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B級映画って言うなw 再見して語る映画館
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原題:DEAD AIRf303e33a.jpeg
監督:コービン・バーンセン




これが初監督作となるB級俳優のコービン・バーンセン。
主演は、ホラー映画マニアにコアなファン層を持つ怪優ビル・モーズリー:Bill Moseley。
共演にナイト・オブ・ザ・ザ・リビングデッド~死霊創世記~のパトリシア・トールマンがキャスティング。
ちなみにジャケ絵は、17aa92fd.jpgこっちの方が作品の雰囲気も伝わってナイス!と思う。→

無理に~オブ・ザ・(リビング)デッドにしなくても、充分に見応えがあるのにね。

物語は・・・
『明日の事まで案ずるな、明日は明日自らが案ずれば良い、その日の苦労だけで充分だ・・・マタイ6章34節』(お馴染みの引用OP)

白熱するプロバスケット会場の空調室で、何やら良からぬ事を仕組む男たち。その細工の途中でガスボンベから気体が漏れ出し、マスクの装着が間に合わなかった仲間を射殺して、男達は慌てて逃走する・・・。

毒舌が売りのNo.1DJ、ローガン・ハートバーン(ビル・モーズリー)。今夜も上司をやり込めながら、放送直前にスタジオ入りする。RoD1.mp4_000502468.jpgRoD1.mp4_000523523.jpg
お相手は、ちょっと弱気なギル・ブリックマン。
元妻でプロデューサーのルーシーに、後妻のギャビーを空港に迎えに行き遅れた件を責められながらも、得意の毒舌で平気な顔。
CM明けから5時間の担当番組のテーマは、
パラノイア:偏執症』

最初にギルが、向かいの家のナイフを研ぐ男のパノイア話を披露し、リスナーからの電話に応える。
キャットフードに牛肉を使うのは変だ、猫は牛なんて狩れないのに、という話を笑い飛ばす。
宇宙人の話も盛り上げておいて、あんたはマヌケなTV中毒だとコキ下ろす。
要は、妄想家をネタにして笑い飛ばすだけの悪意に満ちた番組だ。RoD1.mp4_000519652.jpg

イスラム教徒へのパラノイアを決め付けていると、ローガンの妻から電話が掛かってくるが、トークが絶好調なので、後回しにされる。

その頃、冒頭で逃げ出したテロリストの具合が悪くなる。アラビア語で「やつらに殺されるぐらいなら、ここで終らせてくれ」と懇願する。その言葉を聞いて、男の兄が涙を流しながら射殺する・・・。

番組の常連バーノンからの電話が入り、国家ストーカー妄想の彼は、外で物音がするから切ると言う。
次に繋がった電話からは、緊迫した声で「街が攻撃された・・・皆が、おかしくなった」とまくし立てる。番組が番組だけに信用しないローガンは、次のリスナーに移ろうとするが、急に停電になる。RoD1.mp4_001274773.jpg
非常電源が入り、番組は再開するが、電話からは「ローガン、TVを観ろ」「何かが変なんだ」という話ばかり。
さすがに気になったローガンがTVの音量を上げると、緊急警戒報道が流れていた。
CM明けの情報を約束したローガンだったが、何か異常な事態が起こっていることを感じ始めていた・・・。

一方、逃走していたアラブ人の2人組は、注射(抗体血清)をしようとするが、相方は逃走中に落としていた。RoD1.mp4_001342307.jpg

上司のカールからの電話で、他局と連携を取って報道するように言われるが、ローガンはあくまで自分の番組で事態が収拾するまで続けると言い張る。
次に、玄関の施錠は21時に自動でされるが、駐車場は担当者のテッドが行うと聞く。

その頃、テッドは様子を見に外に出ていたが、そこで無数の暴漢に襲われる女性を見て発砲する。しかし、狂ったように迫ってくるRoD2.mp4_000079379.jpg集団に恐れを感じ、駐車場のシャッターを下ろすが、素早い動きで数人の侵入を許し、あっという間に襲われてしまう。

TVで、警官や女性リポーターが犠牲になるのを見たスタジオの4人は、駐車場室に電話をするが、誰も出ない。
ローガンは番組の再開を決めるが、音声係のバートは様子を見て来ると席を立ってしまう。

ローガンのスタジオに潜り込んだ2人のアラブ人は、兄貴分が自分に注射していたが、自分の分を落とした手下には冷徹な態度を取る。
RoD2.mp4_000263162.jpg
ビルの施錠を確認に行ったギルは、そこで死人が甦るのを見る。間一髪で施錠は間に合ったが、押し寄せる無数のゾンビに事態の恐ろしさを感じて顔面蒼白となる。

ローガンの番組には、悲痛な電話が殺到し、悲鳴と共に切れていく。
毒舌が自慢のローガンも、完全に素の人間になり、ありきたりな助言しか出来ない。
そこにギルが戻り、これが単なるテロではなく、異常事態だと叫ぶ。真っ赤な目で暴走する人間たちを目の当たりにして、表現する言葉を失うギル・・・。

事態がよく分っていないバートは、駐車場の警備室で、血の涙を流しながら襲い掛かってくるテッドと遭遇する。格闘の末、スタジオの階までエレベーターで戻り、バートは助かる。
エレベーターを戻してみると、テッドは乗っておらず、仕方が無いので非常ボタンで停止させ、警備員で鍵を持っているのでドアも封鎖する。

一方、テロリストの手下は血清を貰えず、自分で死に方を選べと銃を渡される。

再開した番組のリスナーから、お前は臆病者だと罵られるローガン。
TVでは、政府の緊急発表があり、全米の競技場や会場で爆発があり、何らかの毒物が撒かれたとのこと。
感染者は数万人、国の指示があるまで自宅待機、と簡単な内容。
リスナーからは、「奴らは病気だ、狂犬病の犬と同じだ」と情報が入る。
無意味な事と知りながら、国が提示した被害地域を読み上げ、妻の安否を心配するローガン。RoD2.mp4_001308473.jpg
リスナーからの電話で、妻子のいる自宅のブルック南にも感染者が現れたと聞き、焦りを顕わにする。
駐車場から車は出られないし、徒歩でたどり着けるわけも無い。
その時、相方のギルが自分のバイクで行く、と言い出す。ローガンはそんなことは頼めないと言うが、ギルは自分が行きたいからさ、と冗談めかす。ギルの友情に感謝するローガン・・・。
ギルは無線インカムを装着し、ローガンと連絡を取り合える状態にして、エレベーターで階下に向かう。
見送りに着いていったバートが、咳き込むのが実に不安だ。RoD2.mp4_001522487.jpg
ちょこちょこと停電する中、やっぱり発症したバートがギルに襲い掛かる。
どうも知性が飛ぶようで、ひたすら掴みかかってくるバートと押し合っている内に、折れたモップで串刺しにしてしまう。

もう、家族の事しか頭に無いローガンは、ひたすらギルが家族の元に辿り付けるように話しかける。
エレベーターを非常停止に戻しに行ったルーシーは、10階で停止したのを不審に感じる。到着したエレベーターの影からテロリストが現れ、ルーシーに銃を突きつける・・・。

一方、復活したバートは、執拗にギルを追いかけてくる。モトクロスバイクのテクで何とか振り切り、駐車場のシャッターが開いていることをローガンに伝える。RoD3.mp4_000250049.jpgRoD3.mp4_000316549.jpg
ヘルメットにレーシングスーツという出で立ちのギルは、簡単には傷を負わないが、街には大量の感染者が走り回っていた。
踊り喰い会場と化した路線バスや、追いすがる感染者の群れを何とか抜けていくギル・・・。

感染者との接触でギルとの通信が途切れたので、ローガンはリスナーの常連バーノンと話す。RoD3.mp4_000421687.jpg国家に狙われていると信じているバーノンは、これもCIAやFBIの仕業だと語る。
TVでは、生中継のニュース放送に感染者が襲い掛かり、女キャスターが死んだ。
バーノンは、次第に咳き込み始め、苦しい息の中から「この放送は最高だ・・・さすがはNo.1だ・・・」と言う。
目の痛みを訴え、血が出てきたとバーノンが言っていると、TVでは死亡したはずの女キャスターが血の涙を流して起き上がった。
RoD3.mp4_000573072.jpg
そこにルーシーに銃を突きつけたテロリストが現れ、100万人のリスナーに向けて、連邦緊急事態管理庁から一刻も早く街を出るようにと通達があったと言えと脅す。
そんなことをすれば、街を徘徊する感染者に襲われるのは明らかだ。
スイッチを切って「核爆弾がダウンタウンに仕掛けられている・・・」と言いかけたが、テロリストに見抜かれ更に脅しを掛けられる。
テロリストは、これがイスラム教徒の犯行だ、と付け加えろと言う。
仕方なくローガンは、核爆弾とイスラム教徒、と話し始めるが、もっと嫌悪感を込めろと脅される。
9.11テロを引き合いに出し、更に中東が起こしてきた反アメリカの行為を非難し、イスラム教徒を批判し続けるローガン・・・。
名調子に満足したテロリストは、怒りと憎しみ、議論をする前に火種を起こす、それが政治だ、と言う。
RoD3.mp4_000879678.jpgRoD3.mp4_000898464.jpg
そこに妻のギャビーから電話が入り、イスラム教徒を非難するローガンの言葉が、本当では無いと言う。妻はアラブ系で、娘のディーディーも混血だった・・・。真実を言えないローガンは、困惑するが、その時ギャビーの家の窓辺にギルが立っていた。
玄関でギルを迎え入れる娘のディーディー。しかし、ギルの両目からは血の涙が流れていた・・・。

計画の成功で浮かれているのか、テロリストは喋り始めた。
今回のウイルスが、クアンティコの研究所で作られ、それを指示したのは国防総省だという。
戦火が続く中東で、高度なウイルス製造など出来るはずがない。
原因は、文明国が生み出した新たな災厄だったのだ・・・。
混乱が過ぎ去った後の憎しみの対象は、ウイルスを作ったアメリカ自身に向けられる。

停電の隙を突いてテロリストに飛び掛ったローガンだったが、反撃は成らずに注射器を壊したことで怒りに火を注いだだけだった。RoD3.mp4_001209708.jpg
ルーシーはローガンの助命のために、経理課長が糖尿病なので注射器は机の中にあるはず、と言う。すでに感染しているテロリストは、階段を使いローガンに取ってくる様に命じる。
発症の兆候が起こりながら、テロリストはジャーナリストとしてのルーシーに疑問をぶつけ、アメリカの正義を否定する。
ウイルスは世界中に蔓延するようなものではなく、7時間後には感染者を死亡させるという。
街一つを壊滅するのが目的で、それはイスラム圏に向けて作られたものだ、とテロリストは笑う。
市民を襲ったのは、国民は国を映す鏡だから、つまり同罪だと語る・・・。
RoD3.mp4_001369101.jpg
注射器とペーパーナイフを入手したローガンは、そこで同僚のマギーと遭遇する。簡単に事情を説明していると、そこにテッドが登場。
ローガンを殴り飛ばし、マギーに重症を負わせる。
背後からテッドを刺し、PCのモニターで頭を潰したローガンだったが、すぐに発症したマギーに襲われる。
慌てて階段に行くと、そこには感染者がいた。
階段での鬼ごっこは、テロリストが感染者の頭部を撃ち終了。
RoD3.mp4_001481046.jpgRoD3.mp4_001544809.jpg
注射器を手に入れたテロリストは、ローガンとルーシーに銃を向ける。
ここで、堪忍袋の緒が切れたローガン。
得意の喋りで、テロリストを徹底的に糾弾する。
「お前は人を殺したいだけだ!それで強くなった気になっている哀れな男だ!!」
テロリストが引き金を引こうとした瞬間、発症したマギーが雄叫びをあげて喰らいつき、獣のようにテロリストを蹂躙した・・・。
RoD4.mp4_000065298.jpgRoD4.mp4_000142575.jpg
先ほどの騒動で足に怪我をしたローガンは、抗体血清で生き延びていた。

悪夢のような夜が明け、感染者は死に絶えた。
ローガンはリスナーに感謝の言葉を贈ると、屋上に到着したWHO(世界保健機関)のヘリにルーシーを乗せ、自分は街に残った。
テロリストの話では、彼もクアンティコの研究所でウイルスの製造に携わった内の一人だった。つまり、彼の話は真実だったのだ・・・。
ローガンは、ルーシーとWHOが解決策を見つけてくれることを祈り、彼女を見送った。
RoD4.mp4_000363796.jpgRoD4.mp4_000422655.jpg
そして、誰よりも愛する家族の元にローガンは行く。
薄暗い自宅の中を銃を手に進む。
子供部屋、寝室、倒れたギルの死体・・・。
クローゼットの奥で妻子と再会したローガンは、庭で二人を抱きしめる。

「闇に向かう我々のエナジーを光へと向けられる日まで・・・神のご加護を・・・」

そして、抱きしめる妻の首には、傷痕が・・・・・・END


この作品、感染系ゾンビ映画ですが、ゴアシーンは少なめ。
ほとんどスタジオ内のセットから移動しないので、蔓延する感染者の恐怖も圧迫感もありません。
ギルがバイクでローガン家に向かう途中で、バスでの踊り喰いや集団で向かってくるシーンはありますが、それほどインパクトのある絵でも無い。RoD3.mp4_001475040.jpg
この、眉間から貫通した銃弾を感染者が抜き取るシーンぐらいですかね、斬新かもと思ったのは。→
基本設定として、ゾンビでは無く狂犬病ウイルス改ですから、凶暴化して暴れる程度で、知性が無く反応も鈍いわけです。
一度目標を定めれば、狂人のパワーは発揮しますが、元の素体によるので手に負えないほど強くも無い。
ゾンビ危険度としてはLv3ぐらいでしょうか(何の基準だよ)

主人公がDJということで、リスナーとのやり取りがメインかと思ってましたが、それは余り重要では無く。
得意の毒舌も事態が発覚してからは影を潜め、すっかり普通の男になってしまいました。
TVやリスナーとのやり取りは、ただ単に事態が進行してるよ、という安上がりな手法に過ぎず、せっかくの設定の持ち味を発揮しないまま、話はテロリストの社会批判に移ります。
これも、別に目新しいテーマで無いばかりか、9.11被害者やイスラム教徒を敵に回した割には、余り胸に響かないメッセージで御座いました。

映像や音楽の質は良く、特殊技術も水準に達していますが、何といってもゴアシーンが少ない。
メッセージはいいから、ゴアでサービスしてくれ、と思ったのは私だけじゃないでしょう。
この点、ロメロ翁はゴアとメッセージを両立できる人なので、改めてゾンビマイスターとして尊敬の念を強めました。

最後に、このウイルスは感染してから死滅するまでの時間とか、どうなってんのかね?と思ってしまったので、ラストも今ひとつ盛り上がらない感じ。
主人公が抗体血清を射ったのは分るけど、奥様はいつガォーッとなられるんでしょうね。
発症してから7時間だと、最大で14時間のズレが生じるし、抗体血清があっても時間稼ぎだけで、根治するにはルーシーとWHOの努力に期待するしかない、という意味ですかね。
ちょっと設定が甘い。

ゾンビぞろぞろビル・モーズリーの怪演を期待すると肩透かしを喰います。
ホラーマニアには、お馴染みの俳優が出ているのと、作品としての質は悪くないので、好きな人は見逃したら損です。
~オブ・ザ・デッドで、散々忍耐を強いられている私のような人間は、これでも充分な出来だと感じてしまいました。
はい、ハードル下がってます。

*パラノイア:偏執症・・・統合失調症に類似した症状。集団(国家)ストーカーやTVやラジオなど電波が出ているものに監視されている、などという妄想に取り付かれる。一つの妄想に執着しすぎるのも、パラノイアと言われる。脅迫症と近い面もあるが、簡単に病気として分類する風潮には、注意しなければいけない。
人の心の病ほど難しいものは無い。


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