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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:SILENT NIGHT, DEADLY NIGHT35db8945.jpeg
監督:チャールズ・E・セリアー・Jr

ネタバレ


くたばれ!クリスマス・キャンペーン第一弾!!(終ってる)
知る人ぞ知るサイコ・スラッシャー映画の佳作。
正直、この邦題はどうよ?と思わないでもないけど、分りやすくていいか。
タイトルそのまんま悪鬼と化したサンタ青年が、サイコ全開で大暴れする作品。

物語は・・・
幼女の可愛い歌声から一転して「Silent Night」を血に染めて「DEADLY NIGHT」の始まり。
イヤホンで視聴してるとビビリます。
陰鬱なBGMでスタッフロールが終わり、家族四人でクリスマスに「UTAH MENTAL FACILITY:ユタ州立精神療養所(字幕は精神病院ですが、微妙に間違ってます)」にドライブです。
無反応な祖父のお見舞いですが、孫のビリーを置いて、両親と乳児のリッキーは治療記録を見に行ってしまいます。
それを見計らったように起動する祖父、孫をビビらせまくって、「サンタクロースは、悪い子にはお仕置きをするから、会ったら逃げるこったな!」と嫌な笑い。
両親が戻ると、また電池が切れますが、一体何をやりたいんでしょう、このクソジジイは。

さて、サンタに扮装した強盗が、たった31ドルで店員を射殺。アメリカでは、意外と多いらしいですね、サンタ強盗。で、当然のように帰宅途中の家族が襲われ、父親は射殺、母親は泣き叫ぶ赤子の声をBGMにナイフで惨殺されてしまいます。その一部始終を隠れて目撃していたビリーは、弟と一緒に孤児院で成長します。

心に深い傷を負っているせいで、サンタとトナカイを惨殺する絵を描いて問題を起こしますが、厳格な女院長のクソババアは同情よりも厳しい教育で対応します。(普通、こういう体験をした子供が対象に攻撃的になる、という心理は稀なケースだと思います)
生来の気性なのか、祖父の血なのか、内向的でありながら攻撃的な面を抑圧されて、ビリーは表面上は立派な青年へと成長します。
ハンサムで
偉丈夫なビリーは、オモチャ屋の仕事でも運搬に接客にと真面目に勤め上げ、店長の覚えもよろしく順調。そして、一番の稼ぎ時である(くたばれ)クリスマスが到来します。PTSD(心的外傷後ストレス障害)を発症したビリーは、確実に統合失調症へと悪化、幻覚、幻聴、悪夢、錯乱へと進み、おまけにサンタ姿での接客を押し付けられます・・・。6cb7ac4b.jpg

嫌な予感しかしない
シスター。

ふざけあっていた店員カップルの姿で、幼少時のフラッシュバックを起こしたビリーは、二人を惨殺。ついでに酔っ払い店長をハンマーで一撃、最後の女店員も意味不明な言葉を口走りながら弓矢で射殺します。

心配になって様子を見に来たシスター、しかし予感は的中、店には死体が転がってました。

すっかり出来上がってしまったビリーは、「罰だ!」と叫びながら民家を襲撃、扉を斧でブチ破り、おっぱい丸出しの女を鹿の首飾りの角に串刺し。男は2階から放り出して殺します。いたいけな少女は「いい子!」と答えたのでセーフ。まぁ、後でトラウマ必至の光景に出会うハメになるわけですが・・・。

サンタの格好をした殺人鬼がうろついているというので、警察も動き始めますが、イヴの夜ともなれば見つけるのも大変です。
捜索を交わしながら、ビリーはソリ遊びの悪ガキの首を斧でホームラン!したりしながら、孤児院を目指して移動してます。
シスターの訴えから犯人をビリーと特定した警察は、孤児院に警官を派遣。子供に近づく不審なサンタを射殺しますが、これはサンタ役のオブライエン神父様でした。(合掌)

先程のまぬけな警官を、納屋で「罰だ!」と斧で一撃、血まみれの斧で雪ダルマの首も斬りおとし、孤児院の入り口へと現れます。もう一人の元凶である院長のクソババアへ「罰だ」と迫るビリー。
「サンタクロースなんて、いない・・・いなかったのよ」と叫ぶ院長。
しかし、ビリーの凶行は、間一髪で刑事の銃弾で阻まれてしまいます。
ただ一人、自分を理解してくれた優しいシスターに見守られ、ビリーは傷だらけの人生を終えました。
45cc1828.jpg
サンタクロースは・・・もう・・・いない

と、言い残して・・・。
そして、足元に転がる血まみれの斧を見つめる少年、それこそ弟のリッキーでした。
院長を睨み、ただ一言・・・「罰だ


さて、全体を通して見れば脚本にも捻りがなく、肝心の斧も余り活躍しない本作ですが、サイコキラーとしては真っ直ぐに狂っているので安心して観られます(私見)。
途中の寄り道で死体の数を稼ぐ意味は分りませんが、殺人方法にも工夫があり、少女との緊迫のシーンなど見所もある作品です。
ビリーも祖父の悪性遺伝子に影響され、そこに両親の非業の死、女院長からの抑圧された少年時代、と実に可哀想な生い立ちを持っています。嫌な言い方ですが、こういう最後を遂げるのがふさわしい最後なのかもしれません。

*キネマ旬報データベースや東宝東和お得意の詐欺商法で日本でも紹介され、一部に熱烈なファン(熱烈じゃないけど、私も好き)がいる本作。時は1984年、スラッシャーネタに記念日や意外な殺人鬼が求められていた時代に、悪魔のサンタクロースがやってきたわけですが、当然のようにPTAや人権団体から猛烈な抗議が巻き起こり上映禁止運動にまで発展しました。一応、そんな障害が逆に追い風になり、2の制作も進み、最終的には5作目(関連があるのは2まで)を数えるヒットとなりました。
*改めて観直してみると、この一直線な脚本が、ビリーに同情を感じる点でもあり、クソジジイ&クソババアへの憤りも憶えると言う、認めちゃいけないんだけど分る気がするカルト映画になってますね。途中の寄り道で死体カウントを増やさなければ、割と良い感じで生粋のリアリティーのある名作に化けていたかもね。
*文中で精神障害や神経障害についての表現がありますが、あくまで自己体験による知識ですので、特に統合失調症の人が全て重度の妄想、幻覚に陥るわけではありません、念のため。

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