B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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これが2作目の監督作となるジェレミー。
「メン・イン・スパイダー2」で一緒に仕事をしたマーク・A・アルトマンを脚本・原案・制作に迎えてのオカルト・ゾンビホラーである。
アルトマンと言えば、「ハウス・オブ・ザ・デッド1&2」の脚本家として、ホラーファンをげんなりさせた男。
B級映画の制作現場が生んだ縁は、どのような作品を作ったのか?
物語は・・・
なにやら儀式めいた作業を黙々と続ける女。縦長の木箱には、吊るされた骸骨の人形が・・・。
1892年メキシコ・サンタボニータ。
祭りで賑わう人々を掻き分けて、自宅に戻った男は、包みから取り出した装飾品を床下に隠す。
だが、神殿の発掘作業を牛耳るディアスは、一部始終をお見通しだった。許しを請う男に自決を強要し、家族を巻き添えにしないために男は銃で自殺する。
ディアスは、発掘の完了を祝う「死者の休日」祭りを行い、町民を神殿の中に誘い入れると、爆弾で皆殺しにしてしまう・・・。
1952年・・・一家でメキシコを旅行する家族。長女リリー、息子リッキーを乗せて、夜も更けたので古いモーテルで休む事にする。
モーテルには、血まみれで掃除する女、人形に筆を走らせる老婆しかいない。2人も無反応だと妻から聞いた夫は、勝手に宿帳に記入して泊まることにする。最後に宿泊した客は、5年前・・・。
ポリオの後遺症で足の悪いリッキーと一緒の部屋にされたリリーは文句を言うが、とりあえず2部屋に分かれて休む事にする。
先に入浴を始めたリリーは、いつのまにか浴槽の栓が抜かれ、鏡には「助けて」の文字。
弟のリッキーの仕業と思い込んだリリーは、毛布を被って自分の日記を読んでいた姿を見て、「病院で死ねば良かったのに!」と酷い言葉で罵倒する。
ところが、毛布の下から現れた姿は、頭から血を流したデーモン閣下のような白塗りの悪魔顔。驚いたリリーは部屋を飛び出して、居間にいた老婆に助けを求めるが、立ち上がった老婆は細身の手斧のような物で襲ってきた。
叫び声をあげて表に飛び出したリリーは、フードを被った死人の群れに囲まれてしまう。
それをモーテルの窓から、薄ら笑いを浮かべて眺める老婆と弟のリッキー・・・。
場面は変わって、53年後。
彼女のアリシアの家に挨拶に向かうジョスの車。メキシコ系のアリシアの両親に白人の自分が気に入られるか不安だとこぼす。ガソリンが少なくなったので、手近の村に車を乗り入れるが、その前を棺おけを担いだ集団が横切り、慌てたために砂でスリップして事故を起こしてしまう。
集団は逃げ散り、棺おけから転がり出た女は血まみれで、助けに行ったアリシアは女が木の枝で書いたメッセージを見てジョスを呼ぶ。
悲鳴が出ないように舌を切られた、というメッセージを見たジョスは、慌てて保安官事務所に飛び込む。
一息に事情を説明するジョスを相手に、冷静な保安官は身分証を出させて現場に行く。この町では、11月1日になると色々とあるんだ、と言い、エスメラルダを引き受けてくれる。「修理工場は150km先だから、明日誰かに送らせる」と、今夜は主人のオレータのモーテルに泊まるように言われる。
何のことは無い、あのモーテルなのだが、相変わらず老婆は気持ちの悪い人形箱を作っている。
エスメラルダを監獄に寝かせた保安官は、机の写真に向かって「リリー」と呟く。
モーテルの女マルティアは、ジョスには部屋が無いと言いながら、アリシアが現れると急に5号室を案内してくれる。そして、オレータからのプレゼントとしてワインを渡し、伝統を大切にする町だから祭日を一緒に祝って欲しいと言う。アリシアは、その祭日が「Dia de los Muertos:死者の日」と言い、亡くなった人が帰ってくる日だと説明する(日本のお盆ですね)。しかし、マルティアは「この町では違う、全く違う」と言う。
ジョスは、ワインの製造年が1892年と気づき、ワインの当たり年かなと首を傾げる。
アリシアが、この町は気持ち悪いので出たいというので、ジョスは携帯で友人のタイラーとエリカを呼ぶ。丁度連絡し終えるとバッテリーが切れるオマケ付き。
洗面所の鏡に血まみれの男の子が映ったり怪奇現象に遭遇しますが、特に気にせずアリシアはジョスとお楽しみタイム。
2人によると、どうもタイラーとエリカは頭カラッポだそうです。
男の子の悪夢で、飛び起きるアリシア。何でもかんでも古いワインを飲んだせいにしてます。
隣の部屋から、子供を心配する夫婦の声を聞いたアリシアは、扉の前に行きますが何かに襲われる叫び声に変わり、ドアを開けると惨劇の後が・・・。
度重なる怪現象に、さすがにビビッたアリシアは、早く町を出たいと泣き出します。
とりあえず荷物を纏め、夕食を摂りながらタイラーとエリカを待つことに・・・。
その頃、保安官はタバコを吸いながらエスメラルダ相手にエロトークしてました。
次に「奴らを宥めるには、メキシコ人が必要なんだ」と言いながら、最後の祈りを済ませて置け、と告げると泣き出すエスメラルダ。
「無理か、これだものな」と、ナイフで舌を持ち上げて見せる保安官・・・。
無愛想なマルティアに、部屋の隅から人形を造りながらシャーツと威嚇してくるババァ。
余りの居心地の悪さに、ジョスは皮肉を並べ立てる。
そのとき、助けを呼ぶ声と銃声が・・・。入り口の前に行くと、本が置いてあり、マルティアはそれはアリシアのだと言う。
一方、保安官事務所では、エスメラルダが自殺していた。焦る保安官と町民は、不味い事になったメキシコ人の女を捜さないと、と言う。
本の最後の3Pが無いので、何故か探し歩くジョスとアリシア。
あちこちにババァが作った気色悪い作品が置いてある。
オカルトムードも高まった所で、タイラーとエリカのバカップルが、ご到着。
すぐに町を出ようという二人に、バカップルは疲れたから明日にしよう、と言う。
とりあえず乾杯を始めたバカップルは放っておいて、タイラーの車に荷物を積み込むジョス。
免許証を取りに保安官事務所に入ったジョスは、そこでエスメラルダの死体と切り取られた舌を見てしまう。
危険を感じたジョスは、置いてあった銃を取り、急いでモーテルに戻る。
モーテルでは、ババァお手製の骨入り菓子パンで、タイラーとエリカが睡眠中。
一発ぶっ話して目覚めさせたものの、アリシアの行方は分らない。
ジョスは、ババァ制作の教会を見て、アリシアを探しに飛び出して行く。
ジョスは、教会でヒャッホーと儀式を行っていた町民を銃で脅して、アリシアに跨っていた司祭風の男を撃つ。
司祭服の下から現れたのは、保安官。
「馬鹿なことをしたな、生贄を捧げなければ、奴らが地上に出てくる・・・」と言うが、何のことか分らないジョスは無視してアリシアと逃げる。
教会に残された保安官は、苦しい息の中で「オレータに言われた通りにしようとしたんだ、本当だよ、頑張ったんだ・・・」
近づいてくる人影を見て「・・・母さん」と言うが、その姿はゾンビになり、後ろからもゾンビの集団が・・・。
保安官の絶叫が響いている頃、モーテルでタイラー、エリカと合流した2人は、外が無数の死霊に囲まれているので篭城することになる。
戸締りをチェックするよう指示すると、アリシアの援護射撃を受けて、ジョスは保安官事務所に弾丸を取りに行く。そこで、唸り声をあげて襲ってくるエスメラルダのゾンビと遭遇、何発撃っても死なないので、監獄に閉じ込めて逃げ出す。
*キレイな女優さんだったのに、見事な暴れっぷりでゾンビを熱演してくれました。
エスメラルダに比べると機動力が無いゾンビの群れ。
それでも、とにかく撃っても死なないので数で圧倒されて、怪我をしたジョスをタイラーがモーテルに引きずり込む。
エリカは、定番の設定を持ち出して、ジョスとは一緒にいられない、と喚く。
ゾンビの唸り声が響く中、これも定番の仲間割れが起こるが、ゾンビが窓を割ったので、全員で2階に移動する。
ジョスの消毒のためにテキーラを探すアリシアは、マルティアに謎めいた言葉を並べられ困惑する。
とりあえずジョスの治療を済ませたが、停電になり、外のゾンビは一斉にモーテルを目指してくる。
意を決したエリカは、皆を説得して車を取りに行くと言う。
壊れかけていた友情は再生し、エリカはタイラーと幸運のキスを交わす。
タイラーとアリシアの援護射撃で、外に走り出すエリカ・・・。軽やかに動き、車に乗り込むのに成功する(頭カラッポとか言われてた割に、体操選手のような見事さです)。
車の奪取に成功した所で、アリシアがマルティエとババァを置いていけないと言い出す。
タイラーが行って、2人で警察でも軍隊でも呼んで来て、ということに・・・。
しかし、モーテルから走り出したタイラーは、車に乗り込めずに大量のゾンビに潰される。一度は跳ね除けたが、結局ゾンビの群れに飲み込まれ、嫌な音をたてて喰われる。
気が動転したエリカは、タイラーの死体の横に車を移動し、手を差し伸べるがゾンビに頭を噛まれ、引きずり出されてお食事会されてしまう・・・。
マルティアの話では、「この町は神様が居ない町であの世が支配している、私は何が起こるか知っていた」と語る。
オレータババァは、未来を知り模型を作っていた。
150年前、ディアス家が鉱山を発掘していると、死の女神の神殿を発見。
溢れるほどの財宝を得るが、当主のバルガスは死の女神に生贄を捧げる事で不死になれると思い込み、当時の保安官マルティネスを追放し、妻オレータだけではなく娘まで強引に手に入れた。
町民を遺跡に誘い込み爆弾で皆殺しにし、雇っていた男たちも毒殺した。
そこに事態を知った保安官マルティネスが戻り、ディアスと撃ち合いになるが、丁度走ってきた実の息子のルイスを射殺してしまう・・・。
泣き叫ぶオレータ、悔やむディアス、そしてディアスは妻オレータと連れ子の娘に世話をされ、屋敷から出ることは無かったという・・・。
それ以来、この町では不自然な死を迎えた者が、死者の日に甦り、復讐を繰り返しているのだった。
ここで、落ちた模型から本(日記)の最後の3Pを見つけたアリシアは、そこに「奴らを入れろ」という記述を発見する。
アリシアは、閉ざされた扉の鍵を開き、3階の部屋でバルガス・ディアスとオレータを発見する。ベッドから出ることもできない体で、150年を生き続けたバルガス。
どういう魔力か、アリシアの手からライフルを落とし、ベッドごと起き上がって舐め回してくる。
「最後に、せいぜい楽しんでおけばいいわ・・・お仲間が来る」
アリシアの言葉通り、結界を剥がされたモーテルにゾンビの群れが入り込み、ディアスの体をバラバラに解体してしまう・・・。
朝が来て、死霊たちは消え去り、ジョスとアリシアは生き延びた。
一緒に行きましょう、と誘うアリシアに、マルティアは哀しそうな顔をする。
「オレータには、2人の子供がいた・・・ディアスに産まされた子ルイスと、マルティネス保安官から指一本触れないという約束で引き取った娘・・・そして、彼は約束を破った・・・名前は、マルティエ・マルチネス・・・」
マルティエは闇に消え、2人は悪夢の町を後にするのだった・・・・・・END
ゾンビ=死霊なので、ほぼオカルト寄りのストーリー。
全体的に暗いトーンで進行し、150年の因縁を描きたかったのは分る。
分るのだが、とにかく脚本が消化不良を起こしているので、無意味に多い伏線に頭がこんがらがってしまう。
登場人物の行動も不可解な点が多くて、最後の真実に達するまでに、観ている方は疲労してしまう。
1952年のシーンはバッサリとカットしても問題ないし、何故ゾンビ=死霊がモーテルに入れないのかを張ってある紙だと言っているのだから、鍵を開ける前にそれらを取り除くシーンを入れても良かったのではないか。
必要なシーンが無く、不要なシーンが多い、という印象が残る。
無意味に気持ち悪いババァとか、保安官がリッキーの成長した姿だとか、無理に詰め込もうとして失敗している。
メキシコ人に拘る理由も死の女神も、死にに来たカップルも、全てが中途半端で放り出されている。
思いついたネタを押し込みすぎて、作品自体の面白さを損ねてしまっては、本末転倒である。
ゴアについては、特殊技術のレベルは並で、特に記憶に残る絵は無い。
ゾンビの数は多いけど、エスメラルダゾンビ以外は、個性も迫力も無いので、物足りない。
ゴシックホラーっぽい音楽は、まぁこんなもんでしょう。
ただ、SEは気合入ってる。咀嚼音や骨の砕ける音が大きすぎるけど。
ギリギリで忍耐を使い果たす前に、最後まで観ることはできたが、かなり辛い映画。
映像や脚本がお粗末で話にならない作品に対する忍耐力とは、また別の忍耐力を要求される。
マーク・A・アルトマンに一番必要なのは、彼の脚本を添削してくれる編集者だと思う。
「メン・イン・スパイダー2」で一緒に仕事をしたマーク・A・アルトマンを脚本・原案・制作に迎えてのオカルト・ゾンビホラーである。
アルトマンと言えば、「ハウス・オブ・ザ・デッド1&2」の脚本家として、ホラーファンをげんなりさせた男。
B級映画の制作現場が生んだ縁は、どのような作品を作ったのか?
物語は・・・
なにやら儀式めいた作業を黙々と続ける女。縦長の木箱には、吊るされた骸骨の人形が・・・。
1892年メキシコ・サンタボニータ。
祭りで賑わう人々を掻き分けて、自宅に戻った男は、包みから取り出した装飾品を床下に隠す。
だが、神殿の発掘作業を牛耳るディアスは、一部始終をお見通しだった。許しを請う男に自決を強要し、家族を巻き添えにしないために男は銃で自殺する。
ディアスは、発掘の完了を祝う「死者の休日」祭りを行い、町民を神殿の中に誘い入れると、爆弾で皆殺しにしてしまう・・・。
1952年・・・一家でメキシコを旅行する家族。長女リリー、息子リッキーを乗せて、夜も更けたので古いモーテルで休む事にする。
モーテルには、血まみれで掃除する女、人形に筆を走らせる老婆しかいない。2人も無反応だと妻から聞いた夫は、勝手に宿帳に記入して泊まることにする。最後に宿泊した客は、5年前・・・。
ポリオの後遺症で足の悪いリッキーと一緒の部屋にされたリリーは文句を言うが、とりあえず2部屋に分かれて休む事にする。
先に入浴を始めたリリーは、いつのまにか浴槽の栓が抜かれ、鏡には「助けて」の文字。
弟のリッキーの仕業と思い込んだリリーは、毛布を被って自分の日記を読んでいた姿を見て、「病院で死ねば良かったのに!」と酷い言葉で罵倒する。
ところが、毛布の下から現れた姿は、頭から血を流したデーモン閣下のような白塗りの悪魔顔。驚いたリリーは部屋を飛び出して、居間にいた老婆に助けを求めるが、立ち上がった老婆は細身の手斧のような物で襲ってきた。
叫び声をあげて表に飛び出したリリーは、フードを被った死人の群れに囲まれてしまう。
それをモーテルの窓から、薄ら笑いを浮かべて眺める老婆と弟のリッキー・・・。
場面は変わって、53年後。
彼女のアリシアの家に挨拶に向かうジョスの車。メキシコ系のアリシアの両親に白人の自分が気に入られるか不安だとこぼす。ガソリンが少なくなったので、手近の村に車を乗り入れるが、その前を棺おけを担いだ集団が横切り、慌てたために砂でスリップして事故を起こしてしまう。
集団は逃げ散り、棺おけから転がり出た女は血まみれで、助けに行ったアリシアは女が木の枝で書いたメッセージを見てジョスを呼ぶ。
悲鳴が出ないように舌を切られた、というメッセージを見たジョスは、慌てて保安官事務所に飛び込む。
一息に事情を説明するジョスを相手に、冷静な保安官は身分証を出させて現場に行く。この町では、11月1日になると色々とあるんだ、と言い、エスメラルダを引き受けてくれる。「修理工場は150km先だから、明日誰かに送らせる」と、今夜は主人のオレータのモーテルに泊まるように言われる。
何のことは無い、あのモーテルなのだが、相変わらず老婆は気持ちの悪い人形箱を作っている。
エスメラルダを監獄に寝かせた保安官は、机の写真に向かって「リリー」と呟く。
モーテルの女マルティアは、ジョスには部屋が無いと言いながら、アリシアが現れると急に5号室を案内してくれる。そして、オレータからのプレゼントとしてワインを渡し、伝統を大切にする町だから祭日を一緒に祝って欲しいと言う。アリシアは、その祭日が「Dia de los Muertos:死者の日」と言い、亡くなった人が帰ってくる日だと説明する(日本のお盆ですね)。しかし、マルティアは「この町では違う、全く違う」と言う。
ジョスは、ワインの製造年が1892年と気づき、ワインの当たり年かなと首を傾げる。
アリシアが、この町は気持ち悪いので出たいというので、ジョスは携帯で友人のタイラーとエリカを呼ぶ。丁度連絡し終えるとバッテリーが切れるオマケ付き。
洗面所の鏡に血まみれの男の子が映ったり怪奇現象に遭遇しますが、特に気にせずアリシアはジョスとお楽しみタイム。
2人によると、どうもタイラーとエリカは頭カラッポだそうです。
男の子の悪夢で、飛び起きるアリシア。何でもかんでも古いワインを飲んだせいにしてます。
隣の部屋から、子供を心配する夫婦の声を聞いたアリシアは、扉の前に行きますが何かに襲われる叫び声に変わり、ドアを開けると惨劇の後が・・・。
度重なる怪現象に、さすがにビビッたアリシアは、早く町を出たいと泣き出します。
とりあえず荷物を纏め、夕食を摂りながらタイラーとエリカを待つことに・・・。
その頃、保安官はタバコを吸いながらエスメラルダ相手にエロトークしてました。
次に「奴らを宥めるには、メキシコ人が必要なんだ」と言いながら、最後の祈りを済ませて置け、と告げると泣き出すエスメラルダ。
「無理か、これだものな」と、ナイフで舌を持ち上げて見せる保安官・・・。
無愛想なマルティアに、部屋の隅から人形を造りながらシャーツと威嚇してくるババァ。
余りの居心地の悪さに、ジョスは皮肉を並べ立てる。
そのとき、助けを呼ぶ声と銃声が・・・。入り口の前に行くと、本が置いてあり、マルティアはそれはアリシアのだと言う。
一方、保安官事務所では、エスメラルダが自殺していた。焦る保安官と町民は、不味い事になったメキシコ人の女を捜さないと、と言う。
本の最後の3Pが無いので、何故か探し歩くジョスとアリシア。
あちこちにババァが作った気色悪い作品が置いてある。
オカルトムードも高まった所で、タイラーとエリカのバカップルが、ご到着。
すぐに町を出ようという二人に、バカップルは疲れたから明日にしよう、と言う。
とりあえず乾杯を始めたバカップルは放っておいて、タイラーの車に荷物を積み込むジョス。
免許証を取りに保安官事務所に入ったジョスは、そこでエスメラルダの死体と切り取られた舌を見てしまう。
危険を感じたジョスは、置いてあった銃を取り、急いでモーテルに戻る。
モーテルでは、ババァお手製の骨入り菓子パンで、タイラーとエリカが睡眠中。
一発ぶっ話して目覚めさせたものの、アリシアの行方は分らない。
ジョスは、ババァ制作の教会を見て、アリシアを探しに飛び出して行く。
ジョスは、教会でヒャッホーと儀式を行っていた町民を銃で脅して、アリシアに跨っていた司祭風の男を撃つ。
司祭服の下から現れたのは、保安官。
「馬鹿なことをしたな、生贄を捧げなければ、奴らが地上に出てくる・・・」と言うが、何のことか分らないジョスは無視してアリシアと逃げる。
教会に残された保安官は、苦しい息の中で「オレータに言われた通りにしようとしたんだ、本当だよ、頑張ったんだ・・・」
近づいてくる人影を見て「・・・母さん」と言うが、その姿はゾンビになり、後ろからもゾンビの集団が・・・。
保安官の絶叫が響いている頃、モーテルでタイラー、エリカと合流した2人は、外が無数の死霊に囲まれているので篭城することになる。
戸締りをチェックするよう指示すると、アリシアの援護射撃を受けて、ジョスは保安官事務所に弾丸を取りに行く。そこで、唸り声をあげて襲ってくるエスメラルダのゾンビと遭遇、何発撃っても死なないので、監獄に閉じ込めて逃げ出す。
*キレイな女優さんだったのに、見事な暴れっぷりでゾンビを熱演してくれました。
エスメラルダに比べると機動力が無いゾンビの群れ。
それでも、とにかく撃っても死なないので数で圧倒されて、怪我をしたジョスをタイラーがモーテルに引きずり込む。
エリカは、定番の設定を持ち出して、ジョスとは一緒にいられない、と喚く。
ゾンビの唸り声が響く中、これも定番の仲間割れが起こるが、ゾンビが窓を割ったので、全員で2階に移動する。
ジョスの消毒のためにテキーラを探すアリシアは、マルティアに謎めいた言葉を並べられ困惑する。
とりあえずジョスの治療を済ませたが、停電になり、外のゾンビは一斉にモーテルを目指してくる。
意を決したエリカは、皆を説得して車を取りに行くと言う。
壊れかけていた友情は再生し、エリカはタイラーと幸運のキスを交わす。
タイラーとアリシアの援護射撃で、外に走り出すエリカ・・・。軽やかに動き、車に乗り込むのに成功する(頭カラッポとか言われてた割に、体操選手のような見事さです)。
車の奪取に成功した所で、アリシアがマルティエとババァを置いていけないと言い出す。
タイラーが行って、2人で警察でも軍隊でも呼んで来て、ということに・・・。
しかし、モーテルから走り出したタイラーは、車に乗り込めずに大量のゾンビに潰される。一度は跳ね除けたが、結局ゾンビの群れに飲み込まれ、嫌な音をたてて喰われる。
気が動転したエリカは、タイラーの死体の横に車を移動し、手を差し伸べるがゾンビに頭を噛まれ、引きずり出されてお食事会されてしまう・・・。
マルティアの話では、「この町は神様が居ない町であの世が支配している、私は何が起こるか知っていた」と語る。
オレータババァは、未来を知り模型を作っていた。
150年前、ディアス家が鉱山を発掘していると、死の女神の神殿を発見。
溢れるほどの財宝を得るが、当主のバルガスは死の女神に生贄を捧げる事で不死になれると思い込み、当時の保安官マルティネスを追放し、妻オレータだけではなく娘まで強引に手に入れた。
町民を遺跡に誘い込み爆弾で皆殺しにし、雇っていた男たちも毒殺した。
そこに事態を知った保安官マルティネスが戻り、ディアスと撃ち合いになるが、丁度走ってきた実の息子のルイスを射殺してしまう・・・。
泣き叫ぶオレータ、悔やむディアス、そしてディアスは妻オレータと連れ子の娘に世話をされ、屋敷から出ることは無かったという・・・。
それ以来、この町では不自然な死を迎えた者が、死者の日に甦り、復讐を繰り返しているのだった。
ここで、落ちた模型から本(日記)の最後の3Pを見つけたアリシアは、そこに「奴らを入れろ」という記述を発見する。
アリシアは、閉ざされた扉の鍵を開き、3階の部屋でバルガス・ディアスとオレータを発見する。ベッドから出ることもできない体で、150年を生き続けたバルガス。
どういう魔力か、アリシアの手からライフルを落とし、ベッドごと起き上がって舐め回してくる。
「最後に、せいぜい楽しんでおけばいいわ・・・お仲間が来る」
アリシアの言葉通り、結界を剥がされたモーテルにゾンビの群れが入り込み、ディアスの体をバラバラに解体してしまう・・・。
朝が来て、死霊たちは消え去り、ジョスとアリシアは生き延びた。
一緒に行きましょう、と誘うアリシアに、マルティアは哀しそうな顔をする。
「オレータには、2人の子供がいた・・・ディアスに産まされた子ルイスと、マルティネス保安官から指一本触れないという約束で引き取った娘・・・そして、彼は約束を破った・・・名前は、マルティエ・マルチネス・・・」
マルティエは闇に消え、2人は悪夢の町を後にするのだった・・・・・・END
ゾンビ=死霊なので、ほぼオカルト寄りのストーリー。
全体的に暗いトーンで進行し、150年の因縁を描きたかったのは分る。
分るのだが、とにかく脚本が消化不良を起こしているので、無意味に多い伏線に頭がこんがらがってしまう。
登場人物の行動も不可解な点が多くて、最後の真実に達するまでに、観ている方は疲労してしまう。
1952年のシーンはバッサリとカットしても問題ないし、何故ゾンビ=死霊がモーテルに入れないのかを張ってある紙だと言っているのだから、鍵を開ける前にそれらを取り除くシーンを入れても良かったのではないか。
必要なシーンが無く、不要なシーンが多い、という印象が残る。
無意味に気持ち悪いババァとか、保安官がリッキーの成長した姿だとか、無理に詰め込もうとして失敗している。
メキシコ人に拘る理由も死の女神も、死にに来たカップルも、全てが中途半端で放り出されている。
思いついたネタを押し込みすぎて、作品自体の面白さを損ねてしまっては、本末転倒である。
ゴアについては、特殊技術のレベルは並で、特に記憶に残る絵は無い。
ゾンビの数は多いけど、エスメラルダゾンビ以外は、個性も迫力も無いので、物足りない。
ゴシックホラーっぽい音楽は、まぁこんなもんでしょう。
ただ、SEは気合入ってる。咀嚼音や骨の砕ける音が大きすぎるけど。
ギリギリで忍耐を使い果たす前に、最後まで観ることはできたが、かなり辛い映画。
映像や脚本がお粗末で話にならない作品に対する忍耐力とは、また別の忍耐力を要求される。
マーク・A・アルトマンに一番必要なのは、彼の脚本を添削してくれる編集者だと思う。
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