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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:Martyrs732309c8.jpega540c3c5.jpeg
監督:パスカル・ロジェ




すっかり侮れない国に成長したフランス産ゴア映画。
ドイツといい、フランスといい、欧州組は頑張ってますなぁ。
特に本作の監督・脚本を務めたパスカル・ロジェの卓越したセンスは、今後も期待せざるを得ないね。

物語は・・・
1971年10月16日と銘打たれたファイルから、映画は始まります。シャンフォー工業用地で保護された少女ルーシー、その体には激しい虐待の跡が残され、心にも深い傷を負っていた。そんなルーシーが唯一心を開いた少女アンナは、彼女のために犯人グループを探す事を誓うが、ルーシーの周囲には彼女を傷つける何かの陰が付きまとっていた・・・。15年後、郊外の普通の家族4人を容赦なく射殺したルーシーは、虐殺した家にアンナを電話で呼ぶのだが・・・

凄い映画としか言いようが無い。
前半、何者かに虐待を受けていたルーシーと彼女の自傷癖(本人は否定)、一家を容赦なく皆殺しにした後で襲ってきた全裸の女(妄想?)、中盤からルーシーを庇いながらも彼女の話を本気にしていなかったアンナに襲い来る現実、そして衝撃の後半へと・・・。

ネタバレしたくないので、どうかこの作品は目を逸らさずに観てもらいたい。
と、言ったものの、凄惨なゴアシーン、執拗で冷酷な拷問シーン、などは目を逸らしてもいいです。
とにかくリアルなゴアを追及し、決して過剰な特殊効果はしていないにも関わらず、トップクラスの痛みと嫌悪感を与えてくる凄い作品です。
そして、全ての謎と伏線が回収された後に残される、大きな謎、一体2人の少女は何故こんな過酷な運命に出会わなければならなかったのか・・・。
原題が意味する「殉教者または犠牲者」そして「証人」、ミレーヌ・ジャンパノイ、モルジャーナ・アラウィの2大女優の鬼気迫る好演、音楽や特殊効果もトップレベル、全てに隙が無く、私にしては珍しく傑作と断言します。

*特殊効果を担当したブノワ・レスタンは、低予算映画専門の人だが、本作に限っては神が舞い降りたかのような最高の出来を見せている。
*このような傑作を物にしたパスカル・ロジェは、前作「マザー」でもその片鱗を見せているが、閉鎖的で年功序列なフランス映画界にあって、彼のような存在は貴重である。
本作についてのロジェへのインタビュー記事(外部リンク)


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