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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:26bec1c6.jpegPhiladelphia Experiment
監督:スチュアート・ラフィル
制作総指揮:ジョン・カーペンター
ネタバレしてます


アメリカの都市伝説を映画化した、SFタイムスリップ作品。
いかにもジョンが好きそうな内容だが、金欠だったため高収入が見込める「スターマン/愛・宇宙はるかに」の監督を引き受け、今作では製作総指揮に廻っている。

物語は・・・
『1943年、アメリカ海軍は敵のレーダーから連合国艦船を消す実験を続けていた。結果は公表されていないが、最終実験は失敗し、中止された・・・フィラデルフィア実験である』

雰囲気たっぷりの「前置き」から始まる。第二次世界大戦のニュースを聞きながら、実験担当のロングストリート博士は眠れぬ夜を過ごしていた。明日の実験を前に海兵たちはダンスパーティーを楽しみ、その中にデヴィットとジミーの姿もあった。ジミーは恋人とのしばしの別れを惜しみ、デヴィットもパメラにし腰頼りない彼をよろしく、と頼まれる。
実験当日、落ち着かないロングストリート博士は、実験寸前までエルドリッジ号を見回っていた。懐疑的な軍首脳と共に実験の成り行きを見守っていると、エルドリッジ号は不思議な光に包まれレーダーから消えるが、同時に船体そのものまで消え始めていた。暴走した装置の影響から逃れるため、デヴィットとジミーは海に飛び込み、光の中に消える。

二人が姿を現したのは、辺りに何も無い地上。船の姿は何処にも無く、夜空からライトに照らされて、銃撃された二人は、訳も分らず逃げることしか出来なかった。朝になり、コーラのアルミ缶を見つけた二人は、その材質が何か分らず首を捻る。国道に出ると、見慣れぬ車が走っており、更に疑問は深まるばかり・・・。

一方、見る影もなく老いたロングストリート博士の実験により消えた町の捜索に、軍は総力を挙げていた。実験があった空域には不穏な気流が渦を巻き、原因も分らぬまま成り行きを見つめる博士たち。

ドライブインに辿り付いた2人は、何もかもが珍しく驚きの連続。とりあえず近隣の海軍基地へ連絡しようと、デヴィッドが公衆電話に行くと仕事に炙れた女がいた。中に残ったジミーは、所在なさげにTVを観ていたが、上空の乱気流が雷を発するのと共鳴するように、右手が痛み出すのを感じる。放電現象が起こり、ゲーム機を破損したジミーは、店主に追われて店から逃げ出す。成り行きでさっきの女の車を奪った二人だったが、オートマが理解できず、女に運転させる事に。車中で右手の異常を訴えるジミー、女との会話で今が1984年であり、戦争がアメリカの勝利で終ったことも知る。

エネルギーシールドの実験で消えた町は戻らず、電源からではなく上空の漂流体からエネルギーが供給されている、と博士。漂流体は、付近の大気前線を吸い込み、尚も成長している。軍は、実験地域に2人の侵入者がいたことを報告し、確保に全力を挙げることを約束する。博士は、フィラデルフィア実験の資料を取り出し、漠然と思考を巡らせ始める。

ジミーの右手の異常は悪化し、車は落雷とパトカーの検問で横転する。二人に同情したアリソンは、告訴を取り下げ、警察の顰蹙を買う。釈放されたデヴィッドは、アリソンと病院に運ばれたジミーの様子を見に行くが、意識が混濁しており症状は悪化していた。デヴィッドは、医師に軍の実験の事を告げ、自分達が時間を超えたことを説明する。ジミーの症状は更に悪化し、窓から飛び込んだ閃光と共に、光に包まれ消えてしまう。
警察の報告により2人の所在を知った軍は、確保するべく病院に現れるが、デヴィッドはアリソンと逃走する。

実験地域は急激に気圧が低下し続け、漂流体も成長を続けていた。TVでそのことを知ったデヴィッドだったが、軍に追われる立場が理解できず、アリソンの勧めで電話をした先ではパメラが出た。慌てて電話を切ったデヴィッド、アリソンはこの時間で知り合いが居たことを喜ぶべきだと言うが、掴まるのを恐れアリソンと口論になる。結局、アリソンの勧めに従って、明日農場を訪ねることで二人は眠りに就いた。

実験地域では、カメラ搭載のミサイルを漂流体に射ち込み、中の様子を確認する作戦に出る。短時間だが、カメラが送ってきた映像には、浮遊する町とエルドリッジ号の姿が映っていた。
医師を召還した博士は、エルドリッジ号の水兵の写真を見せ、それがジム・パーカーであることを知る。もう一人は、デヴィッド・ハーデック・・・、二人の資料を渡し、確保を命じる博士。

デヴィッドは自宅のあった場所がガソリンスタンドに変わっていることに驚くが、貼ってあった写真に父の姿を見つけ、店員に父のことを尋ねるが数年前に死んだと聞かされる。自分が時の漂流者であることを実感するデヴィッド。続いて、ジミーの農場を訪れ、老いたパメラと再会する。驚きながらも、彼を迎え入れたパメラは、デヴィッドは行方不明のままであり、ジミーは生還したが人が変わってしまった、と告げる。ジミーに再会したデヴィッドだったが、彼は会話を拒み逃げ出してしまう。パメラは、デヴィットと話すべきだと説得するが、知らない方が彼のためだと答える。

ロングストリート博士に会い、真実を確かめる決心をするデヴィッド。時の漂流者である彼への同情は愛に変わり、アリソンは移動中の一時に彼との愛を交わす。

実験地に辿り付いた二人は、その異様な光景に絶句する。どうにか博士の助手を人質にして、ロングストリートと対面したデヴィッド。ビデオ映像で、漂流体の内部を見せられた彼は、この異常がフィラデルフィア実験と関係があることを知る。1943年の世界では、彼が実験装置の電源を切ったことになっており、それは現在においての自分の使命だと言われる。ロングストリート博士の科学者としての行動を責めるが、デヴィッドは二つの時間の捩れた連結が続けば世界が終ることを知り、銅線コイルで補強した防護服を着ると漂流体へと向かう。

ついに捩れた時間軸へと突入したデヴィッド、異常事態に混乱する艦内を進み、電源装置のある部屋へと入る。そこで、電源装置を破壊した彼は、ジミーと再会する。1943年と1984年の両方に存在するデヴィッドは、1984年に残ることを選択し、いずれまた会える、と約束する。

1943年、フィラデルフィアにエルドリッジ号は帰還し、実験の傷痕の深さを見せ付ける。

1984年、漂流体は消滅し、町は元に戻り、世界は破滅から救われた。

デヴィッドの姿を求め、車を走らせるアリソン。霧の中から浮かび上がった影は、確かにデヴィッドだった。熱い抱擁を交わし、キスをする二人。ee149d64.jpg

「考えたんだ・・・45年分の給料を海軍に払ってもらう」  END


SF映画の古典として、今もファンに記憶されている本作。タイムスリップ物としては、「バック・トゥ・ザ・フューチャー3部作」が有名だが、あくまでSFに拘って制作された今作の評価も高い。
1984年のジミーとの会話で悲劇的なラストを暗示していながら、ハッピーエンドに持ちこむ点だが、あの時点でのジミーは「光に消えたデヴィッド」しか見ておらず、彼が死んだと思ったのは当然である。この解釈の違いがドンデン返しの肝であり、本作の山場でもある。
全てに地味だが、手堅い構成をしており、無駄なシーンがほとんど無い完成度の高さには頭が下がる。
主演のマイケル・パレの演技には、少々不満が残るものの、メインは世界観なので、そこは目をつぶるべき・・・かなw。

*都市伝説としての「フィラデルフィア実験」については、wikiもあり、特集しているサイトもあるので、興味がある人は検索して楽しんで欲しい。wiki
*さて、本作のヒットを受けて”2”も制作されているが、こちらは並行宇宙論(パラレル・ワールド)をテーマにしており、時空を超えた主人公の遺伝子(特異点ではない)を利用して実験を行うという話。スタッフ・キャスト共に一新されており、本作との関連性はほぼ無い。ちなみにエンターティメント性が強調されており、派手なアクションも展開するが、その分安っぽくなっており、私は好きでは無いのでレビューしない。
*結果論でしかないが、ジョンが監督しなかったのは正解かもしれない。お陰で手堅い作品になり、最後まで安心して観れる佳作に仕上がったからだ。ジョンなら、絶対に弄るだろうなぁ、と思うシーンが多いせいもあるw


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