B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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DCE制作の第4作は、オリジナル脚本の「ゴシカ:GOTHIKA(ゴシックの意)」。
脚本を書いたのは、セバスチャン・グティエレスで、タイ映画のリメイク『アイズ:THE EYE』(脚本)や『人食い人魚伝説』(監督)などをやった男である。
今ひとつパッとしない作風の人だが、監督に『クリムゾン・リバー』のカソヴィッツを起用しているので、どういう作品になっているか興味は大きい。
物語は・・・
ウッドワード女子刑務所・・・心理分析医のミランダは、ここで囚人クロエのカウンセリングを淡々とこなしていた。義父殺しで投獄されているクロエは、悪魔との性交を語り、ミランダが自分を異常者扱いして話を聞かない、お前は心が死んでると罵る。
患者との関係に悩むミランダは、施設の長で夫のダグラスに「君の仕事は、患者を映す鏡だ」と教えられる。恰幅もよく信頼も厚い夫の言葉は「辛い記憶を抑圧することで人は生きていける」と続く。夫が納屋の改装のため先に帰宅した後も、仕事に励むミランダ。
仕事のストレスを一泳ぎして解消し、雨の中を車で帰宅する途中、ダグラスの友人の警察官に、大雨で道が陥没しているため迂回を指示される。
携帯電話で夫と話しながら、自宅の近くの橋を渡り終える時、突然目の前に白い下着姿の少女が現れる。道を外れた車から降りて近づくと、少女は血まみれで、ミランダの目の前で燃え上がり両手で顔を覆われたミランダも炎上する。
次にミランダが目覚めたのは、自分の職場だった女子刑務所の独房・・・。訳が分らず暴れるミランダを元同僚のピートが、裁判所の許可を取り診察を請け負ったという。ミランダは3日も極度の興奮状態と緊張症が続き、ようやく話が出来る状態になったと言われる。2人は噛み合わない会話を続けるが、ピートの口からダグラスは殺され、ミランダが殺したと言われ動転する。
監禁と薬漬けの日々、クロエにも真実を話せば話すほど異常者扱いされるだけ、と自分の新聞記事を渡される。そんな夜、独房のガラス窓に『Not Alone:一人じゃない』の文字が現れる。
集団シャワーの中に、あの少女を見つけ怯えるミランダ、更にその少女は恐ろしい顔で彼女の体を傷つける。スタッフは、ただの自傷行為と受け流すが、凶器はメスのようなもので、35箇所も斬られていた。極度のストレスと異常な状況に、異常者か夢かの判断も曖昧になり、しかも彼女の記憶は大きく抜け落ちていた。
弁護士のテディーは、帰宅する姿を警官に見られていること、隣人が聞いた悲鳴、凶器の指紋、全てが不利な状況であり、ミランダは動機が無いと主張するが、テディーも彼女を異常者だと疑っていた。
テディーは、ダグラスの親友だったライアン保安官が面会を求めていることを告げ止めた方がいい、と言うがミランダは隠し事はない、と面会を受ける。
ダグラスは正面から頭に第1撃を受けており、ライアンは次第にヒートアップし、どうして親友を殺したと叫ぶと現場写真を叩きつける。ダグラスは肉片が飛び散るほど惨殺されており、それを見たミランダはショックを受けるが、そのときシャワー室で付けられた右腕の傷が出血を始めた。包帯を外すと、そこには傷痕で『NOT ALONE』の血文字が・・・そして、現場の壁にも血文字で同じ言葉が書かれていた。
その夜、夢で事件の内容を逆再生で観たミランダは、炎上した少女が自分の
口から体内に入ったことを知る。その後で、自宅に入り庭の斧で夫のダグラスを惨殺したのだ。
ミランダは、フィル管理長に夢で見た事を伝えようとする。正体は分らないが、ミランダは犯行時に一人では無かった。それが「NOT ALONE」の意味だったのだ、と。そのとき、デスクに逆さに置かれた少女の写真に気が付いたミランダは、それがあの少女だと気づき愕然とする。少女の名はレイチェル、フィルの娘だったのだ。しかし、彼女は4年も前に死んでいた・・・。
その夜、レイチェルの幽霊にここから出して、と呟くミランダ。すると、独房の鍵が開き、ミランダは脱走して所内のピートの部屋へ入り込む。引き出しからレイチェルとの2ショット写真を見つけると、PCが起動しネットの画面で「Local Girl Commits Suicide(地元の少女が自殺)」のレイチェルの記事を見る。サイドビューで病院内の監禁病棟が映り、そこにクロエの姿が・・・。
監禁病棟の照明は狂ったように明滅し、ある部屋の前で正常に戻る。覗き窓のから中を見ると、確かにクロエが何者かに襲われている。そして、奇怪な刺青が彫られた胸が見えると、ミランダは堪らず悲鳴を上げて逃げ出した・・・。
独房に逆戻りになったミランダは、駆けつけてきたピートにクロエの事と刺青の話をする。ピートは、それを「孤独な魂」だと答え、鎖に繋がれ煉獄の炎で焼かれる、それは君自身の幻覚だ、と切り捨てる。だが、レイチェルの自殺記事の紙について、「橋から飛び降りて傷つき発見された」というピートに、彼女は暴行によるショック状態で橋から落ちた、とミランダ。検死が間違っていたから私にコンタクトしてきた、という話しになると、ピートはもう聞く耳を持たず去っていった。
次の日、怪我をしたクロエに話を信じなくて悪かった、と謝るミランダ。クロエは体は奪われても心は奪われない、と答え、「次はあんただって」と不気味な予言をする。
その夜、レイチェルの霊が現れ、ミランダに激しい暴行を加える。監視カメラで異常を知った警備員と婦長が部屋に入ると、気を失ったふりをしていたミランダは鍵を奪って逃亡。逃走劇の末、プールに身を沈めたり、友達だった受付警備員の協力を受けたりして、ようやく車で逃走に成功する。途中でレイチェルがブレーキを踏ませなかったりしたが、どうにか自宅へたどり着くと、家の照明が勝手に点き、ミランダは合鍵で家に入る。
室内では、ダグラスが殺される場面を見せられ、壁の『NOT ALONE』を見る。バスタブで血を流し、鏡の前でレイチェルの憑依が切れた。自分がやったことを悔いて、ダグラスとの写真を見ていたミランダは、『納屋の改装』という言葉を思い出し、車でそこへ向かう。
納屋の中でビデオカメラの空き箱と地下への扉を見つけたミランダは、地下で撮影用の照明を点け愕然とする。そこには、大きなベッドには血の跡が残り、拘束具の鎖と薬剤が置かれていた。そして、ビデオカメラには、少女を拘束し、下卑た言葉を吐きのしかかる夫の姿が・・・。
驚くのも束の間、そこへ警官が銃を構えて現れ、更には監禁されていた少女が助けを求めてきた・・・。納屋にはTVレポーターも来る騒ぎになったが、全てはまだノーコメントだ、とライアン保安官。ミランダを病院に戻して監視をつけろ、と言うライアンに、ピートはミランダが彼女を救ったと言い返す。
フィル管理長とミランダは、ダグラスの何処を見ていたのか・・・と悔いるが、レイチェルも犠牲者なのかという問いにミランダは、そうよと答える。
『NOT ALONE』の本当の意味は、犠牲者は自分だけじゃない、という意味だとミランダは思った。しかし、炎に焼かれるレイチェルのメッセージが理解できない・・・。
ミランダはピートに電話を掛け、自分の思い違いを伝えようとする。「クロエを犯した犯人は、少女殺害とタトゥーに関係している」、と。妄想や幽霊など信じられない、とピートは電話を切る。
監房に入れられたミランダは、ライアン保安官を呼び出し、自分の答えを伝える。
『NOT ALONEの本当の意味・・・・・・殺人鬼は2人よ』
炎に焼かれる少女、クロエをレイプした男のタトゥーは炎に焼かれる女の絵。ピートに話したが、信じてくれなかったというミランダ。どうせ妄想扱いされると思ったが、意外にもライアンは話を信じているようだ。ミランダの論理によると、2人組の殺人鬼は師弟関係で、弟子は父親のいない環境で育ち、そのため母親に異常なまでに依存し、倒錯的なセックスに走る結果になった。幼少時には動物虐待をしていたかもしれず、男としての彼は性的に混乱しきっている状態にある、と分析する。
「なるほど、変態野郎だな」と言うと、ライアンは第2の犯人が証拠隠滅に奔走している筈で、知りすぎているミランダが危ない、と忠告までしてくれる。
ただの勘よ、と答えるミランダだったが、ライアンは次々と犯人の心理を示してくる。徐々に緊張感が増す中、ミランダは核心を突き始め、ついに自らが致命的な弱点であると意識されていることに気づく。ライアンは、自分が分析に当て嵌まり、ダグラスの親友で刑務所にも自由に出入りできる立場だ、と語り・・・
『動物虐待は、してないがな!』と叫ぶと、本性を表したライアンは、ミランダに襲い掛かる。
揉み合う内に、ライアンの胸のタトゥーが露出し、鎮静剤を手にミランダを押さえ込もうとする。その時、停電になった隙をつき、逆にライアンに注射器を刺し逃げ出す。焦ったライアンは、拳銃を撃ち始め、その一発が『FLAMMABLE:可燃性』の管に当り、ガスが噴出す。
シャツを脱ぎ捨て、サイコ丸出しの言葉を吐きながら追ってくるライアン・・・。ダグラスとの歪んだ思い出を語り、少女性愛者コンビのカミングアウトが続く。
鎮静剤の効果も相まって、立ち尽くす姿に銃弾を撃ちこむが、ガラス扉の向うの姿を透り抜ける。
「レイチェル?理屈に合わん・・・死んだはずだぞ」
ショットガンを再びレイチェルに向けて発砲したが、銃弾はPCを破壊し、飛び散った火花に引火したガスに焼かれるライアン。
振り返ると、ミランダが構えた銃で、頭を撃ちぬきトドメを刺した。
『理屈じゃないわ』
そこへピートが来て、「悪かった」と一言。
・・・一年後、解放された女2人は、今も悪夢にうなされることはあっても、強く生きていた。クロエは、新しい生活のためにタクシーで駅へ向かい、ミランダは歩道を進む。その時、車道で少年がトラックに轢かれそうになった。思わず声をあげたミランダだったが、トラックが通り過ぎると、そこには何も無かった・・・近くの電柱には『事故の目撃情報求む』の貼り紙と少年の写真・・・。 END
この作品、展開に難はあるものの、まずまずの出来だと思います。
どう言うのか、脚本の示した部分を演出が表現し足りなかったのかな、と。
サスペンス要素もありますので、レイチェル(霊)の行動にも敵か味方か分らないというシーンもあり、「お前は一体何をしたいねん」と突っ込みたかったでしょうね、ミランダも。
異常者扱いされていたシーンが少し長すぎたような気がして、途中で苛々しましたが、終ってみれば無事解決・・・、と言っていいのかな。
結局、クロエをレイプしていた悪魔はライアンだったわけで、ミランダは変態師弟コンビの餌食になったレイチェルの復讐に巻き込まれた感じですが、これ事件的には実行犯はミランダで間違いなくて、どうやって公判を逃れたのか気になります。
ついでに、憑依されたせいで、霊能力にも目覚めたようで、ミランダの今後が心配です。
後、役に立ちそうで最後まで役に立たなかったピートは、間違いなくミランダにふられたでしょうw
*心理分析医というより、心霊分析医でしたね。ちなみに洋画では、よく精神病院系が舞台になると、ひどく冷酷で暴力的な場面が出てきますが、実際は映画ほど劣悪ではありませんので、念のため。今作は刑務所ですので、これぐらい扱いが酷くてもよいでしょうけど。
*このピートのような人物を中国では『呉学人』と言います。水滸伝の英傑の一人ですが、作戦の失敗率が高いため、賢そうなのに役に立たない人を指して『梁山泊の軍師』『呉用は無用』と言われます。
*一応、本作が第4作目にして、初のDCEオリジナル作品になります。
脚本を書いたのは、セバスチャン・グティエレスで、タイ映画のリメイク『アイズ:THE EYE』(脚本)や『人食い人魚伝説』(監督)などをやった男である。
今ひとつパッとしない作風の人だが、監督に『クリムゾン・リバー』のカソヴィッツを起用しているので、どういう作品になっているか興味は大きい。
物語は・・・
ウッドワード女子刑務所・・・心理分析医のミランダは、ここで囚人クロエのカウンセリングを淡々とこなしていた。義父殺しで投獄されているクロエは、悪魔との性交を語り、ミランダが自分を異常者扱いして話を聞かない、お前は心が死んでると罵る。
患者との関係に悩むミランダは、施設の長で夫のダグラスに「君の仕事は、患者を映す鏡だ」と教えられる。恰幅もよく信頼も厚い夫の言葉は「辛い記憶を抑圧することで人は生きていける」と続く。夫が納屋の改装のため先に帰宅した後も、仕事に励むミランダ。
仕事のストレスを一泳ぎして解消し、雨の中を車で帰宅する途中、ダグラスの友人の警察官に、大雨で道が陥没しているため迂回を指示される。
携帯電話で夫と話しながら、自宅の近くの橋を渡り終える時、突然目の前に白い下着姿の少女が現れる。道を外れた車から降りて近づくと、少女は血まみれで、ミランダの目の前で燃え上がり両手で顔を覆われたミランダも炎上する。
次にミランダが目覚めたのは、自分の職場だった女子刑務所の独房・・・。訳が分らず暴れるミランダを元同僚のピートが、裁判所の許可を取り診察を請け負ったという。ミランダは3日も極度の興奮状態と緊張症が続き、ようやく話が出来る状態になったと言われる。2人は噛み合わない会話を続けるが、ピートの口からダグラスは殺され、ミランダが殺したと言われ動転する。
監禁と薬漬けの日々、クロエにも真実を話せば話すほど異常者扱いされるだけ、と自分の新聞記事を渡される。そんな夜、独房のガラス窓に『Not Alone:一人じゃない』の文字が現れる。
集団シャワーの中に、あの少女を見つけ怯えるミランダ、更にその少女は恐ろしい顔で彼女の体を傷つける。スタッフは、ただの自傷行為と受け流すが、凶器はメスのようなもので、35箇所も斬られていた。極度のストレスと異常な状況に、異常者か夢かの判断も曖昧になり、しかも彼女の記憶は大きく抜け落ちていた。
弁護士のテディーは、帰宅する姿を警官に見られていること、隣人が聞いた悲鳴、凶器の指紋、全てが不利な状況であり、ミランダは動機が無いと主張するが、テディーも彼女を異常者だと疑っていた。
テディーは、ダグラスの親友だったライアン保安官が面会を求めていることを告げ止めた方がいい、と言うがミランダは隠し事はない、と面会を受ける。
ダグラスは正面から頭に第1撃を受けており、ライアンは次第にヒートアップし、どうして親友を殺したと叫ぶと現場写真を叩きつける。ダグラスは肉片が飛び散るほど惨殺されており、それを見たミランダはショックを受けるが、そのときシャワー室で付けられた右腕の傷が出血を始めた。包帯を外すと、そこには傷痕で『NOT ALONE』の血文字が・・・そして、現場の壁にも血文字で同じ言葉が書かれていた。
その夜、夢で事件の内容を逆再生で観たミランダは、炎上した少女が自分の
口から体内に入ったことを知る。その後で、自宅に入り庭の斧で夫のダグラスを惨殺したのだ。
ミランダは、フィル管理長に夢で見た事を伝えようとする。正体は分らないが、ミランダは犯行時に一人では無かった。それが「NOT ALONE」の意味だったのだ、と。そのとき、デスクに逆さに置かれた少女の写真に気が付いたミランダは、それがあの少女だと気づき愕然とする。少女の名はレイチェル、フィルの娘だったのだ。しかし、彼女は4年も前に死んでいた・・・。
その夜、レイチェルの幽霊にここから出して、と呟くミランダ。すると、独房の鍵が開き、ミランダは脱走して所内のピートの部屋へ入り込む。引き出しからレイチェルとの2ショット写真を見つけると、PCが起動しネットの画面で「Local Girl Commits Suicide(地元の少女が自殺)」のレイチェルの記事を見る。サイドビューで病院内の監禁病棟が映り、そこにクロエの姿が・・・。
監禁病棟の照明は狂ったように明滅し、ある部屋の前で正常に戻る。覗き窓のから中を見ると、確かにクロエが何者かに襲われている。そして、奇怪な刺青が彫られた胸が見えると、ミランダは堪らず悲鳴を上げて逃げ出した・・・。
独房に逆戻りになったミランダは、駆けつけてきたピートにクロエの事と刺青の話をする。ピートは、それを「孤独な魂」だと答え、鎖に繋がれ煉獄の炎で焼かれる、それは君自身の幻覚だ、と切り捨てる。だが、レイチェルの自殺記事の紙について、「橋から飛び降りて傷つき発見された」というピートに、彼女は暴行によるショック状態で橋から落ちた、とミランダ。検死が間違っていたから私にコンタクトしてきた、という話しになると、ピートはもう聞く耳を持たず去っていった。
次の日、怪我をしたクロエに話を信じなくて悪かった、と謝るミランダ。クロエは体は奪われても心は奪われない、と答え、「次はあんただって」と不気味な予言をする。
その夜、レイチェルの霊が現れ、ミランダに激しい暴行を加える。監視カメラで異常を知った警備員と婦長が部屋に入ると、気を失ったふりをしていたミランダは鍵を奪って逃亡。逃走劇の末、プールに身を沈めたり、友達だった受付警備員の協力を受けたりして、ようやく車で逃走に成功する。途中でレイチェルがブレーキを踏ませなかったりしたが、どうにか自宅へたどり着くと、家の照明が勝手に点き、ミランダは合鍵で家に入る。
室内では、ダグラスが殺される場面を見せられ、壁の『NOT ALONE』を見る。バスタブで血を流し、鏡の前でレイチェルの憑依が切れた。自分がやったことを悔いて、ダグラスとの写真を見ていたミランダは、『納屋の改装』という言葉を思い出し、車でそこへ向かう。
納屋の中でビデオカメラの空き箱と地下への扉を見つけたミランダは、地下で撮影用の照明を点け愕然とする。そこには、大きなベッドには血の跡が残り、拘束具の鎖と薬剤が置かれていた。そして、ビデオカメラには、少女を拘束し、下卑た言葉を吐きのしかかる夫の姿が・・・。
驚くのも束の間、そこへ警官が銃を構えて現れ、更には監禁されていた少女が助けを求めてきた・・・。納屋にはTVレポーターも来る騒ぎになったが、全てはまだノーコメントだ、とライアン保安官。ミランダを病院に戻して監視をつけろ、と言うライアンに、ピートはミランダが彼女を救ったと言い返す。
フィル管理長とミランダは、ダグラスの何処を見ていたのか・・・と悔いるが、レイチェルも犠牲者なのかという問いにミランダは、そうよと答える。
『NOT ALONE』の本当の意味は、犠牲者は自分だけじゃない、という意味だとミランダは思った。しかし、炎に焼かれるレイチェルのメッセージが理解できない・・・。
ミランダはピートに電話を掛け、自分の思い違いを伝えようとする。「クロエを犯した犯人は、少女殺害とタトゥーに関係している」、と。妄想や幽霊など信じられない、とピートは電話を切る。
監房に入れられたミランダは、ライアン保安官を呼び出し、自分の答えを伝える。
『NOT ALONEの本当の意味・・・・・・殺人鬼は2人よ』
炎に焼かれる少女、クロエをレイプした男のタトゥーは炎に焼かれる女の絵。ピートに話したが、信じてくれなかったというミランダ。どうせ妄想扱いされると思ったが、意外にもライアンは話を信じているようだ。ミランダの論理によると、2人組の殺人鬼は師弟関係で、弟子は父親のいない環境で育ち、そのため母親に異常なまでに依存し、倒錯的なセックスに走る結果になった。幼少時には動物虐待をしていたかもしれず、男としての彼は性的に混乱しきっている状態にある、と分析する。
「なるほど、変態野郎だな」と言うと、ライアンは第2の犯人が証拠隠滅に奔走している筈で、知りすぎているミランダが危ない、と忠告までしてくれる。
ただの勘よ、と答えるミランダだったが、ライアンは次々と犯人の心理を示してくる。徐々に緊張感が増す中、ミランダは核心を突き始め、ついに自らが致命的な弱点であると意識されていることに気づく。ライアンは、自分が分析に当て嵌まり、ダグラスの親友で刑務所にも自由に出入りできる立場だ、と語り・・・
『動物虐待は、してないがな!』と叫ぶと、本性を表したライアンは、ミランダに襲い掛かる。
揉み合う内に、ライアンの胸のタトゥーが露出し、鎮静剤を手にミランダを押さえ込もうとする。その時、停電になった隙をつき、逆にライアンに注射器を刺し逃げ出す。焦ったライアンは、拳銃を撃ち始め、その一発が『FLAMMABLE:可燃性』の管に当り、ガスが噴出す。
シャツを脱ぎ捨て、サイコ丸出しの言葉を吐きながら追ってくるライアン・・・。ダグラスとの歪んだ思い出を語り、少女性愛者コンビのカミングアウトが続く。
鎮静剤の効果も相まって、立ち尽くす姿に銃弾を撃ちこむが、ガラス扉の向うの姿を透り抜ける。
「レイチェル?理屈に合わん・・・死んだはずだぞ」
ショットガンを再びレイチェルに向けて発砲したが、銃弾はPCを破壊し、飛び散った火花に引火したガスに焼かれるライアン。
振り返ると、ミランダが構えた銃で、頭を撃ちぬきトドメを刺した。
『理屈じゃないわ』
そこへピートが来て、「悪かった」と一言。
・・・一年後、解放された女2人は、今も悪夢にうなされることはあっても、強く生きていた。クロエは、新しい生活のためにタクシーで駅へ向かい、ミランダは歩道を進む。その時、車道で少年がトラックに轢かれそうになった。思わず声をあげたミランダだったが、トラックが通り過ぎると、そこには何も無かった・・・近くの電柱には『事故の目撃情報求む』の貼り紙と少年の写真・・・。 END
この作品、展開に難はあるものの、まずまずの出来だと思います。
どう言うのか、脚本の示した部分を演出が表現し足りなかったのかな、と。
サスペンス要素もありますので、レイチェル(霊)の行動にも敵か味方か分らないというシーンもあり、「お前は一体何をしたいねん」と突っ込みたかったでしょうね、ミランダも。
異常者扱いされていたシーンが少し長すぎたような気がして、途中で苛々しましたが、終ってみれば無事解決・・・、と言っていいのかな。
結局、クロエをレイプしていた悪魔はライアンだったわけで、ミランダは変態師弟コンビの餌食になったレイチェルの復讐に巻き込まれた感じですが、これ事件的には実行犯はミランダで間違いなくて、どうやって公判を逃れたのか気になります。
ついでに、憑依されたせいで、霊能力にも目覚めたようで、ミランダの今後が心配です。
後、役に立ちそうで最後まで役に立たなかったピートは、間違いなくミランダにふられたでしょうw
*心理分析医というより、心霊分析医でしたね。ちなみに洋画では、よく精神病院系が舞台になると、ひどく冷酷で暴力的な場面が出てきますが、実際は映画ほど劣悪ではありませんので、念のため。今作は刑務所ですので、これぐらい扱いが酷くてもよいでしょうけど。
*このピートのような人物を中国では『呉学人』と言います。水滸伝の英傑の一人ですが、作戦の失敗率が高いため、賢そうなのに役に立たない人を指して『梁山泊の軍師』『呉用は無用』と言われます。
*一応、本作が第4作目にして、初のDCEオリジナル作品になります。
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