B級映画って言うなw
再見して語る映画館
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監督のメンデラックは、空港モノ、特殊部隊モノ、ホラーと幅広くB級映画を製作している人。
そして、高い建物で、連邦職員が、ゾンビと生き残りを賭けて戦う映画を撮りました。
自分の経験を最大限に活かした、正しい低予算の使い方と言えるのでしょうか。
初見なので、B級の醍醐味を期待しながら、視聴開始。
物語は・・・
「光を灯せば、この国の闇に隠れた秘密が一気に広がる」
CCA(国を憂う会)の自称愛国者は、テロリストのお題目を唱え、極秘計画の存在を明らかにするために身を捧げよう、と語る。
「これを機に・・・君の人生を変えたい」
ビルに衝撃が走り、警報が鳴り響く中を逃げ惑う人々・・・。
同時に黄色いガスが広がり、ビルはセキュリティーが作動し封鎖される。
混乱する人々の中に、鬼のような形相の者が現れ、凄まじい暴力を振るい始めていた・・・。
セキュリティールームでは、自分に言い聞かせるように「大丈夫」を繰り返す男がいた。
*ここまで僅か3分。
4時間前・・・12月24日、10:08:25 AM。
連邦ビルに出勤したケール・ミルナーは、ボディチェックの際に、前の女が銃を携帯していることに気づく。
それを警備員に告げるが、何か理由があるらしく問題は無さそうだった。
離婚した妻は、娘のアリーをビル内の託児施設に預けて、エレベーターでミルナーと鉢合わせしていた。
前妻は6階で下り、入れ替わりに銃を所持していた女が乗ってくると11階のボタンを押す。
10階で下りたミルナーは、早速7階と11階のコンピュータートラブルを聞かされ、処理のために7階に向かう。
同じエレベーターに乗っていた男は、クリスマスケーキを持ち、12階で下りると、そのまま階段で屋上に向かった。
ケーキの箱から取り出した部品で、手早く爆弾を組み立て風船を繋ぐと、制服に着替え6階に向かった。
7階の処理に来たミルナーは、監視カメラの映像で、銃を携帯していた女が、連邦政府の調査への協力を依頼されているのを見る。
別段、興味を感じないミルナーは、同僚のチップに代わると、そのまま11階に向かった。
6階で下りた男は、警備員のチェックを抜けて、研究室に入る。
中央まで進むと、見咎められたまま、手にした箱が爆発。
ビルに衝撃が走る・・・。*冒頭の使い回し。
ガスに汚染された区域は、人が凶暴化し、犠牲者も増えていく。
10階に居たミルナーらは、ガスの汚染は免れたが、4階の娘アリーを心配する。
外には警官隊と消防が来ていたが、ワシントンからFBIが到着するまで待機を命じられる。
ビル内には感染者が溢れ、セキュリティーのために外部との連絡も遮断された。
ラボのアンサリ博士は、『Fスクエア計画』のリーダーで、ミルナーの前妻もメンバーの一人だった。
4階の託児施設も、目茶苦茶になっており、娘の生存は絶望的だった・・・。
ビルの外にはマスコミが現れ、ラボの総責任者ウェクスラーは、署長に救助は不要だ、と告げる。
有害物質がガス化して広がっており、数時間経てば不活性化するが、今は無理だと説明する。
アンサリ博士は、研究は戦争に勝つためだ、と説明し、ガスは空気より重いから10階まで来ないと言う。
もし、農薬散布のように上空から撒けば、吸った人間は副腎が刺激され、怒りと妄想に憑りつかれて攻撃性や恐怖から人を殺すようになる。
TVでは、米国の基地や施設が攻撃されていると報じ、ここには救助は来ない、と博士は断言する・・・。
だが、監視カメラでは防護服を着た消防隊員がロビーに進入していた。
カメラの無い階段で、感染した女に襲われた隊員は、必死で外に逃亡する。
怒りの形相で追いかけてくる女を射殺したが、隊員も興奮状態になり、到着したFBIの捜査官に射殺される・・・。
博士は感染者は正常に見えても、怒りや恐怖で豹変する、それを知っているウェクスラーが下に居るから、出て行けば感染者と看做されて殺される、と言う。
外でも救助したいという意見があったが、ウェクスラーは感染者はアドレナリンの分泌で制御が利かない状態で、頭を撃つしか殺せない、と署長に説明する。
更に、進行を抑える薬はあるが、継続的に投与しなければならず、それがあるのはビルの中だ、と言う・・・。
ガスの効果は第二段階に入り、体液以外では感染しないが、完全に不活性化するのは午前0時だと予測する。
7人は進退窮まったと思われたが、私立探偵のマンディが、屋上は消防法の関係で鍵が掛かっていないから、上へ、と提案する。
だが、夜になりガスが不活性化しなければ救助は来ない、と言われ、ライナーは娘を助けに行く決意をする。
ガス状だった物質は粉状に変化し、博士によると戦地で雨風で飛散しないようにとの考慮だと言う。
階段に出た一行は、感染していない9階の職員達に遭遇する。
そのまま、彼らの後ろから屋上に向かう一行。
その頃、航空隊に要請してヘリを偵察に出したFBIは、屋上の生存者の中にアンサリ博士を発見するが、一時様子を見ることにする。
だが、風船で仕掛けられたブービートラップがヘリの風圧で起動し、爆発に巻き込まれた生存者は火だるまになり、ヘリも爆発四散する・・・。
生存者の救助を一番に考える署長は、FBIやウェクスラーと対立するが、国家機密を盾に取られては引き下がるしかない。
その頃、監視カメラの映像から容疑者を特定した警察は、自宅からビデオカメラを押収していた。
FBIは、外部からの電力を止め、スナイパーを配置していた・・・。
ビル内では、ミルナーとマンディが協力して娘を探そうとしていた。
だが、ビルの電源が切れ、非常灯になったとき、感染者が現れる。
何とか仕留めたものの、電源がダウンした事により、全ての電気鍵がオフになっていた。
一行は無線機で連絡を取る事にして、ミルナーは一人で娘を探しに行こうとするが、そこに倒したはずの感染者が起き上がり、トニーの腸を引き抜いてしまう。
*・・・これまでの緊迫感が崩れ落ちる凄いシーンでした。
それはそれとして、マンディから銃を受け取ったミルナーは、階段を下りる。
やはり放ってはおけないとマンディは死んだトニーの銃を取り、ライアンと後を追う。
かなり時間が空いていたはずだが、すぐに追いつき、途中で倒れていた警備員からも銃を入手する。
ラボに抑制剤があると聞かされた3人は、博士の誘導で探索するが、感染者が襲ってくる。
とりあえず撃退したが、ライアンが、突然一人で脱出すると言い出して、ライフルを持って行ってしまう。
単独行動の末に、死屍累々の階段で足元を襲われ、下まで落下して死んだ。
ミルナーとマンディは、ラボにいるはずの元妻の話をしながら、抑制剤を探す。
誘導しているはずの博士は、頻繁にトイレに通うようになった。
署長は、犯人が犯行声明で連邦ビルで行われていた実験を知っていたことから、このテープをFBIに見せる。
FBIは、国防のために連邦ビルが電力停止から6時間で自爆するので、全てを誤魔化せると考えていた。
署長は9.11の7号館のようにか、と人道的な立場から批判する。
4階に着いたミルナーは、破壊された託児施設で娘アリーを探し、変わり果てた姿の元妻キャロルに遭遇する。
感染はしていたが、ギリギリで理性を保っていたキャロルは、アリーは行った、と話すが、直後に発症し、ミルナーに襲い掛かる。
人間離れした動きで、背後から首を絞められるが、そこに銃声が・・・。
ピンチを救ったのはマンディだったが、元妻と知り謝る。
そこに無線で、博士が抑制剤を持ってトイレに閉じこもっている、と無線が入る。
トイレから出てきた博士は、発症して言動がおかしくなり、人質を注射器で脅しながら所長に迫ってくる。
そこにチャンスがあれば撃て、と指示されていたスナイパーが狙いを定める。
博士はヘッドショットされ、弾みでアンは注射器を刺される。
同じ注射器から感染したアンは、そのまま所長に襲い掛かり、注射器を首筋に注ちこむ。
元妻の携帯電話を入手していたミルナーは、最後に掛けた相手を知る。
4階から消防ホースを伸ばし、携帯電話が使える2階に下りようとするミルナー。
下のほうには、拾ったライフルを持った感染者がいるので、防弾服が欲しいと言い出す。
その最後に掛けた相手のローハンは、救急隊で署長と共に、残り一時間で救出するべく奔走していた。
*何か妙に出てくると思ったら、こういう伏線でした。
倒壊する前に救出するべく、SWAT隊も投入され、ミルナーもマンディとホースに繋がり、階段から飛んだ。
2階に落下した2人は、ローハンに電話を掛け、オクラホマ爆破事件以降、子供の避難が最優先なのでアリーは無事だと知る。
しかし、中にはSWATがおり、ビルも爆破されると聞かされる・・・。
FBIは、マスコミに生存者は全員避難したが、ビルの損傷が激しいので、安全に解体すると説明していた。
二人は、やたらとしつこい感染者に追われながら逃げたが、マンディとSWATが鉢合わせし撃たれてしまう。
襲い掛かる感染者に巴投げを決め、SWATが感染者を射殺する・・・。
かくしてローハンに肩を借りながら脱出したミル
ナーは、FBIに一発パンチを決める。
「気が済んだか・・・他言無用だ」
と言われて、あぁと答える。
そして、ローハンに元妻の携帯電話を渡し、防弾服のお陰で無事だったマンディに付き添って救急車に乗り込むのだった・・・。
連邦ビルは倒壊し、マスコミに犯行声明のテープを渡した署長は、多くの人の命を飲み込んでいく映像を見ながら涙ぐむ・・・。
娘アリーと再会したミルナーは喜びで一杯だったが、アリーは済まなそうにパパに告白した。
「ごめんね、私が警報を鳴らしたから、ビルが壊れちゃった・・・」
「アリーのせいじゃないよ」
「失礼ですが、ご家族の方ですか?」
そう声を掛けられたマンディは、照れくさそうに二人に微笑むのだった・・・
真実のために、この身を捧げよう・・・これを機に、君の人生を変えたい
END
どうして、こうなった?の連続の作品である。
明らかに尺不足なのが分っているのに、主人公たち、感染者、FBI、署長と救命士、テロリストと視点を変えすぎて、カットごとの整合性や時間感覚が崩壊している。
主人公の行動も意味不明なものが多く、無駄なカットはあるのに、大事なはずのシーンや説明が欠けているので、観ている方は置いてきぼりだった。
軍事兵器(B兵器)の説明やテロに対する国家の陰謀は必要以上に長いのに、皆がB級に期待したであろう感染者とのバトルもゴアシーンもほとんど無い。
それでも、屋上のヘリ爆発とその他大勢の生存者が死亡する辺りまでは、それなりに楽しめたのだが、また都合よく元のメンバーだけが生き残り、そこから首を傾げるようなシーンが続く。
まず、兵隊さんのトニーは女感染者にパンチで脾腹を破られて内臓を取り出され、メールボーイのライアンは一人で脱出するとライフル片手に死屍累々の階段で転落死、階段で一人だけ異様に長持ちしていた感染者は拾ったライフルを盲撃ちし、探していた筈の抑制剤は博士がトイレで使い切り、何故か人質を取って迫るとスナイパーが現れてヘッドショット、弾みで刺さった注射器で一瞬で感染したアンは所長を注射器で襲う・・・。
主要メンバーで、この扱いである。
何を書いてるのか分りにくいと思うが、今観た私にもよく分らないのでご容赦願いたい。
後半は、このライフルを持ったしつこい感染者しか現れず、階段を下りる障害はコイツだけなのだが、倒して進むより消防ホースで落下するという意味不明な方を選択する。
銃はリアリティの欠片も無く、反動も無ければ銃弾も尽きる事が無い。
しかも、ライフルを持っているので防弾服を着ていこう、というのがラストでのマンディ生存の伏線になる。
娘探しも焦っているのか、諦めているのか、どうにもスッキリせず、元妻の話などを始めると、感染した状態で現れるなど、もう展開がチープすぎて言葉が出ない。
完全な出オチであり、これにテロに対する国家の陰謀なんかが絡むと、もう目茶苦茶。
国家の主要施設には自爆装置がある、なんて真顔で言われても困ってしまう。
よせばいいのに実在のテロ事件やエリア51まで並べ立てるので、これコメディだったかな、と軽く頭が痛くなる。
竜頭蛇尾という言葉が、これほど似合う作品も珍しい。
映像面では、それなりにベテランの仕事がしてあるが、特殊技術が三流もいいとこで、造形もCGも素人レベルなので、トニーが腸をぶちまけるシーンでは違う意味で噴き出してしまった。
もちろん、かなり凄いはずの連邦ビル倒壊シーンに至っては、モニターで見る、という離れ業で映研レベルの映像を誤魔化している。
基本的にゾンビではなく、28日後シリーズのような怒り物質(ウィルスではない)なので、死者は蘇生しないし、放っておけば勝手に死滅するという設定。
ライフルを持ったりもするが、まともに扱えないほど怒ってるので、別に脅威ではない。
身体能力はリミッター解除で、頭を破壊しないと死なないと言われるが、銃で撃たれると逃げ出すので、冷静に対処すれば恐ろしくも何ともない。
さすがに監督も、これではいけない、と思いビルの自爆装置という仕切りを加えたのだろう。
後、主要メンバーは全員がバカなので、相手としては釣り合いが取れている。
B級映画は好きだが、それは予算に限りがある所を頑張っているからで、今作のように予算に関係ない部分がダメダメでは、さすがに疲れてしまう。
*9.11 WTCビル7号館の謎・・・WTCが、ハイジャックされたボーイング767型旅客機の激突により崩壊したのは事実だが、最も離れた位置にあった7号館までもが、瞬時に瓦解したことへの疑念。
様々な検証から、7号館の崩落についてはパンケーキ説も多重衝撃説も適用できず、落下スピードも真空中の落体速度に比することから、爆破によるものではないかと主張されている。
9.11が米国政府の自作自演であると主張する側には、最も有力な証拠の一つとして提示される。
ちなみに、私は陰謀論者では無い。
*オクラホマ爆破事件・・・1995年4月、オクラホマ州連邦政府ビルの80%が破壊され、死者168人(内、子供19人)、重軽傷者800人以上という9.11同時多発テロに次ぐ悲惨なテロ犯罪。
犯人は、当初反アメリカの中東系組織と見られ、多数のアラブ人が拘束されたが、アメリカ人のティモシー・マクベイであった。
元陸軍所属のグリーン・ベレー志願者で、選に漏れた後、すぐに除隊している。
2tトラックを改造し、ダイナマイトを伝導爆薬にしたANFO爆薬を満載し、正面玄関前に駐車し起爆した。
動機は、政府が国民に嘘を吐いたせいだ、と述べたが、2001年6月11日に薬物による死刑が執行された。
何ら背後関係を持たない個人のテロ行為としては、世界最大の被害をもたらした事件である。
(ANFO爆薬は、ダイナマイトの約3倍の威力がありながら、精製が容易なため取締りが難しい)
そして、高い建物で、連邦職員が、ゾンビと生き残りを賭けて戦う映画を撮りました。
自分の経験を最大限に活かした、正しい低予算の使い方と言えるのでしょうか。
初見なので、B級の醍醐味を期待しながら、視聴開始。
物語は・・・
「光を灯せば、この国の闇に隠れた秘密が一気に広がる」
CCA(国を憂う会)の自称愛国者は、テロリストのお題目を唱え、極秘計画の存在を明らかにするために身を捧げよう、と語る。
「これを機に・・・君の人生を変えたい」
ビルに衝撃が走り、警報が鳴り響く中を逃げ惑う人々・・・。
同時に黄色いガスが広がり、ビルはセキュリティーが作動し封鎖される。
混乱する人々の中に、鬼のような形相の者が現れ、凄まじい暴力を振るい始めていた・・・。
セキュリティールームでは、自分に言い聞かせるように「大丈夫」を繰り返す男がいた。
*ここまで僅か3分。
4時間前・・・12月24日、10:08:25 AM。
連邦ビルに出勤したケール・ミルナーは、ボディチェックの際に、前の女が銃を携帯していることに気づく。
それを警備員に告げるが、何か理由があるらしく問題は無さそうだった。
離婚した妻は、娘のアリーをビル内の託児施設に預けて、エレベーターでミルナーと鉢合わせしていた。
前妻は6階で下り、入れ替わりに銃を所持していた女が乗ってくると11階のボタンを押す。
10階で下りたミルナーは、早速7階と11階のコンピュータートラブルを聞かされ、処理のために7階に向かう。
同じエレベーターに乗っていた男は、クリスマスケーキを持ち、12階で下りると、そのまま階段で屋上に向かった。
ケーキの箱から取り出した部品で、手早く爆弾を組み立て風船を繋ぐと、制服に着替え6階に向かった。
7階の処理に来たミルナーは、監視カメラの映像で、銃を携帯していた女が、連邦政府の調査への協力を依頼されているのを見る。
別段、興味を感じないミルナーは、同僚のチップに代わると、そのまま11階に向かった。
6階で下りた男は、警備員のチェックを抜けて、研究室に入る。
中央まで進むと、見咎められたまま、手にした箱が爆発。
ビルに衝撃が走る・・・。*冒頭の使い回し。
ガスに汚染された区域は、人が凶暴化し、犠牲者も増えていく。
10階に居たミルナーらは、ガスの汚染は免れたが、4階の娘アリーを心配する。
外には警官隊と消防が来ていたが、ワシントンからFBIが到着するまで待機を命じられる。
ビル内には感染者が溢れ、セキュリティーのために外部との連絡も遮断された。
ラボのアンサリ博士は、『Fスクエア計画』のリーダーで、ミルナーの前妻もメンバーの一人だった。
4階の託児施設も、目茶苦茶になっており、娘の生存は絶望的だった・・・。
ビルの外にはマスコミが現れ、ラボの総責任者ウェクスラーは、署長に救助は不要だ、と告げる。
有害物質がガス化して広がっており、数時間経てば不活性化するが、今は無理だと説明する。
アンサリ博士は、研究は戦争に勝つためだ、と説明し、ガスは空気より重いから10階まで来ないと言う。
もし、農薬散布のように上空から撒けば、吸った人間は副腎が刺激され、怒りと妄想に憑りつかれて攻撃性や恐怖から人を殺すようになる。
TVでは、米国の基地や施設が攻撃されていると報じ、ここには救助は来ない、と博士は断言する・・・。
だが、監視カメラでは防護服を着た消防隊員がロビーに進入していた。
カメラの無い階段で、感染した女に襲われた隊員は、必死で外に逃亡する。
怒りの形相で追いかけてくる女を射殺したが、隊員も興奮状態になり、到着したFBIの捜査官に射殺される・・・。
博士は感染者は正常に見えても、怒りや恐怖で豹変する、それを知っているウェクスラーが下に居るから、出て行けば感染者と看做されて殺される、と言う。
外でも救助したいという意見があったが、ウェクスラーは感染者はアドレナリンの分泌で制御が利かない状態で、頭を撃つしか殺せない、と署長に説明する。
更に、進行を抑える薬はあるが、継続的に投与しなければならず、それがあるのはビルの中だ、と言う・・・。
ガスの効果は第二段階に入り、体液以外では感染しないが、完全に不活性化するのは午前0時だと予測する。
7人は進退窮まったと思われたが、私立探偵のマンディが、屋上は消防法の関係で鍵が掛かっていないから、上へ、と提案する。
だが、夜になりガスが不活性化しなければ救助は来ない、と言われ、ライナーは娘を助けに行く決意をする。
ガス状だった物質は粉状に変化し、博士によると戦地で雨風で飛散しないようにとの考慮だと言う。
階段に出た一行は、感染していない9階の職員達に遭遇する。
そのまま、彼らの後ろから屋上に向かう一行。
その頃、航空隊に要請してヘリを偵察に出したFBIは、屋上の生存者の中にアンサリ博士を発見するが、一時様子を見ることにする。
だが、風船で仕掛けられたブービートラップがヘリの風圧で起動し、爆発に巻き込まれた生存者は火だるまになり、ヘリも爆発四散する・・・。
生存者の救助を一番に考える署長は、FBIやウェクスラーと対立するが、国家機密を盾に取られては引き下がるしかない。
その頃、監視カメラの映像から容疑者を特定した警察は、自宅からビデオカメラを押収していた。
FBIは、外部からの電力を止め、スナイパーを配置していた・・・。
ビル内では、ミルナーとマンディが協力して娘を探そうとしていた。
だが、ビルの電源が切れ、非常灯になったとき、感染者が現れる。
何とか仕留めたものの、電源がダウンした事により、全ての電気鍵がオフになっていた。
一行は無線機で連絡を取る事にして、ミルナーは一人で娘を探しに行こうとするが、そこに倒したはずの感染者が起き上がり、トニーの腸を引き抜いてしまう。
*・・・これまでの緊迫感が崩れ落ちる凄いシーンでした。
それはそれとして、マンディから銃を受け取ったミルナーは、階段を下りる。
やはり放ってはおけないとマンディは死んだトニーの銃を取り、ライアンと後を追う。
かなり時間が空いていたはずだが、すぐに追いつき、途中で倒れていた警備員からも銃を入手する。
ラボに抑制剤があると聞かされた3人は、博士の誘導で探索するが、感染者が襲ってくる。
とりあえず撃退したが、ライアンが、突然一人で脱出すると言い出して、ライフルを持って行ってしまう。
単独行動の末に、死屍累々の階段で足元を襲われ、下まで落下して死んだ。
ミルナーとマンディは、ラボにいるはずの元妻の話をしながら、抑制剤を探す。
誘導しているはずの博士は、頻繁にトイレに通うようになった。
署長は、犯人が犯行声明で連邦ビルで行われていた実験を知っていたことから、このテープをFBIに見せる。
FBIは、国防のために連邦ビルが電力停止から6時間で自爆するので、全てを誤魔化せると考えていた。
署長は9.11の7号館のようにか、と人道的な立場から批判する。
4階に着いたミルナーは、破壊された託児施設で娘アリーを探し、変わり果てた姿の元妻キャロルに遭遇する。
感染はしていたが、ギリギリで理性を保っていたキャロルは、アリーは行った、と話すが、直後に発症し、ミルナーに襲い掛かる。
人間離れした動きで、背後から首を絞められるが、そこに銃声が・・・。
ピンチを救ったのはマンディだったが、元妻と知り謝る。
そこに無線で、博士が抑制剤を持ってトイレに閉じこもっている、と無線が入る。
トイレから出てきた博士は、発症して言動がおかしくなり、人質を注射器で脅しながら所長に迫ってくる。
そこにチャンスがあれば撃て、と指示されていたスナイパーが狙いを定める。
博士はヘッドショットされ、弾みでアンは注射器を刺される。
同じ注射器から感染したアンは、そのまま所長に襲い掛かり、注射器を首筋に注ちこむ。
元妻の携帯電話を入手していたミルナーは、最後に掛けた相手を知る。
4階から消防ホースを伸ばし、携帯電話が使える2階に下りようとするミルナー。
下のほうには、拾ったライフルを持った感染者がいるので、防弾服が欲しいと言い出す。
その最後に掛けた相手のローハンは、救急隊で署長と共に、残り一時間で救出するべく奔走していた。
*何か妙に出てくると思ったら、こういう伏線でした。
倒壊する前に救出するべく、SWAT隊も投入され、ミルナーもマンディとホースに繋がり、階段から飛んだ。
2階に落下した2人は、ローハンに電話を掛け、オクラホマ爆破事件以降、子供の避難が最優先なのでアリーは無事だと知る。
しかし、中にはSWATがおり、ビルも爆破されると聞かされる・・・。
FBIは、マスコミに生存者は全員避難したが、ビルの損傷が激しいので、安全に解体すると説明していた。
二人は、やたらとしつこい感染者に追われながら逃げたが、マンディとSWATが鉢合わせし撃たれてしまう。
襲い掛かる感染者に巴投げを決め、SWATが感染者を射殺する・・・。
かくしてローハンに肩を借りながら脱出したミル
ナーは、FBIに一発パンチを決める。
「気が済んだか・・・他言無用だ」
と言われて、あぁと答える。
そして、ローハンに元妻の携帯電話を渡し、防弾服のお陰で無事だったマンディに付き添って救急車に乗り込むのだった・・・。
連邦ビルは倒壊し、マスコミに犯行声明のテープを渡した署長は、多くの人の命を飲み込んでいく映像を見ながら涙ぐむ・・・。
娘アリーと再会したミルナーは喜びで一杯だったが、アリーは済まなそうにパパに告白した。
「ごめんね、私が警報を鳴らしたから、ビルが壊れちゃった・・・」
「アリーのせいじゃないよ」
「失礼ですが、ご家族の方ですか?」
そう声を掛けられたマンディは、照れくさそうに二人に微笑むのだった・・・
真実のために、この身を捧げよう・・・これを機に、君の人生を変えたい
END
どうして、こうなった?の連続の作品である。
明らかに尺不足なのが分っているのに、主人公たち、感染者、FBI、署長と救命士、テロリストと視点を変えすぎて、カットごとの整合性や時間感覚が崩壊している。
主人公の行動も意味不明なものが多く、無駄なカットはあるのに、大事なはずのシーンや説明が欠けているので、観ている方は置いてきぼりだった。
軍事兵器(B兵器)の説明やテロに対する国家の陰謀は必要以上に長いのに、皆がB級に期待したであろう感染者とのバトルもゴアシーンもほとんど無い。
それでも、屋上のヘリ爆発とその他大勢の生存者が死亡する辺りまでは、それなりに楽しめたのだが、また都合よく元のメンバーだけが生き残り、そこから首を傾げるようなシーンが続く。
まず、兵隊さんのトニーは女感染者にパンチで脾腹を破られて内臓を取り出され、メールボーイのライアンは一人で脱出するとライフル片手に死屍累々の階段で転落死、階段で一人だけ異様に長持ちしていた感染者は拾ったライフルを盲撃ちし、探していた筈の抑制剤は博士がトイレで使い切り、何故か人質を取って迫るとスナイパーが現れてヘッドショット、弾みで刺さった注射器で一瞬で感染したアンは所長を注射器で襲う・・・。
主要メンバーで、この扱いである。
何を書いてるのか分りにくいと思うが、今観た私にもよく分らないのでご容赦願いたい。
後半は、このライフルを持ったしつこい感染者しか現れず、階段を下りる障害はコイツだけなのだが、倒して進むより消防ホースで落下するという意味不明な方を選択する。
銃はリアリティの欠片も無く、反動も無ければ銃弾も尽きる事が無い。
しかも、ライフルを持っているので防弾服を着ていこう、というのがラストでのマンディ生存の伏線になる。
娘探しも焦っているのか、諦めているのか、どうにもスッキリせず、元妻の話などを始めると、感染した状態で現れるなど、もう展開がチープすぎて言葉が出ない。
完全な出オチであり、これにテロに対する国家の陰謀なんかが絡むと、もう目茶苦茶。
国家の主要施設には自爆装置がある、なんて真顔で言われても困ってしまう。
よせばいいのに実在のテロ事件やエリア51まで並べ立てるので、これコメディだったかな、と軽く頭が痛くなる。
竜頭蛇尾という言葉が、これほど似合う作品も珍しい。
映像面では、それなりにベテランの仕事がしてあるが、特殊技術が三流もいいとこで、造形もCGも素人レベルなので、トニーが腸をぶちまけるシーンでは違う意味で噴き出してしまった。
もちろん、かなり凄いはずの連邦ビル倒壊シーンに至っては、モニターで見る、という離れ業で映研レベルの映像を誤魔化している。
基本的にゾンビではなく、28日後シリーズのような怒り物質(ウィルスではない)なので、死者は蘇生しないし、放っておけば勝手に死滅するという設定。
ライフルを持ったりもするが、まともに扱えないほど怒ってるので、別に脅威ではない。
身体能力はリミッター解除で、頭を破壊しないと死なないと言われるが、銃で撃たれると逃げ出すので、冷静に対処すれば恐ろしくも何ともない。
さすがに監督も、これではいけない、と思いビルの自爆装置という仕切りを加えたのだろう。
後、主要メンバーは全員がバカなので、相手としては釣り合いが取れている。
B級映画は好きだが、それは予算に限りがある所を頑張っているからで、今作のように予算に関係ない部分がダメダメでは、さすがに疲れてしまう。
*9.11 WTCビル7号館の謎・・・WTCが、ハイジャックされたボーイング767型旅客機の激突により崩壊したのは事実だが、最も離れた位置にあった7号館までもが、瞬時に瓦解したことへの疑念。
様々な検証から、7号館の崩落についてはパンケーキ説も多重衝撃説も適用できず、落下スピードも真空中の落体速度に比することから、爆破によるものではないかと主張されている。
9.11が米国政府の自作自演であると主張する側には、最も有力な証拠の一つとして提示される。
ちなみに、私は陰謀論者では無い。
*オクラホマ爆破事件・・・1995年4月、オクラホマ州連邦政府ビルの80%が破壊され、死者168人(内、子供19人)、重軽傷者800人以上という9.11同時多発テロに次ぐ悲惨なテロ犯罪。
犯人は、当初反アメリカの中東系組織と見られ、多数のアラブ人が拘束されたが、アメリカ人のティモシー・マクベイであった。
元陸軍所属のグリーン・ベレー志願者で、選に漏れた後、すぐに除隊している。
2tトラックを改造し、ダイナマイトを伝導爆薬にしたANFO爆薬を満載し、正面玄関前に駐車し起爆した。
動機は、政府が国民に嘘を吐いたせいだ、と述べたが、2001年6月11日に薬物による死刑が執行された。
何ら背後関係を持たない個人のテロ行為としては、世界最大の被害をもたらした事件である。
(ANFO爆薬は、ダイナマイトの約3倍の威力がありながら、精製が容易なため取締りが難しい)
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