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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:THE MADed6d463a.jpeg
監督:ジョン・カランギス

ネタバレあり





ハンバーガーはお好きですか?
私は、若い頃の渡米中に安価で量があるので、かなりお世話になりました。400円前後で、巨大なビーフパテと山盛りポテトにコーヒー付きという胸焼け間違い無しのワンディッシュ(一皿盛)だったのを思い出します。
店ごとに拘りがあり、焼肉屋がタレを自慢するように、向うでもソース自慢を聞かされました。
私は、今でも脂身の多い国産肉より、肉の味がする赤身の方が好きで、これも米国滞在の影響ですね。
ジャンクフードとバカにするなかれ、ちゃんとした店ならばハンバーガーは米国の自慢料理なのです。

と、いうわけで脂身のコレステロールより怖い、添加物入りバーガーのお話です。

物語は・・・
生産直売のクリークサイド農場・・・今日も、牧場主のアレンが、新鮮なミンチ肉をお届けに向います・・・。

ネットや雑誌の情報を見たモニカの提案で、親娘と彼氏はドライブ旅行に出掛け、村のB&Bで宿泊する事に・・・。
折しも村ではチャリティカーニバルが開かれ、カントリーライフを体験できるとモニカは大喜び。娘のエイミーは、服装までモニカの言いなりの父ジェイソンに呆れがち。エイミーは、父親の恋人モニカが後妻になることが嫌で堪らない。30943298.jpg
それでも、それなりに賑やかな催しを楽しんだ4人は、B&Bの一角にあるバーガーレストランで食事。オーガニックビーフ100%が売り物の人気店だが、娘のエイミーとモニカはサラダを注文。ジェイソンとブレイクはバーガーSPを頼むが、あいにく品切れでジェイソンは地鶏のローストに変更、ブレイクも便乗する。このペア、お互いに相手に取り入ろうと同じ物を注文していて、雰囲気は最悪一歩手前。バカだが正直なブレイクとジェイソンはマシだが、モニカとエイミーは爆発一歩手前の危険な空気。

バーガーが品切れの理由は、店長のチャーリーが、ビーフパテを見失ったせい。仕方が無いので、チャーリーとウェイトレスのスティーヴ親娘は、農場親子の話をしながら一服中。
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オーガニック(有機生産)が売りのはずのクリークサイド農場では、跡継ぎのジョニーが成長ホルモンGENREMを与え、それを争うように呑む牛たち。
父親のアレンの足にも異常が出ていて、息子のジョニーが薬を塗っていた。
夜になり、牛たちは興奮状態になり、厩舎の中で暴れ始める・・・。

一方、チャーリーの店でも、バーガーを食べていた夫婦がケンカを始め、親子の客は息子が倒れる。医者のジェイソンは、何事かと様子を聞くが、モニカが殺され、客の父親も殺された。
0ab249af.jpg898fcacd.jpgd8817092.jpg
口から泡を吹き、恐ろしい形相で襲い掛かってくる客だが、ブレイクの危機をチャーリーがライフルで救う。
ゾンビ化した女とタンゴを踊っていたジェイソンも救われ、突然の異常に外へ出る2人。表では、自販機に頭突きを加え続けて、ついに下敷きになった男がいた。さっきの恐怖が怒りに変わって、動けない男を蹴りまくるブレイクだったが、足に噛みつかれてしまう。
2人は、不貞寝をしていたエイミーを迎えに行き、漫才を繰り広げる。外では、いつのまにか数を増した村人達が唸り声をあげながら徘徊し始めていた。妙に冷静なジェイソンは、ブレイクの治療を行い、しばしモニカの死を悼むが、ドアの外にはゾンビが来ていた。ゾンビが開けては、ジェイソンが閉めるを繰り返して、ついでにゾンビから携帯電話を取るジェイソン。怪我で元気が無いブレイクは、エイミーの「SEXしよ♪」の一言で少し復活。隣の部屋に逃げ込んだジェイソンは、ビニール妻とお楽しみの男に、ドアだけは開けるな、と言うのだが、すぐに開けてしまい、男は熊手で刺されてお持ち帰りされた。
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とりあえず外へ脱出した3人は、ウェイトレスのスティーヴの援護で、チャーリーの店へ向うが、ゾンビが撃った銃弾がブレイクに命中。「何で、俺だけ」と文句を言うブレイクを引き摺って、5人は店内に篭城することに・・・。

ゾンビから取った携帯は暗唱ロックで使えず、TVはアンテナが壊されてダメ、さっきの騒ぎで電話もダメ、車は悪ガキがガソリン盗んだのでダメ、お天気チャンネルは映ったが”トラが動物園から逃亡”したので家から出ないように、というニュース。
冷静に指示を出すジェイソンだったが、原因を知りたいので一匹捕まえられないかな、というと一同は爆笑。
0acead75.jpgとりあえず保存されていたのは、モニカの遺体だった。「アンタの女か?」と聞くチャーリーに顔より下半身に目がいった後で、「あぁ、そうだ」と応えるジェイソン。憎んでいても死ねば情も沸くもので、エイミーは少し表情を曇らせるが、スティーヴの父親チャーリーもママの再婚相手だったと聞かされる。
死んだら医学に役立てて、という生前のモニカの言葉を呟き、彼女の死を無駄にしたくないと解剖を始めるジェイソン。すると、「余り切り刻まないで、お葬式で困るわ」と、言うモニカ。普通に葬儀の打ち合わせをして、またモニカは目を閉じる。解剖で切り刻みましたが、結局は無駄でした。

外では、一台の車が現れるが、運転してきた女はあっさり喰われ、静かにしろと言ってたのに、大声で口げんかを始める子供たち。優しく言っても止めないので、「黙れ、クソガキ!」と父親2人が一喝。外にはゾンビが徘徊し、厨房からは物音が・・・。8b237b5a.jpg
調べに入った一行は、そこで蠢くビーフパテとご対面。
ステンのボールで捕獲しようとしたが失敗し、飛び跳ねたパテは、ブレイクの顔に張り付いてしまう。オリーブオイルで滑らせてパテは剥がしたが、ついでに足も滑らせてブレイクは転倒。

肉の異常に気がついたジェイソンは、農場の事を聞くが、農場では以前に牛の病気が起こりネットで見つけた薬を使ったという。
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何故か自分だけ、噛まれて、撃たれて、パテに襲われ、オリーブオイルまみれのブレイクくんは、何もかも嫌になって「こんなとこに、いられるか!」と死亡フラグを立てて、店の外に・・・すぐに戻ってきたのは生首だけで、名所の看板にホールインワン。一斉に悲鳴をあげる4人。

とりあえず作戦会議を始め、肉が原因で死んだら生き返りゾンビになった人間に噛まれたがブレイクはゾンビにならなかったが首を斬ればいいんじゃないかということは生きてるのか死んでるのか病気なのかと意味不明な論議は一周して、怪しいのは農場だから調べに行くことになる。
作戦はジェイソンがゾンビの中を抜けて車に乗り、裏口で全員を乗せて逃げ出すというもの。店にあったお土産グッズをエサにして、意外と簡単に車までは行けたものの、そこで興味を示さないゾンビと格闘になる。援護射撃をしようとしたチャーリーもゾンビに撃たれ、エイミーはジェイソンを助けて車に乗り込めたが、チャーリーの死体から離れなかったスティーヴはゾンビの群れに襲われてしまった・・・。

車の中で、ジェイソンとエイミーの親娘の会話があり(グッズの帽子を脱げw)、結論として逃げずに農場を調べる事にした親子。だが、17号線の何処かという程度の知識で走らせていたら、車はガス欠になった。エイミーはライフル、ジェイソンはテニスラケットで武装して、徒歩で襲い来るゾンビを撃退しながら農場を探す。
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口げんかを交えて会話をしながら、ピアスを狙ってきたゾンビに頭突きを入れたり、後ろで襲われている娘に気づかずに青春時代を語ったり(娘は自力で叩きのめしました)している内に、農場に到着。
「サッター農場だ」「クリークサイド農場だ」と、どうでもいい口論の後で、家を訪問する2人。

応対に出た息子のジョニーは、父親は留守だが、最近は様子がおかしいんだと言う。牛の話になると、過敏に反応したが、一緒に牛舎を見せに行ってくれるという。エイミーは好みなようで、ジョニーに色目を使ったりする。ジョニーは温厚で誠実な口ぶりで説明してくれるが、牛舎を閉めていた間に子供向けのオバケ屋敷に改装していたそうで、ここぞとばかりにエイミーはくっつきます(・・・ブレイクェ)。牛舎の奥に案内された2人は、真っ暗な場所に通されるが、ジェイソンが自分で明りのスイッチを入れると・・・。
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現れたのは死体と留守のはずの父親・・・。「親爺が見つかったよ」と不気味な笑いを浮かべ、ハンマーで襲ってくるジョニー。病気で殺処分を命じられたジョニーは、薬で牛を健康にしたと叫ぶ。ついでに、エイミーに「君って、可愛いな」と付け加え、「あら、そう」と娘も満更でも無い返事。
死体は牛を調べに来たジェイコブス医師だったそうで、ジェイソンは他農場のスパイだとハッタリを言うが、自爆して気絶。
ジェイソンは吊るされ、エイミーはイスに拘束されてしまうが、根っからの悪人ではないジョニーは、エイミーに優しく接する。縄を解いてもらい、シャワーも使わせてもらったエイミーは、ジョニーの牛に掛ける情熱を聞き、何か不思議と良い空気になっていた・・・。

一方、ジェイソンは父親のアレンに余り優しく接してもらえず、牛刀、屠殺ハンマー、注射器、と迷われた末に腹を触られて噴き出してしまい、気絶の演技がばれてしまう。どうにか親父を蹴り飛ばし、拘束から逃れて、ジョニーを呼ぶジェイソン。400c16f0.jpg
親父が大変だ、と聞いて駆け込んできたジョニーとエイミー。娘のツインテールを見て文句を言うが、「君たち親子は病気だ、だが今なら治療できる!」と説得するジェイソン。だが、直後にジョニーが父親に噛み付かれ「無理だろうな」「痛そう」と。
父親に噛まれながらも、畜産農家の苦しみを語り続けるジョニーだったが、親子揃って発症し体中からパテ状の肉を噴き出して死んでしまう。
「似た物親子だったわね」とエイミーがポツリ。

0a1c7093.jpg2c8b6d59.jpg夜が明けて、一連の騒ぎも警察の知るところとなり、刑事に事情を説明する2人。刑事は、農場の牛は全て殺処分するし、逃げた牛もいないと断言。出荷した肉は全て押収し、今は薬剤GENREMの入手ルートを探索しているが、これの突然変異が原因だろうと言う。

親娘の会話を始める2人の後ろで、刑事のズボンの中に這い上がってくるパテ・・・。
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かくして、泡を吹きながら発進した車は、蛇行しまくって視界の先で衝突するのであった・・・・・・END


まず、80年代を席巻したオーストラリアの最低映画集団トロマとは、何の関係もありません。
原題も『THE MAD』ですし、邦題を付けた人に高コレステロールで苦しむ呪いを贈りましょう。

ゾンビ・コメディですので、全体的に明るく、会話もウィットに富んだジョークの連続です。
3組の親子が出てきますが、それぞれに個性的で、どれも似た者親子でしたw
主人公ジェイソン役にビリー・ゼインを起用できただけでも、成功したと言える(よく引き受けたなぁ)。

肝心のゾンビは良く出来ていますが、出番は短く、中盤からはコメディに色を添えるためだけに出てきます。
グロは控えめで、ゾンビの恐怖など微塵もありませんが、抑えるべきシーンでは特殊技術が頑張っているので、安っぽくはありません。

原版と吹替えの両方を視聴しましたが、これは吹替えの方が、だら~っと観るには良いですね。
基本的に、私は原版派ですが、こういうのはアリかな、と。
洋画コメディにありがちな、感性の違いで笑えないというシーンは少なく、日本人でも充分に楽しめる一本に仕上がってました。

*余談・・・あちらのバーガーやサンドには、これでもかとばかりに積み上げられた物が珍しくありません。こういうのは、遠慮しないで押しつぶして食らいつきましょう。この被りつくという感じとビーフやチキンのボリューム感が米国の醍醐味です。
貴方が、米国のユニバーサル・スタジオを観光するなら、周辺のカフェには面白い店も多いですから、外出の刻印をしてもらい、思う存分食べ物屋でB級グルメ巡りをするのもお勧めします。


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