B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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『ボクシング・ヘレナ』で、一風変わったサスペンス映画を制作したジェニファー監督。
姓からも分る通り、デヴィッド・リンチの娘である。
父親と同じ道を進んだために、注目度も高いのだが、反面批判的な声も多い。
曰く、父のパクリ、過激な表現でしか話題性を出せない、ハリウッド的なラストを避ける、などである。
いやはや、変わり者とはいえ大御所の父親を持つと大変なのだなぁ。
個人的には、映画監督としての力量だけを見れば、別に批判されるほど酷くは無い。
リンチのパクリなど山ほど居るし、独創的な点では非凡な物すら感じる。
まぁ、確かに父親の人脈のお陰で、実力以上の完成度になるように助けは受けている気はするけど。
では、2作目となる本作は、どうなのでしょう?
物語は・・・
不気味なマスクを着けた2人組の殺人鬼。
凶行の現場からは、一人の女が連れ去られていた・・・。
ド田舎の警察署では、連続殺人事件の捜査に派遣されたFBIに神経を苛立たせていた。
ビリングス署長、女性検死官のジャネット、警官のデグラッソ、ライト巡査だけという貧相な職員数。
他に、今回の事件で殉職したコンラッド巡査、負傷したベネット巡査がいた。
署に着いたハラウェイ捜査官とエリザベス女捜査官は、簡単な挨拶を済ませると、事情聴取のために被害者を3つの部屋に分け、それぞれに監視カメラを設置する。
事件で負傷したベネット巡査、被害者のボビー、同じく少女のステファニー。
ベネットら署員はFBIに敵意を感じていて、質問も定石通り。
ボビーは、麻薬中毒のため、ぞんざいな扱いを受けていた。
エリザベス捜査官は、ステファニーの希望でクレヨンと紙を与え、口を開こうとしない少女に事件の概要を聞き出そうと試みていた・・・。
証言は言葉でしかないが、そこにはそれぞれの事情が存在した。
仕事の面接に行った、というマギー。
マギーは、彼氏のジョニーと仕事を貰いに、ヤクの元締めに会いに行っていた。
ところが、ボスのバケツ頭がヤクをキメた直後に急死。
二人は、手近なヤクを盗むと、車で移動する。
ステファニーは、両親と兄のデヴィッドの4人で、家族旅行をしていた。
楽しいはずの旅行だったが、新しい父親と無理に楽しもうとするママに、何処か白けたものを感じていた。
ベネットとコンラッドは、殺人鬼に襲われた一戸建ての殺害現場に急行し、鑑識に現場を引き渡すとパトカーで走っていた。
現場からは、マイヤー夫人が消えていた。
だが、殺害現場から犠牲者の写真を持ち去り、死者を揶揄する2人・・・。
ベネットとコンラッドは、州外れを走行する車のタイヤを撃ち抜き、速度超過違反を盾にドライバーから金銭を巻き上げていた。
やり方は悪質だったが、ドライバーは事が終れば州を出るし、二人の小遣い稼ぎは常習的になっていた。
その日も、青い車を獲物にした2人は、まんまと金を巻き上げた。
ボビーとステファニーは、休憩所のWCで、すれ違っていた。
ボビーは、それがステファニーと出会った最初の事だと言う。
ステファニーの描いた絵は、エリザベスとハラウェイが感嘆するに充分な物だった。凄惨な事件現場で、横たわる死体が見て取れる構図だ・・・。
エリザベスは、昔の辛い思い出が甦り、ステファニーに同情する。
家族旅行を続ける一家。
ステファニーは、窓の外に縦列駐車していた、青い車と白いバンを見る。
パンクした車輪と血痕を見留めたステファニーは、両親に伝えようとするが聞いてくれない。
その後で、ボビーとジョニーの車も、何も気づかずに通り過ぎた・・・。
悪徳警官コンビは、次の獲物にステファニー一家を選び、狙撃された車はパンクしてしまう。
そのすぐ後に、ヤクをキメていたボビーとジョニーの車が、追突寸前で止まる・・・。
一石二鳥の獲物に、ベネットとコンラッドは喜び、財布までかステファニーの母親とボビーにまで手を出してくる。
悪徳警官の横暴が罷り通った後で、ステファニーは青い車と白いバンの話を悪徳警官に告げるのだった。
そして、パンク修理をする家族の横を、白いバンが通り過ぎるのをステファニーは見る。
少女の話など気にもしていなかったベネットらだったが、青い車と血痕を見つけ、急いで白いバンを追う。
そして、ステファニーは、戻ってきた白いバンを見る。
危険を感じて、逃げ出すステファニー。
まったくスピードを緩めずに突進してきた白いバンは、パンク修理をしていた義父を押しつぶし、車の間にいたジョニーを圧殺してしまった・・・。
母親の悲鳴が響き、返り血を浴びた兄はショックで立ち尽くす。
突然の出来事に戸惑う中、ボビーは白いバンの運転手をなじり、押し戻そうとするが、そこにベネットとコンラッドが戻ってきた。
運転席には、運転手の死体と、布袋を被せられた女の声が・・・。
応援を待つ余裕も無く、運転席に回ったベネットは、それが手をハンドルに縛られた青い車の男と気づく。
すでに死んでいると分り、窓を破ろうと警棒を振るっていると、後部座席から銃撃され、利き腕を負傷する。
そして、助手席のドアをこじ開けたボビーは、落ちてきた布袋に馬乗りにされた・・・。
連れ去られたマイヤー夫人だと思い込んでいたボビーは、咄嗟に「別人よ!」と叫び、発砲された銃弾は、ステファニーの母弟を撃ち殺した。
コンラッドも銃弾を受け、そのまま息絶えた・・・。
ベネットは背後から殴られ、意識を取り戻してから、ボビーとステファニーを保護した、と言う。
そして、その一部始終をステファニーは見ていたのだった・・・。
それぞれの証言を繋ぎ合わせた所で、ステファニーはWCに行く途中で、監視カメラの部屋に入り、捜査官が親しげにしている姿を見る。
その頃、モーテルで男性2名と女性1名が死体で見つかったという連絡が署に入る。
事件を知ったハラウェイ捜査官は、事情聴取を中止し、エリザベス捜査官にデグラッソとライト巡査を付けて現場に向かわせる。
残った4人を部屋に集めたハラウェイに、部屋から出てきたステファニーが、そっと耳打ちする。
それを聞いたハラウェイは、ベネット巡査、ボビー、ビリングス署長の待つ部屋に入り、ベネットから銃を取り上げる。
別人のように饒舌になったハラウェイは、ベネットに事件の続きを話せ、とタバコを咥えて言う。
「俺も、あの現場にいたんだ」
サイコの正体を現したハラウェイは、ベネットを脅し、署長を射殺する。
同じ頃、現場に向かっていた車では、エリザベスがデグラッソとライトを射殺していた。
ベネットは、ボビーの叫びを聞いた時、ハラウェイに布袋を被せられたコンラッドを誤射して死なせてしまっていた。
犯人は、ステファニーの兄と母親を殺したが、ステファニーは背を向けることで動揺を抑えこみ、逆に正気を失ったベネットは乱射してエリザベスの腕に傷を負わせ、ハラウェイに撃たれて気絶したのだ。
その後で、ボビーとステファニーが逃げ込んだ車を壊して脅し、口封じをしたのだった・・・。
署に戻ったエリザベスは、殺されていたジャネットを見て微笑し、受話器を戻す。
室内では、抵抗したベネットが気絶させられ、ボビーの命乞いも断られた。
そこに戻ったエリザベスは、ハラウェイと抱擁すると、ボビーの前に座り愛撫を始める。
背後では、ハラウェイがベルトを首に巻き、断末魔の荒い息を吐くボビーにキスを贈ると、一気に絞め殺した・・・。
興奮して抱き合うサイコ2人に、意識を取り戻したベネットが署長の銃で狙い撃つが、利き腕では無いせいか外し、逆に蜂の巣にされ息絶える。
全ては終り、無人になった署内に電話の音が響き渡る。
自動応答に入ったメッセージは、連れ去られていたマイヤー婦人とFBI捜査官2人の死体がモーテルで確認された、というものだった・・・。
車で署を跡にした2人は、道端でステファニーを見つける。
ステファニーは、事件現場で犯人が交わした手の仕草と捜査官同士がした動きが同じだったと見抜き、ハラウェイに正体を知っていると耳打ちしたのだった・・・。
正体を知られているのを分っていながら、ハラウェイはステファニーの洞察力に感心し、「いい子だから、見逃そう」と語る。
「それって、最高にドラマチックだわ」
こうして、最高のパートナーであるサイコな2人は、何処かへと車を走らせるのだった・・・・・・
END
サイコキラー2人組が、FBI捜査官に化けて、証人を含め関係者を殺して逃げる、という筋書きに新しさは無い。
サスペンスは、アイデア一発勝負なジャンルで、だからこそネタの真価が問われるし、盗作騒ぎも尽き無いのである。脚本は、出演もしているケント・ハーパーとジェニファーが兼任しているが、恐らく捻りを加えたのは監督だろう。
悪が勝つというのはハリウッド的では無いし、生き残ったステファニーが見た汚い世界は彼女の人生に影を作るのは間違いないからだ。
こういう悪趣味な展開は、ジェニファー監督が好むところだし、批評家に文句を言われる部分でもある。
話の方を少し整理してみると、最初の事件が発覚してから、その日の内に路上で惨劇が起き、翌日には派遣されたFBIと入れ替わり、この話をやり遂げたことになる。
少々どころか、目茶苦茶に無理があり、大きな穴だけでも2~3箇所、細かい点では突っ込み所がありすぎる。
恐らく脚本の時点では、こうした部分は整理されていた筈で、インパクトのある捻りを入れたために、全体が白けるぐらい破綻したのだろう。
ちなみに原題の「Surveillance」は、『監視』の意味であり、証言を誤魔化してもちゃんと観てたぞ、と(犯人が)。そういう視点で話を観ていると、犯人がFBI捜査官2人であることは、中盤に入るまでに気が付いてしまう。
そう、演出を重ねてくるのが常だから、監視カメラで観ている男=ハラウェイと同僚がサイコなのだ、と。
まぁ、別に深読みしなくても、消去法でいけば、他所から現れたコイツラ以外に怪しい人間はいないのだが・・・。
多くの問題点に目を瞑れば、少女ステファニーの目利きぶりと、直観力の鋭さは素晴らしい。
なるほど、サイコも認める末恐ろしい子である。
成長したら、ぜひFBI捜査官になって、こいつらが逃げ延びていたら捕まえて欲しいものだ。
サイコにだけはならないでね、恐ろしいから。
*ちょっと変わったジェニファー監督・・・身内の勧めで、6歳からTM瞑想法を行っているという。TM瞑想については、リンク先(wiki)を参照してもらうとして、呼吸と瞑想の複合は確かに効果的だと私も思う。
ただ、劇的な心身の変化や神がかりなお告げを得た、とか言われると少し困ってしまう。
どうも、ハリウッドには、疑似科学やSF宗教が蔓延りやすい下地があるようで、心を売り物にしている魔都では、こういうものに心酔しなければ耐えられない苦労というものがあるのかもしれない。
いや、大多数の俳優やスタッフは頼らなくても生きてますけど。
姓からも分る通り、デヴィッド・リンチの娘である。
父親と同じ道を進んだために、注目度も高いのだが、反面批判的な声も多い。
曰く、父のパクリ、過激な表現でしか話題性を出せない、ハリウッド的なラストを避ける、などである。
いやはや、変わり者とはいえ大御所の父親を持つと大変なのだなぁ。
個人的には、映画監督としての力量だけを見れば、別に批判されるほど酷くは無い。
リンチのパクリなど山ほど居るし、独創的な点では非凡な物すら感じる。
まぁ、確かに父親の人脈のお陰で、実力以上の完成度になるように助けは受けている気はするけど。
では、2作目となる本作は、どうなのでしょう?
物語は・・・
不気味なマスクを着けた2人組の殺人鬼。
凶行の現場からは、一人の女が連れ去られていた・・・。
ド田舎の警察署では、連続殺人事件の捜査に派遣されたFBIに神経を苛立たせていた。
ビリングス署長、女性検死官のジャネット、警官のデグラッソ、ライト巡査だけという貧相な職員数。
他に、今回の事件で殉職したコンラッド巡査、負傷したベネット巡査がいた。
署に着いたハラウェイ捜査官とエリザベス女捜査官は、簡単な挨拶を済ませると、事情聴取のために被害者を3つの部屋に分け、それぞれに監視カメラを設置する。
事件で負傷したベネット巡査、被害者のボビー、同じく少女のステファニー。
ベネットら署員はFBIに敵意を感じていて、質問も定石通り。
ボビーは、麻薬中毒のため、ぞんざいな扱いを受けていた。
エリザベス捜査官は、ステファニーの希望でクレヨンと紙を与え、口を開こうとしない少女に事件の概要を聞き出そうと試みていた・・・。
証言は言葉でしかないが、そこにはそれぞれの事情が存在した。
仕事の面接に行った、というマギー。
マギーは、彼氏のジョニーと仕事を貰いに、ヤクの元締めに会いに行っていた。
ところが、ボスのバケツ頭がヤクをキメた直後に急死。
二人は、手近なヤクを盗むと、車で移動する。
ステファニーは、両親と兄のデヴィッドの4人で、家族旅行をしていた。
楽しいはずの旅行だったが、新しい父親と無理に楽しもうとするママに、何処か白けたものを感じていた。
ベネットとコンラッドは、殺人鬼に襲われた一戸建ての殺害現場に急行し、鑑識に現場を引き渡すとパトカーで走っていた。
現場からは、マイヤー夫人が消えていた。
だが、殺害現場から犠牲者の写真を持ち去り、死者を揶揄する2人・・・。
ベネットとコンラッドは、州外れを走行する車のタイヤを撃ち抜き、速度超過違反を盾にドライバーから金銭を巻き上げていた。
やり方は悪質だったが、ドライバーは事が終れば州を出るし、二人の小遣い稼ぎは常習的になっていた。
その日も、青い車を獲物にした2人は、まんまと金を巻き上げた。
ボビーとステファニーは、休憩所のWCで、すれ違っていた。
ボビーは、それがステファニーと出会った最初の事だと言う。
ステファニーの描いた絵は、エリザベスとハラウェイが感嘆するに充分な物だった。凄惨な事件現場で、横たわる死体が見て取れる構図だ・・・。
エリザベスは、昔の辛い思い出が甦り、ステファニーに同情する。
家族旅行を続ける一家。
ステファニーは、窓の外に縦列駐車していた、青い車と白いバンを見る。
パンクした車輪と血痕を見留めたステファニーは、両親に伝えようとするが聞いてくれない。
その後で、ボビーとジョニーの車も、何も気づかずに通り過ぎた・・・。
悪徳警官コンビは、次の獲物にステファニー一家を選び、狙撃された車はパンクしてしまう。
そのすぐ後に、ヤクをキメていたボビーとジョニーの車が、追突寸前で止まる・・・。
一石二鳥の獲物に、ベネットとコンラッドは喜び、財布までかステファニーの母親とボビーにまで手を出してくる。
悪徳警官の横暴が罷り通った後で、ステファニーは青い車と白いバンの話を悪徳警官に告げるのだった。
そして、パンク修理をする家族の横を、白いバンが通り過ぎるのをステファニーは見る。
少女の話など気にもしていなかったベネットらだったが、青い車と血痕を見つけ、急いで白いバンを追う。
そして、ステファニーは、戻ってきた白いバンを見る。
危険を感じて、逃げ出すステファニー。
まったくスピードを緩めずに突進してきた白いバンは、パンク修理をしていた義父を押しつぶし、車の間にいたジョニーを圧殺してしまった・・・。
母親の悲鳴が響き、返り血を浴びた兄はショックで立ち尽くす。
突然の出来事に戸惑う中、ボビーは白いバンの運転手をなじり、押し戻そうとするが、そこにベネットとコンラッドが戻ってきた。
運転席には、運転手の死体と、布袋を被せられた女の声が・・・。
応援を待つ余裕も無く、運転席に回ったベネットは、それが手をハンドルに縛られた青い車の男と気づく。
すでに死んでいると分り、窓を破ろうと警棒を振るっていると、後部座席から銃撃され、利き腕を負傷する。
そして、助手席のドアをこじ開けたボビーは、落ちてきた布袋に馬乗りにされた・・・。
連れ去られたマイヤー夫人だと思い込んでいたボビーは、咄嗟に「別人よ!」と叫び、発砲された銃弾は、ステファニーの母弟を撃ち殺した。
コンラッドも銃弾を受け、そのまま息絶えた・・・。
ベネットは背後から殴られ、意識を取り戻してから、ボビーとステファニーを保護した、と言う。
そして、その一部始終をステファニーは見ていたのだった・・・。
それぞれの証言を繋ぎ合わせた所で、ステファニーはWCに行く途中で、監視カメラの部屋に入り、捜査官が親しげにしている姿を見る。
その頃、モーテルで男性2名と女性1名が死体で見つかったという連絡が署に入る。
事件を知ったハラウェイ捜査官は、事情聴取を中止し、エリザベス捜査官にデグラッソとライト巡査を付けて現場に向かわせる。
残った4人を部屋に集めたハラウェイに、部屋から出てきたステファニーが、そっと耳打ちする。
それを聞いたハラウェイは、ベネット巡査、ボビー、ビリングス署長の待つ部屋に入り、ベネットから銃を取り上げる。
別人のように饒舌になったハラウェイは、ベネットに事件の続きを話せ、とタバコを咥えて言う。
「俺も、あの現場にいたんだ」
サイコの正体を現したハラウェイは、ベネットを脅し、署長を射殺する。
同じ頃、現場に向かっていた車では、エリザベスがデグラッソとライトを射殺していた。
ベネットは、ボビーの叫びを聞いた時、ハラウェイに布袋を被せられたコンラッドを誤射して死なせてしまっていた。
犯人は、ステファニーの兄と母親を殺したが、ステファニーは背を向けることで動揺を抑えこみ、逆に正気を失ったベネットは乱射してエリザベスの腕に傷を負わせ、ハラウェイに撃たれて気絶したのだ。
その後で、ボビーとステファニーが逃げ込んだ車を壊して脅し、口封じをしたのだった・・・。
署に戻ったエリザベスは、殺されていたジャネットを見て微笑し、受話器を戻す。
室内では、抵抗したベネットが気絶させられ、ボビーの命乞いも断られた。
そこに戻ったエリザベスは、ハラウェイと抱擁すると、ボビーの前に座り愛撫を始める。
背後では、ハラウェイがベルトを首に巻き、断末魔の荒い息を吐くボビーにキスを贈ると、一気に絞め殺した・・・。
興奮して抱き合うサイコ2人に、意識を取り戻したベネットが署長の銃で狙い撃つが、利き腕では無いせいか外し、逆に蜂の巣にされ息絶える。
全ては終り、無人になった署内に電話の音が響き渡る。
自動応答に入ったメッセージは、連れ去られていたマイヤー婦人とFBI捜査官2人の死体がモーテルで確認された、というものだった・・・。
車で署を跡にした2人は、道端でステファニーを見つける。
ステファニーは、事件現場で犯人が交わした手の仕草と捜査官同士がした動きが同じだったと見抜き、ハラウェイに正体を知っていると耳打ちしたのだった・・・。
正体を知られているのを分っていながら、ハラウェイはステファニーの洞察力に感心し、「いい子だから、見逃そう」と語る。
「それって、最高にドラマチックだわ」
こうして、最高のパートナーであるサイコな2人は、何処かへと車を走らせるのだった・・・・・・
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サイコキラー2人組が、FBI捜査官に化けて、証人を含め関係者を殺して逃げる、という筋書きに新しさは無い。
サスペンスは、アイデア一発勝負なジャンルで、だからこそネタの真価が問われるし、盗作騒ぎも尽き無いのである。脚本は、出演もしているケント・ハーパーとジェニファーが兼任しているが、恐らく捻りを加えたのは監督だろう。
悪が勝つというのはハリウッド的では無いし、生き残ったステファニーが見た汚い世界は彼女の人生に影を作るのは間違いないからだ。
こういう悪趣味な展開は、ジェニファー監督が好むところだし、批評家に文句を言われる部分でもある。
話の方を少し整理してみると、最初の事件が発覚してから、その日の内に路上で惨劇が起き、翌日には派遣されたFBIと入れ替わり、この話をやり遂げたことになる。
少々どころか、目茶苦茶に無理があり、大きな穴だけでも2~3箇所、細かい点では突っ込み所がありすぎる。
恐らく脚本の時点では、こうした部分は整理されていた筈で、インパクトのある捻りを入れたために、全体が白けるぐらい破綻したのだろう。
ちなみに原題の「Surveillance」は、『監視』の意味であり、証言を誤魔化してもちゃんと観てたぞ、と(犯人が)。そういう視点で話を観ていると、犯人がFBI捜査官2人であることは、中盤に入るまでに気が付いてしまう。
そう、演出を重ねてくるのが常だから、監視カメラで観ている男=ハラウェイと同僚がサイコなのだ、と。
まぁ、別に深読みしなくても、消去法でいけば、他所から現れたコイツラ以外に怪しい人間はいないのだが・・・。
多くの問題点に目を瞑れば、少女ステファニーの目利きぶりと、直観力の鋭さは素晴らしい。
なるほど、サイコも認める末恐ろしい子である。
成長したら、ぜひFBI捜査官になって、こいつらが逃げ延びていたら捕まえて欲しいものだ。
サイコにだけはならないでね、恐ろしいから。
*ちょっと変わったジェニファー監督・・・身内の勧めで、6歳からTM瞑想法を行っているという。TM瞑想については、リンク先(wiki)を参照してもらうとして、呼吸と瞑想の複合は確かに効果的だと私も思う。
ただ、劇的な心身の変化や神がかりなお告げを得た、とか言われると少し困ってしまう。
どうも、ハリウッドには、疑似科学やSF宗教が蔓延りやすい下地があるようで、心を売り物にしている魔都では、こういうものに心酔しなければ耐えられない苦労というものがあるのかもしれない。
いや、大多数の俳優やスタッフは頼らなくても生きてますけど。
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