B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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『グラインドハウス』の嘘予告が現実になったと書きましたが、それが今作です。
監督は、もちろんロドリゲス、それにイーサン・マニキスも同監督として参加。
主演にロドリゲスの従兄で怪優ダニー・トレホを予告通り初主演に迎え、セガール、デ・ニーロと言った人気俳優が悪側で出演するなど、他キャストも話題性のある人ばかり。
お遊びに金を掛けるにも程がある徹底振りで、痛快ダークヒーロー映画に仕上げている。
物語は・・・
メキシコ連邦捜査官マチェーテは、強面で怖いもの知らずの男。トーレス(スティーヴン・セガール)が絡んだ誘拐事件を解決するため、上司や同僚の制止も聞かずに、愛用のマチェーテ(ナタ)を手にアジトに車ごと突っ込む。車から降りる間もなく、同僚は殉職。
隙の無い動きで、アジトのチンピラを次々とマチェーテで片付けていく。誘拐された女は、すぐに全裸で見つかったが、油断した隙に女にマチェーテを奪われ、太ももに重症を負う。
全ては、警察署長とトーレスが仕組んだ筋書きで、誘拐の演技をした女は、用が済んだらすぐにトーレスの手下に殺された。
メキシコは元より米国の検察や警察も押さえているトレースは、頑として買収に応じないマチェーテが邪魔だったのだ。
尚も抵抗するマチェーテの目の前で、妻の首を斬り飛ばし、娘も始末したと暗に言うトレース。お前は斬首に値しないとアジトに火を掛け、マチェーテを置き去りに立ち去るトレース一味・・・。
・・・3年後、メキシコと米国の国境で、密入国組織を調査するリベラ捜査官。調査対象は、タコス屋を営むルースという女で、コードネームは”彼女”。
その時、リベラのファインダーに死んだ筈のマチェーテの姿が・・・、彼は生き延び、日雇い労働者として暮らしていた。
メキシコと国境を接するテキサスでは、上院議員のジョン・マクラフリン(ロバート・デ・ニーロ)と自警団長ヴァン・ジャクソンが、違法入国者の虐殺を愛国心の名の下に楽しんでいた・・・。
タコス屋のルースに接触を続けるリベラは、法の守護者としての正義感で、密入国を助ける”彼女”の正体を探っていた。
ストリートバトルで余裕の勝利と小銭を得たマチェーテを見つめる男。
マフィアのマイケル・ブースは、マチェーテに15万$の古紙幣でマクラフリンの暗殺を依頼する。一旦は断ったマチェーテだったが、秘密を知った以上は逃げる事は出来ない。狙撃銃とマチェーテを手にし、明日のマクラフリン暗殺を強要される。家族の写真を見つめるマチェーテは、金を全てルースに提供し、指定された暗殺ポイントに向う。
演説中のマクラフリンを狙うマチェーテは、逆に狙撃され、議員も足に銃弾を受ける。嵌められたマチェーテは、持ち前の戦闘力で逃走するが、警官には連行されてしまう。移送中のパトカーの中で、2人がニセ警官だと分ったマチェーテは、容赦なく反撃し逃亡する。
狙撃されたマクラフリンは、密入国者のメキシコ人に立ち向かう英雄扱いになり、次期当選は確実になった。マイケルは、トーレスの指示でマクラフリンのサポートに着いていたのだ。計画の成功をトーレスに報告するマイケルだったが、犯人の映像がマチェーテだと気づいたトーレスは、彼の抹殺を命令する。
一方、ネットワークは横転したパトカーからマチェーテを救い、病院で治療を行っていた。しかし、そこにマイケルの手下が現れ、ストレッチャーを偽装したマチェーテは、骨きり丸ノコとベルトに結んだメスの束で追っ手を倒し、腸を引きずり出してロープ代わりにして逃亡する。
上司からの連絡で、TV画面のマチェーテを見たリベラは、特徴がありすぎる顔に見覚えがあった。データベース検索で、マチェーテが元連邦捜査官だと知るリベラ。
移動販売車でマチェーテを回収したリースは、彼を自宅で看護する。”彼女”と”マチェーテ”、2つの伝説は、お互いの戦士としての部分に共感を覚える。
マクラフリンのサポートとして、トーレスの手下として暗躍するマイケルだが、家ではセレブ被れの妻子に頭を悩ませていた。娘の尻拭いのためにチンピラを始末し、モラルの欠片も無い言動に困り果てる。
一方、マイケルに叱咤された部下たちは、リースの家を突き止め急襲するが、兵隊はあっさり全滅。リーダーは爆弾を放り込むが、マチェーテは寸での所で逃れていた。
ちょうどリース宅を訪れたリベラは、車のボンネットに爆発で死体が飛んできてビックリ。
さすがにダメージを受けていたマチェーテを車に乗せると、自分がICE(移民税関捜査局)の捜査官であることを証し、マチェーテを不幸の磁石と呼ぶ。議員狙撃の黒幕がいることを聞いたリベラは、その隙を突かれて、拳銃を奪われる。あくまで法の正義を信じるリベラは、マチェーテを証人として保護し、黒幕を捕まえたいと言うが、無言で拒否されてしまう。
その頃、マイケルは自分が雇った男が、元メキシコ連邦捜査員だったと知り、トーレスにも担当させている部下じゃ無理だと言われる。トーレスに見限られるわけにはいかないマイケルは、TV電話越しに部下を絞殺して見せ、テキサスから殺しのプロ・オサイラス(トム・サヴィーニw)を呼び寄せる。トーレスは24時間の期限を切り、それまでに処理できなければ自ら乗り込むと言う。
マチェーテを自宅に招きいれたリベラは、食事を振舞いながら、黒幕を聞き出そうとしていた。雇い主がメキシコ人で無いことだけは話したが、組織を信用しないマチェーテは、自分で奴を探して逮捕させてやる、という。信用の証に奪った銃を返し、「お互い、警官だろ」と言い残して、マチェーテは追跡を始める。
自分の家の焼け跡に来たネットワークの若者2人を連れて、秘密の倉庫に向ったルースは、そこで大量の武器を見せる。しかし、タイミング悪くマチェーテを追うリベラが現れたので、ネットワークがしていることを説明し、自分達の存在理由を語る。実情を知ったリベラは、見逃して去ってくれた。
一方、反撃に転じるマチェーテは、今は神父になっている聖なる兄貴を尋ね、自分を雇った男がマクラフリンの子分のマイケルだと知る。娘絡みの妄想で懺悔によく来るそうで、裏では麻薬カルテルと組んでいた。
兄貴から情報と車を得たマチェーテは、直接マイケルの屋敷に車を乗りつける。
庭師だ、とマヌケな見張りを素通りし、さすがに気づいて振り向いた2人を気絶させ、茂みに放り込む。
セレブ被れの母子は、裸で自分撮りの真っ最中、現れたマチェーテに誘いをかけるが、二人とも昇天させられてしまう。マイケルにメッセージを残して、教会に全裸の2人をお持ち帰りする。
兄貴は一旦は激怒するが、スケベ根性も手伝って2人を預かる事を承諾する。
帰宅したマイケルは、妻ジューンと娘エイプリルの姿が無く、メッセージ付きのハンディカムに録画されたマチェーテと妻子の痴態を見せ付けられる。怒り狂っている所に殺し屋のオサイラスから電話があり、マチェーテに兄がいることを突き止めた、と報告を受ける。
自警団のヴァンも独自に行動を起こし、トーレスから武器を調達し、ネットワークとマチェーテを狙う。
兄貴から貰った証拠品を持ってリベラを訪れたマチェーテは、一緒にパソコンで中身を観る。懺悔室の隠し撮り映像には、マクラフリン偽装狙撃から、娘への淫らな妄想も含まれ、パスを簡単に解読したマチェーテは、繋がりのある人間の中にトーレスを見つけ怒りを顕わにする。トーレスは、マクラフリンに国境フェンスを造らせ、警備の薄い場所から麻薬取引を自由に行う気だったのだ。
部下の調査でネットワークの隠し倉庫を見つけたヴァンは、そこに現れたルースに議員狙撃の自白を迫る。だが、それを否定して、ヴァンに挑戦的な態度を取ったルースの右目を容赦なく撃ち抜く。
一方、兄貴の教会もオサイラス率いる部下達に囲まれ、教会内に侵入されてしまう。監視カメラで敵の襲来を知った兄貴は、ショットガンで武装し、逆に外から部下を殺していく。お慈悲を、と乞うチンピラに「神にはあっても、私には無い」と引き金を引く兄貴。
見事な動きと銃捌きで兵隊を皆殺しにした兄貴だったが、現役のオサイラスには敵わず、膝を撃ち抜かれてしまう。そこに現れたマイケルは、兄貴を張り付けにし、オサイラスに釘打ちの拷問をさせる。トーレスと自分で麻薬の供給量を調整し、利益を上げるためにマクラフリンも利用したマイケルは、マチェーテと妻子の居場所を聞く・・・。
リベラの家で一夜を明かしたマチェーテは、黒尽くめの集団に銃撃される。
マチェーテの多彩な攻撃とリベラの意外な強さで、全員とプロレスマスクの男を撃退したが、マスクマンの正体を知り兄貴の身にも危険があると感じたマチェーテは教会に急ぐ。
教会では、兄貴が殉教者のように張り付けにされ、嬲り殺しにされていた。
マチェーテ初めてのメールをマイケルに送信・・・「お前は、相手を間違えた」、と。
TV電話で、トーレスも街に入ったことを知ったマイケルは、ICEのリベラが証拠を握っている、と報告する。
怒りに燃えるマチェーテは、草刈機とネイルガンで、マイケル宅へ直接攻撃に出る。以前、草刈機で散々な目に遭った男は素直に降参、他のガードマンもマチェーテに倒され、マイケルの居場所を白状する。
リベラは、法の番人だと信じていた上層部の言葉に絶望し、証拠をTV局に持ち込む。
ニュースで取り上げられた教会の殺人事件は、マチェーテの目撃情報を報じた。いつまでも片がつかないことに不安を感じる議員をマイケルは、対処させていますと励ます。
杖をついた姿でインタビューに現れたマクラフリンは、笑顔で応えていたが、女記者に狙撃事件が自演ではないか、と問われ顔色を変える。更に、持ち込まれたTVには、マイケルが兄貴を拷問に掛けている映像が流れ、マクラフリンが違法入国者を射殺する映像まで入っていた。麻薬王トーレスとの繋がり、環境自警団と麻薬密売への関与にまで質問は及び、マクラフリンは倒れこむようにその場から逃げ出すしかなった。
車の中で、激しくマイケルと口論する内に、マクラフリンは銃でマイケルを撃ち、タクシーを奪って逃走。
半死半生のマイケルの前にマチェーテが現れ、マイケルは全ての悪事を白状し、妻子のことを尋ねる。
「神の御許に」と言われ、もう会えないのか、とマイケルは死ぬ。
確かに神の御許、教会で目覚めた母子は、家への電話でマイケルが議員に撃たれて死んだのを聞き、ショックを受ける。
マイケルを撃った議員は、自警団のヴァンの元に車を走らせていた。すでにニュースを知っているヴァンは、マチェーテを疫病神と呼び、議員も奴を殺すしか解決法は無いと言う。
ルースの移動販売車の前には献花が置かれ、訪れたマチェーテはルースの死を知る。ネットワークの若者はマチェーテに新しいリーダーになって欲しいと言い、倉庫に案内する。倉庫に集まったメンバーは、車の改造と武器の装備に動いていた。「敵は、ヴァンとトーレス・・・一度にやっつける」、とマチェーテ。
その頃、ルースの移動販売車にはリベラが現れ、ルースの死を悼む人々に声を上げ始めた。完全に吹っ切れたリベラは、「権力と金のために砂に線を引いた奴らを倒し、線を消す時よ!」と気勢を上げ、人々は『ビバ!マチェーテ!!』と声を上げネットワークに加わるべく行動を開始した。
そんなリベラに手を差し出したのは、トーレスだった・・・。
ネットワークの連絡網は、末端の人々にまで広がり、リベラがトーレスに囚われたことを知ったマチェーテは、遂にネットワークを率いて、自警団の本拠地へ向った。
自警団では、飛び込んできたマクラフリンを裏切り者の政治屋と呼び、処刑場に連行した。
そして、迫り来るマチェーテの軍団に対抗すべく、武装して待ち構えていた。
奇しくも議員の銃殺刑は、マチェーテが放ったロケットランチャーの衝撃で中止になり、自警団の本拠地では、激しい戦いが始まった。マチェーテが斬りまくり、ヒップアップトラックが押しつぶし、硝煙と銃弾が飛びかう。
そこに走りこんできた救急車からは、医師とナースも参加し、後部扉から現れたのは眼帯とボンテージに身を包んだルースの姿だった。
大勢に囲まれたマチェーテの危機を救い、議員にメキシコ人になりな、と言うルース。
メキシカンルックに着替えたマクラフリンは、ネットワーク側に参戦し、うろちょろと動き回るが、そこを霊柩車に撥ねられる。
霊柩車から下り立ったシスターは、最後の祈りを求めるマクラフリンの元に進む。「私の父の御名において・・・」とシスター服に身を包んだエイプリルは、マクラフリンの胸に銃弾を撃ちこむ・・・「後は忘れた」。
更にマシンガンで銃撃してくるシスターを見て、自警団は完全に戦意を喪失、両手を挙げて歩き出した。
勢いに乗ったマチェーテ達は、自警団を圧し始めていた。その中をヴァンは、悠々と銃を撃ちながら、ジープで一人本拠地を抜け出すが、バックミラーに映ったのはルース!
驚く暇も無く、血飛沫が運転席を染め上げた・・・。
戦いの形勢は決まったが、トーレスは朱鞘の直刀を抜き、マチェーテとの決着を付けるために現れる。人質のリベラの戒めを斬り、少刀の二刀流に構えるトーレス。マチェーテも二刀流になり、ついに二人の因縁の対決が始まる。
昔は2人とも警官だったな、と語るトーレス。マチェーテは名誉を、トーレスは力を、求めたものが違い、悪人を殺し続けているうちにトーレスは自分が悪人になっていた、と言う。剣技ではトーレスの方が上だったが、マチェーテの力も引けを取らず、お互いに一つ武器を失う。マチェーテの踏み込みをいなし、トーレスの投げが決まり、マチェーテの首に刃が振り下ろされようとしていた。
「殺されるわ」と言うルース。「殺されないわ」というリベラ。
「彼は、マチェーテ」とリベラが言うと、起き上がったマチェーテのナタが、トーレスの腹を貫く・・・。
トーレスは、自らの腹を切腹し果てた。力を求め続けた男の最期だった・・・。 戦いは終わり、全てが終った戦場で、マチェーテは高々と自分の分身を掲げる。
ルースも、ネットワークも、皆が誇り高くそれに続く姿をリベラは、目に焼き付けていた・・・。
・・・防弾チョッキのお陰で生き延びていたマクラフリンは、夜の道へとさ迷い、自警団に発見される。
予告も無しに銃弾を受け、電気鉄線に倒れこむ。
「英語話せるか?ジジィ・・・アメリカにようこそ!」
続けざまに銃弾を浴びたマクラフリンは、皮肉な笑みを浮かべながら、絶命したのだった・・・。
バイクの後ろからサイレンを鳴らして追いつくパトカー。
下り立ったリベラは、マチェーテに市民権証書を手渡すが、返されてしまう。
「俺は、もう神話だ」
「どこに行くの?」
「どこにでも」
「私も乗ってく」と熱いキスを送りながら、二人を乗せたバイクは、パトランプに見送られながら、彼方へと走り去って行った・・・・・・END
と、いうわけで痛快強面スタイリッシュアクションを楽しんだわけですが、いいね理屈ぬきにバカでw
『プラネット・テラー』とは違ったジャンルで、B級の定番アクションを、これまた金と情熱を注ぎ込んで、思いっきりやった感が凄い。さぞや撮影現場は楽しかったことでしょう。
それにしても、マチェーテの顔というか存在感が強いので、敵側を正統派俳優で固めたのは大正解。
並みの人間じゃ勝てる気がしないもの。
ハードボイルドな男なんだけど、兄貴とか警官には情もあるし、むやみに殺しまくるんじゃなくて必要じゃないと許すんだよね。基本的に警官としての正義感を持ってるから、許す時は許す。まぁ、許されたほうもトラウマ必至だと思うけど、その辺があるからマチェーテが魅力的に感じる。
本人が喋らない代わりに、2大ヒロインが活躍してくれるから、話もぽんぽん進む。
セガールさんの切腹も違う意味で凄かったけど、やっぱり年齢取るとこうなるのね、腹。
米国では、登場人物が余りにもキャラ立ちしているので、メインキャスト全員のファンがいて、グッズとかあるそうな。
それにしても、私は多分、一生分の「マチェーテ」をキーボードで打ったと思う。
*続編予告が2本立てっぽいジョークで、終ってましたね。
『MACHETE WILL RETURN IN MACHETE KILLS』 & 『MACHETE KILLS AGAIN』
間違いなく制作しないと思うけど、やるかもしれないな、こいつら。
*ジャケ絵にあるような、コートの下が刃物だらけというシーンは無かった。こういうのも、昔のB級映画のオマージュで、わざとやったんだろうか、ありうる。
監督は、もちろんロドリゲス、それにイーサン・マニキスも同監督として参加。
主演にロドリゲスの従兄で怪優ダニー・トレホを予告通り初主演に迎え、セガール、デ・ニーロと言った人気俳優が悪側で出演するなど、他キャストも話題性のある人ばかり。
お遊びに金を掛けるにも程がある徹底振りで、痛快ダークヒーロー映画に仕上げている。
物語は・・・
メキシコ連邦捜査官マチェーテは、強面で怖いもの知らずの男。トーレス(スティーヴン・セガール)が絡んだ誘拐事件を解決するため、上司や同僚の制止も聞かずに、愛用のマチェーテ(ナタ)を手にアジトに車ごと突っ込む。車から降りる間もなく、同僚は殉職。
隙の無い動きで、アジトのチンピラを次々とマチェーテで片付けていく。誘拐された女は、すぐに全裸で見つかったが、油断した隙に女にマチェーテを奪われ、太ももに重症を負う。
全ては、警察署長とトーレスが仕組んだ筋書きで、誘拐の演技をした女は、用が済んだらすぐにトーレスの手下に殺された。
メキシコは元より米国の検察や警察も押さえているトレースは、頑として買収に応じないマチェーテが邪魔だったのだ。
尚も抵抗するマチェーテの目の前で、妻の首を斬り飛ばし、娘も始末したと暗に言うトレース。お前は斬首に値しないとアジトに火を掛け、マチェーテを置き去りに立ち去るトレース一味・・・。
・・・3年後、メキシコと米国の国境で、密入国組織を調査するリベラ捜査官。調査対象は、タコス屋を営むルースという女で、コードネームは”彼女”。
その時、リベラのファインダーに死んだ筈のマチェーテの姿が・・・、彼は生き延び、日雇い労働者として暮らしていた。
メキシコと国境を接するテキサスでは、上院議員のジョン・マクラフリン(ロバート・デ・ニーロ)と自警団長ヴァン・ジャクソンが、違法入国者の虐殺を愛国心の名の下に楽しんでいた・・・。
タコス屋のルースに接触を続けるリベラは、法の守護者としての正義感で、密入国を助ける”彼女”の正体を探っていた。
ストリートバトルで余裕の勝利と小銭を得たマチェーテを見つめる男。
マフィアのマイケル・ブースは、マチェーテに15万$の古紙幣でマクラフリンの暗殺を依頼する。一旦は断ったマチェーテだったが、秘密を知った以上は逃げる事は出来ない。狙撃銃とマチェーテを手にし、明日のマクラフリン暗殺を強要される。家族の写真を見つめるマチェーテは、金を全てルースに提供し、指定された暗殺ポイントに向う。
演説中のマクラフリンを狙うマチェーテは、逆に狙撃され、議員も足に銃弾を受ける。嵌められたマチェーテは、持ち前の戦闘力で逃走するが、警官には連行されてしまう。移送中のパトカーの中で、2人がニセ警官だと分ったマチェーテは、容赦なく反撃し逃亡する。
狙撃されたマクラフリンは、密入国者のメキシコ人に立ち向かう英雄扱いになり、次期当選は確実になった。マイケルは、トーレスの指示でマクラフリンのサポートに着いていたのだ。計画の成功をトーレスに報告するマイケルだったが、犯人の映像がマチェーテだと気づいたトーレスは、彼の抹殺を命令する。
一方、ネットワークは横転したパトカーからマチェーテを救い、病院で治療を行っていた。しかし、そこにマイケルの手下が現れ、ストレッチャーを偽装したマチェーテは、骨きり丸ノコとベルトに結んだメスの束で追っ手を倒し、腸を引きずり出してロープ代わりにして逃亡する。
上司からの連絡で、TV画面のマチェーテを見たリベラは、特徴がありすぎる顔に見覚えがあった。データベース検索で、マチェーテが元連邦捜査官だと知るリベラ。
移動販売車でマチェーテを回収したリースは、彼を自宅で看護する。”彼女”と”マチェーテ”、2つの伝説は、お互いの戦士としての部分に共感を覚える。
マクラフリンのサポートとして、トーレスの手下として暗躍するマイケルだが、家ではセレブ被れの妻子に頭を悩ませていた。娘の尻拭いのためにチンピラを始末し、モラルの欠片も無い言動に困り果てる。
一方、マイケルに叱咤された部下たちは、リースの家を突き止め急襲するが、兵隊はあっさり全滅。リーダーは爆弾を放り込むが、マチェーテは寸での所で逃れていた。
ちょうどリース宅を訪れたリベラは、車のボンネットに爆発で死体が飛んできてビックリ。
さすがにダメージを受けていたマチェーテを車に乗せると、自分がICE(移民税関捜査局)の捜査官であることを証し、マチェーテを不幸の磁石と呼ぶ。議員狙撃の黒幕がいることを聞いたリベラは、その隙を突かれて、拳銃を奪われる。あくまで法の正義を信じるリベラは、マチェーテを証人として保護し、黒幕を捕まえたいと言うが、無言で拒否されてしまう。
その頃、マイケルは自分が雇った男が、元メキシコ連邦捜査員だったと知り、トーレスにも担当させている部下じゃ無理だと言われる。トーレスに見限られるわけにはいかないマイケルは、TV電話越しに部下を絞殺して見せ、テキサスから殺しのプロ・オサイラス(トム・サヴィーニw)を呼び寄せる。トーレスは24時間の期限を切り、それまでに処理できなければ自ら乗り込むと言う。
マチェーテを自宅に招きいれたリベラは、食事を振舞いながら、黒幕を聞き出そうとしていた。雇い主がメキシコ人で無いことだけは話したが、組織を信用しないマチェーテは、自分で奴を探して逮捕させてやる、という。信用の証に奪った銃を返し、「お互い、警官だろ」と言い残して、マチェーテは追跡を始める。
自分の家の焼け跡に来たネットワークの若者2人を連れて、秘密の倉庫に向ったルースは、そこで大量の武器を見せる。しかし、タイミング悪くマチェーテを追うリベラが現れたので、ネットワークがしていることを説明し、自分達の存在理由を語る。実情を知ったリベラは、見逃して去ってくれた。
一方、反撃に転じるマチェーテは、今は神父になっている聖なる兄貴を尋ね、自分を雇った男がマクラフリンの子分のマイケルだと知る。娘絡みの妄想で懺悔によく来るそうで、裏では麻薬カルテルと組んでいた。
兄貴から情報と車を得たマチェーテは、直接マイケルの屋敷に車を乗りつける。
庭師だ、とマヌケな見張りを素通りし、さすがに気づいて振り向いた2人を気絶させ、茂みに放り込む。
セレブ被れの母子は、裸で自分撮りの真っ最中、現れたマチェーテに誘いをかけるが、二人とも昇天させられてしまう。マイケルにメッセージを残して、教会に全裸の2人をお持ち帰りする。
兄貴は一旦は激怒するが、スケベ根性も手伝って2人を預かる事を承諾する。
帰宅したマイケルは、妻ジューンと娘エイプリルの姿が無く、メッセージ付きのハンディカムに録画されたマチェーテと妻子の痴態を見せ付けられる。怒り狂っている所に殺し屋のオサイラスから電話があり、マチェーテに兄がいることを突き止めた、と報告を受ける。
自警団のヴァンも独自に行動を起こし、トーレスから武器を調達し、ネットワークとマチェーテを狙う。
兄貴から貰った証拠品を持ってリベラを訪れたマチェーテは、一緒にパソコンで中身を観る。懺悔室の隠し撮り映像には、マクラフリン偽装狙撃から、娘への淫らな妄想も含まれ、パスを簡単に解読したマチェーテは、繋がりのある人間の中にトーレスを見つけ怒りを顕わにする。トーレスは、マクラフリンに国境フェンスを造らせ、警備の薄い場所から麻薬取引を自由に行う気だったのだ。
部下の調査でネットワークの隠し倉庫を見つけたヴァンは、そこに現れたルースに議員狙撃の自白を迫る。だが、それを否定して、ヴァンに挑戦的な態度を取ったルースの右目を容赦なく撃ち抜く。
一方、兄貴の教会もオサイラス率いる部下達に囲まれ、教会内に侵入されてしまう。監視カメラで敵の襲来を知った兄貴は、ショットガンで武装し、逆に外から部下を殺していく。お慈悲を、と乞うチンピラに「神にはあっても、私には無い」と引き金を引く兄貴。
見事な動きと銃捌きで兵隊を皆殺しにした兄貴だったが、現役のオサイラスには敵わず、膝を撃ち抜かれてしまう。そこに現れたマイケルは、兄貴を張り付けにし、オサイラスに釘打ちの拷問をさせる。トーレスと自分で麻薬の供給量を調整し、利益を上げるためにマクラフリンも利用したマイケルは、マチェーテと妻子の居場所を聞く・・・。
リベラの家で一夜を明かしたマチェーテは、黒尽くめの集団に銃撃される。
マチェーテの多彩な攻撃とリベラの意外な強さで、全員とプロレスマスクの男を撃退したが、マスクマンの正体を知り兄貴の身にも危険があると感じたマチェーテは教会に急ぐ。
教会では、兄貴が殉教者のように張り付けにされ、嬲り殺しにされていた。
マチェーテ初めてのメールをマイケルに送信・・・「お前は、相手を間違えた」、と。
TV電話で、トーレスも街に入ったことを知ったマイケルは、ICEのリベラが証拠を握っている、と報告する。
怒りに燃えるマチェーテは、草刈機とネイルガンで、マイケル宅へ直接攻撃に出る。以前、草刈機で散々な目に遭った男は素直に降参、他のガードマンもマチェーテに倒され、マイケルの居場所を白状する。
リベラは、法の番人だと信じていた上層部の言葉に絶望し、証拠をTV局に持ち込む。
ニュースで取り上げられた教会の殺人事件は、マチェーテの目撃情報を報じた。いつまでも片がつかないことに不安を感じる議員をマイケルは、対処させていますと励ます。
杖をついた姿でインタビューに現れたマクラフリンは、笑顔で応えていたが、女記者に狙撃事件が自演ではないか、と問われ顔色を変える。更に、持ち込まれたTVには、マイケルが兄貴を拷問に掛けている映像が流れ、マクラフリンが違法入国者を射殺する映像まで入っていた。麻薬王トーレスとの繋がり、環境自警団と麻薬密売への関与にまで質問は及び、マクラフリンは倒れこむようにその場から逃げ出すしかなった。
車の中で、激しくマイケルと口論する内に、マクラフリンは銃でマイケルを撃ち、タクシーを奪って逃走。
半死半生のマイケルの前にマチェーテが現れ、マイケルは全ての悪事を白状し、妻子のことを尋ねる。
「神の御許に」と言われ、もう会えないのか、とマイケルは死ぬ。
確かに神の御許、教会で目覚めた母子は、家への電話でマイケルが議員に撃たれて死んだのを聞き、ショックを受ける。
マイケルを撃った議員は、自警団のヴァンの元に車を走らせていた。すでにニュースを知っているヴァンは、マチェーテを疫病神と呼び、議員も奴を殺すしか解決法は無いと言う。
ルースの移動販売車の前には献花が置かれ、訪れたマチェーテはルースの死を知る。ネットワークの若者はマチェーテに新しいリーダーになって欲しいと言い、倉庫に案内する。倉庫に集まったメンバーは、車の改造と武器の装備に動いていた。「敵は、ヴァンとトーレス・・・一度にやっつける」、とマチェーテ。
その頃、ルースの移動販売車にはリベラが現れ、ルースの死を悼む人々に声を上げ始めた。完全に吹っ切れたリベラは、「権力と金のために砂に線を引いた奴らを倒し、線を消す時よ!」と気勢を上げ、人々は『ビバ!マチェーテ!!』と声を上げネットワークに加わるべく行動を開始した。
そんなリベラに手を差し出したのは、トーレスだった・・・。
ネットワークの連絡網は、末端の人々にまで広がり、リベラがトーレスに囚われたことを知ったマチェーテは、遂にネットワークを率いて、自警団の本拠地へ向った。
自警団では、飛び込んできたマクラフリンを裏切り者の政治屋と呼び、処刑場に連行した。
そして、迫り来るマチェーテの軍団に対抗すべく、武装して待ち構えていた。
奇しくも議員の銃殺刑は、マチェーテが放ったロケットランチャーの衝撃で中止になり、自警団の本拠地では、激しい戦いが始まった。マチェーテが斬りまくり、ヒップアップトラックが押しつぶし、硝煙と銃弾が飛びかう。
そこに走りこんできた救急車からは、医師とナースも参加し、後部扉から現れたのは眼帯とボンテージに身を包んだルースの姿だった。
大勢に囲まれたマチェーテの危機を救い、議員にメキシコ人になりな、と言うルース。
メキシカンルックに着替えたマクラフリンは、ネットワーク側に参戦し、うろちょろと動き回るが、そこを霊柩車に撥ねられる。
霊柩車から下り立ったシスターは、最後の祈りを求めるマクラフリンの元に進む。「私の父の御名において・・・」とシスター服に身を包んだエイプリルは、マクラフリンの胸に銃弾を撃ちこむ・・・「後は忘れた」。
更にマシンガンで銃撃してくるシスターを見て、自警団は完全に戦意を喪失、両手を挙げて歩き出した。
勢いに乗ったマチェーテ達は、自警団を圧し始めていた。その中をヴァンは、悠々と銃を撃ちながら、ジープで一人本拠地を抜け出すが、バックミラーに映ったのはルース!
驚く暇も無く、血飛沫が運転席を染め上げた・・・。
戦いの形勢は決まったが、トーレスは朱鞘の直刀を抜き、マチェーテとの決着を付けるために現れる。人質のリベラの戒めを斬り、少刀の二刀流に構えるトーレス。マチェーテも二刀流になり、ついに二人の因縁の対決が始まる。
昔は2人とも警官だったな、と語るトーレス。マチェーテは名誉を、トーレスは力を、求めたものが違い、悪人を殺し続けているうちにトーレスは自分が悪人になっていた、と言う。剣技ではトーレスの方が上だったが、マチェーテの力も引けを取らず、お互いに一つ武器を失う。マチェーテの踏み込みをいなし、トーレスの投げが決まり、マチェーテの首に刃が振り下ろされようとしていた。
「殺されるわ」と言うルース。「殺されないわ」というリベラ。
「彼は、マチェーテ」とリベラが言うと、起き上がったマチェーテのナタが、トーレスの腹を貫く・・・。
トーレスは、自らの腹を切腹し果てた。力を求め続けた男の最期だった・・・。 戦いは終わり、全てが終った戦場で、マチェーテは高々と自分の分身を掲げる。
ルースも、ネットワークも、皆が誇り高くそれに続く姿をリベラは、目に焼き付けていた・・・。
・・・防弾チョッキのお陰で生き延びていたマクラフリンは、夜の道へとさ迷い、自警団に発見される。
予告も無しに銃弾を受け、電気鉄線に倒れこむ。
「英語話せるか?ジジィ・・・アメリカにようこそ!」
続けざまに銃弾を浴びたマクラフリンは、皮肉な笑みを浮かべながら、絶命したのだった・・・。
バイクの後ろからサイレンを鳴らして追いつくパトカー。
下り立ったリベラは、マチェーテに市民権証書を手渡すが、返されてしまう。
「俺は、もう神話だ」
「どこに行くの?」
「どこにでも」
「私も乗ってく」と熱いキスを送りながら、二人を乗せたバイクは、パトランプに見送られながら、彼方へと走り去って行った・・・・・・END
と、いうわけで痛快強面スタイリッシュアクションを楽しんだわけですが、いいね理屈ぬきにバカでw
『プラネット・テラー』とは違ったジャンルで、B級の定番アクションを、これまた金と情熱を注ぎ込んで、思いっきりやった感が凄い。さぞや撮影現場は楽しかったことでしょう。
それにしても、マチェーテの顔というか存在感が強いので、敵側を正統派俳優で固めたのは大正解。
並みの人間じゃ勝てる気がしないもの。
ハードボイルドな男なんだけど、兄貴とか警官には情もあるし、むやみに殺しまくるんじゃなくて必要じゃないと許すんだよね。基本的に警官としての正義感を持ってるから、許す時は許す。まぁ、許されたほうもトラウマ必至だと思うけど、その辺があるからマチェーテが魅力的に感じる。
本人が喋らない代わりに、2大ヒロインが活躍してくれるから、話もぽんぽん進む。
セガールさんの切腹も違う意味で凄かったけど、やっぱり年齢取るとこうなるのね、腹。
米国では、登場人物が余りにもキャラ立ちしているので、メインキャスト全員のファンがいて、グッズとかあるそうな。
それにしても、私は多分、一生分の「マチェーテ」をキーボードで打ったと思う。
*続編予告が2本立てっぽいジョークで、終ってましたね。
『MACHETE WILL RETURN IN MACHETE KILLS』 & 『MACHETE KILLS AGAIN』
間違いなく制作しないと思うけど、やるかもしれないな、こいつら。
*ジャケ絵にあるような、コートの下が刃物だらけというシーンは無かった。こういうのも、昔のB級映画のオマージュで、わざとやったんだろうか、ありうる。
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