B級映画って言うなw
再見して語る映画館
×
[PR]上記の広告は3ヶ月以上新規記事投稿のないブログに表示されています。新しい記事を書く事で広告が消えます。
スティーヴン・キング原作のTVドラマ。
お馴染みの田舎イジメホラーで、得体の知れないモノが跳梁跋扈する町が舞台になっている。
キングの作品群で繰り返し書かれてきたパターンで、子供騙しな展開も全く同じだが、30年という時間の隔たりがキャラクターに味を与えており、敵役がピエロの姿である点が嫌になるほど印象深い。
日本でもTV放映されるたびに、子供にピエロ(道化師)恐怖症を植え付けてきた罪深い作品。
何だかドナルドが怖く感じる、という場合、幼少時にコレを観ていたのでは無いかという気がする。
ちなみに、それを抜きにしてもドナルドの動きが、私は苦手である。
多分、人形恐怖症と同じで、無表情な物体が気持ち悪いのだと思う。
では、簡単に(長いので)再見。
物語は・・・
雷鳴轟くデリーの町。
平和なはずの田舎町で、6人の子供が失踪や殺害されるという事件が起こっていた。
黒人の図書館員マイク・ハンロンは、警察署長に町の異変を告げるが、相手にされない。
6人目の被害現場で、そこにあるはずの無いジョージの写真を見つけたマイクは、意を決して昔の仲間に連絡を取り始める・・・。
ビル・デンブロー
イギリス・ハムステッド・ヒースに移り住んでいたビルは、文筆家として女優のオードラと暮らしていた。
マイクの電話で、ITが戻ってきたと聞かされたビルは、治っていたはずのどもり癖が再発し、子供時代を回想する。
弟のジョージに物語を話すのが習慣になっていたビルだったが、その日は新聞紙で作ったボートを与え、注意するように言い聞かせて一人で遊びに行かせた。
雨の中、用水路でボートを走らせて遊んでいたジョージは、排水溝の中に居たピエロに出会う。
ピエロは、自分を踊る道化師ペニーワイズと名乗り、言葉巧みに警戒心を解くと、腕を伸ばしたジョージに襲い掛かる・・・。
ジョージは腕を千切られた状態の死体で見つかり、傷心のビルはアルバムをめくる。
すると、写真のジョージがウィンクし、驚いて投げ捨てたアルバムからは血が湧き出してきた。
だが、その血は両親には見えず、ビルの心には言いようの無い恐怖だけが残った・・・。
30年ぶりに甦った記憶に戸惑いながらも、ビルはオードラと離れデリーに帰る決心をする。
ベン・ハンスコム
N・Yで、一流建築家として成功したベンは、建築家賞やタイムの表紙を飾るまでになっていた。
均整の取れた体格で、プレイボーイを気取るベン。
そこにマイクから電話が入り、ITが戻ってきたと聞かされる。
「行くよ」と即答したベンは、酒を呷り建築中の高層ビルに向かう・・・。
父親を朝鮮戦争で亡くしたベンは、従兄妹の家に居候するためにデリーの町に引っ越してきた。
固太りの体型に目をつけられ、不良のヘンリーらに絡まれたベンは、ビルとエディーに匿われる。
3人は友達になり、ベンはクラスメイトのベヴァリー(ベヴ)に仄かな恋心を抱く。
しかし、居候の境遇に苛立つベンは、家を飛び出し、古い給水塔の前で死んだ筈の父親の幻影を見る。
幻影はピエロに変わり、池の中からゾンビに足を掴まれるベン・・・。
ベヴァリー・マーシュ
シカゴで服飾デザイナーとして売り出し中のベヴは、高圧的な男の会社で美人デザイナーとして働いていた。
商談が成立した夜、マイクからの電話を受けたベヴは、急いでデリーの町に向かおうとする。
だが、男は恩を立てに威圧的に振る舞い、暴力で抑えつけようとする。
それに反抗したベヴは、男に瓶を投げつけ、「今度、私に手を上げたら殺してやる!」と言い捨ててタクシーに乗る・・・。
ベヴは玄関前に置かれたラブレターを用務員の父親に見つかり、男に色目を使うようになったか、と折檻を受けそうになる。
家を逃げ出したベヴは、ベンの誘いで空き地に行き、ビルとエディーを紹介される。
そこに、お喋りなリッチーとボーイスカウトのスタンが現れ、6人は意気投合して小川にダムを造り上げる。
その夜、洗面台の排水溝から死んだ子供達の声が聞こえ、大きく膨らんだ赤いピエロの鼻が炸裂し、一面血塗れになる。
だが、その血は父親には見えず、「抵抗すると死んじまうぞ」と不気味な声は繰り返した。
エディー・カスブラック
N・Yグレート・ネックに母親と暮らすエディーは、喘息の薬を持ち、しつこく行き先を尋ねる母親を振り切って、同僚の車で駅に向かう。
彼からの電話を受けたからだ・・・。
映画館で不良をからかったエディーたちは、笑いながら家に帰る。
家から飛び出してきた母親は、病的にエディーを心配し、友達との付き合いを断って、ママがいれば充分でしょ、と興奮した声で言う。
学校でのシャワーをバイ菌が移るからと母親に禁止されていたエディーだったが、体育教師に注意され一人でシャワールームに入る。
そこで伸びてくるシャワーに驚いていると、排水溝の中から両手首が現れ、体を押し出すようにしてピエロが話しかけてきた。
驚きのあまり、喘息の発作を起こすエディーに、「逃げようたってダメだ・・・夢で会おう」と言うと、ピエロは乱杭歯の牙を剥いて威嚇してみせた・・・。
リッチー・トージア
TV番組の人気コメディアンになっていたリッチーは、今日も大盛況の収録を終えて、楽屋で電話を取った。
ビバリー・ヒルズの自宅に戻ったリッチーは、マネージャーの必死の説得も聞かず、何の説明もせずに仕事を休むと宣言する。
怒り心頭のマネ-ジャーが去った後で、急激な吐き気に襲われ、トイレにうずくまる・・・。
いつものように小川の横の空き地で、将来の夢を語り合っていると、町のネル巡査が怒りながら下りてきた。
下水が逆流する、とダムを叱られた6人は、全員が自分がやったとお互いを庇いあう。
その姿に感心したネル巡査だったが、また町でヴェルマという子が殺されたので、ここに来る時は必ず全員で来ることを誓わせる。
昼食の時に、前に映画館でヘンリーらをからかった仕返しをされたリッチーは、持ち前の機転でやり返すが、食堂の掃除を教諭に命じられてしまう。
モップを借りに地下室に入ったリッチーは、そこで狼男に襲われ、ピエロに牙を剥いて威嚇される・・・。
マイク・ハンロン
連絡を送るマイクは、写真を手にあの夏の日を思い出していた。
素晴らしい中間達、ラッキー7のことを・・・。
父親が集めた古い町の写真から、研究発表をするマイク。
1930年、製鉄所で爆発事故、死亡多数。
1900年まで使われた給水塔で、謎の移民失踪事件が起こり、253人が行方不明・・・。
その帰りに黒人だという理由だけで、ヘンリーらに絡まれるマイク。
洋品店の男が声を掛けてくれたお陰で脱出したマイクは、走りに走ってビルたち6人がいる場所まで逃げてくる。
そこで、ヘンリーらと対峙したビルたちは、デブ・ユダヤ人・弱虫・眼鏡・貧乏娘・黒人の弱虫クラブと悪態を吐かれ、投石や殴り合いでマイクを守る。
仲間意識を感じた7人は、自分達をラッキー7と呼び、マイクに写真を撮ってもらう。
マイクのスクラップブックを眺めていた皆は、18世紀の絵にピエロのペニーワイズを見つけ、200年近く存在している怪物をITだと叫ぶ。
その時、勝手にページが捲れ始め、一枚の町並みの写真で止まる。
すると、写真の中の景色が動き始め、行き交う人の中にペニーワイズが現れると、7人を見つけ走り寄ってきた。
怯える皆の前で、ペニーワイズは「殺してやる!お前らの見た悪夢が現実になるのだ!」と脅すと、写真から手を伸ばしてきた。
震え上がったスタンは、何も見てないと叫ぶが、現実に子供が殺されている(ビルの弟ジョージも含めて)ので、今見たことを認める。
ビルは、「感じるんだ、奴(IT)は僕らを恐れている・・・手伝って」と皆に涙を流して頼む。
一人、また一人と肩を組み、ラッキー7は円陣を組んで、怪物を倒すために団結する・・・。
雷鳴が鳴り、回想から覚めたマイクは、床に泥まみれの足跡を見つける。
目で追うマイクの視線に黄色い風船が現れ、割れると同時にあの怪物ITの笑い声が聞こえてきた・・・。
スタン・ユリス
ジョージア州アトランタで、愛する妻と平凡な暮らしをしているスタン。
久しぶりのマイクからの電話に素直に旧交を思い出すが、あいつが現れた、の言葉に激しく動揺する。
即答を避けたスタンに、マイクは「待ってる」と告げて電話を切る。
バスルームで、ボーイスカウトの心得を唱えながら服を脱ぐスタン・・・。
ボーイスカウトの心得を唱えながら、必死で自分を落ち着かせようとするスタン。
こういう時の癖で耳たぶを触りながら、ベヴに無理だ、と呟く。
ラッキー7は、ペニーワイズを倒すために、全員でパチンコをしていた。
誰が一番腕が良いかを競った結果、全弾命中のベヴが射手に選ばれる。
「バカげてるよ」と言うスタン。
ベヴも、石なんかで無理に決まってる、と言うが、リッチーが母親から盗んできた純銀製のイヤリングを渡される。
「映画の中のことだけだろ」と、尚も否定するスタン。
だが、ビルたちの決意は固く、「殺せる」と信じて給水塔に向かう。
不安と恐怖が消えないスタンは、ひたすらボーイスカウトの心得を繰り返し、一番後ろから、うつむいて着いて行く。
ビルは最後の意思の確認をし、ラッキー7の仲間として、全員がエディーの喘息の薬を廻し吸いして覚悟を決める。
だが、その様子を陰から見つめるヘンリーら3人には、誰も気が付かなかった。
ラッキー7
皆は、不気味な給水塔に侵入し、一列になって下へと進んでいく。
ヘンリーは、手下の一人に待ち伏せの指示を出し、自分たち2人でラッキー7を追い込みに行く。
だが、待ち伏せ役の不良は、排水溝の中を進んできた黄色い光を見る。
光は足元の排水蓋を跳ね飛ばし、恐怖で後ろ下がりに逃げるのを追いかけ、不良は悲鳴を挙げて光に包まれた。
ヘンリーらは、最初に最後尾を歩いていたスタンを捕まえると、ナイフで脅しを掛ける。
今までの恨みを晴らすため、スタンを脅かしていると、給水菅を光が移動してきた。
移動した光は爆発し、スタンとヘンリーを吹き飛ばすと、不良のベルチを光で捕らえ、狭い給水管の中に折りたたむようして連れ去ってしまう。
ヘンリーの叫びも虚しく、移動した光は、再び戻り、恐怖に駆られたスタンは走り出す。
だが、真正面から光を浴びたヘンリーの顔は恐怖に引き攣り、髪は真っ白になってしまった・・・。
異常を感じた6人の元に、スタンが逃げてきて、皆は一団になって身を固める。
光が辺りを包み、皆は固く目を閉じてうずくまった。
再び、目を開くと、周囲の給水管から霧のような煙が流れ込んでくる。
ビルの指示で、互いの手を繋ぎあう7人。
直ぐ側の互いの顔も分らないほど立ち込めた霧に、恐怖を感じながらも、円陣に組まれた手で名前を呼び合う。
ビルには弟ジョージ、ベヴには父親、リッチーに狼男・・・、それぞれが恐れる相手やトラウマに迫られるが、どうにか耐える。
一人、ボーイスカウトの心得を唱えていたスタンは、後ろから呼びかける声に振り向き、手を繋いでいるのがペニーワイズだと気づき恐怖する。
その瞬間、スタンはペニーワイズに連れ去られ、皆の前で脅される。
自分を殺す、と言われたペニーワイズは嘲笑し、「俺は永遠だ、俺は世界を喰い、子供を喰う・・・次は、お前だ!」とスタンに牙を剥く。
だが、エディーが吹きかけた喘息のスプレーに皮膚を焼かれ、ベヴの銀弾を受けたペニーワイズは苦しみの声を上げる。
ラッキー7の「とどめを!」の声を受けて、銀弾を装填したベヴの上を飛び越え、狭い排水溝の中に姿を消していくペニーワイズ・・・。
最後の右手で、ビルの腕を掴むが、皆で力を合わせて引きずり込まれないように踏ん張る。
露出した指には恐ろしげな爪と皮膚が現れ、遂にビルの手を離したペニーワイズの腕は、奇怪なモノに変化して、排水溝の中へと消えた。
確認しなくちゃ、と叫ぶビル。
だが、排水溝からは、苦しげな叫びが聞こえ、徐々に弱まり聞こえなくなっていった・・・。
・・・ラッキー7の戦いは、終った・・・。
だが、本当にITペニーワイズが死んだのか、それは判らない。
ビルは、皆に言う。
「約束を・・・もし、あいつが生きていたら・・・また集まると」
恐怖を感じながらも、誓いの手を重ねていくベヴ、ベン、マイク、リッチー、エディー・・・、そして最後まで悩んだスタンも手を重ねる。
『誓うよ』
ラッキー7は誓いを交わし、団結の円陣を組んだ・・・・・・
そして、現在・・・
夫の背中を流してあげようと、バスルームに入った妻が見たものは・・・
きちんと畳まれた服。
箱から出たカミソリの刃。
息絶えた夫の姿と・・・
「IT」の血文字・・・・・・
to be continued・・・
今回は、簡略化するために、人物名、現在、過去という具合に書いてます。
スタンだけ順番が違うのは、前半ラストの伏線なので仕方なく。
ラッキー7編(勝手に付けた)が、前半のクライマックスです。
アメリカのTVM(TVD)は、3時間枠というのがありまして、90分じゃ足りないし、長編にしても興行的にどうか?というキングの作品なんかが、よく使われるわけですね。
さて、よくスタンド・バイ・ミーのホラー版と呼ばれる今作ですが、作者同じなので似てて当然。
友情の描き方や子供ならではの無茶な行動なんかが、とても良く出ています。
個人的に太っちょのベン少年が、ポエムでラブレターを出すシーンなんか、成長したら黒歴史確実ですが、ほろ苦くて好きですね。
ITことペニーワイズが狙うのは子供で、恐怖やトラウマを植えつけられると、美味しく頂かれてしまう、という。
子供にはペニーワイズの姿も血や声も実感できるが、大人には分らないので、子供だけで戦おうというアイデアは秀逸だと思う。
これ、このまま終っても問題ないと思うぐらい、面白い冒険譚なんですが、残念ながら後半に続いてしまいます。
後半は、キングの黒い趣味が丸出しになり、物語としては急速に面白みが無くなっていきます。
一応、明日も暇なので書きますけど。
それにしても、続編物や原作物ばかりしているウォーレス監督ですが、カーペンター組の割に酷い仕事しか回ってこないのは、運が悪いんですかね。
ある意味、すごいフィルモグラフィーを形成してると思うんですけど・・・。
ロブ・ライナーと比べても、大して力量変わらないと思うんだけどなぁ(←スタンド・バイ・ミーの監督)
*少年の冒険・・・私、近所のサーカスからコブラが逃げたと聞き、友人3人と捜索に出た事があります。
そりゃ、もう夏休みの大半を割いて、ほぼ一人でもやってました。
やがて秋が来て、冬になり、TVではコブラは越冬できないと報じられ、結局誰にも見つからないまま事態は終息してしまいました。
こういうのって、理屈じゃなくて、少年の本能なんでしょうね。
*恐怖症については、以前にも書いたので割愛。
ちなみに、ピエロの画像が極端に少ないのは、個人的に苦手だからです。
冒頭のジョージ君が、排水溝の中からペニーワイズに話しかけられるシーンは、作品中で一番嫌な絵。
排水溝を出たり入ったりするシーンは良く撮れてると思いますが、画像にしてしまうとインパクトに欠けるので。
それにしても、大人になってから再見しても、イヤフォンしながら観ると怖いシーンがありますね。
お馴染みの田舎イジメホラーで、得体の知れないモノが跳梁跋扈する町が舞台になっている。
キングの作品群で繰り返し書かれてきたパターンで、子供騙しな展開も全く同じだが、30年という時間の隔たりがキャラクターに味を与えており、敵役がピエロの姿である点が嫌になるほど印象深い。
日本でもTV放映されるたびに、子供にピエロ(道化師)恐怖症を植え付けてきた罪深い作品。
何だかドナルドが怖く感じる、という場合、幼少時にコレを観ていたのでは無いかという気がする。
ちなみに、それを抜きにしてもドナルドの動きが、私は苦手である。
多分、人形恐怖症と同じで、無表情な物体が気持ち悪いのだと思う。
では、簡単に(長いので)再見。
物語は・・・
雷鳴轟くデリーの町。
平和なはずの田舎町で、6人の子供が失踪や殺害されるという事件が起こっていた。
黒人の図書館員マイク・ハンロンは、警察署長に町の異変を告げるが、相手にされない。
6人目の被害現場で、そこにあるはずの無いジョージの写真を見つけたマイクは、意を決して昔の仲間に連絡を取り始める・・・。
ビル・デンブロー
イギリス・ハムステッド・ヒースに移り住んでいたビルは、文筆家として女優のオードラと暮らしていた。
マイクの電話で、ITが戻ってきたと聞かされたビルは、治っていたはずのどもり癖が再発し、子供時代を回想する。
弟のジョージに物語を話すのが習慣になっていたビルだったが、その日は新聞紙で作ったボートを与え、注意するように言い聞かせて一人で遊びに行かせた。
雨の中、用水路でボートを走らせて遊んでいたジョージは、排水溝の中に居たピエロに出会う。
ピエロは、自分を踊る道化師ペニーワイズと名乗り、言葉巧みに警戒心を解くと、腕を伸ばしたジョージに襲い掛かる・・・。
ジョージは腕を千切られた状態の死体で見つかり、傷心のビルはアルバムをめくる。
すると、写真のジョージがウィンクし、驚いて投げ捨てたアルバムからは血が湧き出してきた。
だが、その血は両親には見えず、ビルの心には言いようの無い恐怖だけが残った・・・。
30年ぶりに甦った記憶に戸惑いながらも、ビルはオードラと離れデリーに帰る決心をする。
ベン・ハンスコム
N・Yで、一流建築家として成功したベンは、建築家賞やタイムの表紙を飾るまでになっていた。
均整の取れた体格で、プレイボーイを気取るベン。
そこにマイクから電話が入り、ITが戻ってきたと聞かされる。
「行くよ」と即答したベンは、酒を呷り建築中の高層ビルに向かう・・・。
父親を朝鮮戦争で亡くしたベンは、従兄妹の家に居候するためにデリーの町に引っ越してきた。
固太りの体型に目をつけられ、不良のヘンリーらに絡まれたベンは、ビルとエディーに匿われる。
3人は友達になり、ベンはクラスメイトのベヴァリー(ベヴ)に仄かな恋心を抱く。
しかし、居候の境遇に苛立つベンは、家を飛び出し、古い給水塔の前で死んだ筈の父親の幻影を見る。
幻影はピエロに変わり、池の中からゾンビに足を掴まれるベン・・・。
ベヴァリー・マーシュ
シカゴで服飾デザイナーとして売り出し中のベヴは、高圧的な男の会社で美人デザイナーとして働いていた。
商談が成立した夜、マイクからの電話を受けたベヴは、急いでデリーの町に向かおうとする。
だが、男は恩を立てに威圧的に振る舞い、暴力で抑えつけようとする。
それに反抗したベヴは、男に瓶を投げつけ、「今度、私に手を上げたら殺してやる!」と言い捨ててタクシーに乗る・・・。
ベヴは玄関前に置かれたラブレターを用務員の父親に見つかり、男に色目を使うようになったか、と折檻を受けそうになる。
家を逃げ出したベヴは、ベンの誘いで空き地に行き、ビルとエディーを紹介される。
そこに、お喋りなリッチーとボーイスカウトのスタンが現れ、6人は意気投合して小川にダムを造り上げる。
その夜、洗面台の排水溝から死んだ子供達の声が聞こえ、大きく膨らんだ赤いピエロの鼻が炸裂し、一面血塗れになる。
だが、その血は父親には見えず、「抵抗すると死んじまうぞ」と不気味な声は繰り返した。
エディー・カスブラック
N・Yグレート・ネックに母親と暮らすエディーは、喘息の薬を持ち、しつこく行き先を尋ねる母親を振り切って、同僚の車で駅に向かう。
彼からの電話を受けたからだ・・・。
映画館で不良をからかったエディーたちは、笑いながら家に帰る。
家から飛び出してきた母親は、病的にエディーを心配し、友達との付き合いを断って、ママがいれば充分でしょ、と興奮した声で言う。
学校でのシャワーをバイ菌が移るからと母親に禁止されていたエディーだったが、体育教師に注意され一人でシャワールームに入る。
そこで伸びてくるシャワーに驚いていると、排水溝の中から両手首が現れ、体を押し出すようにしてピエロが話しかけてきた。
驚きのあまり、喘息の発作を起こすエディーに、「逃げようたってダメだ・・・夢で会おう」と言うと、ピエロは乱杭歯の牙を剥いて威嚇してみせた・・・。
リッチー・トージア
TV番組の人気コメディアンになっていたリッチーは、今日も大盛況の収録を終えて、楽屋で電話を取った。
ビバリー・ヒルズの自宅に戻ったリッチーは、マネージャーの必死の説得も聞かず、何の説明もせずに仕事を休むと宣言する。
怒り心頭のマネ-ジャーが去った後で、急激な吐き気に襲われ、トイレにうずくまる・・・。
いつものように小川の横の空き地で、将来の夢を語り合っていると、町のネル巡査が怒りながら下りてきた。
下水が逆流する、とダムを叱られた6人は、全員が自分がやったとお互いを庇いあう。
その姿に感心したネル巡査だったが、また町でヴェルマという子が殺されたので、ここに来る時は必ず全員で来ることを誓わせる。
昼食の時に、前に映画館でヘンリーらをからかった仕返しをされたリッチーは、持ち前の機転でやり返すが、食堂の掃除を教諭に命じられてしまう。
モップを借りに地下室に入ったリッチーは、そこで狼男に襲われ、ピエロに牙を剥いて威嚇される・・・。
マイク・ハンロン
連絡を送るマイクは、写真を手にあの夏の日を思い出していた。
素晴らしい中間達、ラッキー7のことを・・・。
父親が集めた古い町の写真から、研究発表をするマイク。
1930年、製鉄所で爆発事故、死亡多数。
1900年まで使われた給水塔で、謎の移民失踪事件が起こり、253人が行方不明・・・。
その帰りに黒人だという理由だけで、ヘンリーらに絡まれるマイク。
洋品店の男が声を掛けてくれたお陰で脱出したマイクは、走りに走ってビルたち6人がいる場所まで逃げてくる。
そこで、ヘンリーらと対峙したビルたちは、デブ・ユダヤ人・弱虫・眼鏡・貧乏娘・黒人の弱虫クラブと悪態を吐かれ、投石や殴り合いでマイクを守る。
仲間意識を感じた7人は、自分達をラッキー7と呼び、マイクに写真を撮ってもらう。
マイクのスクラップブックを眺めていた皆は、18世紀の絵にピエロのペニーワイズを見つけ、200年近く存在している怪物をITだと叫ぶ。
その時、勝手にページが捲れ始め、一枚の町並みの写真で止まる。
すると、写真の中の景色が動き始め、行き交う人の中にペニーワイズが現れると、7人を見つけ走り寄ってきた。
怯える皆の前で、ペニーワイズは「殺してやる!お前らの見た悪夢が現実になるのだ!」と脅すと、写真から手を伸ばしてきた。
震え上がったスタンは、何も見てないと叫ぶが、現実に子供が殺されている(ビルの弟ジョージも含めて)ので、今見たことを認める。
ビルは、「感じるんだ、奴(IT)は僕らを恐れている・・・手伝って」と皆に涙を流して頼む。
一人、また一人と肩を組み、ラッキー7は円陣を組んで、怪物を倒すために団結する・・・。
雷鳴が鳴り、回想から覚めたマイクは、床に泥まみれの足跡を見つける。
目で追うマイクの視線に黄色い風船が現れ、割れると同時にあの怪物ITの笑い声が聞こえてきた・・・。
スタン・ユリス
ジョージア州アトランタで、愛する妻と平凡な暮らしをしているスタン。
久しぶりのマイクからの電話に素直に旧交を思い出すが、あいつが現れた、の言葉に激しく動揺する。
即答を避けたスタンに、マイクは「待ってる」と告げて電話を切る。
バスルームで、ボーイスカウトの心得を唱えながら服を脱ぐスタン・・・。
ボーイスカウトの心得を唱えながら、必死で自分を落ち着かせようとするスタン。
こういう時の癖で耳たぶを触りながら、ベヴに無理だ、と呟く。
ラッキー7は、ペニーワイズを倒すために、全員でパチンコをしていた。
誰が一番腕が良いかを競った結果、全弾命中のベヴが射手に選ばれる。
「バカげてるよ」と言うスタン。
ベヴも、石なんかで無理に決まってる、と言うが、リッチーが母親から盗んできた純銀製のイヤリングを渡される。
「映画の中のことだけだろ」と、尚も否定するスタン。
だが、ビルたちの決意は固く、「殺せる」と信じて給水塔に向かう。
不安と恐怖が消えないスタンは、ひたすらボーイスカウトの心得を繰り返し、一番後ろから、うつむいて着いて行く。
ビルは最後の意思の確認をし、ラッキー7の仲間として、全員がエディーの喘息の薬を廻し吸いして覚悟を決める。
だが、その様子を陰から見つめるヘンリーら3人には、誰も気が付かなかった。
ラッキー7
皆は、不気味な給水塔に侵入し、一列になって下へと進んでいく。
ヘンリーは、手下の一人に待ち伏せの指示を出し、自分たち2人でラッキー7を追い込みに行く。
だが、待ち伏せ役の不良は、排水溝の中を進んできた黄色い光を見る。
光は足元の排水蓋を跳ね飛ばし、恐怖で後ろ下がりに逃げるのを追いかけ、不良は悲鳴を挙げて光に包まれた。
ヘンリーらは、最初に最後尾を歩いていたスタンを捕まえると、ナイフで脅しを掛ける。
今までの恨みを晴らすため、スタンを脅かしていると、給水菅を光が移動してきた。
移動した光は爆発し、スタンとヘンリーを吹き飛ばすと、不良のベルチを光で捕らえ、狭い給水管の中に折りたたむようして連れ去ってしまう。
ヘンリーの叫びも虚しく、移動した光は、再び戻り、恐怖に駆られたスタンは走り出す。
だが、真正面から光を浴びたヘンリーの顔は恐怖に引き攣り、髪は真っ白になってしまった・・・。
異常を感じた6人の元に、スタンが逃げてきて、皆は一団になって身を固める。
光が辺りを包み、皆は固く目を閉じてうずくまった。
再び、目を開くと、周囲の給水管から霧のような煙が流れ込んでくる。
ビルの指示で、互いの手を繋ぎあう7人。
直ぐ側の互いの顔も分らないほど立ち込めた霧に、恐怖を感じながらも、円陣に組まれた手で名前を呼び合う。
ビルには弟ジョージ、ベヴには父親、リッチーに狼男・・・、それぞれが恐れる相手やトラウマに迫られるが、どうにか耐える。
一人、ボーイスカウトの心得を唱えていたスタンは、後ろから呼びかける声に振り向き、手を繋いでいるのがペニーワイズだと気づき恐怖する。
その瞬間、スタンはペニーワイズに連れ去られ、皆の前で脅される。
自分を殺す、と言われたペニーワイズは嘲笑し、「俺は永遠だ、俺は世界を喰い、子供を喰う・・・次は、お前だ!」とスタンに牙を剥く。
だが、エディーが吹きかけた喘息のスプレーに皮膚を焼かれ、ベヴの銀弾を受けたペニーワイズは苦しみの声を上げる。
ラッキー7の「とどめを!」の声を受けて、銀弾を装填したベヴの上を飛び越え、狭い排水溝の中に姿を消していくペニーワイズ・・・。
最後の右手で、ビルの腕を掴むが、皆で力を合わせて引きずり込まれないように踏ん張る。
露出した指には恐ろしげな爪と皮膚が現れ、遂にビルの手を離したペニーワイズの腕は、奇怪なモノに変化して、排水溝の中へと消えた。
確認しなくちゃ、と叫ぶビル。
だが、排水溝からは、苦しげな叫びが聞こえ、徐々に弱まり聞こえなくなっていった・・・。
・・・ラッキー7の戦いは、終った・・・。
だが、本当にITペニーワイズが死んだのか、それは判らない。
ビルは、皆に言う。
「約束を・・・もし、あいつが生きていたら・・・また集まると」
恐怖を感じながらも、誓いの手を重ねていくベヴ、ベン、マイク、リッチー、エディー・・・、そして最後まで悩んだスタンも手を重ねる。
『誓うよ』
ラッキー7は誓いを交わし、団結の円陣を組んだ・・・・・・
そして、現在・・・
夫の背中を流してあげようと、バスルームに入った妻が見たものは・・・
きちんと畳まれた服。
箱から出たカミソリの刃。
息絶えた夫の姿と・・・
「IT」の血文字・・・・・・
to be continued・・・
今回は、簡略化するために、人物名、現在、過去という具合に書いてます。
スタンだけ順番が違うのは、前半ラストの伏線なので仕方なく。
ラッキー7編(勝手に付けた)が、前半のクライマックスです。
アメリカのTVM(TVD)は、3時間枠というのがありまして、90分じゃ足りないし、長編にしても興行的にどうか?というキングの作品なんかが、よく使われるわけですね。
さて、よくスタンド・バイ・ミーのホラー版と呼ばれる今作ですが、作者同じなので似てて当然。
友情の描き方や子供ならではの無茶な行動なんかが、とても良く出ています。
個人的に太っちょのベン少年が、ポエムでラブレターを出すシーンなんか、成長したら黒歴史確実ですが、ほろ苦くて好きですね。
ITことペニーワイズが狙うのは子供で、恐怖やトラウマを植えつけられると、美味しく頂かれてしまう、という。
子供にはペニーワイズの姿も血や声も実感できるが、大人には分らないので、子供だけで戦おうというアイデアは秀逸だと思う。
これ、このまま終っても問題ないと思うぐらい、面白い冒険譚なんですが、残念ながら後半に続いてしまいます。
後半は、キングの黒い趣味が丸出しになり、物語としては急速に面白みが無くなっていきます。
一応、明日も暇なので書きますけど。
それにしても、続編物や原作物ばかりしているウォーレス監督ですが、カーペンター組の割に酷い仕事しか回ってこないのは、運が悪いんですかね。
ある意味、すごいフィルモグラフィーを形成してると思うんですけど・・・。
ロブ・ライナーと比べても、大して力量変わらないと思うんだけどなぁ(←スタンド・バイ・ミーの監督)
*少年の冒険・・・私、近所のサーカスからコブラが逃げたと聞き、友人3人と捜索に出た事があります。
そりゃ、もう夏休みの大半を割いて、ほぼ一人でもやってました。
やがて秋が来て、冬になり、TVではコブラは越冬できないと報じられ、結局誰にも見つからないまま事態は終息してしまいました。
こういうのって、理屈じゃなくて、少年の本能なんでしょうね。
*恐怖症については、以前にも書いたので割愛。
ちなみに、ピエロの画像が極端に少ないのは、個人的に苦手だからです。
冒頭のジョージ君が、排水溝の中からペニーワイズに話しかけられるシーンは、作品中で一番嫌な絵。
排水溝を出たり入ったりするシーンは良く撮れてると思いますが、画像にしてしまうとインパクトに欠けるので。
それにしても、大人になってから再見しても、イヤフォンしながら観ると怖いシーンがありますね。
PR
この記事にコメントする