B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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リメイク続きのハリウッドで、またカルト映画がリメイクされた。
今度は、ロメロ翁の「ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖:THE CRAZIES」である。
監督は、映画界のゴールデンボーイことブレック・アイズナー(父親は元ディズニーCEOのマイケル・アイズナー)。親の七光りと思う無かれ、監督としての才能や評価も高く、映画への愛が作品から感じ取れるホープである。TVMで経験を積み、劇場映画の製作総指揮、監督として将来を期待されている。*
物語は・・・
炎上する家・・・炎は町を火の海と化していた・・・・・・ 2日前・・・のどかな田舎町を風景に、名曲『We'll Meet Again(*)』が流れる。
看護士のベッキーは、Dr.ジュディ・ダルトンに早退の言い訳を見抜かれたが、粋な計らいで彼氏が出場する試合を観に行けることに・・・。人口1260人の小さな町オグデン・マーシュの春は、野球の開幕試合と共に訪れ、保安官らも試合を楽しんでいた。
ところが、そこに外野グラウンドから、ライフルを持ったロイが入ってくる。突然の出来事に試合は中止、保安官は顔見知りのロイに注意をしながら、酔っていると判断し接近していく。だが、ロイは虚ろな表情で銃口を向け、保安官は反射的に彼を射殺してしまう。
検死の結果、アルコール反応は翌朝、薬物結果は1週間待ちだったが、ロイの不可解な行動に検死官は首をひねる。妻のペギーと息子のカートが到着し、2年前に禁酒した夫が酒に酔っていたはずは無い、と保安官のデイビッドの頬を憤りを込めて叩く。
皆が家族のような小さな町での出来事で、デイビッドは自責の念から、眠れぬ夜を過ごしていた。優しく彼に接する妻のジュディ・・・。
翌朝、検死官からロイのアルコール反応が陰性だったと知らされ、デイビットはショックを受ける。事件のあったスタジアムを訪れ、昨日の出来事を悔いるデイビットだったが、経営者のベンを見つけ声を掛ける。軽い挨拶のつもりだったが、ベンは心ここにあらずといった感じで、意味不明なことを言い立ち去ってしまう。
一方、ジュディの診療所にもビル一家が訪れ、夫の様子が変だと聴かされる。健康上は特に問題がなかったが、ジュディの問いかけに緩慢で、同じ返事を繰り返すのだった。
その夜、ビルが大型草刈機を始動したままなので、妻が様子を見に行くとビルの姿は無い。そのとき、家の方から息子の悲鳴が聞こえ、急いで駆け戻った妻に、息子はパパがナイフを・・・、と。ビルは、2人の隠れた部屋に鍵を掛けると、灯油を撒きながら歩き、玄関で火を放った・・・。
事件の知らせを聞いたデイビットとジュディは、急いでビルの家に駆けつけるが、妻子は炎の中、家の前に空の灯油缶、ビルは草刈機を回していた、と聴かされる・・・。
拘留されたビルは、監房の中で虚ろな表情をしたまま、2~3時間も棒立ちだった。デイビットは、その様子がロイと同じだ、と言う。
狩りをしていた一団が、森の中で死体を発見する。死体はパイロットで、脱出はしたもののパラシュートを着けたままの状態で、すでに死後一週間は経過していた。デイビットは助手の報告から、トラヴィスの噂話を聞き、半信半疑でボートを使い現場に行ってみる。だが、噂は真実で、河には大型の飛行機が沈んでいた。
飛行機が落下したにも関わらず何の報道もされていないことに疑問を持ったデイビッドは、積み荷に公表できない秘密があるのではと疑い、水道所で上水の流れを尋ねる。町の水道は、飛行機が沈んでいた河からドワイト沼に注ぎ、最初の供給先はロイの家だった。
原因は不明だが、事件との因果関係を察知したデイビッドは、町長に水道の停止を進言する。だが、町長は農耕に頼っている町で水は止められん、と突っぱねる。
辞職覚悟で強硬手段に出たデイビットは、助手のラスと水道栓を停止し、バルブを外す。
保安官事務所に戻った2人は、監獄のビルの様子が悪化し、鬼のような形相で暴れるのを見る。そして、事務所の電話もインターネットも携帯までもが、全て不通になっていることに気づく。町には人影が絶え、不審な車が隠し撮りをし、検死官のジムのオフィスから物音が聞こえた。検死官の事務所で、遺体のロイの目がピエロのように十字に切り裂かれ、検死官助手はベッドで目と口を縫合されていた。デイビットが口の縫合糸を切ると、「後ろにいる」と言われ、次の瞬間ジムが電動ノコで襲ってきた。 ケガを負いながらも、どうにか窮地を脱したデイビッドは、駆けつけた助手のラスと共に不可解な惨状に呆然とする。
町の異変を確信したデイビッドは、妻のジュディに実家へ避難するように勧めるが、医師の務めがある、と言う事を聞かない。そのとき、家の外で人影が動き、様子を見に出たデイビッドは、武装した兵士達に拘束される。兵士達は、住人を強制連行し、スタジアムに設置した施設に送る。そこで体温をチェックされ、発熱している者や鼻血を出している者は親子でも引き離され、何処かへ連行されていた。保安官と医者だが、何が起きてる?協力したいと叫ぶデイビット。だが、ジュディは異常ありと判断され拘束されてしまう。追いすがったデイビットは、兵隊に殴打され昏倒する。
施設内に運ばれたジュディは、そこで防護服とガスマスクを装備した集団に麻酔を掛けられる。
意識を取り戻したデイビッドは、兵隊によって住人が手首に金属環を着けられるのを見る。また、横暴に抵抗した住人がトラックで檻を壊し、住民が逃走するなど、状況は混乱を極めていた。
デイビットは、知り合いのケビンから、高速が封鎖され町が隔離されたこと、逃げようとしたティム一家が射殺されたことを聞く。それでも妻を諦めないデイビッドは、一度町の事務所に戻り、そこで助手のラスと合流する。正気を失った住民が、フェンスを破った混乱に乗じて逃げてきたラスは、ジュディがまだ施設内に居ると教える。ジュディの発熱は妊娠のためだ、というデイビッドに、ラスは助け出すのに協力すると言ってくれる。
施設内では、発病した感染者の狂った笑い声が聞こえ、ジュディは同じくベッドに拘束された看護士のベッキーと会う。異常な状況に怯えるベッキーを励ましながら、ジュディも不安感を募らせていた。そこに、ふらふらとスタジアムの経営者ベンが現れ、手にしたフォーク(鋤)で、ベッドで動けない女性を串刺しにした。尚も不気味な笑い声を出しながら、ベンは他のベッドでも串刺しにし、更にベッキーへ迫るが、ジュディは大声を上げて彼の注意を自分にひきつける。
間一髪で、デイビッドがベンを射殺し、ジュディとベッキーを救い出すことに成功する。
外では、住民と兵士の死体が散乱し、ラスは自分も感染しているかも、と言い掛ける。それを制したデイビッドは、補佐は保安官に従うものだ、お前は感染して無い、と励ます。
平和だった町は、炎に包まれ、もう見る影も無い。車には軍により車輪ロックが掛けられ、意味不明の行動を繰り返す感染者の笑い声が聞こえてくる。
ようやくロックの無い車を見つけたが、それは発狂したハンター一味の車で、人間を獲物のように駆り立てては銃殺し、荷台に放り込んでいた。
移動手段の欲しい4人は、ひとまずデイビットの家の中古の車を頼りに、徒歩で向かうことにする。その道中で、ジュディは感染の不安を漏らすが、同じ水を飲んでいる自分が無事だから大丈夫だ、と励ます。ベッキーは、BFのスコッティの家が近い事に気づき、彼の家へ走り出す。だが、感染を恐れるスコッティは、ベッキーに銃を向け、緊張した空気が流れるが、デイビッドの行動で撃ち合いは回避される。だが、町には兵士が動き回り、スコッティは自分の母親が異常と判断されるのを見て、思わず飛び出して行ってしまう。向かってきたスコッティを兵士は射殺し、死体に歩み寄る母親も射殺され、遺体は火炎放射器で焼却された。
デイビット達は、納屋に探索に来た兵士を捕らえ、何故あんなヒドイことを?と尋ねる。末端の兵士は命令に従っているだけで、事故が起きた、ガスマスクを絶対に外すな、としか聞いていないと答え、解放してくれたら部隊を撤収させると命乞いをする。デイビッドは事情を手早く説明し、絶対にウソを吐くな、と言い解放する。兵士は約束を守り、無人だ、と報告し部隊は撤収する。
ジュディは、兵士の話から、ウィルスは空気感染する、と判断し絶望を深める。
翌朝、4人は家に辿り付くが、ジュディは干してあった洗濯物を取り入れ始め、制止したデイビッドに「完璧よ・・・完璧に美しい朝と私たちの家・・・赤ちゃんを育てる場所」と言う。「元通りになるさ」、と励ますデイビッドだったが、ジュディは「知り合いは・・・みんな死んだ、町は死んだの、元に戻らない・・・決してね」と語る。
ラスとビッキーは車の修理に掛かり、ジュディは赤ちゃんが生まれた時のために用意していた部屋へ向かう。今では、遠い夢になってしまった幸せな未来を想い、感傷に浸るジュディ。
様子を見に行ったデイビッドは、ジュディに語りかけながら部屋へ入るが、目の前には椅子に拘束された彼女の姿が・・・、ふいに背後から襲われたデイビッドは銃を落とし、男に首を締め上げられる。必死に銃に伸ばした手は、ナイフで床に串刺しにされ、その銃を拾い上げた女は・・・「パパを殺した銃よ」と言う。首を絞めていたのは、息子のカートで、女はロイの妻ペギーだった・・・。二人は、すでに発症しており、狂気の中で復讐に来ていたのだった。ロイを辱める言葉でペギーの注意を引いたデイビッドは、死力を振り絞りカートを押しのけ、手に刺さったナイフごとペギーの首を突き刺した。カートは、ラスに窓越しに狙撃され死亡。駆けつけたベッキーと3人で傷を縛ろうとしていると、ラスも部屋に入ってきた。ところが、ラスは、すでに死にかけている母子に、数発の弾丸を撃ち込む。明らかなオーバーキルに、ジュディはラスが発症している、とデイビッドに告げる。デイビッドは、命の恩人だから、とラスの発症を認めない。
ようやく車で移動を開始した4人だったが、ベッキーが激しく咳き込み始め、ラスは彼女が病気なら一緒にはいられない、と言う。そのとき、軍のヘリが上空を通過し、急いで近くの洗車場に車を隠すデイビッド。すると、突然洗車機が動き始め、車はロックが外れず、そこへ感染者が襲ってきた。必死の抵抗で車は動き出せたが、後部座席窓から感染者が引っ掛けたホースが、ベッキーの首に掛かり宙吊りになってしまう。車を降りた3人で感染者を射殺し、ベッキーを下ろしたが、すでに彼女は息絶えていた・・・。
次に、車がヘリのロケット弾の攻撃で爆発し、また移動手段を失ってしまう。
3人は徒歩で道を進み、途中で乗り捨てられている車を調べるが、タイヤを潰されていたり、エンジンをやられていて、走れる車は見つからない。そこへ、車が走ってくるのを見たデイビットは、銃で脅して車を奪おうとするが、ラスは車止めのスパイクチェーンを路上へ投げる。パンクした車は横転を繰り返し、大破してしまう。尚も銃を構え「ようこそ、友好的な町だぜ、アホ!」と運転手を射殺しようとするラス。それを留めて、運転手から話を聞きだすデイビット。今の状況で車を走らせるのは、軍関係者だけだからだ。
男は、飛行機に積まれていたのは”トリクシー”というラヴド・ウイルスの一種で、テキサスで焼却予定だった、人口調整用に開発されたが、今回のは事故だ、と言う。「細菌兵器」と叫ぶジュディ。元凶を見つけたデイビッドはキツイ一発をお見舞いするが、ジュディが質問を続けると「潜伏期間は48時間だ、感染すれば死ぬ」、と。
デイビッドは、もう3日目だ!つまり感染してない、助けてくれるな?と詰め寄るが、銃弾が男の頭をブチ抜いた。怒るデイビッドに「もう、話したろ?」と答えるラス。車中を漁って出てくると、ラスのライフルはデイビッドが背負っていた。「俺が代わる、ずっと担がせてたし」と刺激しないように言い、歩を進めようとするが、ラスは2人に拳銃を向ける。
「1・・・2・・・3」お前を助けた回数だ、前を歩け、とラスは言う。
ライフルを重いと言い捨て、全弾を撃ちつくして捨てるラス。異常な行動と凶暴性を剥き出しにし始めたラスに、デイビッドは男と男で話をしよう、と油断させ、殴り飛ばして銃を奪う。しかし、殺せないデイビッドは、倒れたままのラスを置き去りに歩き出す。その背中に「昨夏釣った巨大ナマズ、何kgだと思う?」と問い掛け、「15kgから18kg」と答えたデイビッドに「アホか!もっと超デカい」と言いながら起き上がる。「俺・・・まだ、大丈夫だよな・・・頼む、もう少しだけ・・・同行していいか?」
奇跡的に正気を取り戻したレスと共に、高速の検問所に辿り付いた3人。
レスは、「俺は補佐、実行役だ・・・お前は保安官・・・聞けよ、チーフ・・・俺は感染した、どうせ死ぬなら・・・生きた証が欲しい・・・二人を生き残らせたい」
そう言い残すと、レスは軍隊が待ち構える検問所へ進む。発砲警告を無視して、更に進む。一旦、車の陰に隠れ、カートリッジを装填すると、再び前に進み、従うふりをして銃を抜いた・・・。
蜂の巣にされたレスは、「ひでぇ、やつらだ・・・」と呟くと最後の銃弾を受けて死んだ。
レスの最後の銃声が響く中、2人は検問を抜け、ついに町から脱出し、高速のSA(サービスエリア)に辿り付いた。だが、SAは無人になっており、一周して戻ったデイビッドに、ジュディは足元の無数の薬莢を拾い落とす。
その視線の先には、安全の印として腕に金属環を巻いた無数の死体がトラックに満載されていた。
軍は、非感染者まで皆殺しにして住民を全滅させたのだ。
このままここに座って死ぬか、尚もトラックで逃げるか・・・二人はキスを交わし、ジュディは車を準備して、と言う。
準備を整えていたデイビッドは、置かれていた軍の無線から『作戦開始まで10分・・・総員配置に』という声を聞く。カウントダウン開始、という声が聞こえる中、デイビッドは死体を満載したあのハンター一味の車を発見する。同時にSAの電源が落とされ、危険を感じたジュディはキッチンの包丁を手にする。暗闇に身を潜め、ハンターをやり過ごしたジュディは、デイビッドと合流し、トラックへと走る。
車中の死体に驚いたものの、警戒しながら、デイビッドは鍵を一つずつ合わせるが、どうしても合わない。意を決してさっきの死体から鍵を手に入れた瞬間、ガレージの照明が点き、ハンター一味が襲ってきた。正気を失い痛覚もマヒした感染者は、デイビッドがスパナで殴っても倒れず笑う。一人をジュディが射殺し、整備用トレーで押し倒し油を被ったもう一人を火達磨にして、2人は辛くも脱出に成功する。
隣町のシダーラビッズへとトラックを爆走させるデイビッド。軍の無線からは、カウントダウンが聞こえ続けている。「何が起こるの?」というジュディ。答えられるはずもなく、ただトラックを走らせるデイビッド・・・。
30・・・20・・・最終装置起動、残り10秒・・・訳も分らずデイビッドの背に抱きつくジュディ・・・。
一瞬の静寂の後で、オグデン・マーシュの町は光に包まれ・・・凄まじい衝撃波がトラックを襲う。
町は地上から消え、生き残った二人は、腕を組んで遠くに見えるシダー・ラビッズの町へと歩いていく・・・・・・
”封鎖作戦開始”
・・・・・・END?
と、いうわけで、初見殺しのネタ満載でレビューしてしまいました。
自分でも丸々筆記しないで、レビューしろよ、という気もしてきた。B級ならノリ突っ込み甲斐があるんだけど、こういうのは苦手なんで、観たまま書いちゃうんですよね、誰も読まないな(長いし)。
えと、全体的な感想としては、現代風にアレンジした脚本+アクション+ロメロ翁が暗示していたもう一つの結末、で作りました、という感じですね。
製作総指揮に居るわけですから、単なるリメイクより、核兵器ラストやりたかったなぁ、という欲望が満たされたんじゃないでしょうか。
これだけバイタリティのある夫婦なら、どんどん移動して、いっそアメリカ横断ネタにしても大丈夫じゃないかw
この夫婦が来たら死亡フラグみたいな。
ただ、旧作がスルメのように観れば観るほど新しい味わいが出てくるのに比べて、非常にシンプルというか、アクション性が増した分、ドラマやテーマが薄味になりましたね。
軍は顔が見えない殺戮者でしかなく、感染者もサイコキラーばかり、住民に至っては主人公一味を除いて殺されるためだけに出てきた感じ。それぞれの明確な立ち位置も定まらず、ひたすら主人公夫婦を中心に展開させたのは分り易い反面、ご都合主義的な面も出てくるわけで・・・(車の男に全部説明させるとか、ね)。
やはり、ロメロ翁には遠く及ばない映画に収まってしまいました。
ただ、娯楽作品としては上出来の部類で、リメイクの中では「ドーン・オブ・ザ・デッド」レベルの完成度はあると思う。華やかさという意味でね(DOTDはゴアで満足、こちらはアクションで満足)。
ともあれ、このレベルのリメイクが出来るのなら、これからの映画もチェックしてやろうという気にさせる男。
*「We'll Meet Again」・・・SF映画の名作「博士の異常な愛情」でも使われた曲。今作では男性シンガーが歌っている。のっけからコレを聞かされたので、オチが100%分ってしまった。映画好きをナメた物凄いネタバレである。
*監督・・・「Sahara」なんかを映画化してしまったものだから、老害の原作者からクレームが付き、双方が訴訟を起こしてドロ沼状態である。どちらの肩を持つ気も無いが、文句を言うなら脚本に参加すべきである。
*監督2・・・なんと「ニューヨーク1997」のリメイクが進行中とのこと。何度か頓挫していた話だが、ブレックが監督をするということで、一気に話が信憑性を帯びてきた。むむむ・・・、微妙な気分である。
今度は、ロメロ翁の「ザ・クレイジーズ 細菌兵器の恐怖:THE CRAZIES」である。
監督は、映画界のゴールデンボーイことブレック・アイズナー(父親は元ディズニーCEOのマイケル・アイズナー)。親の七光りと思う無かれ、監督としての才能や評価も高く、映画への愛が作品から感じ取れるホープである。TVMで経験を積み、劇場映画の製作総指揮、監督として将来を期待されている。*
物語は・・・
炎上する家・・・炎は町を火の海と化していた・・・・・・ 2日前・・・のどかな田舎町を風景に、名曲『We'll Meet Again(*)』が流れる。
看護士のベッキーは、Dr.ジュディ・ダルトンに早退の言い訳を見抜かれたが、粋な計らいで彼氏が出場する試合を観に行けることに・・・。人口1260人の小さな町オグデン・マーシュの春は、野球の開幕試合と共に訪れ、保安官らも試合を楽しんでいた。
ところが、そこに外野グラウンドから、ライフルを持ったロイが入ってくる。突然の出来事に試合は中止、保安官は顔見知りのロイに注意をしながら、酔っていると判断し接近していく。だが、ロイは虚ろな表情で銃口を向け、保安官は反射的に彼を射殺してしまう。
検死の結果、アルコール反応は翌朝、薬物結果は1週間待ちだったが、ロイの不可解な行動に検死官は首をひねる。妻のペギーと息子のカートが到着し、2年前に禁酒した夫が酒に酔っていたはずは無い、と保安官のデイビッドの頬を憤りを込めて叩く。
皆が家族のような小さな町での出来事で、デイビッドは自責の念から、眠れぬ夜を過ごしていた。優しく彼に接する妻のジュディ・・・。
翌朝、検死官からロイのアルコール反応が陰性だったと知らされ、デイビットはショックを受ける。事件のあったスタジアムを訪れ、昨日の出来事を悔いるデイビットだったが、経営者のベンを見つけ声を掛ける。軽い挨拶のつもりだったが、ベンは心ここにあらずといった感じで、意味不明なことを言い立ち去ってしまう。
一方、ジュディの診療所にもビル一家が訪れ、夫の様子が変だと聴かされる。健康上は特に問題がなかったが、ジュディの問いかけに緩慢で、同じ返事を繰り返すのだった。
その夜、ビルが大型草刈機を始動したままなので、妻が様子を見に行くとビルの姿は無い。そのとき、家の方から息子の悲鳴が聞こえ、急いで駆け戻った妻に、息子はパパがナイフを・・・、と。ビルは、2人の隠れた部屋に鍵を掛けると、灯油を撒きながら歩き、玄関で火を放った・・・。
事件の知らせを聞いたデイビットとジュディは、急いでビルの家に駆けつけるが、妻子は炎の中、家の前に空の灯油缶、ビルは草刈機を回していた、と聴かされる・・・。
拘留されたビルは、監房の中で虚ろな表情をしたまま、2~3時間も棒立ちだった。デイビットは、その様子がロイと同じだ、と言う。
狩りをしていた一団が、森の中で死体を発見する。死体はパイロットで、脱出はしたもののパラシュートを着けたままの状態で、すでに死後一週間は経過していた。デイビットは助手の報告から、トラヴィスの噂話を聞き、半信半疑でボートを使い現場に行ってみる。だが、噂は真実で、河には大型の飛行機が沈んでいた。
飛行機が落下したにも関わらず何の報道もされていないことに疑問を持ったデイビッドは、積み荷に公表できない秘密があるのではと疑い、水道所で上水の流れを尋ねる。町の水道は、飛行機が沈んでいた河からドワイト沼に注ぎ、最初の供給先はロイの家だった。
原因は不明だが、事件との因果関係を察知したデイビッドは、町長に水道の停止を進言する。だが、町長は農耕に頼っている町で水は止められん、と突っぱねる。
辞職覚悟で強硬手段に出たデイビットは、助手のラスと水道栓を停止し、バルブを外す。
保安官事務所に戻った2人は、監獄のビルの様子が悪化し、鬼のような形相で暴れるのを見る。そして、事務所の電話もインターネットも携帯までもが、全て不通になっていることに気づく。町には人影が絶え、不審な車が隠し撮りをし、検死官のジムのオフィスから物音が聞こえた。検死官の事務所で、遺体のロイの目がピエロのように十字に切り裂かれ、検死官助手はベッドで目と口を縫合されていた。デイビットが口の縫合糸を切ると、「後ろにいる」と言われ、次の瞬間ジムが電動ノコで襲ってきた。 ケガを負いながらも、どうにか窮地を脱したデイビッドは、駆けつけた助手のラスと共に不可解な惨状に呆然とする。
町の異変を確信したデイビッドは、妻のジュディに実家へ避難するように勧めるが、医師の務めがある、と言う事を聞かない。そのとき、家の外で人影が動き、様子を見に出たデイビッドは、武装した兵士達に拘束される。兵士達は、住人を強制連行し、スタジアムに設置した施設に送る。そこで体温をチェックされ、発熱している者や鼻血を出している者は親子でも引き離され、何処かへ連行されていた。保安官と医者だが、何が起きてる?協力したいと叫ぶデイビット。だが、ジュディは異常ありと判断され拘束されてしまう。追いすがったデイビットは、兵隊に殴打され昏倒する。
施設内に運ばれたジュディは、そこで防護服とガスマスクを装備した集団に麻酔を掛けられる。
意識を取り戻したデイビッドは、兵隊によって住人が手首に金属環を着けられるのを見る。また、横暴に抵抗した住人がトラックで檻を壊し、住民が逃走するなど、状況は混乱を極めていた。
デイビットは、知り合いのケビンから、高速が封鎖され町が隔離されたこと、逃げようとしたティム一家が射殺されたことを聞く。それでも妻を諦めないデイビッドは、一度町の事務所に戻り、そこで助手のラスと合流する。正気を失った住民が、フェンスを破った混乱に乗じて逃げてきたラスは、ジュディがまだ施設内に居ると教える。ジュディの発熱は妊娠のためだ、というデイビッドに、ラスは助け出すのに協力すると言ってくれる。
施設内では、発病した感染者の狂った笑い声が聞こえ、ジュディは同じくベッドに拘束された看護士のベッキーと会う。異常な状況に怯えるベッキーを励ましながら、ジュディも不安感を募らせていた。そこに、ふらふらとスタジアムの経営者ベンが現れ、手にしたフォーク(鋤)で、ベッドで動けない女性を串刺しにした。尚も不気味な笑い声を出しながら、ベンは他のベッドでも串刺しにし、更にベッキーへ迫るが、ジュディは大声を上げて彼の注意を自分にひきつける。
間一髪で、デイビッドがベンを射殺し、ジュディとベッキーを救い出すことに成功する。
外では、住民と兵士の死体が散乱し、ラスは自分も感染しているかも、と言い掛ける。それを制したデイビッドは、補佐は保安官に従うものだ、お前は感染して無い、と励ます。
平和だった町は、炎に包まれ、もう見る影も無い。車には軍により車輪ロックが掛けられ、意味不明の行動を繰り返す感染者の笑い声が聞こえてくる。
ようやくロックの無い車を見つけたが、それは発狂したハンター一味の車で、人間を獲物のように駆り立てては銃殺し、荷台に放り込んでいた。
移動手段の欲しい4人は、ひとまずデイビットの家の中古の車を頼りに、徒歩で向かうことにする。その道中で、ジュディは感染の不安を漏らすが、同じ水を飲んでいる自分が無事だから大丈夫だ、と励ます。ベッキーは、BFのスコッティの家が近い事に気づき、彼の家へ走り出す。だが、感染を恐れるスコッティは、ベッキーに銃を向け、緊張した空気が流れるが、デイビッドの行動で撃ち合いは回避される。だが、町には兵士が動き回り、スコッティは自分の母親が異常と判断されるのを見て、思わず飛び出して行ってしまう。向かってきたスコッティを兵士は射殺し、死体に歩み寄る母親も射殺され、遺体は火炎放射器で焼却された。
デイビット達は、納屋に探索に来た兵士を捕らえ、何故あんなヒドイことを?と尋ねる。末端の兵士は命令に従っているだけで、事故が起きた、ガスマスクを絶対に外すな、としか聞いていないと答え、解放してくれたら部隊を撤収させると命乞いをする。デイビッドは事情を手早く説明し、絶対にウソを吐くな、と言い解放する。兵士は約束を守り、無人だ、と報告し部隊は撤収する。
ジュディは、兵士の話から、ウィルスは空気感染する、と判断し絶望を深める。
翌朝、4人は家に辿り付くが、ジュディは干してあった洗濯物を取り入れ始め、制止したデイビッドに「完璧よ・・・完璧に美しい朝と私たちの家・・・赤ちゃんを育てる場所」と言う。「元通りになるさ」、と励ますデイビッドだったが、ジュディは「知り合いは・・・みんな死んだ、町は死んだの、元に戻らない・・・決してね」と語る。
ラスとビッキーは車の修理に掛かり、ジュディは赤ちゃんが生まれた時のために用意していた部屋へ向かう。今では、遠い夢になってしまった幸せな未来を想い、感傷に浸るジュディ。
様子を見に行ったデイビッドは、ジュディに語りかけながら部屋へ入るが、目の前には椅子に拘束された彼女の姿が・・・、ふいに背後から襲われたデイビッドは銃を落とし、男に首を締め上げられる。必死に銃に伸ばした手は、ナイフで床に串刺しにされ、その銃を拾い上げた女は・・・「パパを殺した銃よ」と言う。首を絞めていたのは、息子のカートで、女はロイの妻ペギーだった・・・。二人は、すでに発症しており、狂気の中で復讐に来ていたのだった。ロイを辱める言葉でペギーの注意を引いたデイビッドは、死力を振り絞りカートを押しのけ、手に刺さったナイフごとペギーの首を突き刺した。カートは、ラスに窓越しに狙撃され死亡。駆けつけたベッキーと3人で傷を縛ろうとしていると、ラスも部屋に入ってきた。ところが、ラスは、すでに死にかけている母子に、数発の弾丸を撃ち込む。明らかなオーバーキルに、ジュディはラスが発症している、とデイビッドに告げる。デイビッドは、命の恩人だから、とラスの発症を認めない。
ようやく車で移動を開始した4人だったが、ベッキーが激しく咳き込み始め、ラスは彼女が病気なら一緒にはいられない、と言う。そのとき、軍のヘリが上空を通過し、急いで近くの洗車場に車を隠すデイビッド。すると、突然洗車機が動き始め、車はロックが外れず、そこへ感染者が襲ってきた。必死の抵抗で車は動き出せたが、後部座席窓から感染者が引っ掛けたホースが、ベッキーの首に掛かり宙吊りになってしまう。車を降りた3人で感染者を射殺し、ベッキーを下ろしたが、すでに彼女は息絶えていた・・・。
次に、車がヘリのロケット弾の攻撃で爆発し、また移動手段を失ってしまう。
3人は徒歩で道を進み、途中で乗り捨てられている車を調べるが、タイヤを潰されていたり、エンジンをやられていて、走れる車は見つからない。そこへ、車が走ってくるのを見たデイビットは、銃で脅して車を奪おうとするが、ラスは車止めのスパイクチェーンを路上へ投げる。パンクした車は横転を繰り返し、大破してしまう。尚も銃を構え「ようこそ、友好的な町だぜ、アホ!」と運転手を射殺しようとするラス。それを留めて、運転手から話を聞きだすデイビット。今の状況で車を走らせるのは、軍関係者だけだからだ。
男は、飛行機に積まれていたのは”トリクシー”というラヴド・ウイルスの一種で、テキサスで焼却予定だった、人口調整用に開発されたが、今回のは事故だ、と言う。「細菌兵器」と叫ぶジュディ。元凶を見つけたデイビッドはキツイ一発をお見舞いするが、ジュディが質問を続けると「潜伏期間は48時間だ、感染すれば死ぬ」、と。
デイビッドは、もう3日目だ!つまり感染してない、助けてくれるな?と詰め寄るが、銃弾が男の頭をブチ抜いた。怒るデイビッドに「もう、話したろ?」と答えるラス。車中を漁って出てくると、ラスのライフルはデイビッドが背負っていた。「俺が代わる、ずっと担がせてたし」と刺激しないように言い、歩を進めようとするが、ラスは2人に拳銃を向ける。
「1・・・2・・・3」お前を助けた回数だ、前を歩け、とラスは言う。
ライフルを重いと言い捨て、全弾を撃ちつくして捨てるラス。異常な行動と凶暴性を剥き出しにし始めたラスに、デイビッドは男と男で話をしよう、と油断させ、殴り飛ばして銃を奪う。しかし、殺せないデイビッドは、倒れたままのラスを置き去りに歩き出す。その背中に「昨夏釣った巨大ナマズ、何kgだと思う?」と問い掛け、「15kgから18kg」と答えたデイビッドに「アホか!もっと超デカい」と言いながら起き上がる。「俺・・・まだ、大丈夫だよな・・・頼む、もう少しだけ・・・同行していいか?」
奇跡的に正気を取り戻したレスと共に、高速の検問所に辿り付いた3人。
レスは、「俺は補佐、実行役だ・・・お前は保安官・・・聞けよ、チーフ・・・俺は感染した、どうせ死ぬなら・・・生きた証が欲しい・・・二人を生き残らせたい」
そう言い残すと、レスは軍隊が待ち構える検問所へ進む。発砲警告を無視して、更に進む。一旦、車の陰に隠れ、カートリッジを装填すると、再び前に進み、従うふりをして銃を抜いた・・・。
蜂の巣にされたレスは、「ひでぇ、やつらだ・・・」と呟くと最後の銃弾を受けて死んだ。
レスの最後の銃声が響く中、2人は検問を抜け、ついに町から脱出し、高速のSA(サービスエリア)に辿り付いた。だが、SAは無人になっており、一周して戻ったデイビッドに、ジュディは足元の無数の薬莢を拾い落とす。
その視線の先には、安全の印として腕に金属環を巻いた無数の死体がトラックに満載されていた。
軍は、非感染者まで皆殺しにして住民を全滅させたのだ。
このままここに座って死ぬか、尚もトラックで逃げるか・・・二人はキスを交わし、ジュディは車を準備して、と言う。
準備を整えていたデイビッドは、置かれていた軍の無線から『作戦開始まで10分・・・総員配置に』という声を聞く。カウントダウン開始、という声が聞こえる中、デイビッドは死体を満載したあのハンター一味の車を発見する。同時にSAの電源が落とされ、危険を感じたジュディはキッチンの包丁を手にする。暗闇に身を潜め、ハンターをやり過ごしたジュディは、デイビッドと合流し、トラックへと走る。
車中の死体に驚いたものの、警戒しながら、デイビッドは鍵を一つずつ合わせるが、どうしても合わない。意を決してさっきの死体から鍵を手に入れた瞬間、ガレージの照明が点き、ハンター一味が襲ってきた。正気を失い痛覚もマヒした感染者は、デイビッドがスパナで殴っても倒れず笑う。一人をジュディが射殺し、整備用トレーで押し倒し油を被ったもう一人を火達磨にして、2人は辛くも脱出に成功する。
隣町のシダーラビッズへとトラックを爆走させるデイビッド。軍の無線からは、カウントダウンが聞こえ続けている。「何が起こるの?」というジュディ。答えられるはずもなく、ただトラックを走らせるデイビッド・・・。
30・・・20・・・最終装置起動、残り10秒・・・訳も分らずデイビッドの背に抱きつくジュディ・・・。
一瞬の静寂の後で、オグデン・マーシュの町は光に包まれ・・・凄まじい衝撃波がトラックを襲う。
町は地上から消え、生き残った二人は、腕を組んで遠くに見えるシダー・ラビッズの町へと歩いていく・・・・・・
”封鎖作戦開始”
・・・・・・END?
と、いうわけで、初見殺しのネタ満載でレビューしてしまいました。
自分でも丸々筆記しないで、レビューしろよ、という気もしてきた。B級ならノリ突っ込み甲斐があるんだけど、こういうのは苦手なんで、観たまま書いちゃうんですよね、誰も読まないな(長いし)。
えと、全体的な感想としては、現代風にアレンジした脚本+アクション+ロメロ翁が暗示していたもう一つの結末、で作りました、という感じですね。
製作総指揮に居るわけですから、単なるリメイクより、核兵器ラストやりたかったなぁ、という欲望が満たされたんじゃないでしょうか。
これだけバイタリティのある夫婦なら、どんどん移動して、いっそアメリカ横断ネタにしても大丈夫じゃないかw
この夫婦が来たら死亡フラグみたいな。
ただ、旧作がスルメのように観れば観るほど新しい味わいが出てくるのに比べて、非常にシンプルというか、アクション性が増した分、ドラマやテーマが薄味になりましたね。
軍は顔が見えない殺戮者でしかなく、感染者もサイコキラーばかり、住民に至っては主人公一味を除いて殺されるためだけに出てきた感じ。それぞれの明確な立ち位置も定まらず、ひたすら主人公夫婦を中心に展開させたのは分り易い反面、ご都合主義的な面も出てくるわけで・・・(車の男に全部説明させるとか、ね)。
やはり、ロメロ翁には遠く及ばない映画に収まってしまいました。
ただ、娯楽作品としては上出来の部類で、リメイクの中では「ドーン・オブ・ザ・デッド」レベルの完成度はあると思う。華やかさという意味でね(DOTDはゴアで満足、こちらはアクションで満足)。
*「We'll Meet Again」・・・SF映画の名作「博士の異常な愛情」でも使われた曲。今作では男性シンガーが歌っている。のっけからコレを聞かされたので、オチが100%分ってしまった。映画好きをナメた物凄いネタバレである。
*監督・・・「Sahara」なんかを映画化してしまったものだから、老害の原作者からクレームが付き、双方が訴訟を起こしてドロ沼状態である。どちらの肩を持つ気も無いが、文句を言うなら脚本に参加すべきである。
*監督2・・・なんと「ニューヨーク1997」のリメイクが進行中とのこと。何度か頓挫していた話だが、ブレックが監督をするということで、一気に話が信憑性を帯びてきた。むむむ・・・、微妙な気分である。
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