B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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黄金期のホラー映画のリメイクが続く中、ホラー大好きのロブ・ゾンビが制作したハロウィン。
単なるリメイクというよりは、新解釈を加えた現代版ハロウィン新生といった良作だ。
物語は・・・
荒んだ家庭環境で育ったマイケルは、動物を虐待することでしかストレスを解消できない陰気な子供。家では口汚い義父とアバズレっぽい姉、まだ赤ん坊のブー(ローリーである)に囲まれ、ストリッパーで家計を支えている母親が唯一の救いだが、こんな状態なのでマイケルは余りかまってもらえない。学校ではクソガキにイジメられ、遂にMAXを迎えたストレスは、いじめっ子殺しへと昇華する。そして、ハロウィンの夜・・・母親は仕事に出かけ、道端で一人ハロウィンの祭りにも参加できないマイケルは、おもむろに家の中へと戻っていく。
何かが変わった瞬間だった。
姉のBFを皮切りに家族を惨殺してゆくマイケル、その顔にはピエロの面からラバーマスクへと変貌を遂げた白い狂気が静かに光っていた・・・
旧作には無かったマイケルの幼少期にパートを割き、じっくりと少年の狂気を描いていく前半は、私でも息を呑むほどの緊張感が漂っていた。
余談だが、子供の殺人者というものにショックを受ける人も多いと思うが、実は大人よりもずっとシンプルな動機で子供たちの犯罪は行われてきている。
犯罪の歴史に関する書物を一読すれば、チャイルド・キラーの述記にも行き当たるだろう。
子供も人を殺すのだ、という厳然たる事実を暗鬱な気持ちで受け止めねばならない。
とはいえ、さすがはマイケルというか、あそこまで鮮やかに力強くやってのけられると、行く末が恐ろしいというか一種の才能である。
当然ながら担当のルーミス博士(マルコム・マクドウェル)とのカウンセリンデで交わされるやり取りも、マイケルの内面を暗示する意味深なものになっている。
面に関してマイケルは「醜いものを隠せるから」といい、黒いお面は「一番、好きな色だから」という。ルーミスは「マスクが精神的聖域を創りあげた」「黒は色じゃない、色が欠如したものだ」と談ずる。
徐々にマイケルの心は”黒”虚無へと落ちていき、仮面は彼の心を隠すために不可欠な存在になっていく。
私はこの前半パートが好きだ。ブギーマンとしての神秘性は消えたが、代わりに人間の持つ底知れぬ狂気が育つ過程を描ききっている。お化けより、隣人の狂気の方が恐ろしい、当然な話である。
成長したマイケルはラバーマスクを被り、母親の自殺後、唯一残された肉親であるローリーの元へと向かう。ここから随所に本家ハロウィンへのオマージュを意識したカットが使われており嬉しい限りである。
目的は一つだが、手段は殺人以外無いマイケルが行く所、次々と血の雨が降る。
スラッシャー映画の本領発揮とばかりに、じっくりと観せた前半から、一転して動のカット割でラストまで息もつかせぬ殺戮シーンが続く。
ロブ・ゾンビという男は、本当にホラーとスプラッターを愛しており、それでいながら家族愛や人間の内面にも思いが至る稀有なスラッシャー監督である。
私は正直な人間が好きだ、ゆえにロブ・ゾンビのような男には更なる活躍の場が与えられることを切に願う。
単なるリメイクというよりは、新解釈を加えた現代版ハロウィン新生といった良作だ。
物語は・・・
荒んだ家庭環境で育ったマイケルは、動物を虐待することでしかストレスを解消できない陰気な子供。家では口汚い義父とアバズレっぽい姉、まだ赤ん坊のブー(ローリーである)に囲まれ、ストリッパーで家計を支えている母親が唯一の救いだが、こんな状態なのでマイケルは余りかまってもらえない。学校ではクソガキにイジメられ、遂にMAXを迎えたストレスは、いじめっ子殺しへと昇華する。そして、ハロウィンの夜・・・母親は仕事に出かけ、道端で一人ハロウィンの祭りにも参加できないマイケルは、おもむろに家の中へと戻っていく。
何かが変わった瞬間だった。
姉のBFを皮切りに家族を惨殺してゆくマイケル、その顔にはピエロの面からラバーマスクへと変貌を遂げた白い狂気が静かに光っていた・・・
旧作には無かったマイケルの幼少期にパートを割き、じっくりと少年の狂気を描いていく前半は、私でも息を呑むほどの緊張感が漂っていた。
余談だが、子供の殺人者というものにショックを受ける人も多いと思うが、実は大人よりもずっとシンプルな動機で子供たちの犯罪は行われてきている。
犯罪の歴史に関する書物を一読すれば、チャイルド・キラーの述記にも行き当たるだろう。
子供も人を殺すのだ、という厳然たる事実を暗鬱な気持ちで受け止めねばならない。
とはいえ、さすがはマイケルというか、あそこまで鮮やかに力強くやってのけられると、行く末が恐ろしいというか一種の才能である。
当然ながら担当のルーミス博士(マルコム・マクドウェル)とのカウンセリンデで交わされるやり取りも、マイケルの内面を暗示する意味深なものになっている。
面に関してマイケルは「醜いものを隠せるから」といい、黒いお面は「一番、好きな色だから」という。ルーミスは「マスクが精神的聖域を創りあげた」「黒は色じゃない、色が欠如したものだ」と談ずる。
徐々にマイケルの心は”黒”虚無へと落ちていき、仮面は彼の心を隠すために不可欠な存在になっていく。
私はこの前半パートが好きだ。ブギーマンとしての神秘性は消えたが、代わりに人間の持つ底知れぬ狂気が育つ過程を描ききっている。お化けより、隣人の狂気の方が恐ろしい、当然な話である。
成長したマイケルはラバーマスクを被り、母親の自殺後、唯一残された肉親であるローリーの元へと向かう。ここから随所に本家ハロウィンへのオマージュを意識したカットが使われており嬉しい限りである。
目的は一つだが、手段は殺人以外無いマイケルが行く所、次々と血の雨が降る。
スラッシャー映画の本領発揮とばかりに、じっくりと観せた前半から、一転して動のカット割でラストまで息もつかせぬ殺戮シーンが続く。
ロブ・ゾンビという男は、本当にホラーとスプラッターを愛しており、それでいながら家族愛や人間の内面にも思いが至る稀有なスラッシャー監督である。
私は正直な人間が好きだ、ゆえにロブ・ゾンビのような男には更なる活躍の場が与えられることを切に願う。
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