B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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前作がイーライ・ロスのインディペンデント映画として大成功を収めたこともあり、2の制作には興味を持っていた。
すでに「ホステル」という別味のホラーを構築しており、同じ設定で前作ほどのネタが盛り込めるのかな、と・・・。
ところが、続編の制作過程の雲行きは次々と暗くなっていく。
まず、監督が変わり、スタッフもほぼ総入れ替え、イーライ・ロスは制作にも監修にも回らず、ノータッチでオファーを蹴ってしまう。
ほぼ完璧に興味を失った今作が、前作から7年後の2009年に米国で上映された。
7年?まずまずのスマッシュヒットだったとはいえ、2匹目のドジョウを狙うには期間が空きすぎである。
それもそのはず、実はフィルム自体は撮り終えていたものの、内容の不味さに配給会社が二の足を踏んでいたからだ。期待していた内容とは大きく違う上に、なにより中身が面白く無さ過ぎたという。
そこで、監督には相談せず、とりあえず揃っているフィルムを編集し直し、どうにか上映にこぎつけたというのが事情なようだ。
では、どうなってしまったのか?
物語は・・・
川から起き上がる青年。顔の半分は崩れ、おぼつかない足取りで道路へと這い出していく。
そこへ走ってきたスクールバスが、ノーブレーキで激突。
哀れ病気が進行していた青年は、木っ端微塵になって四散した・・・。
*ポール(ライダー・ストロング)である。前作の終盤では轢かれなかったが、今回は冒頭で更に悲惨な末路を遂げる。(タイトルの上の黒い丸は頭部)
のっけから飛ばしてくれるが、次のシーンでは保安官補による現場検証が行われている。あのウィンストン(ジュゼッペ・アンドリュース)である。
前作でもアホだったが、今回は更に輪を掛けて、いい加減になっている。鹿の交通事故(前作のアレ)を引き合いに出して運転手を納得させたものの、木に引っ掛かった足首を見て、さすがに人間だと気づく。
そこに例の小屋での事件の聴取のために、お偉いさんが待っているから戻って来いと無線が・・・、しばし考えてスルーを決め込み車を走らせる。
~アニメーション~
感染している赤い水が、取水口を通り、ボトル詰めされてトラックで運ばれる。配達先は、先ほどポールくんを爆砕したハイスクール。
真面目なジョン、デブでお喋りのアレックス、セクシー系のサンディ、恋人と微妙な関係のキャシー、その恋人で金持ちの息子マーク。
ジョンは幼馴染のキャシーを意識しているものの、現在ケンカ中のキャシーの恋人マークの嫌がらせで手が出せない。マークは金持ちの息子で空手の有段者なので、校長もマークの肩を持つばかりで、優等生のジョンには不利。
ヒステリー気味の女教師、学生嫌いの黒人用務員、B級ホラーマニアのダリル&レイの凸凹コンビを交えて、頭の悪いハイスクール青春白書が展開します。
男に捨てられたサンディを慰め、WCで浮腫の出た唇で楽しませてもらったアレックス。
プロムより「人喰い男の花嫁2」の上映会に来ないかと誘われるジョン。
帰り道を誘う割に、ジョンのプロムの誘いは断るキャシー。
そんなこんなで、場面は変わってカフェでパンケーキを頬ばるウィンストン。
ところが、突然横の席の男が苦しみ出し、掻き毟ったシャツの下からは、巨大な破れた浮腫と飛び散る血。
慌てて逃げ出したウィンストンの脳裏に山小屋(キャビン)事件が甦る。
*このフラッシュの中で、明らかにウィンストンが知らないはずのカットが混じっている辺り、監督のいい加減さが伝わってくる。
プロムに向けて頭の悪いシーンが入り、サンディとの再会を夢みるアレックスの懇願で、ジョンもプロムに参加する事に・・・。
一方、ダリルとレイは、「人喰い男の花嫁」を鑑賞していた。
アレックスが剥げた爪を瞬間接着剤で付けている頃、ウィンストンは飲料水の製造工場に来ていた。かなり頭の悪い夜警と交渉し、出荷先のリストを閲覧し、配達先がジョン達の通う高校だと判明する。
その高校では、プロムで出す飲み物を準備していたふくよかすぎる女生徒が、特殊な趣味の同級生とプールでお楽しみ。
席を外したキッチンでは、顔に浮腫が出ている黒人用務員がジュースにお小水を入れていた。
いい加減、頭の悪いシーンに飽きた頃、まずプールでふくよかさんの歯が抜け、下腹部から出血が始まった。血の海に沈む彼女を助けようとして、男子生徒もプールに沈む(何故?)。
黒人用務員は、放尿時に痛みを感じ、血の小便を垂れ流す。
飲料水がスプリングフィールド高校に搬送されたと知ったウィンストンは、知り合いに電話を掛けるが、そこに軍の車両が押し寄せる。危険を察知したウィンストンは、夜警を伝言板代わりにして、まんまと危地を脱する。
ウィンストンの口車に乗った夜警は、完全武装の兵士に銃殺される。
プロムが始まり、キャシーと出会ったジョンだったが、マークに邪魔され、校長に会場から追い出される。会場では、嫌なジュースを片手に大盛り上がり・・・。
後を追ってきたキャシーに、ジョンは怒りをぶちまけるが、兵士に銃を向けられ、建物に戻るように脅される。次々と走り込んできた軍用車のライトの中で、完全武装の兵士たちは、あっという間に建物を封鎖してしまう・・・。
逃げ場所を探していた2人は、プールで死体を発見し、異常な事態を校長に告げるが聞く耳を持たない。どうにか説得された校長が、渋々と文句を言いに行くといきなり眉間を撃ち抜かれて絶命する。
ジョン、キャシー、アレックスの3人が呆然とする中、プロムの会場では女生徒が血を吐き、催涙弾が撃ち込まれる。
よろめきながら出てきた黒人用務員の顔は伝染病に冒され、フェンスに倒れ込んだため、会場の入り口は開かなくなってしまう・・・。 会場内は、発症者の吐血とパニックで阿鼻叫喚に陥っていた・・・。
黒人用務員の顔から、伝染病を心配した3人はWCで体をチェックするが、アレックスの下半身はすでに発症して崩れ始めていた。
半狂乱で図書室に走っていくアレックス。女子トイレでは妊娠していたメアリーが、下半身から血肉の塊を出しながら絶命した。
一方、危険を察知したウィンストンは、町の終焉を予期し、自分の書類を処分して従兄妹の車で脱出を試みる。
校内には、感染者を始末するために兵士たちが入り、発見した人間を冷徹に射殺していた。
もう、会場内で動く学生はおらず、ただ兵士たちだけが確認のために徘徊していた・・・。
見殺しに出来ないとアレックスを探すジョンとキャシーは、図書室で虫の息になっているアレックスを発見する。すでに全身に症状が広がっているアレックスは、親友を心配しながら死んだ・・・。
そこに、マークが現れ、扉を開けろと暴れるが、キャシーが頑として拒否。
苛立つマークは、近づいてきた感染者を拳と消火器で滅多打ちにすると、狂気の表情でキャシーとジョンを睨みつけて去った。
逃亡を続ける2人は、校内の作業室に入る。ジョンは、浮腫が現れた左手を電動ノコで切断し、バーナーで止血した後テープで固定する。
ジョンは、感情的になったことを詫び、キャシーとキスを交わすが、その背後からマークがハンマーで襲いかかった。
後頭部を打たれたキャシーは倒れ、マークはジョンに馬乗りになり殴り続ける。
傷の痛みに耐えて起き上がったキャシーは、ネイルガン(釘打ち機)を手にすると、背後からマークの後頭部を撃ち抜いた。
楽屋裏の搬入口から脱出した2人は、森の中を走るが、すでにジョンは体力の限界だった。組織の追っ手が迫り、捨て身で兵士たちに飛び掛ったジョンのお陰で、キャシーは道路で車に拾われる。
その車には、ウィンストンと従兄妹が乗っていた。途中の検問を突破し、ここまで逃げてきていたのだ。
「早く車を出して!」
叫ぶキャシーの背中には、血に隠れて無数の浮腫が出来ていた・・・。
********
さて、プロムに行かずにゴーゴーダンサーのバイトに来ていたサンディ。
唇の浮腫は増え、体調にも異常が出始めていた。サンディの口紅を拝借したダンサーもいた。
チップを払った客にサービスで見せた乳房には浮腫が現れ、相手をしていた客に嘔吐したサンディは、そのまま家に帰る。
~アニメーション~
*嘔吐された客は、翌朝に出社し、善意のビーンズの皿に手を突っ込み、次々と通りすがりの人間も取っていく。
*メキシコに戻った男の首筋には出血が・・・。
*ニューオリンズ行きのトラックから小便を後ろのカップルに投げかけるドライバー。
*そして、タクシーで家に帰ったサンディは、最悪の夜に「プロムに行けばよかった」と思いつつベッドで眠りに就くのだった・・・。
END
この作品の80%は、頭の悪いシーンとお下劣で出来ています。
特に監督の小便への思い入れは並々ならぬようで、しつこいぐらいに拘ってくれます。
前作との繋がりは、冒頭のポールとウィンストンぐらいで、どちらも大して関係ありません。
2を撮ってくれと言われて、これを差し出されたら、そりゃ配給会社も頭を抱えるでしょう。
前作が、低予算ながら良作に仕上げることが出来たのは、イーライ・ロスの情熱と人脈をフルに使ったからで、さして目新しいテーマでも無い伝染病を効果的に描くことが出来たのは彼の実力です。
本作は、ありきたりなティーンホラー映画に伝染病を足しただけの凡作。いや、上記の事情もあってカットを切って繋げているため、物語のテンポが悪く、まともに成立しているかどうかも疑問です。
アニメーションを挿入するのは、ホラー映画(特にコメディ寄り)の手法で、これも別に目新しくは無く、HTFが流行してから良く使われる手法です。
プロム会場の死屍累々の絵やゴア描写には、目を引くシーンが幾つかありますが、特殊技術がお粗末な上に見せ方の工夫も無いので、もう一つ得をした気がしません。
不思議と冒頭やラストでジョンが兵士に囲まれるシーンなどが上手く撮れているので、これは監督の経験不足と言うしか無いでしょう。
前作を期待して観ると思いっきり肩透かしを喰わされますが、単に新人監督のホラー映画として観るならば、凡作ではあってもダメな作品とまでは思いませんけど。
*ライオンズ・ゲートが高額で前作の配給権を取得したので、今作も同じ配給ですが、もう少し儲けたかったという欲が出てしまった感は否めません。安く上げたくても、もう少し人選は慎重にやるべき。
*HTF(ハッピー・ツリー・フレンズ)・・・言わずと知れた猟奇スプラッターアニメーション。Mondo Mediaが制作する愛らしいキャラクター達が豆腐のように潰れていく人気作品群。冒頭の絵本調のイントロは、別名「本日の死亡者リスト」と呼ばれている。
すでに「ホステル」という別味のホラーを構築しており、同じ設定で前作ほどのネタが盛り込めるのかな、と・・・。
ところが、続編の制作過程の雲行きは次々と暗くなっていく。
まず、監督が変わり、スタッフもほぼ総入れ替え、イーライ・ロスは制作にも監修にも回らず、ノータッチでオファーを蹴ってしまう。
ほぼ完璧に興味を失った今作が、前作から7年後の2009年に米国で上映された。
7年?まずまずのスマッシュヒットだったとはいえ、2匹目のドジョウを狙うには期間が空きすぎである。
それもそのはず、実はフィルム自体は撮り終えていたものの、内容の不味さに配給会社が二の足を踏んでいたからだ。期待していた内容とは大きく違う上に、なにより中身が面白く無さ過ぎたという。
そこで、監督には相談せず、とりあえず揃っているフィルムを編集し直し、どうにか上映にこぎつけたというのが事情なようだ。
では、どうなってしまったのか?
物語は・・・
川から起き上がる青年。顔の半分は崩れ、おぼつかない足取りで道路へと這い出していく。
そこへ走ってきたスクールバスが、ノーブレーキで激突。
哀れ病気が進行していた青年は、木っ端微塵になって四散した・・・。
*ポール(ライダー・ストロング)である。前作の終盤では轢かれなかったが、今回は冒頭で更に悲惨な末路を遂げる。(タイトルの上の黒い丸は頭部)
のっけから飛ばしてくれるが、次のシーンでは保安官補による現場検証が行われている。あのウィンストン(ジュゼッペ・アンドリュース)である。
前作でもアホだったが、今回は更に輪を掛けて、いい加減になっている。鹿の交通事故(前作のアレ)を引き合いに出して運転手を納得させたものの、木に引っ掛かった足首を見て、さすがに人間だと気づく。
そこに例の小屋での事件の聴取のために、お偉いさんが待っているから戻って来いと無線が・・・、しばし考えてスルーを決め込み車を走らせる。
~アニメーション~
感染している赤い水が、取水口を通り、ボトル詰めされてトラックで運ばれる。配達先は、先ほどポールくんを爆砕したハイスクール。
真面目なジョン、デブでお喋りのアレックス、セクシー系のサンディ、恋人と微妙な関係のキャシー、その恋人で金持ちの息子マーク。
ジョンは幼馴染のキャシーを意識しているものの、現在ケンカ中のキャシーの恋人マークの嫌がらせで手が出せない。マークは金持ちの息子で空手の有段者なので、校長もマークの肩を持つばかりで、優等生のジョンには不利。
ヒステリー気味の女教師、学生嫌いの黒人用務員、B級ホラーマニアのダリル&レイの凸凹コンビを交えて、頭の悪いハイスクール青春白書が展開します。
男に捨てられたサンディを慰め、WCで浮腫の出た唇で楽しませてもらったアレックス。
プロムより「人喰い男の花嫁2」の上映会に来ないかと誘われるジョン。
帰り道を誘う割に、ジョンのプロムの誘いは断るキャシー。
そんなこんなで、場面は変わってカフェでパンケーキを頬ばるウィンストン。
ところが、突然横の席の男が苦しみ出し、掻き毟ったシャツの下からは、巨大な破れた浮腫と飛び散る血。
慌てて逃げ出したウィンストンの脳裏に山小屋(キャビン)事件が甦る。
*このフラッシュの中で、明らかにウィンストンが知らないはずのカットが混じっている辺り、監督のいい加減さが伝わってくる。
プロムに向けて頭の悪いシーンが入り、サンディとの再会を夢みるアレックスの懇願で、ジョンもプロムに参加する事に・・・。
一方、ダリルとレイは、「人喰い男の花嫁」を鑑賞していた。
アレックスが剥げた爪を瞬間接着剤で付けている頃、ウィンストンは飲料水の製造工場に来ていた。かなり頭の悪い夜警と交渉し、出荷先のリストを閲覧し、配達先がジョン達の通う高校だと判明する。
その高校では、プロムで出す飲み物を準備していたふくよかすぎる女生徒が、特殊な趣味の同級生とプールでお楽しみ。
席を外したキッチンでは、顔に浮腫が出ている黒人用務員がジュースにお小水を入れていた。
いい加減、頭の悪いシーンに飽きた頃、まずプールでふくよかさんの歯が抜け、下腹部から出血が始まった。血の海に沈む彼女を助けようとして、男子生徒もプールに沈む(何故?)。
黒人用務員は、放尿時に痛みを感じ、血の小便を垂れ流す。
飲料水がスプリングフィールド高校に搬送されたと知ったウィンストンは、知り合いに電話を掛けるが、そこに軍の車両が押し寄せる。危険を察知したウィンストンは、夜警を伝言板代わりにして、まんまと危地を脱する。
ウィンストンの口車に乗った夜警は、完全武装の兵士に銃殺される。
プロムが始まり、キャシーと出会ったジョンだったが、マークに邪魔され、校長に会場から追い出される。会場では、嫌なジュースを片手に大盛り上がり・・・。
後を追ってきたキャシーに、ジョンは怒りをぶちまけるが、兵士に銃を向けられ、建物に戻るように脅される。次々と走り込んできた軍用車のライトの中で、完全武装の兵士たちは、あっという間に建物を封鎖してしまう・・・。
逃げ場所を探していた2人は、プールで死体を発見し、異常な事態を校長に告げるが聞く耳を持たない。どうにか説得された校長が、渋々と文句を言いに行くといきなり眉間を撃ち抜かれて絶命する。
ジョン、キャシー、アレックスの3人が呆然とする中、プロムの会場では女生徒が血を吐き、催涙弾が撃ち込まれる。
よろめきながら出てきた黒人用務員の顔は伝染病に冒され、フェンスに倒れ込んだため、会場の入り口は開かなくなってしまう・・・。 会場内は、発症者の吐血とパニックで阿鼻叫喚に陥っていた・・・。
黒人用務員の顔から、伝染病を心配した3人はWCで体をチェックするが、アレックスの下半身はすでに発症して崩れ始めていた。
半狂乱で図書室に走っていくアレックス。女子トイレでは妊娠していたメアリーが、下半身から血肉の塊を出しながら絶命した。
一方、危険を察知したウィンストンは、町の終焉を予期し、自分の書類を処分して従兄妹の車で脱出を試みる。
校内には、感染者を始末するために兵士たちが入り、発見した人間を冷徹に射殺していた。
もう、会場内で動く学生はおらず、ただ兵士たちだけが確認のために徘徊していた・・・。
見殺しに出来ないとアレックスを探すジョンとキャシーは、図書室で虫の息になっているアレックスを発見する。すでに全身に症状が広がっているアレックスは、親友を心配しながら死んだ・・・。
そこに、マークが現れ、扉を開けろと暴れるが、キャシーが頑として拒否。
苛立つマークは、近づいてきた感染者を拳と消火器で滅多打ちにすると、狂気の表情でキャシーとジョンを睨みつけて去った。
逃亡を続ける2人は、校内の作業室に入る。ジョンは、浮腫が現れた左手を電動ノコで切断し、バーナーで止血した後テープで固定する。
ジョンは、感情的になったことを詫び、キャシーとキスを交わすが、その背後からマークがハンマーで襲いかかった。
後頭部を打たれたキャシーは倒れ、マークはジョンに馬乗りになり殴り続ける。
傷の痛みに耐えて起き上がったキャシーは、ネイルガン(釘打ち機)を手にすると、背後からマークの後頭部を撃ち抜いた。
楽屋裏の搬入口から脱出した2人は、森の中を走るが、すでにジョンは体力の限界だった。組織の追っ手が迫り、捨て身で兵士たちに飛び掛ったジョンのお陰で、キャシーは道路で車に拾われる。
その車には、ウィンストンと従兄妹が乗っていた。途中の検問を突破し、ここまで逃げてきていたのだ。
「早く車を出して!」
叫ぶキャシーの背中には、血に隠れて無数の浮腫が出来ていた・・・。
********
さて、プロムに行かずにゴーゴーダンサーのバイトに来ていたサンディ。
唇の浮腫は増え、体調にも異常が出始めていた。サンディの口紅を拝借したダンサーもいた。
チップを払った客にサービスで見せた乳房には浮腫が現れ、相手をしていた客に嘔吐したサンディは、そのまま家に帰る。
~アニメーション~
*嘔吐された客は、翌朝に出社し、善意のビーンズの皿に手を突っ込み、次々と通りすがりの人間も取っていく。
*メキシコに戻った男の首筋には出血が・・・。
*ニューオリンズ行きのトラックから小便を後ろのカップルに投げかけるドライバー。
*そして、タクシーで家に帰ったサンディは、最悪の夜に「プロムに行けばよかった」と思いつつベッドで眠りに就くのだった・・・。
END
この作品の80%は、頭の悪いシーンとお下劣で出来ています。
特に監督の小便への思い入れは並々ならぬようで、しつこいぐらいに拘ってくれます。
前作との繋がりは、冒頭のポールとウィンストンぐらいで、どちらも大して関係ありません。
2を撮ってくれと言われて、これを差し出されたら、そりゃ配給会社も頭を抱えるでしょう。
前作が、低予算ながら良作に仕上げることが出来たのは、イーライ・ロスの情熱と人脈をフルに使ったからで、さして目新しいテーマでも無い伝染病を効果的に描くことが出来たのは彼の実力です。
本作は、ありきたりなティーンホラー映画に伝染病を足しただけの凡作。いや、上記の事情もあってカットを切って繋げているため、物語のテンポが悪く、まともに成立しているかどうかも疑問です。
アニメーションを挿入するのは、ホラー映画(特にコメディ寄り)の手法で、これも別に目新しくは無く、HTFが流行してから良く使われる手法です。
プロム会場の死屍累々の絵やゴア描写には、目を引くシーンが幾つかありますが、特殊技術がお粗末な上に見せ方の工夫も無いので、もう一つ得をした気がしません。
不思議と冒頭やラストでジョンが兵士に囲まれるシーンなどが上手く撮れているので、これは監督の経験不足と言うしか無いでしょう。
前作を期待して観ると思いっきり肩透かしを喰わされますが、単に新人監督のホラー映画として観るならば、凡作ではあってもダメな作品とまでは思いませんけど。
*ライオンズ・ゲートが高額で前作の配給権を取得したので、今作も同じ配給ですが、もう少し儲けたかったという欲が出てしまった感は否めません。安く上げたくても、もう少し人選は慎重にやるべき。
*HTF(ハッピー・ツリー・フレンズ)・・・言わずと知れた猟奇スプラッターアニメーション。Mondo Mediaが制作する愛らしいキャラクター達が豆腐のように潰れていく人気作品群。冒頭の絵本調のイントロは、別名「本日の死亡者リスト」と呼ばれている。
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