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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:THE HORRIBLE HOUSE ON THE HILL28619388.jpeg
監督:ショーン・マクレガー

ネタバレしてますよ

「DEViL FIVES TIME」がビデオ版の原題だが、本編のタイトル表記に従うこととする。
それにしても、邦題をつけた人は、「PEOPLE TOY'S」も足して、上手いこと考えたものだ。

物語は・・・
雪山を父親の山荘に向かうカップル。
そして雪道を行くバス。バスは、運転手のハンドルミスから、雪山の谷底へ転げ落ちる。

バスの中から這い出してきたのは、兵隊服の少年、普段着の女の子2人、シスター服でメガネの少女、スーツ姿の少年の5人。まだ小学生ぐらいに見える子供たちだが、大人の死体には目もくれず、金目のものと荷を持ち立ち去る。5人が去ってから、一人の中年の男が這い出すと、5人の子供を追って歩き始めた。

ギャング組織のボス、パパドックは、家族を集めて、雪山の山荘へ出かける。パパドックとラブリー、医者のハービーと長女のルース、もうすぐ結婚する次女のベイビーと彼氏のリック、少し頭は弱いが心優しい山荘の管理人ラルフの7人は、それぞれの思惑で山荘を訪れていた。

山荘に侵入した子供たちは、追跡してきたブラウン博士を惨殺し、屋外へ捨てる。5人は、いずれも州立精神病院重症少年課が担当する患者だった。移送の途中でバスが事故を起こしたため、彼らを野に解き放ってしまったのだ。

少年たちは長女のルースに見つかり、バスの事故で、ここまで歩いてきたと説明する。相手が子供なので気を許したファミリーは、とりあえず2階で医師のハービーが診察し、休ませることに。パパドックは連絡を入れるために電話を掛けようとするが、不通になっていることに気づく。

スーツ姿のデイビット、兵隊服のブライアン、炎が好きなスーザン、シスター服のハンナ、一番年下の少女モウ。

子供たちは皆可愛く、ハービーを驚かせるような大人びた言葉使いをする子、皿洗いを手伝う子、兵隊さんごっこをする子、無邪気にラルフと遊ぶ子など、ごく普通の子供に見えた。

だが、発電機の修理を言いつけられたラルフは、プラグを付けた瞬間、作動した罠で首吊りにされ絶命する。。

ベイビーは、子供たちの様子がどことなく変であると感じ、リックにそのことを話すが真剣に聞いてくれない。やってきたラブリーも、そうかもしれない、と言いながら余り気にしていなかった。

ハービーは、デヴィッドとチェスをやり、辛くも勝利をもぎとるが、デヴィッドはチェス駒を払いのけ怒りを露にし、「おやすみ、ハービー・グッドマン」と背を向けたまま芝居がかった口調で言い捨てる。

両親のことを聞かれたスーザンは「いないわ」と炎を見つめたまま返事をすると、今夜はグッドマン婦人と寝るわ、と言う。

最年少のモウはブライアンとのゲームでケンカした後で、パパドックに水槽の魚の名前を尋ねる。「ピラニアさ、
あっという間に食われちまうぞ」「エサは金魚で一日20匹ぐらい食う」と言うパパドックに「このちっちゃな子をコレにたべさせるの?」とモウが言うと「そうだ、やるか?」と言われ、怯えたモウはラブリーに抱きつく。

翌朝、ラルフに文句を言いにきたリックは、宙吊りになっている姿を発見してパパドックに知らせる。パパドックは、自殺と決め付け、後で町に知らせに行くようにとリックに言う。

知らせを聞いたハービーは「事故だと思うか?」と聞くが、リックは「そうは思わん、町で警察を呼ぶ」と答える。「ここは、人里離れすぎてるし、犯人は我々じゃない」と言うハービーに「子供たちは?」と言うが一笑に付される。

車からはローターが無くなっており、異変に気づき始めたリックは、皆で一緒にいるように、という。
次に銃が無くなり、台所からはナイフの類が全て消えていた。

薪割りを始めたハービーの元にデヴィットが現れ、自分もやってみたい、と言い出す。機嫌よく教えてやるハービーだったが、薪を据えている隙を狙われ、デヴィットに斧で殺される。
デヴィットは、ジョージという男がハービーを殺した、とパパドックとリックに説明する。

神経質になってきたラブリーは、自分の化粧品でモウが遊んでいるのを見て腹を立て、人形を取り上げる。「わたしの赤ちゃん」と怒るモウを部屋から追い出して入浴する。そこにシスターのハンナが現れ、ラブリーを浴槽に沈め、モウが持ってきたピラニアを放り込む。全身を噛まれたラブリーは死に、モウは満足そうに微笑む。

ラブリーの異変に気づいた大人たちは、浴室に集まるが、窓からラブリーの死体を運んでいく子供たちを見つけ、パパドックは激怒する。怒りにまかせて飛び出していったパパドックは、子供たちの罠に嵌り、刃物が付いたブランコの特攻を受け絶命する。

酒とハービーを失ったために精神の均衡を失ったルーズは、スーザンが呼んでいると屋外に誘い出される。シスターのハンナの狙撃で、リックは飛び出せず、「スーザン、私分らないわ」と言うルースに2階からデヴィッドとブライアンが「愛が足りないんだって」「ホットになりたいって、叶えてやりなよ」と声を掛ける。「私を傷つけるの?」とスーザン。首を振るルースに、モウが不気味な声で「殺人鬼ね」と繰り返す。2階から灯油を浴びせかけられたルースに、スーザンは虚ろな目で火を投げる。全身が炎上したルースは雪道を踊るように歩き焼死した。

リックとベイビーは、このままでは殺される、と逃げるためにボート置き場へ走る。子供たちは、そんな二人を狙撃し、ボートから引き離す。まるで的当てでもしてるように無邪気な会話を交わす子供たち。

2人は再び山荘へ戻り、ベッドや椅子でバリケードを築く。

「許してやろうか?」 「ジョージなら許さない」 「そうね」 「だったら始末しなきゃ」

子供たちは、一度は二人が立て篭もる部屋の前に来たが、鍵が掛かっていると知ると、明朝に作戦開始だ、と引き上げる。

翌朝、ハシゴで2階へ上ったデヴィッドは、手製のヤリでベイビーの首を突き刺殺する。死んだのを確かめると急いでハシゴを降りたため、デヴィッドは途中で落下し負傷する。

「顔に・・・僕の美しい顔に何するんだ!」と叫ぶデヴィット。
怒りに燃えるリックは、窓から「殺してやる、お前ら全員だ、殺してやるからな」と吼える。

恋人を失ったリックは、嘆き悲しむが、外から子供たちの楽しげな声が聞こえ窓から顔を出す。
外では、パパドックの死体が雪だるまのように固められ、子供たちは楽しげに雪を投げつけている。
それを静かに眺めるシスター・・・。

リックは、ゆっくりと外に出て、静かに歩を進めるが・・・雪の中に仕掛けられていた罠に足を挟まれてしまう。倒れこんだ先にも無数の罠が仕掛けてあり、リックは完全に身動きが取れなくなってしまった。全てはリックを誘い出す罠だったのだ。

楽しそうに踊りながら、リックの周りをスキップする子供たち・・・うつ伏せに倒れたリックの背に跨り、首を逸らせたシスター・・・いや、ハンナは「あんたが殺したのよ、あんたが・・・!」と言いながら、リックの首をナイフで斬り絶命させる。
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パパドックの雪像に敬礼をするブライアン、ラブリーの顔に化粧をするモウ、ハービーとチェスをするデヴィッド、ラルフを私の旦那さんと呼ぶハンナ、そして「ゲームは終わり」と言い放つスーザン・・・・・・

5人の無邪気な子供たちは、次のゲームへ向けて部屋を後にするのだった・・・・・・THE BEGINNING


だから、子供は嫌いだ。
私は、子供に殺人が犯せるか?と聞かれれば、YESと答える。
彼らは、大人よりずっとシンプルな理由で、人を殺せるのだ、良心の呵責も、後先も考えることなく・・・。

さて、1974年制作というこの映画。
時代背景も然ることながら、子供の無邪気さと殺人者としてのサイコな顔の描写が上手く、特にハンナとスーザンは目に力があり、かなり怖い。モウの幼さゆえの狂気も嫌になるほど引き出されている。
子供らしく、仲間同士では口ゲンカもするし、年齢相応の顔も見せるのだが、サイコモードに入ると全てが一変してしまう。こんな映画に出されて、この子たちの将来が心配である。(今なら、私と同じ世代なわけだが)
映画の技術的な面だけを言えば、不思議なことに序盤のモタモタ感やスローモーションみたいな小細工から、中盤に入ると急にテンポが良くなっていき、終盤では文句の無いレベルに達していく。低予算で、ほとんど家一軒だけを舞台にし、撮影期間もそれほど長くとれるわけは無いのに、この短期間で作風が上達するということは、余程スタッフがノリが良かったのだろう。
ちなみに特殊技術は3流で、ゴアと呼べるレベルには程遠いが、チルドレン・キラーの演技が上手いので、映画としては序盤を耐え抜けば、最後まで観て良かった、と思えるだろう。(本当に序盤の30分が忍耐力を試される)

*子供の殺人を題材にした映画は他にもあるが、ここまで徹底したサイコに設定したのは今作ぐらいのものだろう。口コミでカルト化し、DVDも販売されるのだから、大したものである。
*ほとんどの場合、邦題には文句を言いたくなるが、珍しく今作ではグッジョブと言いたい。これ以外に無い、というくらい素晴らしい邦題だ。

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