B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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前にも書いたが、スティーヴン・キングの映像化で成功を収めた稀有な人、フランク・ダラボン監督のTVドラマ。ロバート・カークマンの人気原作コミックに一目惚れした監督が、自ら映像権を取得したが、ゾンビものという理由でNBCに断られたため、ライバル局のAMCに持ち込んだ所、あっという間に放送が決まり、米国で人気を博した。すでにシーズン2の制作も決まり、見る目の無かったNBCはさぞや悔しがっていることだろう。
評論家筋では、かの名作『LOST』に匹敵すると高評価を得たシーズン1。日本人はゾンビ好きということで、異例の速さで国内放送も決まり、日本の海外ドラマファンを狂喜させた本作。
その理由は、単にゾンビが人を襲うだけの作品と違い、あらゆるシチュエーションで、多彩な人種と老若男女が織り成す群像劇の素晴らしさにある。ゾンビも元は人間だったという事実、生き残るための決断、家族の本当の絆とは何か、そして人としてどう考え、どんな未来を見つけるのか・・・。
映画の時間制限の中では、どうしても駆け足になってしまう部分をじっくりと描写する事で、人類の終焉を目前にした人々の生き様が描かれていく。
ドラマ特有の次回に続く期待感も、毎回起こる様々なピンチをどう乗り越えるのか、と期待を持たせてくれる。
ストーリーの中心的な役割を果たすのは、保安官リック(アンドリュー・リンカーン)だが、登場人物の全てが主人公と言っても良いぐらい、多彩で個性的だ。
映像も職人肌のスタッフだけに手抜きは無く。TVドラマとは思えないほど質の高い特殊技術を保っており、斬新で凄惨なゴアシーンや大量の個性的なゾンビに襲われる恐怖感も充分に魅せてくれる。
ゾンビ映画に麻痺した私のような人間でも、ありきたりなお約束シーンの無い、全く新しい恐怖を楽しめる幸せを感じてもらえるだろう。
以下、直近の作品なので、簡単な紹介だけ書いていきますが、未見の方やネタバレはNO THANK YOUだと言う方は、ここでお別れしましょう・・・。
大事な事なので2度言いますが、ネタバレしてますので、本当にご注意を!
物語は・・・
『EP1:DAY'S GONE BY』 OPENNING
スクラップと化した車の中を、ガソリンを求めて下り立つ一人の保安官。だが、すでに「NO GAS」の殴り書きが風にゆれ、何かの気配を感じて様子を窺う。細い足で頼りなく歩く少女は、道端の縫ぐるみを拾い、保安官の言葉に振り返る。
以前は愛くるしかった筈の少女は、すでにウォーカーと化しており、保安官に迫ってくる。
銃声が響き、少女は地面に転がる。
やりきれない表情の保安官・・・世界は、こんなにも変わってしまったのだ・・・・・・。
家族のグチを語り合うリック(アンドリュー・リンカーン)と相棒のシェーン(ジョン・バーンサル)。そこへ逃亡者追跡の応援要請が入る。横転した犯人達と警官隊は銃撃戦になり、リックは被弾して重症を負ってしまう・・・。
朦朧とする意識の中で目覚めたリックは、自分が長い間放置されていたことに気づく。荒れ果てた病院内には、凄惨な死体が転がり、『DON'T OPEN DEAD INSIDE』とスプレー書きされた部屋からは、異様な声と真っ白い指が伸びていた。萎えた足を引き摺りながら病院の外に出ると、数え切れないほどの遺体袋が転がり、静まり返った町は無人のようだった。
公園で乗り捨てられた自転車を見つけたリックは、そばに転がる上半身だけの死体が動いているのを見てしまう。混乱しながら自宅へ行き、妻のローリと息子のカールの名を呼び続けるリック。
これは夢なのか・・・覚めない悪夢の中を漂い、玄関の階段に腰掛けたリックは、いきなり黒人少年にスコップで頭を殴られる。朦朧とする意識の中で、歩行者を射殺する黒人を見て、問い掛けを聞きながら意識を失っていく・・・。
男の名はモーガン、息子はデュアン。2人は、意識を取り戻したリックに、人々が高熱に犯されて死ぬと、その後に歩き出す(ウォーカー)という。ウォーカーは、生きた人間を襲い、肉を喰らう危険な怪物だと説明する。
息子のデュアンは、自分の母親でそれを体験しており、強いショックを受けていた・・・。
回復したリックは、2人に武器を渡し、警察署でそれぞれの道を選択し別れる。
リックは、旅立ちの前に公園のウォーカーに慈悲の弾丸を放つ。
モーガンは、ウォーカーになった妻のジェニーを撃てなかった・・・。
行く者と残る者、2人の選んだ結末はどちらも正しかったのだろうか・・・。
リックは、避難所があったというアトランタへ向けて、妻子を探す旅を始める・・・。
すでに妻のローリが相棒のシェーンと、肉体関係を持っていることは知る由も無かった・・・
to be continue
『EP2:GUTS』
ガス欠のパトカーを捨てて、馬でアトランタに入ったリックだったが、大量のウォーカーに囲まれてしまう。放棄された戦車の中でウォーカーを倒したが、絶望的な状況で身動きが取れなくなってしまう。
無線の誘導で辛くもウォーカーの群れを抜けたリックは、声の主である青年のグレンと出会う。
食料を漁りに来た一団と合流したリックだったが、彼らも衣料品店のビルでウォーカーに囲まれた状態だった。
乱暴なディクソンをリックが手錠で拘束し、脱出の方法を議論する。リックは、下水道を使う作戦を提案し、都市計画事務所で働いていたジャクイルの知識で、地下への通路を発見する。グレンとモラレスが、地下水路を探索するが、行く手には鉄格子とネズミを食べるウォーカーがいた。
脱出作戦は振り出しに戻ったが、ウォーカーが音と臭いに敏感だと聞いたリックは、倒したウォーカーに敬意を払ってから解体し、内蔵を塗りつけてグレンと共に工事現場のトラックを目指す。死臭に包まれた2人はウォーカーを欺き進むが、俄かに降り出した驟雨で臭いが薄れ、最後にはリックの銃撃でグレンと車を奪取することに成功する。
グレンが盗難サイレンでウォーカーを引き付け、その隙にリックは、アンドレア、ジャクイル、モラレス・・・そして、故意では無いもののディクソンを見捨てる結果になったT・ドッグの救出に成功する・・・to be continue
『EP3:TELL IT TO THE FLOGS 』
置き去りにされたディクソンは、延々と独り言を続け、屋上にはウォーカーが入り込もうと暴れていた・・・。
グレン、T・ドッグ、モラレス、アンドレア、ジャクイルは、無事に郊外のキャンプに到着した。そこで、リックは、ついに妻のローリと息子のカールに再会する・・・。
死んだとばかり思っていた夫との再会を喜ぶ反面、ローリとシェーンには複雑な思いがあった。
言葉では伝えきれない思い・・・リックは目覚めてからの出来事、混乱の中でローリとカールを救い出したシェーン、そんなシェーンを受け入れ始めていたローリ、ディクソンを見捨てた事をダリルに伝えるべきか・・・皆、それぞれの混乱の中にいた。
穏やかな朝にも、心の中に曇りを感じる者たちもいる。その時、子供たちの悲鳴が響き、ウォーカーが鹿肉を貪っているのを発見し、男たちで処分する。その後ろから、狩りに出ていたディクソンの弟ダリルが現れる。せっかくの獲物を奪われ、憤慨してウォーカーを蹴りまくり、クロスボウでトドメを刺す。
食料調達班と共に兄のマール・ディクソンが戻っていないことに気づくダリル。リックが説明の口火を切り、怒り狂うダリルをシェーンが押さえ込む。皆は正直に事態を説明し、ダリルも納得は出来ないが助けに行くと言い張る。
マールの救出に同行するリックの気持ちが理解出来ないシェーンは、彼の無謀を責めるが、人間がしていい死に方じゃない、と答えるリック・・・。
ローリを納得させるため、命の恩人である親子に危険を知らせるために、銃とレシーバーが入ったバッグが必要だというリック。リックは、ダリル、T・ドッグ、グレンの3人と共に、再び地獄のようなアトランタに戻る。
キャンプでは、女達が仕事の分担に不満を感じ始めていた・・・。ローリは、シェーンがカールに構う事を拒否し、リックが死んだと聞かされていたのに戻ってきたと責め、全てを無かった事にしたいと伝える。
川で洗濯の雑用をしていた女たちの一人キャロルは、夫のエドに慢性的に暴力を振るわれていた。それを糾弾する女たちに激昂したエドはキャロルを殴り、そこに割って入ったシェーンはローリとの鬱憤をぶつけるようにエドを半殺しにしてしまう。
一方、マールの救助に向った4人は、そこで斬り落とされた手首と血に濡れた手錠を見つける・・・。
『EP4:VATOS』
アンドレアとエミーの姉妹は、ボートの上で父親の話をしていた。だが、アンドレアには魚の獲り方をエイミーには魚を逃がすことで命の尊さを教えていた。
兄が手首を残して消えたことでダリルは激発するが、それをリックが抑える。ダリルは布にマールの手首を包み、血の量から止血して移動したと判断する。ウォーカーをダリルが矢で始末しながら進むと、バーナーで手首を焼いた跡が見つかった。自分の手首を切り落とし、片手でウォーカーを2人倒し、火で止血までするタフガイなマールに尊敬より畏怖を感じる。
キャンプでは、ジムが休み無く穴を掘り続けていた。体調の心配もだが、その姿に不安感を覚えたメンバーは、とにかくジムに事情を聞こうとする。だが、頑として言うことを聞かず、穴を掘ろうとするジム。そんなジムをシェーンは拘束するが、シェーンがエドに暴行を加えたことや自分の家族が喰われている間に逃げたことなど、日射病で意識は混濁していた。
木陰で水を与える事で少し回復したジムは、何故穴を掘っていたかは思い出せないが、リックを立派なタフガイだと言い、ローリにカールから目を離してはいけない、と忠告する。
一旦、マールの事は置いといて、バッグを奪還する事にした4人。ダリルの援護で素早いグレンがバッグを回収し、路地で合流するという作戦。作戦は上手くいったかに見えたが、突然ダリルの前に「アユダメ!」と大声で連呼する男が現れ、カバンを持って来たグレンは謎の2人組に襲われる。クロスボウで男たちを撃退したが、グレンは男たちの仲間に車で連れ去られ、すでにウォーカーの群れがこちらに迫り、3人は「アユダメ」の男と逃げるしかなかった。
どうやら「アユダメ」は英語も話せたらしく、ダリルの尋問にも不貞ぶてしい態度で応じる。頭にきたダリルがマールの手首を見せ、リックが尋問するとアジトの場所へ案内した。男のグループはギルモアというリーダーが率いており、リックは対等の会話に持ち込んで人質を交換しようとする。だが、ギルモアはアジトの屋上からグレンを見せ、銃を諦める気が無いことを告げる。
一度戻った3人は、リックがグレンへの借りを返すために救出する覚悟を決めたことを知ると、武装して再びアジトへ向う。お互いに一歩も引かない銃撃戦の構えだったが、そこに老婆が現れ闘争の空気は一気に盛り下がる。奇妙な状況になったが、老婆の案内でアジトの奥へ進むと、そこには診療室もあり、多くの老人も暮らしていた。ギルバートという老人の喘息を抑えている間に、ギルモアと会話をするリック。ギルモアはホームの元管理人で、一緒に残った看護士のフィリペと残された老人の面倒を見ていたのだ。老人の家族たちや流れてきた人間を束ねて、弱肉強食になった世界で奪われないように必死で老人や仲間を守っていた。そのための力として銃を欲していたギルモアに、リックは武器を半分渡すと車に戻る。だが、車は無くなっており、リックたちは直感でマールが復讐のためにキャンプへ向ったと感じた。
キャンプでは、アンドレアとエイミーが釣り上げた魚で、不貞腐れたエドを除いて夕食の集まりが行われていた。その席でリーダーのデール老人は、時間と時計の話をし家族の絆の大切さを説く。
エイミーはトイレに立ち、エドのテントにはウォーカーの群れが現れていた。トイレから出たエミーもウォーカーに腕を噛まれ、夜半の突然の襲撃にパニックになるキャンプ。
暗闇がパニックを増長し、リックたちが駆けつけた時には、数名の犠牲者が出ていた・・・。
ジムは、「俺の夢を思い出した・・・穴を掘る事だ」と言った・・・・・・
to be continue
『EP5:WILD FIRE』
リックは、無線でモーガン親子にアトランタの危険と家族に会えたことを語り、キャンプの場所を送信する。返信は来ないが、無事を祈るしかない。
朝になってもエミーの遺体から離れないアンドレア。リックの説得にも銃を向けて抵抗し、他の遺体やウォーカーのように処分することを許さない。ダリルが強攻策を申し出るが、少しの間は放っとくしかない。
ウォーカーの死体を焼却し、仲間の死体は埋葬することにしたメンバーたち。ところが、ジムがウォーカーに噛まれていると判明。緊迫した空気が流れ、ダリルはジムとエミーの脳天にツルハシをぶち込むことを提案するが、リックは疾病対策センターや政府が機能している可能性を語る。存在していれば100マイル先のフォート・ベニングだが、軍隊が前線を突破される所を見たと言う。
生きている限りは殺さない、可能性に賭ける、とリックは言う
アンドレアは、今日がエミーの誕生日だとデール老人に語る。
すれ違いばかりで、お祝いもしてあげられなかった、と悔やみながら、アトランタで手に入れた人魚のペンダントを首に巻いてあげる・・・。
だが、エミーはゆっくりと動き始め、開いた瞼からは生気の色が無かった。噛み付こうとしてくるエミーを優しく撫でながら、「愛してるわ」と呟いて頭部を銃で撃ち抜いた・・・。
一方、キャロルは自分の手でエドを葬りたいと言い、執拗なまでに何度も頭部を破壊する。それが、愛なのか憎しみなのかは、誰にも分らない・・・。
埋葬中のリックとシェーンは、お互いの考え方の違いについて議論を交わす。リックの行動は無茶が過ぎるというシェーン。守りの思考に徹しているシェーンにとって、リックは危険な存在に思えるのだった。
仲間の埋葬を済ませた後で、リックは自分の行動の判断をローリに訊ねるが、彼女はリックもシェーンも間違って無いとしか言えない。疾病センターについては、皆が怖がっている状態で誰かが提案したら、それに全員が従ってしまう。だから、確実性のある話をして欲しいと願う。リックの皆への影響力は、ローリにとっても危険に感じるのだった。
一方でジムの症状は悪化を続け、リックは決断を急ぐ必要を感じていた。だが、シェーンはローリにみんなの安全を第一に考えて、リックを止めて欲しいと頼む。ローリの同意が得られなかったシェーンは、リックと見張りに出た機会に、魔が差したのかリックに銃口を向けてしまう。デール老人が現れたことで、シェーンの殺意は未然に防がれたが、危険な思いが宿ってしまったことは、もうどうしようもない。
結論として、フォート・ベニングに車で隊列を組んで、無線を使用しながら進むことになる。しかし、モラレス一家は皆と別れて、バーミンガムの家族の元へ行くと告げる。リックは、ダリルが舌打ちする中で、銃弾を渡し旅の成功を祈る。
モーガン親子宛のメモを残し、一行は一路フォート・ベニングへの旅路を始める。だが、デール老人のキャンピングカーが故障。容態が更に悪化したジムは、自分をここに置いて行って欲しいと願う。大樹の下に座らされたジムは、皆の別れの言葉を胸に静かに息絶えた・・・。
ジェナー博士の通信報告・・・地下の疾病対策センターでは、博士の懸命な研究が半年以上も続けられていた。昼夜の区別の無い地下で、博士は精神的に疲労し、サンプルごと薬剤を反応させてしまう。バイオハザードと判断したコンピューターは、即座に職員の退避と焼却処分を実行・・・。最後のサンプルを失った博士は、誰も観ていないかもしれない通信機の前で、こう呟く。
『明日、自分で頭を撃ち抜こうと思う・・・だが、今日は酔っ払うつもりだ』
CDC(疾病対策センター)に到着した一行は、無数の死体の間を抜け、シャッターの下りた入り口へと向う。ところが、ウォーカーが現れ、パニックに見舞われた一行は車に戻ろうとする。監視カメラが動いたのを見たリックは、怒りに任せてカメラに向けて罵倒する。ジェナ博士は、無力感から一行に立ち去って欲しいとさえ願っていた。だが、リックの必死の言葉は博士に届き、シャッターが開かれた・・・。
to be continue
『EP6:TS-19』
世界の滅びが始まった日・・・シェーンは、親友のリックを救うために病院に駆けつけていた。院内では軍による虐殺も起こり、混乱の中でリックのベッドに辿り付いたものの、植物状態のリックは目覚めることなく生命維持の電源も落ちた。
心音は感じられず、最後まで何とかしようとしたシェーンだったが、ウォーカーの侵入からリックの病室を守るために、ドアの前にストレッチャーを移動することしかできなかった・・・。
現在・・・疾病対策センター内で、ジェナー博士と出会った一行は、望みは?という問いに「希望だ」とリックが答える。博士は、全員をゾーン5へ案内し、管理コンピューター・ヴァイを紹介する。すでに施設に残っているのは博士一人、全員の血液検査を行い、酒と食事を提供する。その席で、事態の悪化と共に研究者は家族の元へ去り、軍の戦線は崩壊し、博士は一人で研究のために残ったことを聞かされる。
リック、ローリ、カール、シェーン、ダリル、キャロルと娘、デール、グレン、ジャクイル、アンドレア、T・ドッグ、は、久しぶりのシャワーを楽しみ、人間らしい生活を思い出していた。ただ一人、アンドレアだけは不安から嘔吐し、前途に絶望を感じていた。
検査の結果は、全員が異常なし。ジェナー博士の元を訪れたリックは、今まで自分を奮い立たせて無理をしてきた事を語り、初めて弱気な姿を見せる。
泥酔したシェーンは、自分が2人の命を救ったとローリに関係を迫り、思い切り引っ掻かれる。あの状況でリックの生存を確かめる術は無く、シェーンも精一杯に行動したのだが、可哀想な男である。
翌朝、ほとんどが二日酔いという状況の中で、ジェナー博士は『TS-19(被験者19)』の進行状況を皆に観せる。脳の主要な細胞を破壊していく過程を見せられ死に至り、第二段階と言われる変化が起こり、死滅した脳細胞の中から脳幹だけが活動を再開する。人間を形作る部分が無いまま、本能だけで動く物体ウォーカーと化すのだ。原因は不明、微生物、ウイルス、寄生虫、細菌、或いは神の復讐・・・。他の施設との連絡も一ヶ月前に途絶え、施設の燃料残量のカウントダウンがゼロになれば、施設全体は汚染除去される。
残り30分・・・最終カウントダウンが始まり、ジェナー博士は最後の記録を始めた。隔壁が下り、閉じ込められた一行に博士は、HITS(高衝撃サーモバリック気化爆弾)の5~6000℃の炎が全てを焼き尽くすという。
「痛みは無い・・・悲しみの終結・・・後悔している・・・あらゆることを・・・」
「俺は希望を失わない・・・常に希望は存在する・・・あんたやこの場所には無いかもしれんが」
迫り来る死にリックは叫ぶ。シェーンは、機械を銃撃して、皆の気持ちを代弁しただけだ、と諦めの表情になる。
全てが終ってしまうのか?
その時、リックは博士に「アンタは嘘を吐いている・・・希望が無いなどと・・・本当に希望が無いなら、あんたは、もっと安易な手段をとっただろう。だが、あんたは留まった。」と迫る。
博士は、「望んだからじゃない・・・約束したんだ、妻と」そういうとスクリーンを指差した。TS-19(被験者19)とは、博士の妻だったのだ・・・。だからこそ博士は、最後の最後まで研究を続けたのだ。
奥さんには選択の余地は無かった、俺たちに選択やチャンスを・・・少しでも長く生きることを試みさせて・・・。
博士は、扉のロックを解除し、隔壁を開放した。
「チャンスは与えた!しっかり掴め」
「感謝する」と言うリックに、博士は「君がいなくなれば、その日は来る」と謎の言葉を発し、耳元に何かを囁いた・・・。
ジャクイルはここに残る事を選択し、デールの説得も虚しく、もう何も無いと呟くアンドレアもまたここでの死を選んだ。
そして、デールも残ることを、一人では無い死を選んだのだった、アンドレアと共に・・・それは・・・
脱出を目指した一行は、防弾ガラスに苦戦するが、EP1で戦車の中で見つけた手榴弾をキャロルが持っていた。手榴弾でガラスを粉砕し、外へ走り出る。
無数のウォーカーを倒しながら、車へと走り込むローリの目に、デールとアンドレアの姿が。
2人は大切な物を共有し、死よりも少しでも長く生きる道を選びなおしたのだ・・・。
カウントダウンが迫る中、静かに手を握り合うジェナー博士とジャクイル・・・その顔には涙と笑みが浮かんでいた・・・。
瞬間、盛り上がった業火は施設を焼き尽くし、猛焔と化して全てを飲み込んでいった・・・。
望まぬ死を与えられた者、死して尚歩く者、自ら死を選んだ者、そして少しでも長く強く希望を信じて生きていく者たち・・・彼らの全てに安らぎの日が来ることを・・・・・・
S1 END to be continued S2
以上で、全6話シーズン1は終了です。
ゴアシーンは意図的に画像UPしていませんが、きちんと造りこまれたシーンがあるので、ご安心を。
全体的な感想としては、やっぱドラマだと時間が長いから、じっくり撮ってるな、という。
いい奴なのに、みっともない役回りのショーンが良い味だしてました。
リックは正義感と義理人情の人としてヒーロー性抜群なのですが、そうかやっぱり無理してたのか、と。
老いらくの恋に命を賭けて、ちゃんと報われたデール爺ちゃんも良かったですね。
ローリは・・・まぁ、どうでもいいかw
モーガン親子とか、マール・ディクソンの行方とか、色々と伏線を残してますので、シーズン2ではその辺りが描かれるんでしょうね。
しかし、洗濯係が伏線だったとは・・・どんだけ長い間持ち歩いてたんだよ。
結局、何も解決していないどころか、絶望感を深めただけの気がしますが、あの耳打ちが最大の伏線としてクライマックスに関係してくるんでしょうね。大体、想像つくけど、外したら恥かしいので書きません。
それでは、シーズン2をお楽しみにね!
*文章の描写は、割と好き勝手に解釈してるので、余りあてになさらないように。後、原作がまだ終ってないんだけど、2で破綻しないといいなぁ。
*ラストの気化爆弾・・・核兵器を除く最強の破壊力を持つ実在の兵器。正式名称は『Thermobaric bomb』.。BLEVE現象を薬品や専用爆薬で人為的に起こすことにより、燃料自体の急激な相変化で秒速2000mで拡散し蒸気雲が形成される。着火後は自由空間蒸気爆発により極めて高温(作中では6000℃に達するとあるが、これは限定空間内で燃料も特定されていない。普通は約半分の2500~3000℃と言われている)で12気圧に達する圧力を発生させる。最大の特徴は、爆風が極めて長時間維持され連続で全方位から襲ってくるという点。酸素を燃焼させるので周囲の人間が窒息で死ぬという俗説があるが、これは誤りで死因は急激な気圧変化による内臓破裂である。限定された空間を焼却・滅殺するには最良の兵器。
破壊力とは何かと言われれば、単純に建造物を壊すのならば、気化爆弾よりも通常の大型爆弾やデイジーカッターの方が有効だが、限定空間の破壊及び殺傷力ならば核に次ぐ危険な兵器である気化爆弾の方が上になる。近年、劣化ウラン弾等の後処理が大変な兵器よりも、殺傷範囲の設定や構造が簡単で航空機やヘリからの投下も出来る気化爆弾の使用が推進されている。
人が人を殺すというアイデアに関しては、つくづく人間は愚かな知恵を出せる生き物である・・・。
評論家筋では、かの名作『LOST』に匹敵すると高評価を得たシーズン1。日本人はゾンビ好きということで、異例の速さで国内放送も決まり、日本の海外ドラマファンを狂喜させた本作。
その理由は、単にゾンビが人を襲うだけの作品と違い、あらゆるシチュエーションで、多彩な人種と老若男女が織り成す群像劇の素晴らしさにある。ゾンビも元は人間だったという事実、生き残るための決断、家族の本当の絆とは何か、そして人としてどう考え、どんな未来を見つけるのか・・・。
映画の時間制限の中では、どうしても駆け足になってしまう部分をじっくりと描写する事で、人類の終焉を目前にした人々の生き様が描かれていく。
ドラマ特有の次回に続く期待感も、毎回起こる様々なピンチをどう乗り越えるのか、と期待を持たせてくれる。
ストーリーの中心的な役割を果たすのは、保安官リック(アンドリュー・リンカーン)だが、登場人物の全てが主人公と言っても良いぐらい、多彩で個性的だ。
映像も職人肌のスタッフだけに手抜きは無く。TVドラマとは思えないほど質の高い特殊技術を保っており、斬新で凄惨なゴアシーンや大量の個性的なゾンビに襲われる恐怖感も充分に魅せてくれる。
ゾンビ映画に麻痺した私のような人間でも、ありきたりなお約束シーンの無い、全く新しい恐怖を楽しめる幸せを感じてもらえるだろう。
以下、直近の作品なので、簡単な紹介だけ書いていきますが、未見の方やネタバレはNO THANK YOUだと言う方は、ここでお別れしましょう・・・。
大事な事なので2度言いますが、ネタバレしてますので、本当にご注意を!
物語は・・・
『EP1:DAY'S GONE BY』 OPENNING
スクラップと化した車の中を、ガソリンを求めて下り立つ一人の保安官。だが、すでに「NO GAS」の殴り書きが風にゆれ、何かの気配を感じて様子を窺う。細い足で頼りなく歩く少女は、道端の縫ぐるみを拾い、保安官の言葉に振り返る。
以前は愛くるしかった筈の少女は、すでにウォーカーと化しており、保安官に迫ってくる。
銃声が響き、少女は地面に転がる。
やりきれない表情の保安官・・・世界は、こんなにも変わってしまったのだ・・・・・・。
家族のグチを語り合うリック(アンドリュー・リンカーン)と相棒のシェーン(ジョン・バーンサル)。そこへ逃亡者追跡の応援要請が入る。横転した犯人達と警官隊は銃撃戦になり、リックは被弾して重症を負ってしまう・・・。
朦朧とする意識の中で目覚めたリックは、自分が長い間放置されていたことに気づく。荒れ果てた病院内には、凄惨な死体が転がり、『DON'T OPEN DEAD INSIDE』とスプレー書きされた部屋からは、異様な声と真っ白い指が伸びていた。萎えた足を引き摺りながら病院の外に出ると、数え切れないほどの遺体袋が転がり、静まり返った町は無人のようだった。
公園で乗り捨てられた自転車を見つけたリックは、そばに転がる上半身だけの死体が動いているのを見てしまう。混乱しながら自宅へ行き、妻のローリと息子のカールの名を呼び続けるリック。
これは夢なのか・・・覚めない悪夢の中を漂い、玄関の階段に腰掛けたリックは、いきなり黒人少年にスコップで頭を殴られる。朦朧とする意識の中で、歩行者を射殺する黒人を見て、問い掛けを聞きながら意識を失っていく・・・。
男の名はモーガン、息子はデュアン。2人は、意識を取り戻したリックに、人々が高熱に犯されて死ぬと、その後に歩き出す(ウォーカー)という。ウォーカーは、生きた人間を襲い、肉を喰らう危険な怪物だと説明する。
息子のデュアンは、自分の母親でそれを体験しており、強いショックを受けていた・・・。
回復したリックは、2人に武器を渡し、警察署でそれぞれの道を選択し別れる。
リックは、旅立ちの前に公園のウォーカーに慈悲の弾丸を放つ。
モーガンは、ウォーカーになった妻のジェニーを撃てなかった・・・。
行く者と残る者、2人の選んだ結末はどちらも正しかったのだろうか・・・。
答えは、誰にも分らない
リックは、避難所があったというアトランタへ向けて、妻子を探す旅を始める・・・。
すでに妻のローリが相棒のシェーンと、肉体関係を持っていることは知る由も無かった・・・
to be continue
『EP2:GUTS』
ガス欠のパトカーを捨てて、馬でアトランタに入ったリックだったが、大量のウォーカーに囲まれてしまう。放棄された戦車の中でウォーカーを倒したが、絶望的な状況で身動きが取れなくなってしまう。
無線の誘導で辛くもウォーカーの群れを抜けたリックは、声の主である青年のグレンと出会う。
食料を漁りに来た一団と合流したリックだったが、彼らも衣料品店のビルでウォーカーに囲まれた状態だった。
乱暴なディクソンをリックが手錠で拘束し、脱出の方法を議論する。リックは、下水道を使う作戦を提案し、都市計画事務所で働いていたジャクイルの知識で、地下への通路を発見する。グレンとモラレスが、地下水路を探索するが、行く手には鉄格子とネズミを食べるウォーカーがいた。
脱出作戦は振り出しに戻ったが、ウォーカーが音と臭いに敏感だと聞いたリックは、倒したウォーカーに敬意を払ってから解体し、内蔵を塗りつけてグレンと共に工事現場のトラックを目指す。死臭に包まれた2人はウォーカーを欺き進むが、俄かに降り出した驟雨で臭いが薄れ、最後にはリックの銃撃でグレンと車を奪取することに成功する。
グレンが盗難サイレンでウォーカーを引き付け、その隙にリックは、アンドレア、ジャクイル、モラレス・・・そして、故意では無いもののディクソンを見捨てる結果になったT・ドッグの救出に成功する・・・to be continue
『EP3:TELL IT TO THE FLOGS 』
置き去りにされたディクソンは、延々と独り言を続け、屋上にはウォーカーが入り込もうと暴れていた・・・。
グレン、T・ドッグ、モラレス、アンドレア、ジャクイルは、無事に郊外のキャンプに到着した。そこで、リックは、ついに妻のローリと息子のカールに再会する・・・。
死んだとばかり思っていた夫との再会を喜ぶ反面、ローリとシェーンには複雑な思いがあった。
言葉では伝えきれない思い・・・リックは目覚めてからの出来事、混乱の中でローリとカールを救い出したシェーン、そんなシェーンを受け入れ始めていたローリ、ディクソンを見捨てた事をダリルに伝えるべきか・・・皆、それぞれの混乱の中にいた。
穏やかな朝にも、心の中に曇りを感じる者たちもいる。その時、子供たちの悲鳴が響き、ウォーカーが鹿肉を貪っているのを発見し、男たちで処分する。その後ろから、狩りに出ていたディクソンの弟ダリルが現れる。せっかくの獲物を奪われ、憤慨してウォーカーを蹴りまくり、クロスボウでトドメを刺す。
食料調達班と共に兄のマール・ディクソンが戻っていないことに気づくダリル。リックが説明の口火を切り、怒り狂うダリルをシェーンが押さえ込む。皆は正直に事態を説明し、ダリルも納得は出来ないが助けに行くと言い張る。
マールの救出に同行するリックの気持ちが理解出来ないシェーンは、彼の無謀を責めるが、人間がしていい死に方じゃない、と答えるリック・・・。
ローリを納得させるため、命の恩人である親子に危険を知らせるために、銃とレシーバーが入ったバッグが必要だというリック。リックは、ダリル、T・ドッグ、グレンの3人と共に、再び地獄のようなアトランタに戻る。
キャンプでは、女達が仕事の分担に不満を感じ始めていた・・・。ローリは、シェーンがカールに構う事を拒否し、リックが死んだと聞かされていたのに戻ってきたと責め、全てを無かった事にしたいと伝える。
川で洗濯の雑用をしていた女たちの一人キャロルは、夫のエドに慢性的に暴力を振るわれていた。それを糾弾する女たちに激昂したエドはキャロルを殴り、そこに割って入ったシェーンはローリとの鬱憤をぶつけるようにエドを半殺しにしてしまう。
一方、マールの救助に向った4人は、そこで斬り落とされた手首と血に濡れた手錠を見つける・・・。
『EP4:VATOS』
アンドレアとエミーの姉妹は、ボートの上で父親の話をしていた。だが、アンドレアには魚の獲り方をエイミーには魚を逃がすことで命の尊さを教えていた。
兄が手首を残して消えたことでダリルは激発するが、それをリックが抑える。ダリルは布にマールの手首を包み、血の量から止血して移動したと判断する。ウォーカーをダリルが矢で始末しながら進むと、バーナーで手首を焼いた跡が見つかった。自分の手首を切り落とし、片手でウォーカーを2人倒し、火で止血までするタフガイなマールに尊敬より畏怖を感じる。
キャンプでは、ジムが休み無く穴を掘り続けていた。体調の心配もだが、その姿に不安感を覚えたメンバーは、とにかくジムに事情を聞こうとする。だが、頑として言うことを聞かず、穴を掘ろうとするジム。そんなジムをシェーンは拘束するが、シェーンがエドに暴行を加えたことや自分の家族が喰われている間に逃げたことなど、日射病で意識は混濁していた。
木陰で水を与える事で少し回復したジムは、何故穴を掘っていたかは思い出せないが、リックを立派なタフガイだと言い、ローリにカールから目を離してはいけない、と忠告する。
一旦、マールの事は置いといて、バッグを奪還する事にした4人。ダリルの援護で素早いグレンがバッグを回収し、路地で合流するという作戦。作戦は上手くいったかに見えたが、突然ダリルの前に「アユダメ!」と大声で連呼する男が現れ、カバンを持って来たグレンは謎の2人組に襲われる。クロスボウで男たちを撃退したが、グレンは男たちの仲間に車で連れ去られ、すでにウォーカーの群れがこちらに迫り、3人は「アユダメ」の男と逃げるしかなかった。
どうやら「アユダメ」は英語も話せたらしく、ダリルの尋問にも不貞ぶてしい態度で応じる。頭にきたダリルがマールの手首を見せ、リックが尋問するとアジトの場所へ案内した。男のグループはギルモアというリーダーが率いており、リックは対等の会話に持ち込んで人質を交換しようとする。だが、ギルモアはアジトの屋上からグレンを見せ、銃を諦める気が無いことを告げる。
一度戻った3人は、リックがグレンへの借りを返すために救出する覚悟を決めたことを知ると、武装して再びアジトへ向う。お互いに一歩も引かない銃撃戦の構えだったが、そこに老婆が現れ闘争の空気は一気に盛り下がる。奇妙な状況になったが、老婆の案内でアジトの奥へ進むと、そこには診療室もあり、多くの老人も暮らしていた。ギルバートという老人の喘息を抑えている間に、ギルモアと会話をするリック。ギルモアはホームの元管理人で、一緒に残った看護士のフィリペと残された老人の面倒を見ていたのだ。老人の家族たちや流れてきた人間を束ねて、弱肉強食になった世界で奪われないように必死で老人や仲間を守っていた。そのための力として銃を欲していたギルモアに、リックは武器を半分渡すと車に戻る。だが、車は無くなっており、リックたちは直感でマールが復讐のためにキャンプへ向ったと感じた。
キャンプでは、アンドレアとエイミーが釣り上げた魚で、不貞腐れたエドを除いて夕食の集まりが行われていた。その席でリーダーのデール老人は、時間と時計の話をし家族の絆の大切さを説く。
エイミーはトイレに立ち、エドのテントにはウォーカーの群れが現れていた。トイレから出たエミーもウォーカーに腕を噛まれ、夜半の突然の襲撃にパニックになるキャンプ。
暗闇がパニックを増長し、リックたちが駆けつけた時には、数名の犠牲者が出ていた・・・。
ジムは、「俺の夢を思い出した・・・穴を掘る事だ」と言った・・・・・・
to be continue
『EP5:WILD FIRE』
リックは、無線でモーガン親子にアトランタの危険と家族に会えたことを語り、キャンプの場所を送信する。返信は来ないが、無事を祈るしかない。
朝になってもエミーの遺体から離れないアンドレア。リックの説得にも銃を向けて抵抗し、他の遺体やウォーカーのように処分することを許さない。ダリルが強攻策を申し出るが、少しの間は放っとくしかない。
ウォーカーの死体を焼却し、仲間の死体は埋葬することにしたメンバーたち。ところが、ジムがウォーカーに噛まれていると判明。緊迫した空気が流れ、ダリルはジムとエミーの脳天にツルハシをぶち込むことを提案するが、リックは疾病対策センターや政府が機能している可能性を語る。存在していれば100マイル先のフォート・ベニングだが、軍隊が前線を突破される所を見たと言う。
生きている限りは殺さない、可能性に賭ける、とリックは言う
アンドレアは、今日がエミーの誕生日だとデール老人に語る。
すれ違いばかりで、お祝いもしてあげられなかった、と悔やみながら、アトランタで手に入れた人魚のペンダントを首に巻いてあげる・・・。
だが、エミーはゆっくりと動き始め、開いた瞼からは生気の色が無かった。噛み付こうとしてくるエミーを優しく撫でながら、「愛してるわ」と呟いて頭部を銃で撃ち抜いた・・・。
一方、キャロルは自分の手でエドを葬りたいと言い、執拗なまでに何度も頭部を破壊する。それが、愛なのか憎しみなのかは、誰にも分らない・・・。
埋葬中のリックとシェーンは、お互いの考え方の違いについて議論を交わす。リックの行動は無茶が過ぎるというシェーン。守りの思考に徹しているシェーンにとって、リックは危険な存在に思えるのだった。
仲間の埋葬を済ませた後で、リックは自分の行動の判断をローリに訊ねるが、彼女はリックもシェーンも間違って無いとしか言えない。疾病センターについては、皆が怖がっている状態で誰かが提案したら、それに全員が従ってしまう。だから、確実性のある話をして欲しいと願う。リックの皆への影響力は、ローリにとっても危険に感じるのだった。
一方でジムの症状は悪化を続け、リックは決断を急ぐ必要を感じていた。だが、シェーンはローリにみんなの安全を第一に考えて、リックを止めて欲しいと頼む。ローリの同意が得られなかったシェーンは、リックと見張りに出た機会に、魔が差したのかリックに銃口を向けてしまう。デール老人が現れたことで、シェーンの殺意は未然に防がれたが、危険な思いが宿ってしまったことは、もうどうしようもない。
結論として、フォート・ベニングに車で隊列を組んで、無線を使用しながら進むことになる。しかし、モラレス一家は皆と別れて、バーミンガムの家族の元へ行くと告げる。リックは、ダリルが舌打ちする中で、銃弾を渡し旅の成功を祈る。
モーガン親子宛のメモを残し、一行は一路フォート・ベニングへの旅路を始める。だが、デール老人のキャンピングカーが故障。容態が更に悪化したジムは、自分をここに置いて行って欲しいと願う。大樹の下に座らされたジムは、皆の別れの言葉を胸に静かに息絶えた・・・。
ジェナー博士の通信報告・・・地下の疾病対策センターでは、博士の懸命な研究が半年以上も続けられていた。昼夜の区別の無い地下で、博士は精神的に疲労し、サンプルごと薬剤を反応させてしまう。バイオハザードと判断したコンピューターは、即座に職員の退避と焼却処分を実行・・・。最後のサンプルを失った博士は、誰も観ていないかもしれない通信機の前で、こう呟く。
『明日、自分で頭を撃ち抜こうと思う・・・だが、今日は酔っ払うつもりだ』
CDC(疾病対策センター)に到着した一行は、無数の死体の間を抜け、シャッターの下りた入り口へと向う。ところが、ウォーカーが現れ、パニックに見舞われた一行は車に戻ろうとする。監視カメラが動いたのを見たリックは、怒りに任せてカメラに向けて罵倒する。ジェナ博士は、無力感から一行に立ち去って欲しいとさえ願っていた。だが、リックの必死の言葉は博士に届き、シャッターが開かれた・・・。
to be continue
『EP6:TS-19』
世界の滅びが始まった日・・・シェーンは、親友のリックを救うために病院に駆けつけていた。院内では軍による虐殺も起こり、混乱の中でリックのベッドに辿り付いたものの、植物状態のリックは目覚めることなく生命維持の電源も落ちた。
心音は感じられず、最後まで何とかしようとしたシェーンだったが、ウォーカーの侵入からリックの病室を守るために、ドアの前にストレッチャーを移動することしかできなかった・・・。
現在・・・疾病対策センター内で、ジェナー博士と出会った一行は、望みは?という問いに「希望だ」とリックが答える。博士は、全員をゾーン5へ案内し、管理コンピューター・ヴァイを紹介する。すでに施設に残っているのは博士一人、全員の血液検査を行い、酒と食事を提供する。その席で、事態の悪化と共に研究者は家族の元へ去り、軍の戦線は崩壊し、博士は一人で研究のために残ったことを聞かされる。
リック、ローリ、カール、シェーン、ダリル、キャロルと娘、デール、グレン、ジャクイル、アンドレア、T・ドッグ、は、久しぶりのシャワーを楽しみ、人間らしい生活を思い出していた。ただ一人、アンドレアだけは不安から嘔吐し、前途に絶望を感じていた。
検査の結果は、全員が異常なし。ジェナー博士の元を訪れたリックは、今まで自分を奮い立たせて無理をしてきた事を語り、初めて弱気な姿を見せる。
泥酔したシェーンは、自分が2人の命を救ったとローリに関係を迫り、思い切り引っ掻かれる。あの状況でリックの生存を確かめる術は無く、シェーンも精一杯に行動したのだが、可哀想な男である。
翌朝、ほとんどが二日酔いという状況の中で、ジェナー博士は『TS-19(被験者19)』の進行状況を皆に観せる。脳の主要な細胞を破壊していく過程を見せられ死に至り、第二段階と言われる変化が起こり、死滅した脳細胞の中から脳幹だけが活動を再開する。人間を形作る部分が無いまま、本能だけで動く物体ウォーカーと化すのだ。原因は不明、微生物、ウイルス、寄生虫、細菌、或いは神の復讐・・・。他の施設との連絡も一ヶ月前に途絶え、施設の燃料残量のカウントダウンがゼロになれば、施設全体は汚染除去される。
残り30分・・・最終カウントダウンが始まり、ジェナー博士は最後の記録を始めた。隔壁が下り、閉じ込められた一行に博士は、HITS(高衝撃サーモバリック気化爆弾)の5~6000℃の炎が全てを焼き尽くすという。
「痛みは無い・・・悲しみの終結・・・後悔している・・・あらゆることを・・・」
「俺は希望を失わない・・・常に希望は存在する・・・あんたやこの場所には無いかもしれんが」
迫り来る死にリックは叫ぶ。シェーンは、機械を銃撃して、皆の気持ちを代弁しただけだ、と諦めの表情になる。
全てが終ってしまうのか?
その時、リックは博士に「アンタは嘘を吐いている・・・希望が無いなどと・・・本当に希望が無いなら、あんたは、もっと安易な手段をとっただろう。だが、あんたは留まった。」と迫る。
博士は、「望んだからじゃない・・・約束したんだ、妻と」そういうとスクリーンを指差した。TS-19(被験者19)とは、博士の妻だったのだ・・・。だからこそ博士は、最後の最後まで研究を続けたのだ。
奥さんには選択の余地は無かった、俺たちに選択やチャンスを・・・少しでも長く生きることを試みさせて・・・。
博士は、扉のロックを解除し、隔壁を開放した。
「チャンスは与えた!しっかり掴め」
「感謝する」と言うリックに、博士は「君がいなくなれば、その日は来る」と謎の言葉を発し、耳元に何かを囁いた・・・。
ジャクイルはここに残る事を選択し、デールの説得も虚しく、もう何も無いと呟くアンドレアもまたここでの死を選んだ。
そして、デールも残ることを、一人では無い死を選んだのだった、アンドレアと共に・・・それは・・・
脱出を目指した一行は、防弾ガラスに苦戦するが、EP1で戦車の中で見つけた手榴弾をキャロルが持っていた。手榴弾でガラスを粉砕し、外へ走り出る。
無数のウォーカーを倒しながら、車へと走り込むローリの目に、デールとアンドレアの姿が。
2人は大切な物を共有し、死よりも少しでも長く生きる道を選びなおしたのだ・・・。
カウントダウンが迫る中、静かに手を握り合うジェナー博士とジャクイル・・・その顔には涙と笑みが浮かんでいた・・・。
瞬間、盛り上がった業火は施設を焼き尽くし、猛焔と化して全てを飲み込んでいった・・・。
望まぬ死を与えられた者、死して尚歩く者、自ら死を選んだ者、そして少しでも長く強く希望を信じて生きていく者たち・・・彼らの全てに安らぎの日が来ることを・・・・・・
S1 END to be continued S2
以上で、全6話シーズン1は終了です。
ゴアシーンは意図的に画像UPしていませんが、きちんと造りこまれたシーンがあるので、ご安心を。
全体的な感想としては、やっぱドラマだと時間が長いから、じっくり撮ってるな、という。
いい奴なのに、みっともない役回りのショーンが良い味だしてました。
リックは正義感と義理人情の人としてヒーロー性抜群なのですが、そうかやっぱり無理してたのか、と。
老いらくの恋に命を賭けて、ちゃんと報われたデール爺ちゃんも良かったですね。
ローリは・・・まぁ、どうでもいいかw
モーガン親子とか、マール・ディクソンの行方とか、色々と伏線を残してますので、シーズン2ではその辺りが描かれるんでしょうね。
しかし、洗濯係が伏線だったとは・・・どんだけ長い間持ち歩いてたんだよ。
結局、何も解決していないどころか、絶望感を深めただけの気がしますが、あの耳打ちが最大の伏線としてクライマックスに関係してくるんでしょうね。大体、想像つくけど、外したら恥かしいので書きません。
それでは、シーズン2をお楽しみにね!
*文章の描写は、割と好き勝手に解釈してるので、余りあてになさらないように。後、原作がまだ終ってないんだけど、2で破綻しないといいなぁ。
*ラストの気化爆弾・・・核兵器を除く最強の破壊力を持つ実在の兵器。正式名称は『Thermobaric bomb』.。BLEVE現象を薬品や専用爆薬で人為的に起こすことにより、燃料自体の急激な相変化で秒速2000mで拡散し蒸気雲が形成される。着火後は自由空間蒸気爆発により極めて高温(作中では6000℃に達するとあるが、これは限定空間内で燃料も特定されていない。普通は約半分の2500~3000℃と言われている)で12気圧に達する圧力を発生させる。最大の特徴は、爆風が極めて長時間維持され連続で全方位から襲ってくるという点。酸素を燃焼させるので周囲の人間が窒息で死ぬという俗説があるが、これは誤りで死因は急激な気圧変化による内臓破裂である。限定された空間を焼却・滅殺するには最良の兵器。
破壊力とは何かと言われれば、単純に建造物を壊すのならば、気化爆弾よりも通常の大型爆弾やデイジーカッターの方が有効だが、限定空間の破壊及び殺傷力ならば核に次ぐ危険な兵器である気化爆弾の方が上になる。近年、劣化ウラン弾等の後処理が大変な兵器よりも、殺傷範囲の設定や構造が簡単で航空機やヘリからの投下も出来る気化爆弾の使用が推進されている。
人が人を殺すというアイデアに関しては、つくづく人間は愚かな知恵を出せる生き物である・・・。
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