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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:ITc55a9c66.jpg
監督:トミー・リー・ウォーレス






後編開始。

デリーの町1.mp4_000031364.jpg1.mp4_000063430.jpg
タクシーで町に着いたビルは、まず弟ジョージの墓を参り、今まで忘れていた事を詫びる。
ふと、気配を感じて振り向くと、ペニーワイズが7つの墓穴を掘っていて、端っこはダメだよ、と指差す。
ビルは、恐れを抑えこみ、ペニーワイズに宣戦布告をする・・・。
1.mp4_000153386.jpg
次に図書館を訪れたビルは、自分の著書が並べられているのを見て、照れ笑いを浮かべる。
ここでマイク・ハンロンと再会し、二人は30年ぶりの再会を喜び合う。
マイクの家に案内されたビルは、そこで子供の頃に愛用していた自転車シルバー号を見せられる。
質屋で発見して購入したが、その三ヶ月前に修理キットを譲られていたことが、偶然とは思えないとマイクは言う・・・。
1.mp4_000360693.jpg1.mp4_000420520.jpg
自家用車で町に入ったリッチーは、思い出の映画館が廃館になっていることを嘆くが、上映作品の表示が自分の生没年になっているのを見て愕然とする。
急いで図書館に行ったが、マイクは外出中で、本を手に落ち着こうと努力する。
だが、2階からペニーワイズが呼び掛けてきて、その手から放たれた無数の風船が、利用者やリッチーを血に染めてしまう。1.mp4_000446446.jpg
「今のうちだぞ、日が暮れる前に出て行け!」と脅すペニーワイズ。
図書館員に急いで伝言を伝え、喋り続ける声を背に、車で逃げ出す・・・。

タクシーで町に入ったベンは、思い出の空き地に通じる架け橋を見て、懐かしさから車を待たせて下りていく。
すると、ヘンリーらに追われる自分の姿が見えるが、気をしっかり持つと、それは太っちょの男の子だった。
足を怪我した少年を治療して、1.mp4_000715281.jpg1.mp4_000811076.jpg
「負けるなよ」と励ますベン。
少年を見送ると、自分を呼ぶ声が聞こえ、給水塔の池の中に、子供の頃に足を掴んできた緑色の骸骨が立っていた。
正気を取り戻し幻影を消したベンは、ルンペンに驚きながらも、タクシーに戻る。
だが、走るタクシーの窓から、風船を掴んだペニーワイズが見え、振り向くと自分の横にも「すぐ引き返せ!」と書かれた風船が浮かんでいた。
1.mp4_000935668.jpg1.mp4_000974340.jpg
デリーの町に着いたエディーは、最初に薬局を訪れていた。
すっかり店は変わってしまっていたが、12歳の時に喘息の薬が、実は水にショウノウを混ぜただけの物だと教えてくれた店主のキーンは、痴呆症になりながらも生きていた。
昔は自分が弱虫と認めたくなくて反発したエディーだったが、今では心理効果だったと理解でき、正直に伝えてくれた御礼を述べる。
すると、痴呆の筈のキーンが「ただの水・・・全ては思い込みだ」と喋り、意思が伝わったことを喜ぶエディー。
だが、次の瞬間、エディーの腕は怪物の手に握られ、「今のうちにデリーから出て行け、弱虫君」と言われる。
その声は、キーンではなく、ペニーワイズのものだった・・・。

自宅を訪れたベヴは、そこに『Marsh』の文字を見て思わず躊躇う。2.mp4_000025291.jpg
すると、中から出てきた老婦人が「違う」と答え、見直すと『Kersh』だったので、ベヴはお詫びを言って立ち去ろうとする。
老婦人は、ベヴの父親が5年前に亡くなったと告げ、愛想よく家の中へと誘ってくれた。
顔でも洗っておいで、と洗面所に通されたベヴは、そこで亡父の声を聞く。
気を取り直して、お茶の席に座るベヴ。
だが、老婆は淹れ立ての茶を一気に飲み干し、ベヴのカップは血が入っていた。2.mp4_000196229.jpg
驚いて茶器を落としたベヴは、これがペニーワイズの仕業と気づくが、「立ち去った方が利口よ」と上げた顔は、年老いた父親に変貌していた。
「お前が心配でならん」と追いすがる父親の幻覚から逃れ、家の前で振り返ると、そこにはペニーワイズが立っていた。
トラックに惹かれそうになり、再び振り向いた我が家は、板が打ち付けられた廃屋に変わっていた・・・。

オードラ
ビルの突然の出奔に、プロデューサーのグレコーは怒り心頭だった。2.mp4_000309509.jpg
二度と映画の仕事には使わん、と怒鳴るグレコーに、ビルの恋人オードラは、数日間の猶予を与えてくれるように頼む。
オードラの頼みに態度を変えたグレコーは、いっその別れちまったらどうだ?と言いながら、知らぬふりをすることを約束し、これは君のためだ、と言う。
最後に、君まで行くなよ、と釘を刺して立ち去る。
だが、オードラはすぐに飛行機を予約し、ビルを追う決心をしていた・・・。

ラッキー7の再会2.mp4_000496395.jpg2.mp4_000748981.jpg
待ち合わせのレストランで、ベンと再会したエディーは、体格がすっかり変わっているのを見て驚きながら再会を喜ぶ。
すぐにビルマイクも到着し、4人は肩を叩き合って笑いあう。
その姿を見たリッチーは、皆と会う前に洗面所で自分に喝を入れ、陽気なお喋りリッチーとして登場する。
そこにベヴも現れ、一同はラッキー7のお姫様の到着を喜ぶが、彼女はそのまま気を失ってしまう。
介抱されて目を覚ましたベヴは、皆を見た途端に、記憶が波のように押し寄せ、気を失ったと説明する。
これから、何が起こるのか
皆は町に入ってからの報告をし、マイク以外の全員の記憶が曖昧なことに不安を覚えるが、まずは再会の宴を中華料理で楽しむのだった・・・。

ヘンリー2.mp4_000885918.jpg2.mp4_000901333.jpg・バワーズ
ジュニパー・ヒルズ州立矯正施設。
白髪になりうわ言を繰り返していたヘンリーは、連続子供殺しの犯人として、今も収監されていた。
眠るヘンリーの耳に、自分を呼ぶ声が聞こえ、月に浮かんだペニーワイズが現れた。
デリーに戻ってガキ共を殺せ、と繰り返すペニーワイズ・・・。

ラッキー7の亀裂3.mp4_000096596.jpg3.mp4_000113480.jpg
30年ぶりの再会の宴も終わりに近づき、リッチーは明日には帰る、と言い出す。
エディーもそれに同調するが、マイクは「約束は集まる事だけ、後は自由だ」と腕を組む。
精算の金を出したリッチーに、マイクは自分が招いたのだから、金はいい、と言う。
すると、「そうはいかないよ」と、全員が同時に同じ言葉を口にする。
これに昔の団結を感じたリッチーは、明日の昼飯を奢らせる気だな、帰れなくなっちまう、と冗談めかす。
ひとまず落ち着いた所で、中華料理の最後のおみくじクッキーを割るが、ベヴは血塗れになってしまう。
ゴキブリ、目玉、鉤爪、羽化前の雛、蜘蛛の脚が現れ、一同は早々にレストランを立ち去る。

図書館に移動した皆は、マイクがスタンの家に電話をしている間に、飛び散っている血を見る。
昼間にリッチーが嫌がらせをされた痕跡だが、ベヴは記憶を取り戻し動揺する。
殊更に喋り続けるリッチーのお陰で、少し空気が軽くなっていたが、それもマイクが電話を切るまでだった。
「・・・死んだ・・・電話の後で、手首を切って・・・」
一気に静かになる図書館・・・ビルは、沈黙を破ってスタンの話を始める。
3.mp4_000398698.jpg
少年の頃、ビルが公園を通りかかると、スタンが助けを求め、一緒に自転車で逃げたことがあった。
数時間して、スタンは公園で鳥の観察をしていると、誰かに名前を呼ばれ、一軒家に閉じ込められたのだという。
そこで、階段から下りてくる怪物を前に、鳥類図鑑を盾の様にして、知っている限りの鳥の名前を叫び続けた。
スタンは家を逃げ出すことができ、ビルに助けを求めたというわけだった。

実証学的に有り得ない」が口癖だったスタンは、給水塔の中でも、ITを間近に見ている。
エディーは、学校が始まってから、スタンに聞いた話を始める。
「光を見たんだ、目も眩む光・・・変な気分に見舞われたんだ、光の中に入っていきたい、と思った」
スタンは、一体何を見たというのか・・・。
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不安が広がる中、飲み物を出そうと冷蔵庫を開けると、無数の風船が飛び出してきた。
そして、中にはスタンの生首が・・・。
「遅れてごめん、みんないる?」
異様な状況に固まる皆を尻目に、生首は陽気に喋り続け、「・・・僕は、光の中に入れた」と言う。
親友の首で喋るペニーワイズに怒りを感じたマイクが、乱暴に扉を閉めると、激しいポルターガイスト現象が起きる。
物が飛び、図書館内に雨が降り、誰からとも無く円陣を組んだことで怪現象は止んだが、昼間も酷い目に遭っているリッチーは、「この図書館は、うんざりだ」と叫ぶ。
ビルは、タイプライターが打ち出した文章を見つけ、それが自分のどもり症を治す為に、母親が教えてくれた文章だとどもりながら言う・・・。
3.mp4_000807907.jpg3.mp4_000873572.jpg
ヘンリーの脱獄
突然、ベッドの下から不良仲間だったベルチが顔を出した。
ベルチは、僕は実体が無いから戦えない、だが君は生きている、連中が信じる信じないも関係ない一人ずつ消すんだ、と唆す。
ヘンリーは、飛び出しナイフを受け取り、ベルチを連れて看守の元に向かう。
だが、看守が見たものは、ヘンリーの背後に立つピエロ姿と吠え掛かる犬の首・・・。
4.mp4_000038805.jpg
動揺と信じる心
モーテルに移動した皆は、ベヴの気遣いで、やっと話を聞ける状態になった。
マイクは、デリーの町の記録を取り出し、説明を始める。
1960年クラブ火災、1930年製鉄所の爆発、1900年ドレーク川で大虐殺、そのずっと前も、30年周期で不幸が起こっていた。
そして、今も死者6名と多数の行方不明者が出ている、という。
だが、デリーの町の住人には、知りたがらない見て見ぬふりをする、という風潮があった。
マイクは、現場で拾ったジョージの写真を見せ、今回の事件もペニーワイズの仕業だと示した。
更に、その後7人全員に子供が生まれないこと、7人も幼いときに苛められっ子だったこと、あの夏の日にラッキー7が無事だったのは、団結したことで特別な何かが働いた所為ではないか、と考えていた。
町を出た6人は成功し、町に残ったマイクは図書館に勤めながら、ずっと資料を調べ、ペニーワイズが戻るのを監視していたのだった・・・。
4.mp4_000136202.jpg4.mp4_000137871.jpg
その頃、デリーの町に向かっていたオードラは、町境のガソリンスタンドに立ち寄っていた。
道案内をした店員は、「風船を?デンブロー夫人」と突然言う。
振り向いたオードラは、ペニーワイズの「風船だ、欲しいか?」と繰り返す言葉と光る眼に飲み込まれていく・・・。

子供の頃のように語り合っていたラッキー7の面々は、そろそろ決める時だ、と感じていた。
リッチーは、マイクがせっかく集めた装備だが、自分は帰るし、皆もそうするべきだ、と言う。
すると、ベヴは昔の話を始める。
4.mp4_000273406.jpg4.mp4_000317283.jpg
血を噴いた洗面台は、その後もベヴが拭いても拭いても、血塗れになった。
自分にしか見えないことで、夜も眠れない状態になっていたベヴは、ラッキー7の皆を呼び、恐々と反応を見た。
皆はひどい血だ、と言い掃除をしてくれ、その後は血も噴出さなくなった・・・。

ベヴは、あの時に自分に自信が持てる様になり、気味が悪いのに嬉しかった、と語る。
夜が白み始め、ベヴとリッチーが寒気を口にしたので、マイクとベンが羽織る物を取りに行く。
エディーも薬の補充をするために後に続いて行き、3分後に合流すると決め、部屋に入った。
4.mp4_000453586.jpg
マイクは服を探している途中で、窓が開いていることに気づくが、すぐに背後から脱走したヘンリーに襲われる。
「久しぶりだな、借りを返しに来てやったぜ」
マイクは、ヘンリーのナイフに腹を刺され、うずくまるように倒れた。

ベンの部屋にはベヴが現れ、2人だけで話したいことがある、と言う。
「君の髪は冬の火、1月の残り火」
「我が胸を焦がす」4.mp4_000539739.jpg
あのポエムラブレターの主がベンだと分り、ベヴはキスを贈る。
激しく抱き合う2人だったが、鏡に映ったベヴの下半身は黄色いピエロのズボン・・・。
キスしな、デブ君
ペニーワイズの精神攻撃に掛けられたと知ったベンは、白粉の着いた顔を拭い、唾を吐く。

マイクが入った部屋で異変を感じたエディーとベンは、鍵を壊して4.mp4_000588821.jpg室内に入る。
中では、マイクに馬乗りになったヘンリーが、ナイフで襲っていた。
引き離したはずみで、ヘンリーは自分のナイフが胸に刺さり、「・・・ベルチ」と言い残して絶命した。

重症を負ったマイクを乗せて、病院に急ぐ仲間達・・・。

それぞれが容態を心配する中で、ベヴとベンは外に出ていた。
どうしてITは私達をこんなに憎むのか、と不安を見舞われたベヴをベンが抱きしめる。
ベヴは、自分がシカゴで亡父とそっくりな男と恋をしていたことを語り、自分の愚かさに涙する。
「無駄な恋なんてない、恋は奇跡なんだ」と慰めるベン。4.mp4_000775908.jpg
その言葉に子供時代のラブレターを思い出したベヴは「君の髪は冬の日」と口にするが、同じシチュエーションでITに酷い目に遭ったベンは、思わずベヴを突き放してしまう。
だが、ベヴの強い言葉に信じる気持ちを取り戻したベンは、再び彼女を抱きしめる。
子供時代からの恋は、二人のキスで、ようやく実を結んだのだった・・・。

マイクは命を取り留めたものの、まだ絶対安静だった。
一人だけ面会を許され、ビルは病室に入る。4.mp4_000932164.jpg
そこで、マイクから純銀製のイヤリングを託される。
マイクは、10年ほど前に何もかも嫌になり、給水塔に下りた時に、これを見つけ、必要になると感じて生きる気力を取り戻していた。
「どう使うかは任せる、立ち去ってくれても構わない」と告げるマイク。
そんなマイクの手に自分の手を重ねるビル・・・。

ラッキー7、再び
モーテルで、ヘンリーの死体の処理に悩んだ5人は、ビルの「町全体がITだと考えた方がいい」という言葉で、TVを付け『Please do not disturb』のドアプレートを掛けて、部屋を出る。5.mp4_000022655.jpg
その時、リッチーはTVで5歳の少年が、バラバラ死体で発見されたことを知り、ビルは親子でピアノを弾く幻影を見る。

モーテルをチェックアウトした5人は、町から立ち去ろうと考えていたが、ビルは皆の前で自分の気持ちを語る。
このまま一生、現実か悪夢か分らないまま苦しみ、恐怖に負けるのは嫌だ、と。
「僕は行く、今度こそ殺す・・・頼む、手を貸して・・・僕に力を」
5.mp4_000039539.jpg5.mp4_000136903.jpgその言葉に、子供時代の誓いを思い出した皆は、一人、また一人、とビルを抱きしめる。
そして、リッチーも迷いながら、そんな皆の姿を見つめていた・・・。

リッチーの車で、架け橋に到着した皆は、マイクが用意してくれていた装備を身につける。
青写真、パチンコ、懐中電灯と怪物と戦うには心もとないものだったが、ビルは取り出したイヤリングをベヴに渡す。
一つはスタン、一つはマイク、これでラッキー7が全員揃った5.mp4_000204737.jpg
盛り上がりる皆に、ここに漂っている死の気配は俺たちのだ、弱虫クラブ戦場に散る、とリッチーが水を差す。
だが、そんな彼の肩にビルが手を差し伸べると、「せめて、機関銃が欲しい」とグチりながら着いてきた。

ラッキー7は、再び給水塔に戻ってきた。
30年前と同じルートで下りた皆は、子供時代の時にペニーワイズのポンポンが落ちていた場所で、女物のバッグを発見する。5.mp4_000323623.jpg
顔色を変えたビルが中を確かめると、それはイギリスに残してきたはずのオードラの物だった。
自分の跡を追ってきて、ペニーワイズに掴まったと気づいたビルは、一人で駆け出すが、ベヴから「彼女を助けたいなら、しっかりして・・・貴方が隊長よ!」と言われ冷静さを取り戻す。

30年前の記憶を頼りに、集水路に出た5人は、ここがペニーワイズと対決した場所だと思い出す。5.mp4_000510843.jpg
そこに新聞紙で作ったボートが流れてきて、手に取ったビルは、それが弟ジョージに与えた物だと気づく。
すると、5人の前にジョージが現れ、自分がITに殺されたのは兄さんのせいだ、とビルを責める。
仲間の励ましてジョージの幻影を振り払ったビルは、「弟を殺したのは、お前だ・・・姿を見せろ、償ってもらうぞ」と言う。
不気味な笑い声が聞こえ、「立ち去れ、これが最後のチャンスだ」と脅す。
5.mp4_000609575.jpg「出て来い」とビル。
「バカな奴・・・まだ、見ることができると思っているのか・・・お前らの目は、その心が認めるものしか見えなくなる」と、ペニーワイズの幻影が言う。
「早く立ち去らないと、その心さえ失うぞ・・・俺の死の光の中で・・・」

決戦 IT vs ラッキー7
幻影が相手では、戦うことも出来ない。
だが、ビルはマイクの話を思い出し、奴は30年ごとに目覚めて人間を喰い物にする・・・物を喰うためには実体が必要だ、と言うと、ジョージのボートを下水溝に浮かべる。6.mp4_000004104.jpg
ボートは独りでに動き出し、後を追った5人は、終点で子供の白骨が転がる場所に辿り付いた・・・。
その時、エディーが「彼女がいるって話は・・・ウソなんだ」と、自分がチェリーボーイであることを告白する。
エディーは、愛していない女は抱けない、愛したこともない、愛しているのは君たちだけだ、と泣き出す。

奥の扉を開き、洞窟に出ると、そこには蜘蛛の巣が張り、中空に捕らえられたオードラの姿もあった。
ペニーワイズが言っていた風船のように空に浮かぶ、とはこの事だったのだ・・・。
そして、奥から巨大な8本足の怪物が現れ、5人の方に進んでくる。
こいつか6.mp4_000130130.jpg6.mp4_000181347.jpg
すかさずベヴが銀弾を放つが、惜しくも外れてしまい、ビルは怪物の前に立ちはだかる。
彼は拳を突き出し、しつこく主張した
この言葉は、母親がどもり症を治すために、ビルに教えた文章だった。
その横から、ベヴが最後の銀弾を放つが、怪物の頭部に弾かれてしまう。
6.mp4_000204337.jpg6.mp4_000212912.jpg体を起こした怪物の腹から眩しい光が発せられ、ビル・ベン・リッチーの3人は催眠術に掛かったように動けなくなってしまう。

ベヴは光を避けて洞窟を回り込み、気が動転したエディーは少年時代を思い出す。
『酸を喰らえ、化け物』
確かに、あの時はただの水でITを溶かすことが出来た。
「サンタクロースは信じる、復活祭(イースター)の黒ウサギも、妖精も信じるが・・・お前は、信じない!
6.mp4_000279312.jpg「あのときの酸だ、喰らえ」とスプレーを掛けたが、ITには効果が無く、あの3本の爪でエディーは抱え挙げられてしまった。

苦悶の叫びが響く中、ITを迂回したベヴは、純銀のイヤリングを探していた。
そして、その片方を見つけると、再びITの前に回りこむ。
眩しい光で目を開けていられない状態で、ベヴは「命中して」と祈りを込め、銀弾をITの光る腹に目掛けて放つ。

6.mp4_000308908.jpg6.mp4_000311444.jpg吸い込まれるようにITの腹に命中した銀弾は、火花を放ち、眩い光を打ち消した。
エディーを放したITは、今度は自分が苦悶の声を上げながら、洞窟の奥へと逃げていく。
催眠から解けた皆がエディーに集まる。
「無理して喋るな、スパゲティ」
「リッチー・・・頼むからその呼び方はやめてくれ・・・嫌・・・なんだ・・・よ」
エディーは、そのまま息絶えた・・・。
6.mp4_000346846.jpg6.mp4_000372372.jpg
だが、悲しむ暇も無く、洞窟の奥からITの叫び声が聞こえてくる。
「まだ、生きてる」
「70歳で会うのは、ご免だ」
「今度こそ」 「キッパリとな」
ラッキー7の目には強い意志怒りが込められていた・・・。
6.mp4_000418651.jpg6.mp4_000432932.jpg
4人が進んだ先には、見るからに弱ったITの姿があった・・・。
その体に、拳を突きこみ、脚を引き千切り、腹を破るビル・ベン・リッチー・ベヴ・・・。
狂気のような怒りに突き動かされ、ITの体を破壊した4人は、心臓を掴み出し、高く掲げるのだった・・・。

ITは、死んだ。6.mp4_000495795.jpg
中空に捕らえられていたオードラも、ITの呪縛が切れたせいか、蜘蛛の巣から下りてくる。
30年に及んだ長い因縁の戦いは終ったが、失ったものも多く、生き残ったラッキー7は、ただ呆然と悪夢の余韻が消えるまで動けなかった・・・。


思い出すなら、こんな場面がいい・・・夕暮れ時の湖畔に立つ7人
これが最後の記述になるだろう。
あれから数週間が経っていた・・・記憶は、霧の中にと沈もうとしていた

マイクは、燈台守の役を終え、引越しを考えていた。
リッチーは映画で名優振りを発揮し、彼が演じる喜劇の主人公は、エディーにそっくりだ。
ベンベヴは一緒に出発し、一週間後に結婚、数週間後には妊娠が判明した。

ビルオードラは、デリーの町に長く滞在し、彼女が回復しないまま、今日出発する。
ビルは滞在の効果を期待するが、無防備に光を見てしまったオードラは無反応なままだった。
ビルとマイクは日ごとに忘れっぽくなり、時には互いの名前さえも・・・。
6.mp4_000682715.jpg6.mp4_000709942.jpg
タクシーに乗ろうとしたビルは、納屋の前に置いてあるシルバー号に目を止める。
タクシーーの運転手がバカにした目で眺める前で、ビルはオードラを乗せると、思い切りシルバー号を走らせる。
「僕とスタンの命を救った自転車だ」
オードラを抱き、車が行き交う道をお構い無しに飛ばすビル・・・。
「全速力でこいで、悪魔を吹き飛ばした・・・ITを打ち負かせ、オードラ6.mp4_000712645.jpg
やがて、ビルの肩に廻していたオードラの手に力が篭もり始める。
「・・・ビル、どうなってるの?」
「大丈夫だ、走ってるだけさ・・・!」

車が集まる交差点の真ん中で、意識を取り戻したオードラと熱いキスを交わすビル・・・、ITから奪われた多くの人から、たった一人だけ大切な人を奪い返せたのだった・・・・・・

END

後編は、途中までは前編と同じように、IT=ペニーワイズに翻弄される成長したラッキー7が描かれる。
スタンは前半ラストで自殺しているので、これでお役ご免かと思ったら、生首で登場。
だが、回想シーンやセリフで、かなり重要な役割を果たしているので、やはり大事な仲間である。
記憶の曖昧さ、ITの精神攻撃、過去と現在が交錯する不安と恐怖に、一時は分裂の危機もあったが、仲間同士の励ましや団結、それに愛で決戦に向かうラッキー7の姿は、弱々しいのに何故か頼もしくも見える

ここで、ITとはなんぞやと考えてみると、デリーの町餌場30年周期で現れる妖怪のようなもの。
本体は、甲殻類と蜘蛛を足したような姿で、下水溝や排水溝を通って現れ、直接殺傷したり、暗示に掛けて餌場に連れ込んだりする。
かなりの長寿で、もしかするとデリーの町が生まれる前から居たのかもしれない。
精神攻撃の際にはピエロのペニーワイズの姿で現れ、子供を欺いたり、相手のトラウマを読み取って苦手な物に化けたりもする。
普通に考えると無敵な気がするが、精神攻撃が通じない相手には手が出せず、信じる力団結による攻撃には脆さもみせる。
デリーの住人は、見て見ぬふりをする風潮があり、これが長期に渡るペニーワイズの災厄のせいなのか、そういう町だから棲み付かれたのかは分らない。

風船』とは、ITが蜘蛛の糸で確保した餌を宙に吊るした状態の比喩であり、『眩い光』とは本体の腹部(胸?)が発光し、一種の生物催眠ライト獲物を操ることであったと思われる。

キングの原作にしては、得体の知れないモノの説明も、不安を煽る伏線も、ほとんど回収してハッピーエンドだし、意外と面白かったなぁ、と言いたい所だが、そうもいかない。
そう、肝心のITの巣である給水塔に乗り込んだ辺りから、ITの不気味さは消え、ほとんど動かない怪獣と化した本体と盛り上がりの無いラストバトルを観せられるはめになる。
その前にも、思わせぶりに脱獄したヘンリーが、そのまんま襲い掛かり、しかも失敗してあっさり死ぬ、という肩透かしをした。
さんざんハッタリを咬ましたITも、本体が見つかってからは脅威でも何でもなく、「まだ、見ることが出来ると思っているのか」というセリフも、見えるどころか催眠ライトを出していた部分が弱点だった、という殺してくれと言わんばかりの弱体化
この程度なら、スタンも自殺なんかしないで合流していれば、生存確率はかなり高かったと思う。
結局のところ、子供ぐらいなら殺せるが、相手が大人だと素手でバラバラにされ心臓を抉り取られるほど弱かった、としか思えない。

そういうわけで、ペニーワイズの精神攻撃は、かなり不気味で恐怖を煽る演出も巧みだったが、いざ決戦となってからの脱力感が惜しい作品。
キングの映像作品の中では、トップに入る完成度だと思うが、やはり終盤が面白くないキング作品の定評は覆せてはいない。
まぁ、他の類似作品と比べれば、得体の知れないモノに実体があったのとハッピーエンドで終ってることが救いだと思う。
少年時代と30年後という設定が上手く活かされているだけに、う~ん惜しいなぁ・・・。
1a200084.jpg
*ITのペニーワイズ・・・モデルは、米国の連続少年殺人犯ジョン・ウェイン・ゲイシーとされている。セールスマンとして天性の素質を持つ反面、同性愛者で女性恐怖症だったゲイシーは、性犯罪で投獄される。
出所後にリフォーム店を経営し、ピエロ姿に扮して慰問を行うなど、真っ当な人生を取り戻したかに見えた。だが、その陰で僅か6年の間に33人の少年を強姦致死させ、28人を自宅の床下に、5人を川に遺棄していたという腐れ外道である。
理由は同性愛者であることがバレるのを恐れての事で、一片の同情の余地も無い。
別名Killer Clown:キラー・クラウン(殺人ピエロ)、ポゴ。
犯罪者をアイドルのように扱う米国の風潮では、かなり人気があり、彼のイラストの複製や写真はグッズとして高値で販売されているが、私にはその感性が理解できない。


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