオット。

移動を開始したエリオットらは、2組のグループが合流しているのを見つける。男は中型の草刈機を始動すると、その進路に寝そべった・・・。

一行は、板で窓を打ちつけた家を見つけるが、中の老人は頑なに拒み、少年2人は怒って窓や戸を蹴る。毒ガスの仕業だと信じ込んでいる老人は、ドアの隙間から散弾銃で、ジョシュとジャレットを射殺する。

ジェスを庇って逃げ出した3人は、電気も無く、車の跡も無い古家に辿りつく。家の老女ミセス・ジョーンズは、3人に食事を提供するが、世捨て人の暮らしをしているだけあって、頑固さも持ち合わせていた。状況を説明しようとするが、ミセス・ジョーンズは聞く気は無いと厳しく言い、二人にも警戒は緩めなかった。Part5.mp4_000773739.jpg
翌朝、ミセス・ジョーンズと話をしようとエリオットが寝室を訪ねると、ベッドには古びた人形が寝かされており、エリオットは「頭がおかしい」と口に出してしまう。そこをミセス・ジョーンズに見つかり、激しい口調で「私のものを盗む気!」と叫び、すぐに出て行けと言われてしまう。庭に出たミセス・ジョーンズは、虚ろな表情になり、強い風が吹き始めた。
エリオットは、ドアと窓を閉めるが、ミセス・ジョーンズは壁や窓に頭突きを繰り返し、血まみれになって死ぬ。

割れた窓からは風が吹き込み、二人の声はするが、姿は無い・・・。
声は、母屋と納屋を繋ぐ通風管を通して聞こえており、エリオットは急いで納屋の窓と戸を閉めるように叫ぶ。エリオットは、植物が敏感になっており、ついに相手が一人でも毒素で冒そうとし始めたことを知る・・・。
終わりが来た、と痛感した2人は、通風管越しにすれ違っていた愛情を交わし、君の側で死にたい、とエリオットは母屋を出る。風は唸りエリオットを嬲り、納屋を出たアルマとジェスにも容赦なく吹き付ける・・・。Part6.mp4_000274107.jpg

9:58AM、アランデル僻地・・・・・・異変は、始まった時と同じように、突然終わりを告げ、3人は生き残った実感を確かめるように座り込んだ。

3ヵ月後・・・愛情を取り戻したエリオットとアルマは、ジェスを引き取り、今朝もスクールバスで学校へ送り出した。未曾有の大惨事を経験し、ようやく本当の愛に辿り付いた2人・・・・・・。

TVでは、異変は植物による毒素攻撃と判明し、陸の赤潮だと説明していた・・・。
ほぼ丸一日だけ吹き荒れたこと、アメリカ北東部だけに集中したこと、自然界の出来事は説明できない、としながらも学者はこれは前兆だ、と語る。「警告だ!」と熱心に叫ぶ学者を扱いかねて、キャスターはまた何処かで起これば先生の説を信じましょう、と番組を収める。

フランス、シャン・ド・マルス・公園・・・一斉に立ち止まる人々、同じ言葉を繰り返す友人・・・・・・ END
Part6.mp4_000618451.jpgPart6.mp4_000621354.jpgPart6.mp4_000631497.jpg

ウィルス物というよりも、自然界からの復讐物ですね。
ある種の植物が自衛のために化学物質を作るのは有名で、作中で紹介された例以外にも、トマトの葉にはアルカロイド系物質のトマチンがあり、大量に齧ると人間でも全身が弛緩します(齧らないと思いますが)。よく知られているのは小型のジャガイモの芽と皮で、毎年極少数ですが中毒者や死亡者も出ています。皮付きで食べるじゃないか、と思うかもしれませんが、それは中型~大型のソラニンの含有量が比較的少なく、適切な処置(日陰干など)を行ったジャガイモなので、素人が不用意に食すと危険です。(実家が農家なのでよく分る)

植物豆知識は、これぐらいにして、映画の内容ですが・・・。脳の伝達は神経間で電気信号や化学物質を介して行われますから、それを阻害する毒素があっても不思議ではないですね。今作では、植物同士の意思伝達があるとかより多い人数に反応するとか、やや納得しにくい点もありますが、徐々に追い込まれていく人間を描くために必要な設定だったのでしょう。
そこに愛を無くし掛けた主人公夫妻と父親を失った娘を共に行動させることで、ドラマも盛り上げてます。派手さはありませんが、作品として良く纏まっており、手堅い小品と思います。
ラストは、まぁこれしかないでしょうw

急に毒素が消えて、拍子抜けする人も多いと思いますが、一応ハッピーエンドということで許してあげましょう。

*作中の地名については、特に表記の無いものは、私が映像と会話から推察しました。フィルバートという地名はサウスカロライナ州なのですが、作中ではペンシルバニア州と言っているので、よくある地名なのかもしれません。(直訳すると、鳥の”ハシバミ”)
*ラストシーンのフランスの公園ですが、これも推察です。
*作中の授業で出された「ミツバチの集団失踪:蜂群崩壊症候群(CCD)」は、割とタイムリーな話題で、アメリカのミツバチの1/4が2006年秋~現在までに突然消失した事件を元にしている。この現象は世界中で報告されており、仮説は無数にあるが、今のところ原因は究明されていない。イギリスでは、マリーセレスト号乗員消失事件に準えて”マリーセレスト号現象”と名づけている。


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