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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:DARKNESS FALLS4a01c288.jpg
監督:ジョナサン・リーベスマン







ノーマークの人物が、唐突に新星として現れることがある。
この映画の監督ジョナサン・リーベスマンは、その典型だ。
南アフリカという映画産業に縁が薄そうな国から、短編映画でハリウッド映画祭受賞、今作はデビュー作で興行収入1位という快挙を成し遂げた。
今年で、まだ35歳。ハリウッドの未来の一翼を担うことは間違いが無い。

物語は・・・1_7.flv_000065315.jpg
今から150年前、マチルダ・ディクソンという婦人が居た。
街の子供の歯が抜けると金貨と交換してくれる優しい人だったが、火災により顔に重症を負った。
仮面をつけ、夜しか出歩けなくなった彼女は、子供が2人行方不明になった時、無実の罪で絞首刑にされた。
「歯の妖精:Tooth fairy」と呼ばれていた彼女は、この仕打ちに対して、死の間際に街に呪いをかけた・・・。
夜、歯が抜けると彼女はやってくる・・・呪いを果たし、永遠に復讐を続けるために・・・。

ダークネス・フォールズの街・・・。1_7.flv_000649524.jpg2_7.flv_000043918.jpg
最後の乳歯が抜けたカイルの部屋に、夜が更けてから幼馴染のキャット・ケイトリンが忍び込んでくる。
明日のダンスパーティーの約束と、甘酸っぱいキスを交わし別れる二人。
夜中に得体の知れない気配を感じたカイルは、懐中電灯で身を守り影を追い払う。
だが、騒ぎを聞きつけた母親が、半信半疑で部屋に入り、白い仮面の黒衣の影に殺されてしまう。
一晩中、明るいバスルームで過ごし、命は助かったが、黒衣の雄叫びと母親の死はカイルとケイトリンを遠ざけてしまう結果になった・・・。
2_7.flv_000101267.jpg
12年後、ケイトリンの弟マイケルは、病院で治療を受けていた。
極度の暗夜恐怖症を発症し、10分間も眠る事が出来ない状態だが、病院の検査では異常は発見できない。
病院を訪れたケイトリンは、「あいつが来た」と繰り返す弟の腕に傷が出来ているのを見つけるが・・・。

カイルは、日当たりの良い部屋で、日中でも灯りを点け、大量の照明器具と懐中電灯を置いて暮らしていた。2_7.flv_000268184.jpg
抗睡眠系の薬剤を流し込んでいると、ケイトリンから12年ぶりに電話が掛かってくる。
弟の様子からカイルの事件を思い出したケイトリンは、何か解決策が無いか知りたかったのだ。
あの夜の悪夢から、未だ逃れられないカイルは、力になれないと電話を切る。

電話ではそう言ったものの、マイケルの様子が気になったカイルは病院を訪れる。話を進めるうちに、マイケルが単なる暗夜恐怖症ではなく、自分と同じ”彼女”を見たからだ、と分る。
彼女”からは逃げられない、全ての灯りが消えれば、暗闇から殺しに来る・・・。
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カイルの訪問を喜ぶケイトリンだったが、やはりあの夜の事を訊ねないわけにはいかない。
言葉少なにマイケルとは違うと否定するカイルだったが、マイケルが描いた絵を見て、歯が抜けたか?と聞く。
確かにマイケルは最後の乳歯が抜けていたが、あれは子供騙しの御伽噺でしょ、とケイトリンに言われ、やはり力になれないと席を立ってしまう。
病院のロビーで、やはり幼馴染のラリーと再会するが、彼がケイトリンに親しげに接するのを見て、「すまない」と侘びを入れる。

12年ぶりの再会を祝して飲もう、とラリーに誘われ、パブに来たカイル。
だが、弁護士になったラリーの目的はケイトリンに近づかないように釘を刺すためで、酔っ払いは母親殺しと罵り絡んでくる。3_7.flv_000615907.jpg
その場のケンカを避けて外に出たカイルだったが、酔っ払いは尚も執拗に襲い掛かり、暗い場所に転げ落ちてしまう。
慌てて懐中電灯を点けたカイルだったが、それも弾かれ、我を失い男を殴り倒す。
どうにか懐中電灯を手に車に戻るカイル・・・、だが、酔っ払いは絶叫を上げて闇に消えた。
警察を呼んだラリーは、警官隊と森の中を捜索するが、そこには恐怖に目を見開いた酔っ払いの死体が・・・。

一度は子供騙しと思ったものの、マイケルやカイルの様子から、不安を感じたケイトリンは、「Tooth fairy」の絵本を読む。
夜もマイケルに付き添っていると、そこに怪我をしたカイルが戻ってくる。
治療の途中で、この12年を孤児院からラスベガスに行きカジノで働いている、と語ったカイルは、これ以上の治療や投薬は意味が無いと忠告する。
自分がそうだったからだ、と言った所に、警察が現れ、カイルは連行される。
4_7.flv_000108900.jpg
暗闇を恐れ、大量の懐中電灯と抗精神薬を所持しているカイルは、保安官にサイコと決め付けられる。
更に、酒場で揉めた男レイが死体で見つかったことで、自分が容疑者になっていることを知る。
ケイトリンは、彼の無罪を主張するが、12年前の母親殺害と手口が同じこ、州の精神病院に9年も入院していたことから、カイルの立場は最悪になっていた。
自白を促されたカイルは、弁護士を要求し、ケイトリンは弟の所に一度戻る事に・・・。
4_7.flv_000252836.jpg4_7.flv_000316691.jpg
その頃、マイケルは照明の影に寝返りをしてしまっていた。
看護婦が呼びかける部屋の前で、消火器を使い中に入ったケイトリンは、懐中電灯と左腕に怪我を負ったマイケルを発見する。
あくまで、夜警症か暗夜恐怖症だと言い張る医者は、怪我は自傷行為であり、感覚遮断室で暗闇に直面させれば高確率で治る、とケイトリンに説明する。
4_7.flv_000455121.jpg
弁護士のラリーのお陰で保釈になったカイルは、真っ直ぐに懐中電灯を購入し、直ぐに自分を病院まで送るように言う。
日没まで後20分、同じ頃マイケルの暗所治療が始まろうとしていた・・・。

運転中に、自分が如何に苦労してケイトリンに近づいたかを語るラリー
ケイトリンの心にはカイルがいて、この12年間誰も彼女に言い寄る事が出来なかったのだ、と・・・。
マイケルを助けに行く、というカイルに、マイケルに必要なのは医者の助けで、もうすぐ光遮断の治療を受けることになっている、と話すラリー。
そんな治療をさせれば、マイケルは”彼女”に殺される・・・、焦ったカイルは拳銃を向けるが、小心者のラリーは驚きの余り木に衝突し、カイルは車外に放り出されてしまう。
すでに辺りは一面の闇・・・ラリーは、舞い降りた”彼女”に捕らえられ、木から木へと連れ去られる。
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とりあえず、マイケルを優先したカイルは、ラリーの車で病院に急ぐ。
車中から電話で警告したが、当然ながら無視されて、警察に連絡される。
ケイトリンが見守る中、機械はマイケルを闇の中へと移動するが、ギリギリで間に合ったカイルの制止で、治療は中断される。
だが、駆けつけた警察にカイルは逮捕され、「その子を暗闇に連れて行くな、僕を信じてくれ」と言い残して連行される。

監獄に放り込まれたカイルは、警官の軽口に「僕の弁護士は森の中でバラバラになってるだろうさ」と言い、Tooth fairyが母親を殺した、と告白する。5_7.flv_000318985.jpg
馬鹿にした警官は警棒で檻を叩くが、「この街で行方不明になった子供は何人いるんだ?この100年間で」と言われ、少し意表を突かれるが、ついにイカレたか、と吐き捨てる。
今まで、ずっと言われ続けたよ・・・

その時、落雷により街中の灯りが消え、病院ではマイケルが「みんな、殺される」と呟いていた。
僅かな非常灯だけの署内で、警官は異音を調べに行くが、野獣のような息遣いと黒い影に翻弄される。
5_7.flv_000496287.jpg警官が闇から湧き出た怪物に襲われ、ようやくカイルの言葉を信じた署長は、部下に指示を出すが、混乱した警官は怪物の策に嵌り、僅かな非常灯を銃撃してしまう。
何発撃ちこまれても倒れない怪物だったが、監獄から脱出したカイルが懐中電灯をあてることで、やっと撃退に成功する。

一方、病院では、懐中電灯を持ったマイケルがベッドの下に篭っていた。
止めさせようとするケイトリン(信じちゃいねぇ)だったが、病室に異様な気配を感じ、自分もベッドの下へ。
野獣のような咆哮をあげながら襲ってくる怪物から逃れ、病室を飛び出し物置部屋に入り込む姉弟。
6_7.flv_000036953.jpgそこでも追い詰められ、怪物が迫ったとき、横から姉弟を引き出し、発炎筒を投げ込んだのはカイル
だが、勢いでエレベーターに入ったために、当然停止し、襲われて又発炎筒。ちょうど医師がエレベーターの扉を開けたので、怪物が怯んでいる隙に、僅かな隙間から全員逃げ出してセーフ。
しかし、慌てていたので、カバンは置忘れ、非常等が消える前に逃げ出すことに。
患者を誘導しなきゃ、という看護士に向かって「もう、全員死んでる」と断言するカイル。
6_7.flv_000215757.jpg6_7.flv_000217092.jpg
仕方が無いので、医師と看護士2人を加えて、灯りから灯りへと走りぬけ進んでいく。
看護士が一人負傷し、方を貸している間に灯りが消え、カイルを警察に通報した看護士がお持ち帰りされました。
今度は、階段で途中の非常灯が消えているので、医師・カイル・看護士の3人が取り残される。
6_7.flv_000256965.jpg6_7.flv_000294044.jpg的を絞りにくくさせるために一緒に飛ぶんだ!とカイルが提案
予想通り看護士がお持ち帰りされ、今度は医師とカイルがジャンプ。
で、ちょっとしたミスでカイルが置き去りになったので、ケイトリンが走りよります。
そこに闇から湧いた怪物が、ゆら~りと接近してきてニラメッコ。ここは、ケイトリンがカイルを引っ張って、階段下に転げ落ちます。
しかし、ここで非常灯が消えて万事休す・・・。
6_7.flv_000309351.jpg6_7.flv_000326993.jpg
かと思ったら、正面から車が突っ込んできて、ライトに照らされた怪物は逃げ出し、カイルたちは警官のマットの車に乗り込みます。
凄いファインプレーですが、事前に打ち合わせがあったようで、タイミングが良かったのは偶然。
カイルとマットの作戦は、ガソリンを使って、灯台の電力を復旧させる、というもの。
ここで、死ぬために残っていたような医師が「車の中は安全だろ6_7.flv_000370662.jpg
と、死亡フラグを確定させたので、窓の外にお持ち帰りされました。
車外からの猛攻と、壊れた隙間から覗き込む精神攻撃でピンチになりますが、どうにか灯台に到着。

ガソリンを補給し、嫌な声で飛び回ってる怪物をスルーして、屋上の操作盤に辿りつく4人。電源ON!で一瞬だけ点きましたが、途中の供給管が異常らしく、消えてしまいました。
もちろん、ここはカイルとマットで復旧に向かいますが、その前にお約束の「必ず戻ってくるよ」をマイケルに約束します。
頼りないランタンの灯りで螺旋階段を下りながら、「全てはこのクソッタレの歯から始まったんだ」とカイルがボヤきます。
ガソリンがダダ漏れの破損箇所を見つけ、マットが照らしながら、カイルが修理。
余り乗り出すと危ないぞっと思ってたら、やっぱりマットが持っていかれました
カイルも落下し、屋上では怪物の猛攻撃に耐え切れなくなったケイトリンが、マイケルを投げます。
7_7.flv_000140223.jpgついでにケイトリンも落ちてきて、炎の光に沿って3人で移動。
スイッチが瓦礫で埋もれて届かないので、ここはマイケルが頑張ります。
火が消える瞬間、マイケルがスイッチON!で、光に包まれた怪物はボロ雑巾のように四散しました・・・。

無事を確かめ合っていると、やっぱり滅んでいなかった怪物がカイルを宙吊りに。
苦し紛れに怪物の仮面を剥ぎ取りますが、グロ顔と対面して精神的ダメージが増しただけでした(カイルの)。
7_7.flv_000248623.jpg7_7.flv_000276526.jpgしかし、人生を台無しにされたトラウマ相手に、いい加減我慢も限界になっていたカイル。
自分の右腕にを点けると、思い切りブーメランフックを喰らわしました。
何かどこかで見たような必殺技ですが、これが効果覿面で、炎上した怪物は大爆発・・・。


戦い終わって、ある一軒家・・・。7_7.flv_000342175.jpg7_7.flv_000408992.jpg
ビリー君をパパが寝付かせて、枕の下にそっと抜けた歯を隠します。
何やら怪しい影が動き、「歯の妖精?」とビリー君が尋ねると
ママよ
と、にっこり笑顔。
安心して眠りに就いた枕元に、歯の代わりに金貨を置いてくれましたとさ・・・・・・

END


御伽噺をモチーフにしたオカルト談という作品です。
都市伝説をモチーフにした作品は色々とありますが、こういうリアルに嫌な言い伝えは珍しい。
その分、どうしても浮ついてしまいがちなテーマを、闇から襲ってくる復讐の老女に置き換えて、原題版の怪物話にしているのは上手い。
ただ、少し気合が入りすぎたのか、ラストバトルが口説いのと、バーンナックルは無いだろ、という気はしますが。
途中にも、お約束が多すぎて先が読める箇所やかなり強引なご都合主義など、荒削りな面も目立ち問題も多い作品。
展開としても、ただ順番に登場キャラが死ぬだけで、セリフでは「患者は全滅」「みんな、殺される」とあるが、どの程度の規模で惨劇になったかは不明。
また、元は優しい老女だった怪物も、ただ気持ち悪いだけで、特にカタルシスも無く炎上パンチで死ぬなど、普通すぎて面白みは無い。
オカルトを期待すると怖くなく、グロを期待すると肩透かし、モンスター映画としてはギリギリで満足。
同じ闇から襲ってくる系でも、伊丹プロ制作のスウィートホームの方が、古いが怖い。

初の長編映画を監督として任され、予算も手並みを見るために控えめにされていたせいか、特殊技術・俳優共に並レベル。
また、スタッフも決して恵まれた布陣ではなく、全てはここから始まったという感じ。
結果的には、配給会社を大いに満足させた(儲けさせた)ので、次回長編作は「テキサス・チェーンソー・ビギニング」というリメイクに抜擢された。

何と言っても、まだ若い!
これから、これから、の人である。

*歯の妖精・・・抜けた乳歯をコインに変えてくれるという西洋の妖精。歯の抜け替わりは、人間にとって大事なイベントであることから、日本でも下なら屋根に、上なら縁の下(最近は無理な家庭が多いが)にお呪いを唱えて放るという習慣があった。
今作のマチルダ老女は、言い伝えを守りながら、子供に接していた優しいおばあさんだったと思われる。
ちなみに、東西を問わず、言い伝えにネズミが絡んでくるのは、げっ歯類特有の丈夫そうな歯のせいだろう。


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